共産主義者同盟(統一委員会)


1461号(2015年6月5日) 政治主張






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  戦争国家化をうち砕け! 安倍政権打倒!

 6・21全国総決起を

 沖縄人民の島ぐるみ決起をうけ

 辺野古新基地建設阻止!
               


 


 五月十一日、安倍右翼反動政権は、集団的自衛権行使容認、地球規模で米軍を支援する重要影響事態安全確保法案、国際平和支援法案などを柱とする戦争法制に関する協議で最終合意した。十四日午後に臨時閣議を開いてこれを決定し、十五日に国会に提出した。
 これに先立つ四月二十七日、ニューヨークにおいて、日米両政府は外務・防衛閣僚会合(2+2)を開き、日米防衛協力の指針(日米ガイドライン)の再改定で合意した。同時に共同文書において、辺野古新基地建設を「唯一の解決策」だと明言した。
 情勢は、安倍右翼反動政権が強行する戦争国家化を許すのか否かの画歴史的な局面へと突入した。
 日本労働者階級人民は、今こそ戦争法案成立阻止―安倍右翼反動政権打倒をかかげ、巨万の結集をもって国会を包囲する大衆的直接行動へと起ちあがっていかなければならない。
 戦争法案成立絶対阻止、辺野古決戦勝利、原発再稼動阻止の三大決戦に立ち上がろう。反帝国際主義の旗の下、ゼネストに決起する韓国労働者階級と連帯し、アジア共同行動日本連のよびかける六月各地集会に全国で決起しよう。
 「安倍たおせ! 反戦実」のよびかける6・21集会・デモに全国から結集し、大衆的で戦闘的な左派潮流の総結集で、安倍右翼反動政権を打ちたおせ!
 五月十二日、欠陥機オスプレイ十機の米軍横田基地への配備が、地元住民への説明が何一つ行われないまま決定された。その直後の十七日には、ハワイ・オアフ島でオスプレイが着陸に失敗して墜落・炎上し、搭乗員が死傷する事故が発生した。改めて、オスプレイの危険性が露呈した。徹底的に弾劾しなければならない。沖縄―「本土」貫いて米軍再編=基地機能強化を阻止しよう。

  ●第1章 戦争法案閣議決定―国会提出弾劾!

 ▼1章―1節 戦争法案成立を絶対に阻止せよ


 安倍右翼反動政権は五月十四日、戦争法案を閣議決定し、十五日に国会提出した。われわれは、戦後体制を根底的に転換させるこの暴挙を弾劾し、法案成立阻止に全力で決起することを、日本労働者階級人民に呼びかける。
 安倍政権の提出した戦争法案は、大きく分けて二つだ。一つには、昨年7・1閣議決定を受けて、集団的自衛権の行使容認を含む、武力攻撃事態法案など計十法案を一括し、「平和安全法整備法案」として提出したもの。いまひとつは、他国軍隊支援のため、自衛隊を随時派兵可能とする新法「国際平和支援法案」(恒久法)だ。
 提出された戦争法案の特徴は第一に、自衛隊と米軍がとともに世界のあらゆる場所で共同作戦を行なうことを可能にさせようとするものだ。
 二〇〇三年に制定された武力攻撃事態法では、日本が直接攻撃された場合の武器使用は個別的自衛権の範囲であり、憲法九条に違反しないとしていたが、安倍政権は昨年七月一日の閣議決定において、この武力攻撃事態法に集団的自衛権の行使を追加した。
 改悪案では「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」を「存立危機事態」と定義し、「国民を守るために他に適当な手段がない」場合に、「武力の行使は、事態に応じ合理的に必要と判断される限度において」可能にしようとしている(以上「武力行使の新三要件」)。
 しかし「存立危機事態」でいう「明白な危険」の定義は、いくらでも時々の政権の都合によって拡大解釈が可能な、極めて曖昧な定義である。
 安倍は具体例として、中東・ペルシャ湾での機雷掃海や、邦人を乗せたアメリカ軍艦船の防護、米本土に向かう弾道ミサイルの迎撃などを挙げている。
 安倍は、中東・ホルムズ海峡が機雷により海上封鎖され、原油輸入が途絶えれば、日本が攻撃をうけたのと同様に電力不足などの深刻なエネルギー危機に陥るから、停戦前に集団的自衛権を行使し、掃海(機雷除去)をする可能性があると国会で答弁している。
 つまり安倍は直接的攻撃がなく、経済的要因による危機の場合でも、集団的自衛権行使=自衛隊の出兵が可能であると主張しているのだ。
 これでは事実上政府が、いかようにでも「明白な危険」の拡大解釈ができることになってしまう。もはや何の歯止めも存在しない。
 歴史的にも帝国主義諸国の侵略反革命戦争発動(ベトナム戦争など)や、旧ソ連スターリン主義国の他国への軍事介入(「ハンガリー動乱」など)には、「集団的自衛権」が口実として使われてきた。その多くが、時々の政府・権力者によって拡大解釈、あるいは捏造されてきたのである。
 さらにいえば、国際法において、停戦前の機雷掃海は、敷設(ふせつ)した国への武力行使に当たる。安倍はあたかも掃海を戦闘行為とは区別された「後方支援」であるかのように主張しているが、まったくのデタラメである。機雷掃海は明確に参戦を意味しているのだ。
 第二に周辺事態法を「重要影響事態法案」として改悪しようとしていることである。周辺事態法では、主に朝鮮戦争を想定し、米軍への兵員、物品輸送などの後方支援を自衛隊の任務としていたのであるが、重要影響事態法案では、「日本の周辺」という地理的概念そのものを削除している。
 つまり政府の判断によって、地球上のあらゆる地域への自衛隊出兵が可能になるということだ。
 これは日米安保条約において「フィリピン以北並びに日本及びその周辺地域」と規定してきた極東の範囲=活動範囲の撤廃を意味している。提出された戦争法案は、現行の日米安保条約の枠組みをも乗り越えてしまっているのである。
 安倍右翼反動政権は、この戦争法制によって、敗戦帝国主義としての制約を突破し、自衛隊を帝国主義列強の軍隊(外征軍)へと改編しようとしている。米帝主導の世界再編に、日帝みずからが積極的に参与しようとしているのだ。
 第三に、「平時からの協力措置」の内容を拡大して、いわゆる「グレーゾーン事態」という、本来は軍事行動をとるべきではない事態に対してさえも、自衛隊が軍事行動をとる法的根拠をつくりだすものだ。
 これらは、自衛隊法の改悪などとして提出されている。例えば、外国での「テロ発生」の際に、自衛隊を派兵して邦人保護活動をさせる。敵に対しては武器による反撃も認めようとしている。
 さらに、船舶検査法を改悪し、自衛隊が日本周辺以外でも、外国船舶の検査(臨検)を可能にせんとしているのだ。また、平時においても、日本で活動する米軍や他国軍の武器などを自衛隊が防衛できるようにしているのだ。
 第四に、日帝政府はこれまで、期限付きの特別措置法をその都度制定し、「後方支援」に限定して自衛隊を海外派兵してきた。
 例えば、二〇〇一年9・11アメリカ同時多発攻撃後のアフガニスタン侵略戦争に対して、日帝はテロ対策特別措置法を制定して自衛隊をインド洋へと派兵し、補給などの戦争協力を強行した。このような「後方支援活動」を新たに「国際平和対処事態」と定義したうえで、迅速に派兵するための恒久法としようとしているのだ。
 また、これまで自衛隊の活動範囲を「現に戦闘行為が行なわれておらず、活動の期間を通じて戦闘行為が行われることが無い」=「非戦闘地域」に限定していたのだが、新法においては「現に戦闘行為を行っている現場以外」であれば他国軍への支援活動が可能として、活動範囲を飛躍的に拡大している。
 戦闘行為を行っている現場が刻々変化するなどは当然のことであり、自衛隊が武器を持ち、他国人民を殺害していく事態が現実のものになろうとしているのだ。
 第五に、PKO法を改悪し、自衛隊に巡回や検問などの治安維持活動をさせようとしている。また、そのための武器使用も解禁しようとしている。
 さらには、「国連が統括しない人道復興支援活動や安全確保活動等の国際的な平和協力活動」をも、自衛隊の新たな活動対象としている。これはNATOや有志連合の治安維持活動にまで参加が可能になるということだ。
 米軍は、治安維持の名目で、イラクやアフガニスタンで人民虐殺を強行しつづけているが、これと同様のことを自衛隊が行う道を開こうとしているのだ。
 安倍は、十四日の夕方、記者会見において「極めて限定的に、集団的自衛権を行使できることとした」などと述べ、「『戦争法案』などといった無責任なレッテル貼りは誤り」であり、「積極的平和主義の旗を高く掲げ、世界の平和と安定にこれまで以上に貢献していく」などと言っている。そして、「米軍の戦争に巻き込まれることは絶対に無い」と断言しているが、ウソとペテンに満ちている。
 さらに、公明党は「国会事前承認」が条文に入ったことを「成果」のように誇るが、これはあくまで「原則」であり、現実には参戦を強行した後の事後承認が可能な抜け道が作られているのであり、何ら歯止めにならないのである。
 「存立危機事態」がいうところの「明白な危機」などは、いくらでも拡大解釈することが可能な規定である。しかも世界のあらゆる地域へと無制限の派兵が可能とされているのだ。
 前出の安倍の発言は、「米軍の戦争に巻き込まれる」のでなく、「積極的平和主義」をかかげ、米軍の肩代わりを日帝が進んで行う=積極的に侵略戦争に参戦するという意味だと解釈すべきであろう。

 ▼1章―2節 クーデター的に改憲進める安倍

 安倍政権のクーデター的手法による戦争法案強行成立策動を絶対に許してはならない。安倍とその閣僚どもは、国会への法案提出以前の四月二十六日に訪米し、「2+2」という、四人の閣僚の判断のみで、憲法九条を否定し、日米軍事同盟を根本的に変化させる日米ガイドライン改定に合意しているのである。
 そればかりではない。安倍は米上下院での合同議会演説では、その時点で提出されていない安保法制を、「夏までに成立させる」とまで宣言している。
 そもそも日米ガイドラインは条約や法律などではない。法的な根拠など何も存在してはいないのだ。
 安倍政権は、憲法九条を否定する戦争法案を無理やり押し通した上で、二〇一六年にも、安倍晋三の悲願である憲法改悪へと突き進もうとしているのだ。
 国会での議論や人民の反対の声などを一切聞くことなく、議会での数の力を頼りに既成事実を積み重ね、一挙に改憲にまで突き進もうというのが、安倍政権の一貫した反人民的態度である。
 これまでも、特定秘密保護法強行制定、辺野古新基地建設、原発再稼働攻撃など、人民の反対の声を一切無視して強行してきている。
 反対の声は雑音とばかりに一切聞かず、上から目線で問答無用に、「粛々と」戦争法制や改憲に進まんとする安倍政権に対する、労働者民衆の怒りが沸き起こってきている。
 しかしこれに対して既成野党は、集票運動での議席獲得を主張するのみであり、まったく対抗軸とはなりえていない。
 このような情勢下で、人民の大衆的直接行動こそが、勝利の展望を切りひらいている。陸上・海上での実力抵抗闘争を先端攻防にした辺野古決戦が、沖縄人民の「島ぐるみ」決起として闘いぬかれ、その闘いが、「本土」労働者階級の新たな決起を生み出しているのである。
 われわれは、今こそ議会主義者による制動を突破し、大衆の直接行動を決定的に重視した、左派の総結集を推進し、戦争国家化―改憲に突き進む安倍政権打倒を労働者階級人民に呼びかけていかなければならない。

 ●第2章 国会を包囲する全人民闘争を

 五月十四日の戦争法案提出の臨時閣議決定以降、戦争法案に反対するあらゆる勢力が国会前に結集してきている。十四日には、早朝八時より五百名の労働者・学生・市民が首相官邸前に結集し、閣議決定弾劾の声を上げた。
 特定秘密保護法反対闘争や、昨年7・1集団的自衛権の行使容認への抗議行動など、大衆の直接行動への決起は、確実に拡大してきており、またそれは一過性のものでなく、継続していることが特徴といえる。
 われわれは、これらの拡大する大衆的直接的抗議行動を、「秩序派」=日本共産党のように集票運動へ収斂させるのではなく、安倍政権打倒の全人民的政治闘争としてたたかいぬいていかなければならない。
 安倍政権打倒を公然とかかげ、国家権力=警察・機動隊の弾圧と対峙しつつ、人民大衆の怒りに形を与え、解き放つたたかいこそが、この決戦期において今もっとも必要とされているのだ。
 過半数の人民が戦争法制に反対し、国会前を労働者民衆が反対の声で埋め尽くそうとも、一切無視し、議会での「数の力」を頼りに、警察権力に守られながら強行成立をさせようとする強権的手法こそが、安倍政権の右翼反動的本質に他ならない。
 さまざまな形態で沸きあがる、労働者人民の大衆的で戦闘的な直接行動を断固として支持・擁護する左派勢力の結集を、この決戦過程において構築していこう。
「集団的自衛権法制化阻止・安倍たおせ! 反戦実行委員会(以下、「安倍たおせ! 反戦実」)」は、五月国会での法案成立阻止をかかげた、座り込み闘争を連続的にたたかってきた。われわれも、この呼びかけに応え、その一翼を担ってきた。
 「安倍たおせ! 反戦実」は、六月二十一日、千駄ヶ谷区民会館において、全国総決起集会を開催する。首都へ、国会へ、総結集し、大衆的で戦闘的な左派勢力の形成に向けて奮闘していこう。

 ●第3章 沖縄人民の総決起うけ辺野古決戦勝利へ

 「戦後七十年 止めよう辺野古新基地建設! 5・17沖縄県民大会」は、那覇セルラースタジアムを埋め尽くす三万五千名という空前の結集によってかちとられた。
 出席した翁長知事は、辺野古新基地建設が、普天間返還の「唯一の解決策」という安倍政権に対して「阻止することが唯一の解決策だ」「あらゆる手法を用いて辺野古に新基地は造らせない」と全面的対決の決意を明らかにした。そして発言の締めには、ウチナーグチで「沖縄人を見くびってはいけない」と、声をひときわ大にして訴えたのである。これに対して大会参加者は、圧倒的なスタンディングオベーションで応えていったのである。
 採択された「県民大会決議」では、「私たち県民は自ら基地を提供したことは一度もない。普天間基地も住民が収容所に入れられている間に建設され、その後も銃剣とブルドーザーによる土地の強制接収によって拡張されてきた」と、沖縄人民に強制された差別軍事支配に対する強い怒りが表明された。
 さらには「国際法に違反して造られた米軍普天間基地は閉鎖・撤去こそが『唯一の解決策』である」としている。そして「道理と正義は私たちにあり、辺野古に基地を造ることは不可能」と、新基地建設阻止の沖縄人民の不退転の決意を表明している。
 「オール沖縄」と表現される、沖縄人民の島ぐるみの決起は、いまや巨大な奔流となって、安倍右翼反動政権の戦争国家化に真っ向からたちふさがっている。同時に、これに応える「本土」人民の起ちあがりも拡大してきている。
 われわれは、「本土」労働者階級の責務として、この沖縄人民の辺野古新基地建設阻止のたたかいに応えていかなければならない。「本土」労働者階級の圧倒的決起こそが、安倍政権の辺野古新基地建設=米軍再編攻撃を粉砕する決定的なカギである。
 辺野古現地に全国から結集し、機動隊・海保の暴力的弾圧と対決する実力抵抗闘争にたちあがろう。
 とりわけ、青年・学生の辺野古現地への決起が重要である。辺野古現地へ駆け付け、沖縄人民の、戦争に対する根底的怒りを受けとめ、最先頭で阻止闘争にたちあがっていこうではないか。
 弾圧を恐れず辺野古決戦に総決起しよう!

 ●第4章 安倍打倒掲げAWC運動の成功を

  五月以降連続して闘いぬかれている国会闘争と同時に、全国各地で、戦争法案粉砕―安倍政権打倒の大衆闘争を大規模に創り出していこう。
 戦争法案反対、辺野古決戦勝利、原発再稼働阻止を掲げ、反帝国際連帯運動を全国で推進していこうではないか。
 アジア共同行動(AWC)日本連絡会議は、六月十三日から二十一日にかけて、全国各地で六月アジア共同行動を開催することを明らかにしている。
 この展開には、四月二十四日よりゼネスト決起で、パククネ政権とたたかいぬく、韓国の闘う人士も参加する。労働者階級人民の国際共同行動を発展させよう。
 「戦争する国」への再編を、日韓共同闘争、反帝国際共同闘争として位置づけ闘うアジア共同行動日本連絡会議の呼びかけに応え、六月アジア共同行動全国展開を成功させよう。


 

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