共産主義者同盟(統一委員会)


1475号(2016年2月5日) 政治主張






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  改憲に突き進む安倍政権打倒

  反帝国際共同闘争の前進を

  高浜原発再稼動強行弾劾!

  沖縄に呼応し、2・21国会へ



 一月四日、通常国会が招集された。日帝―安倍政権は、昨年九月戦争法成立を強行し、さらに九条改悪をめざし、七月参院選で改憲派が議席三分の二をとることを狙っている。改憲―侵略戦争国家化を許してはならない。辺野古新基地建設を断念させ、普天間基地を無条件返還させよう。アジア米軍総撤収をかちとろう。アジア共同行動第四回総会を全力で支えよう。学園・職場・街頭で奮闘しよう。

  ●1章 12・28日韓「合意」弾劾 戦争責任追及、戦後補償実現

 日帝―安倍政権と韓国―朴槿恵政権は昨年末十二月二十八日、外相会談を行い、日本軍性奴隷制度に関して「合意」した。この「合意」を徹底弾劾する。被害当事者に一言の相談もなく、頭越しになされたもので、無効である。白紙撤回せよ!
 「合意」の内容は、「慰安婦問題は旧日本軍の関与の下、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題」とし、「日本政府は責任を痛感」「安倍晋三首相はすべての元慰安婦の女性に心からおわびと反省を表明」「日本は韓国が元慰安婦の支援を目的に設立する財団に十億円を拠出し、協力して事業を行なう」「韓国は日本と共に、問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認」「韓国は、在韓日本大使館前の少女像について適切に解決されるよう努力」「両国とも、国際社会で互いの非難・批判を控える」というものだ。
 岸田外相が記者会見で首相の」「おわび」を代読し、その後首相が朴大統領に電話をかけ、「おわび」を述べたという。少女像移転を求めたり、「最終的かつ不可逆的な解決」だと主張することは、まじめに謝罪する者の態度ではない。少女像を移転しなければ十億円を出さないという脅しは、言語道断だ。
 また「合意」と同じ日に安倍晋三の代理として安倍昭恵が靖国参拝を行った。右派の反発を和らげる意図であろうが、戦争犯罪の「謝罪」が欺瞞であることの証左だ。
 一月十四日、日本会議の衆議院議員桜田義孝が、自民党の外交関係合同会議において「職業としての売春婦だった。それを犠牲者だったかのようにしている宣伝工作に惑わされすぎだ」と発言した。夕方には発言を撤回したが、これこそ、安倍が依拠する日本会議の本性だ。
 日本軍「慰安婦」制度の被害者・李容洙ハルモニは「合意をすべて無視する。合意は、被害者ハルモニたちのためにではなかった。日本と韓国政府のすべてを信じられない。あまりにも悔しく、悲しい。どうして日本とグルになって、嘘で私たちに二度、三度、死ねと言うのか。日本の真心の謝罪と法的賠償をかちとるために、最後まで闘う。あの世に行かれたハルモニたちも、恨を解けずに逝かれました」と涙を流した。
 金福童ハルモニは、「代理での謝罪は話にならない。安倍総理が直接出てきて謝罪するのが筋だ。韓国政府も、ハルモニたちを一人一人訪問して説得するのを止めなさい」と声を高めた。
 李玉善ハルモニも、「男は軍人に、女は慰安婦に、韓国の息子・娘をさらっていった日本から、必ず謝罪を受けなければならない。これ以上、被害者の口をふさごうとしてはならない」と警告した。
 年末十二月三十日、ソウルの日本大使館前で行なわれた第千二百十一回目の水曜デモには元「慰安婦」をはじめ、市民千人が結集し、「合意撤回」を叫んでたたかった。学生たちが、少女像移転に反対し、像のそばで座り込みを始めた。梨花女子高の生徒たちは「次世代の主人公である大韓民国の学生として、私たちは、戦争犯罪の認定、真相究明、公式謝罪、法的賠償、戦争犯罪人の処罰、歴史教科書への記載、追悼碑と資料館の建立が実現するよう努力します」と語っている。
 十二月三十一日、学生三十人が、日本大使館の建物内で奇襲デモを行った。プラカードをかかげ「韓日交渉を破棄せよ」とシュプレヒコールをあげ、拘束された。学生は「被害者のハルモニの年齢が八十歳をはるかに超えた状況で、ハルモニたちの代わりに、大学生が慰安婦問題の解決のために力を合わせようと約束した。天にいらっしゃるハルモニたちが私たちを信じて安らかに眠れるよう、最後まで闘う」と語った。
 日本においては年明け一月四日、「戦争法廃止! 安倍内閣退陣! 1・4国会開会日総がかり行動」が闘われた。これに続いて「戦後七十年ミニシンポ実行有志」呼びかけの「『少女像撤去要求を撤回せよ』官邸前緊急アクション」が行なわれた。「日本軍『慰安婦』問題関連の日韓『合意』は無効だ! 日本帝国主義継承者の安倍政治を絶対に許すな!」と声をあげた。
 一月六日の水曜行動は全世界に呼びかけがなされ、十二カ国四十一都市で「日本軍『慰安婦』問題の正義の解決を求める世界行動」が取り組まれた。水原、大田、光州、浦項、釜山、ワシントン、ニューヨーク、ベルリン、ウィーン、東京外務省前、官邸前、大阪梅田など各地で取り組まれた。
 ソウルの旧日本大使館前には千名が集まり、集会が開かれた。挺対協は、「平和の碑(少女像)は、市民の願いと意志が込められた公共の財産であり、国際社会が共有する平和運動の象徴物だ。いつもその場所にある」と強調した。
 李容洙ハルモニは、野宿籠城をしている学生たちに言及し、「学生たちがこの寒い中で地べたに座って苦労しているのを見て、学生と子孫たちに責任を押しつけないために、絶対に(慰安婦問題を)解決しなければならないと思った。八十九歳は運動するのにちょうど良い歳だから、私が先頭に立つ」と学生たちを激励し、闘争を誓った。集会宣言では、以下の要求を掲げた。「日韓両政府は、12・28合意を正し、被害者の要求に従って正しい問題解決のための再交渉を即刻実施せよ」。
 「日本政府は、被害者の思いを込めた第十二回アジア連帯会議の提言に従い、日本軍性奴隷犯罪に対する国家的法的責任を認め、賠償と真相究明および再発防止、歴史教科書記述などの措置を履行せよ」。
 「韓国政府は、被害者の権利を踏みにじった12・28合意を全面的に見直し、被害者が納得できる解決策を準備するため積極的に立ち上がれ」。
 「国際社会は、日本軍性奴隷制度被害者の人権と名誉回復がなされる正しい問題解決のためともに行動せよ」「私たちは、日本軍『慰安婦』問題の正義の解決の前面に立ち、被害者の人権と名誉回復のために積極的に行動することを誓う」。
 一月十三日、第千二百十三回水曜デモが行なわれた。被害者ハルモニたちは、日本の十億円出資についても、拒否する意思を明らかにした。代わりに、国民が自らハルモニの支援と平和博物館の設立のための財団を設立する提案への賛同を訴えた。
 日本軍「慰安婦」制度問題の解決のために集まった学生サークル「平和ナビ」の声明から引用する。「被害者を支援する『財団』を設立するということは、被害者たちが要求している『国家賠償』と相容れない。日本の『国家的責任』を回避するものだ」「被害国である韓国政府が財団を設立するということは、今後の被害者支援などの責任履行を、被害国である韓国が引き受けるものである。日本は資金だけを支出して、責任ある行為を何もしなくてもいいというものだ」(引用ここまで)。
 日本軍「慰安婦」被害者の要求である真相究明と歴史教育などの再発防止措置は、加害国である日本政府が主体的に行うべきであるのに、韓国が財団を設立して事業を進めてこれを実現することはできない。
 日本政府の官僚は、日本軍「慰安婦」制度問題に関する妄言と、靖国神社への政治家の大規模な参拝などの妄動を日常的に行なってきた。このような行為の再発を防止する約束もなく、こんな「不可逆的合意」がまかり通ってはならない。
 被害者たちの要求は、日本軍「慰安婦」制度問題の真実を明らかにして謝罪することである。そして、それに基づく再発防止である。この問題を歴史の記録から消そうとする「合意」を徹底的に弾劾しているのだ。
 日本軍性奴隷制度は、日本の朝鮮―アジアに対する侵略戦争の本質を鮮明にする歴史的事実である。
 そして一九九一年、日本がPKO派兵として自衛隊海外派兵を強行し、新たに戦争国家への道に踏み込もうとしたことに対して、韓国の元「慰安婦」たちが決死的な糾弾に立ち上がったのである。韓国をはじめとするアジアの被害女性の糾弾―戦争責任追及、戦後補償実現要求は、日帝の派兵―参戦国家への策動を根底から批判するものである。
 だからこそ、安倍晋三、中川昭一ら自民党の右翼反動政治家どもは、被害女性とこれを支援する女性たちのたたかいを執拗に圧殺しようとしてきた。今回の安倍政権の「合意」強行、少女像撤去要求は、この一貫した攻撃であり、戦争国家化と一体のものである。「慰安婦」問題の真の解決を求め、戦争法の発動を阻止すべくたたかいぬこう。

  ●2章 核実験弾劾! 全ての核兵器の廃絶を

 朝鮮民主主義人民共和国(共和国)は、一月六日、水爆実験を行ったと発表した。共和国の水爆実験を徹底的に弾劾しなければならない。核の軍事利用(核兵器)であれ、「平和利用」(原発)であれ、あらゆる核は人類と絶対に共存できない。共和国に求められていることは、共和国自身が、朝鮮半島非核化の原則を守り、核兵器の開発・保有・実験を一切行なわないということである。
 だが、日本、および、国連安保常任理事国である米英仏中露各国などに、共和国の核実験を批判する権利はどこにもない。核不拡散体制とは核保有国による核兵器独占体制でしかない。また、核不拡散体制から外れているイスラエル、インド、パキスタンの核保有は公然と容認されている。米帝などは核兵器を保有するが、共和国には認められないという、核兵器保有をめぐる二重基準が許されるはずがない。
 そして、米国・日本・韓国の軍事同盟と共和国敵視政策こそが、北東アジア地域の軍事的緊張を強め、共和国の核実験を生み出す要因の一つなのである。朝鮮戦争は、半世紀以上にわたり、いまだ停戦状態のままである。米帝を先頭とした朝鮮侵略戦争策動は一貫して続いている。日米両帝国主義を先頭とした朝鮮戦争策動こそ、まず、粉砕されなければならない。そして、日帝の共和国敵視政策を粉砕しなければならない。日帝は、いまだ、共和国を国として認めておらず、国交さえ樹立していない。こうした帝国主義諸国の共和国敵視政策、戦争策動こそが、共和国をして核兵器に頼らざるをえない状況に追いやっているのである。共和国の水爆実験を弾劾するとともに、日米両帝国主義を先頭とする共和国敵視、包囲、戦争策動を粉砕していこう。

  ●3章 辺野古埋め立て阻止 沖縄―「本土」貫く決起を

 安倍政権は、沖縄の人々の民意を踏みにじり、辺野古の米軍基地、キャンプ・シュワブの沿岸の埋め立て工事を強行している。
 沖縄の人々は、キャンプ・シュワブの工事ゲート前で座り込み、毎日早朝、工事車両の搬入を阻止している。全国、世界各地から、座り込みに参加する人が駆けつけている。同時に海上でも、ボーリング調査阻止の抗議船、カヌー隊が抗議行動をたたかっている。
 新基地建設阻止に向け、「沖縄建白書を実現し未来を拓く島ぐるみ会議」、「辺野古基金」が設立された。
 昨年十二月十四日には「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」が設立された。オール沖縄会議を結成した目的は、現地辺野古での抗議行動を強化する、「県」と国の法廷闘争で翁長知事を支援する、国内・国際世論を喚起する、の三点である。共同代表には、稲嶺進名護市長、高里鈴代「島ぐるみ会議」共同代表、呉屋守将金秀グループ会長の三人が就いた。政界や経済界、市民団体など、新基地建設に反対するそれぞれの勢力を結集させていこうという決意が込められている。
 会議の結成を促したのは、現地辺野古で監視と抗議活動を続ける市民らの声である。日によって参加人数のばらつきが大きく、各種団体と交渉するパイプ役が必要だとの要望があった。その役目をオール沖縄会議が担うことになった。沖縄人民の対政府闘争が強化された。
 ゲート前に五百人で座り込めば、工事車両を止められるという。
 毎週水曜、議員総行動日として、多くの人がゲート前に結集し、機動隊も工事車両も出てこれない状況を作っている。
 オール沖縄会議は、木曜も大結集で止めることにしている。
 このたたかいに対して、ゲート前の座り込みを排除するため、警視庁から機動隊が送り込まれた。沖縄「県」警からの要請の形を取っているが、安倍政権の意志を受け、派遣されたものである。高級リゾートホテルに宿泊し、「県」警機動隊を指揮下に入れ、毎朝弾圧を行なっている。毎日のように市民にケガを負わせている。警視庁が沖縄から撤退するよう抗議を強めよう。
 翁長知事は、「あらゆる手法を尽くして、新基地を造らせない」という公約を掲げ、裁判を闘っている。国は昨年十一月に翁長氏に代わって取り消しを撤回する「代執行」に向けた訴訟を提訴。「県」も十二月、国の決定の取り消しを求める「抗告訴訟」を起こした。
 さらに、埋め立て承認取り消しの効力を止めた国の決定を取り消すよう求める訴訟を二月初めに起こす。国の決定は違法だとして「国地方係争処理委員会」に審査を申し出たが、却下されたことを不服としたものである。
 千葉地裁で市東さんの農地強奪判決を書いた多見谷が、裁判長となっている。
 東京高裁で市東さんの農地強奪判決を書いた定塚が訟務局長(国側代理人)をしている。国の土俵である裁判は幻想は持てないが、沖縄の人々は傍聴闘争に立ち上がっている。
 共同通信が十一月に行なった全国世論調査で、辺野古問題が法廷闘争に発展したことに「国と県が直接話し合って決着」が68・5%、「司法の場で決着」が26・0%であった。
 朝日新聞の十月の全国世論調査では知事の埋め立て承認取り消しを「評価する」が50%と、「評価しない」の34%を引き離している。
 安倍政権が沖縄の民意を無視して強権的に押し進める新基地建設を、多くの人々は支持していないのである。防衛局は強引な作業をいつまで続けるのか?
 人口集中地区にある普天間基地を返還する条件として、辺野古に代替基地を造れという米軍と安倍政権だが、普天間基地は住民からむりやり強奪した土地であり、無条件返還が筋である。普天間を抱える宜野湾の人々には、基地による騒音や事件、事故の危険を名護市民に負わせたくないと考える人も多い。
 新基地は、二百年の耐用年数があり、自衛隊の共同使用が狙われている。強襲揚陸艦が接岸できる岸壁が作られ、大幅な基地強化になる。
 沖縄の人々は、崩されても崩されても、決してあきらめず、座り込みを続けている。七十年間以上にわたり、不服従の基地撤去をたたかい続けている。
 沖縄戦を経験したオジーオバーは、新たな戦争につながる基地建設を拒否し、座り込みを続けている。沖縄差別を許さないと声をあげている。
 若い世代で、辺野古の座り込みに参加し、基地に囲まれた沖縄の現実にあらためて気づき、自ら動く人々も現れた。島ぐるみのたたかいにより、安倍政権とわたりあい、辺野古新基地建設を阻止する展望が見えてきた。辺野古新基地建設を絶対に阻止し、すべての基地の撤去をかちとるまで、沖縄の人々とともにたたかいぬかねばならない。
 安倍政権が戦争法を発動しようとする動きの中で、辺野古新基地阻止のたたかいは、ますます重要になっている。辺野古現地闘争を全国から支えよう。全国から辺野古への派遣をさらに組織しよう。

 2・21国会大包囲に結集しよう

 二月二十一日、「止めよう! 辺野古埋立て」国会包囲実行委員会、戦争させない・九条壊すな! 総がかり行動実行委員会が主催し、辺野古新基地阻止・国会包囲行動がたたかわれる。総結集を呼びかける。辺野古座り込みと連帯して、国会を包囲し、安倍を追い詰めよう。

  ●4章 アジア共同行動を支持・支援し、国際共同行動を進めよう

 日帝のPKO派兵に抗して、アジア各国の労働者が参加し、一九九二年から開始された「日米のアジア侵略支配に反対するアジア・キャンペーン(AWC)」は本年、国際運動団体として第四回総会を開催することを発表している。
 この一年を振り返ってもAWC日本連絡会議は、八月川内原発再稼動阻止、経産省テントの防衛、十月横須賀核空母配備反対、五月沖縄闘争、フィリピンKMU・ISAへの参加、8・6広島闘争、六月日韓労働者連帯集会、八月岩国国際デー、十一月岩国行動、岩国基地強化反対署名、一月天皇訪比反対集会などを取り組み、国際連帯運動を前進させてきた。
 来る五月、帝国主義の強盗会談―伊勢志摩サミットが開催される。「対テロ」戦争がその議題の軸に据えられようとしている。
 米国との集団的自衛権を合憲だと強弁し、戦争法を強行成立させた日帝―安倍政権は、戦争法の発動、自衛隊海外派兵を狙っている。七月の参院選で三分の二の議席を占め、改憲に手をつけようとしている。
 労働者人民の団結した力で、安倍政権による戦争法発動を阻止しよう。労働者階級人民の国際連帯―国際共同行動を強化拡大し、反撃していこう。
 AWC第四回総会を全力で支持・支援し、成功をさせよう。
 安倍政権の反動政策ゆえに、中国、韓国、在日の人々に対する排外主義が強まっている。日本の戦争国家化と一体に民族排外主義が煽動されている。
 朝鮮学校への無償化排除が続いている。差別措置をやめさせ、無償化と補助金を再開させなければならない。核実験・拉致問題とは関連させず、日本で暮らすすべての子どもの教育を保障しなければならない。
 同志・友人の皆さん、排外主義と対決して、国際共同行動を進めよう。


 

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