共産主義者同盟(統一委員会)


1442号(2014年7月20日) 政治主張






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  日米ガイドライン改定粉砕! 戦争立法粉砕!

  安倍政権打倒の全人民闘争を

  辺野古に杭を打たせるな

  8・6広島青空式典に結集を


 
  ●1章 集団的自衛権「合憲」閣議決定を弾劾する!

 安倍政権は七月一日、集団的自衛権の行使を認める閣議決定を強行した。徹底して弾劾する。安倍政権は、歴代政権が踏襲してきた集団的自衛権行使を認めないという憲法解釈を踏みにじり、現憲法のもとで集団的自衛権行使は可能であるとした。これは、集団的自衛権の「合憲」化にほかならない。それは、根本的な憲法否定である。しかも、これを閣議決定のみで強行するという暴挙を行った。
 集団的自衛権行使のための「三要件」なるものが、あたかも、武力行使を制限するものであるかの如くに宣伝されている。「限定的な行使」のための条件をつけさせたなどと吹聴する公明党は犯罪的である。「三要件」とは、①「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し」た時、②「他に適切な手段がない」場合、③「必要最小限の実力行使」を行うというものである。これが、憲法九条のもとで可能だというのである。「限定的」とか「制限がかかった」など、まったくのごまかしにほかならない。要は、米国や韓国、あるいはEU諸国などとともに、共同の軍事行動に踏み出すということであり、実際は、軍事行動への参加をはてしなくエスカレートさせていくものだ。
 安倍政権は、個別的自衛権を容認した一九七二年の政府見解(田中内閣)が集団的自衛権行使を否定するものであったにも関わらず、これに依拠して、結論は全く逆に集団的自衛権行使を容認する根拠へとねじまげた。盗人猛々しいとはまさにこのことである。さらに、安倍政権は、国連による集団安全保障での武力行使への参加も容認する方向を明確にしている。政府が、集団的自衛権行使「合憲」化を国会で説明するために準備している「政府問答集」では、集団安全保障での武力容認を明確に打ち出しているのである。
 集団的自衛権「合憲」化は、これまでとは比べようがないほどの戦争国家化への大きな跳躍となる。集団的自衛権を行使するということは、自衛隊が、米軍を始めとした他国の軍隊とともに、世界中へ軍事出動していくということである。自衛隊は、他国の人民を殺戮し、かつ、自衛隊員も戦闘で死ぬことがいよいよ現実となっていくのである。集団的自衛権「合憲」化の閣議決定を受けて、今秋国会で、政府は、自衛隊法や周辺事態法をはじめとする関連法の改悪に踏み込んでくる。また、集団的自衛権「合憲」化閣議決定の上に、いわゆる「グレーゾーン」への対応を含めた日米ガイドラインの改定を策動している。ここでは、領土問題などをめぐって、「離島上陸」を想定した日米共同軍事行動の策定などが目論まれている。集団的自衛権「合憲」化閣議決定を弾劾し、関連法改悪策動を阻止する全人民的闘争を準備しよう。国会包囲の大闘争を準備しよう。

  ●2章 安倍政権の戦争国家化と総対決する闘いの前進を

 安倍は、「戦後レジームからの脱却」を掲げてきた。いま、第二次安倍政権のもとで、戦後史を画する大転換が推し進められている。戦争国家化への本格的突入である。安倍政権は昨年、国家安全保障会議を創設し、国家安全保障戦略を確定した。また、広範な反対世論を無視し、特定秘密保護法を制定した。さらに、武器輸出三原則の撤廃と武器輸出のための「防衛装備移転三原則」の閣議決定(四月)も強行している。そして、集団的自衛権「合憲」化閣議決定を強行し、これによって、今秋には、周辺事態法、自衛隊法などの関連法の改悪、日米ガイドラインの改定へと向かおうとしている。さらに、これまで他国軍への支援を禁じてきたODA(政府途上国援助)供与の条件を転換し、他国軍へのODA供与を可能とすることを狙っている。
 これら安倍政権の戦争策動と一体に、日米安保の再編強化、基地強化・新設が進められている。辺野古新基地建設、高江ヘリパッド建設、岩国基地大強化、京丹後米軍レーダー基地建設、オスプレイ低空飛行訓練の全国での常態化、などである。辺野古新基地建設をめぐっては、名護市長選で示された新基地建設を拒否する名護市民の声を無視し、今夏にもボーリング調査を開始しようとしている。七月一日、安倍政権は辺野古沿岸における「臨時制限区域」の閣議決定を強行した。これはボーリング調査阻止闘争を徹底的に弾圧し、排除しようとする攻撃にほかならない。
 岩国基地大強化も進んでいる。二〇一七年を目標に、空母艦載機五十九機の岩国移駐、F35配備、愛宕山米軍住宅建設が策動されている。五月には、愛宕山米軍住宅造成着工に踏み込んだ。空中給油機部隊の岩国移駐も今夏から開始されようとしている。また、岩国基地は、すでに、オスプレイ低空飛行訓練基地として機能させられている。岩国基地は、極東最大の海兵隊基地へと変貌させられようとしている。
 京丹後米軍レーダー基地建設も、五月着工に踏み込んだ。十月にはレーダー搬入、十二月には運用開始が目論まれているのだ。
 集団的自衛権行使への踏み込みと日米安保再編強化、基地強化・新設は一体である。集団的自衛権「合憲」化、関連法改悪、日米ガイドライン改定、日米安保再編強化、基地強化・新設を一つのものとして全国でたたかわなければならない。
 加えて、安倍政権のもとで、労働者民衆を排外主義と戦争動員へと組織しようとする攻撃がかつてなく強まっている。第一次安倍内閣時代に改悪された教育基本法は、愛国心教育を強化するものであった。橋下らによる大阪での知事、市長による教育への支配強化と連動して、教育への国家支配が強められようとしている。また、領土問題での排外主義扇動はかつてなく激化し、「離島上陸」を想定した日米共同軍事行動が計画されていこうとしている。
 安倍政権は、河野談話の作成過程を検証するなどと、あたかも、河野談話が韓国側の強制で作成されたかの如くに描き出してみせた。安倍政権は、本音では、河野談話や村山談話を否定したがっている。しかし、アジア諸国地域をはじめとする国際的非難の激しさの前に、河野談話を継承すると言いつつ、一方で、河野談話が韓国側の圧力と強制で作られたかの如くにことさらに描き出して敵対しているのである。日本軍「慰安婦」制度問題について、性奴隷制そのものが問題であったにも関わらず、安倍や橋下は強制があったか否かの問題にのみ切り縮め、強制性を否定することに躍起となってきた。こうした安倍らの態度は、そもそも、アジア侵略戦争をまるごと肯定し、新たな戦争国家へ転換していこうとする策動と不可分なのである。靖国公式参拝の強行など、安倍政権は、戦争へと人民を動員するための策動を全領域で強めている。
 安倍政権の戦争国家化と総対決することが要求されている。安倍政権を打倒する全人民政治闘争を作り出すことにすべての力を集中させよう。安倍政権打倒は、原発問題をめぐっても喫緊の課題である。安倍政権は、反原発の広範な世論とたたかいに真っ向から挑戦し、川内原発を手始めに全国の原発再稼動を狙っている。反戦、反基地、反原発、戦争国家化と総対決するたたかいを前進させよう。

  ●3章 今夏闘争を闘いぬき安倍政権打倒へ進撃を

 第一に、集団的自衛権「合憲」化閣議決定を弾劾し、集団的自衛権行使のための法改悪を許さず、たたかいを発展させることである。
 集団的自衛権「合憲」化を閣議決定した安倍政権は、これに基づいて、自衛隊法改悪や周辺事態法改悪など、関連諸法律の改悪ないしは新法制定を、秋の国会で強行しようとしている。また、本年中に、日米ガイドラインの改定を策動している。集団的自衛権行使にむけた一連の法改悪を許さないたたかいこそ次の焦点である。今夏から今秋、安倍政権は、閣議決定を受けて、集団的自衛権行使のための一連の法改悪案を打ち出してくる。絶対に許してはならない。特定秘密保護法の撤廃を含め、集団的自衛権行使のための一連の法改悪を阻止する全人民的闘争を準備しよう。今夏から今秋、集団的自衛権行使のための法改悪を粉砕するためにたたかおう。首相官邸包囲、国会包囲の大闘争を! 安倍政権の戦争国家化と総対決する全人民政治闘争を総力で組織していこう。
 第二に、集団的自衛権行使に反対するたたかいと結合し、全国の反基地闘争を進めることである。そして、八月二十一日、岩国国際DAYに、各地で岩国基地強化に反対して立ち上がることである。
 集団的自衛権の行使容認と連動して、日米軍事同盟の強化が急速に進んでいる。しかも、本年中には日米ガイドラインを改定しようとしている。日米の共同軍事行動を飛躍的に強化しようというのである。集団的自衛権行使、日米安保の実体的根拠である軍事基地に対するたたかいの位置はますます高まっている。辺野古新基地建設阻止、日帝―国家権力の弾圧をうちやぶって今夏ボーリング調査開始を阻止しよう。岩国基地大強化阻止、愛宕山米軍住宅造成工事の即時中止をたたかおう。空中給油機部隊岩国移駐阻止。京丹後米軍レーダー基地建設工事の即時中止をたたかおう。
 AWCは、五月に韓国で開催された国際会議で、米軍住宅建設に反対し愛宕山見守りの集いが開始された八月二十一日を岩国国際DAYとし、アジア太平洋各国地域で、岩国基地問題を訴えるさまざまな取り組みを起こすことを決定した。各地で、岩国基地強化反対の声を上げよう。そして、アジア共同行動日本連絡会議と14岩国・労働者反戦交流集会実行委員会らが呼びかける今秋岩国反基地国際シンポジウムを支持し支援していこう。
 第三に、反原発闘争を、再稼動をめぐる「決戦」としてたたかうことにある。川内原発再稼働阻止にむけて全国でたたかいを強化しよう。川内原発再稼動に対しては、現地闘争を全国政治闘争、実力闘争としてたたきつけよう。福島第一原発は、いまだに放射能汚染水を垂れ流し収拾がとれないままである。にもかかわらず、すでに、十二原発が再稼動申請を出している。安倍政権は、川内原発の再稼動を皮切りに、全国で再稼動ラッシュへと踏み込み、反原発闘争を解体することを狙っている。絶対に許してはならない。反原発闘争と反基地闘争を結合し、今夏、より一層たたかいを強化していこう。
 第四に、八月広島闘争を国際共同闘争としてたたかおう。8・6広島闘争は、日韓共同闘争、日韓同時行動として取り組まれる。反核反原発の国際共同闘争の一環として、8・6広島闘争をたたかおう。反戦反基地反核闘争として、被爆者・被曝者解放闘争として決起しよう。ここ数年、八月六日に、在特会が、原爆ドーム前と平和公園内に「日本の核武装」を掲げて登場している。絶対に許すな。在特会らによる、原爆ドーム前での差別排外主義扇動と蹂躙を許さずたたかおう。
 第五に、安倍および安倍政権閣僚、国会議員らによる靖国参拝を許さず決起しよう。靖国参拝は、戦争国家化の重要な環である。集団的自衛権行使によって、自衛隊員も戦闘で死ぬことが強制される。現代の「英霊」を作り出すことが不可欠となっていくのである。安倍および安倍政権の閣僚たち、さらに、自民党や日本維新の会、次世代の党、民主党の一部の国会議員たちは、アジアへの敵対と挑発をはっきり意図した上で、これでもかこれでもかと靖国参拝を繰り返していくつもりなのである。アジア人民と連帯し、靖国参拝を粉砕しよう。
 第六に、AWCのたたかいを支持支援し、国際共同闘争を推進していくことである。
 アジア共同行動日本連絡会議は、五月に韓国でAWC国際会議を開催し、反資本主義・反帝国主義闘争を国際共同闘争としてたたかうことを討議した。国際会議では、「歴史を歪曲し、アジア民衆に敵対する安倍首相を弾劾する」国際決議が採択された。六月には、首都圏、名古屋、京都、神戸、福山、九州で、韓国の左派労働者会やアルバイト労組の仲間などを招いたアジア共同行動各地集会(および共闘団体の独自集会)が開催された。続いて、アジア共同行動日本連絡会議は、七月には、クンサン米軍基地反対運動と岩国基地反対運動の交流のための訪韓団を送り出し、八月三十日、三十一日には、岩国で夏期反戦合宿の開催を計画し呼びかけている。また、八月六日、被爆二世の会が中心となって呼びかけている広島闘争に日韓共同闘争として結集することや、八月十五日前後には、アジア民衆に連帯し、靖国参拝を阻止するたたかいを呼びかけている。さらに、今秋十一月二十九日、三十日に予定する岩国での反基地国際シンポジウム開催への参加を呼びかけている。国際共同闘争の実体をもってたたかうAWCを支持し、こうした呼びかけに応え結集していこう。
 最後に、今秋期、安倍政権を打倒する左派結集の中央政治闘争を組織していくことである。集団的自衛権「合憲」化の閣議決定をうけて、今秋国会では、関連法の改悪攻撃という局面を迎える。戦後史を画する戦争国家化への転換に突き進む安倍政権を打倒する全人民政治闘争の内部に、反資本主義反帝国主義勢力としての左派の登場を断固として推し進めていこう。今秋、左派勢力の共同した安倍政権打倒の中央政治闘争への決起を実現すべく、ともにたたかおう。


 

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