共産主義者同盟(統一委員会)


1483号(2016年6月5日) 政治主張






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  アベノミクス破綻徹底追及、改憲絶対阻止

  今こそ安倍政権を打倒せよ

  全ての米軍基地を撤去せよ

  6・19沖縄―「本土」貫く決起を
           

        


 ●1章

  大阪府警公安三課による、不当逮捕弾劾!

  警察権力による仲間三名の不当逮捕弾劾!

 大阪府警公安三課が五月二日、米軍Xバンドレーダー基地反対・京都連絡会/近畿連絡会に参加する団体・個人の事務所五か所と個人宅十か所の計十五か所に対する強制捜索を一斉に行った。続いて十九日早朝に京都と大阪でたたかう仲間三名を不当逮捕した。弾圧の狙いは伊勢志摩サミット反対闘争と京丹後米軍Xバンドレーダー基地反対闘争、そしてAWC運動をつぶすことだ。われわれは今回の不当弾圧を徹底的に弾劾する。大阪府警は仲間三名を即刻釈放せよ!
 大阪府警は家宅捜索時に被疑者を「○○ほか二名」とし、捜索の容疑を「詐欺容疑」としたが、それ以上の具体的内容は一切示さなかった。それが不当逮捕時に明るみに出た。即ち、ある会館の会議室を「米軍Xバンドレーダー基地反対・近畿連絡会」と「伊勢志摩サミットを問う! 5・21関西集会実行委員会」の会議に利用したのに、それを労働組合の名義で借りたというものだ。しかし、申込時に「催し物の名称」「内容」は各々「Xバンド近畿連絡会」「5・21サミット反対実行委員会」と記載されている。使用目的は明々白々で借りたのだ。
 大阪府警は昨年六月四―五日にも「道路運送法違反容疑」を口実に米軍Xバンドレーダー基地反対闘争に関わる団体事務所と個人宅十数か所を一斉強制捜索し、仲間三名を不当にも逮捕した。いずれもでっち上げ弾圧だ。「容疑」ならぬ「容疑」をねつ造して社会運動を委縮させ、押し潰そうという意図だ。断じて許せない。

  ●2章  オバマの広島訪問弾劾!

 米大統領が五月二十七日に広島を訪問した。平和公園と原爆資料館に立ち寄り、原爆投下についての謝罪もせず、訪問に関する短い見解を述べて去った。
 この広島訪問には安倍晋三が同行した。世界最大量の核兵器保有国の長と、核武装の野望を抱きながら死の商人外交を展開する長が、その帝国主義間の軍事同盟の強化の目的のために、一片の反省もなく、広島に踏み入ることこそ問題なのだ。
 オバマの広島訪問は、日米間の歴史的な懸案を少しでも和らげ、日米軍一体化と戦争法によって自衛隊と民間人軍属が侵略戦争の場に行ってどんどん死んでもらうことがその狙いだ。自衛隊の侵略戦争突撃の露払い行事なのだ。長崎に行かず、原爆投下について謝罪もしない広島訪問など最悪の犯罪的なパフォーマンスだ。断固弾劾する。
 米帝オバマは、被爆者に謝罪せよ! 米帝は核兵器使用の反省の上に、すべての核兵器と核施設、原発を廃棄せよ。
 日本政府は、全ての在外被爆者に被爆者援護法を完全適用させ、原爆症を過小評価する認定基準を改め、被爆体験者や黒い雨の被害者を被爆者と認めろ。アジアの被爆者に対し、日本の侵略戦争の結果被爆させた事実を認め、謝り、補償しろ。核武装の野望を放棄し、すべての原発を即時廃棄せよ。

  ●3章  激化する国際階級闘争

 帝国主義諸国は中東をはじめとする世界各地で侵略反革命戦争を展開して大量殺戮を続けている。同時に、〇八年のリーマンショック以降の世界不況から抜け出せないまま、従前にも増して新自由主義政策により労働者人民に対する搾取と収奪を日に日に強めている。シリアでの無差別爆撃による大量虐殺。EUによる人権無視の難民流入抑制策の継続。
 ブラジルでは、汚職やり放題で汚い金まみれの右翼的元政権勢力がCIAなど米政府の支援を受けて労働者党員ルセフ大統領の弾劾行動を猛然と行って彼女を職務停止へ追い込んだ。米国では、警察による黒人殺しが止まず、非正規職労働者と貧困層が拡大し続けている。
 他方では、帝国主義者どもにとって歓迎できないことも多発している。即ち、米国での大統領選挙予備選において金融資本主義と金権政治を徹底批判する「民主社会主義者」サンダースの健闘。イギリスでは、最左派が昨年党首に就任した労働党の党員であるイスラム教徒のロンドン市長当選。フィリピンでは、大統領選で民族経済の確立、中国との話し合いによる領土問題の解決、犯罪の根絶、フィリピン共産党との和平交渉開始を公約した、「自ら社会主義者を名乗ったこともある」(東京新聞)ドゥテルテの当選。

  ●4章  腐り朽ちる資本主義

 そしてここ日本では、国家主義と新自由主義の組み合わせの下で侵略戦争国家への道をひた走る安倍政権の経済政策の破綻が明らかになり、一進一退だった各種経済指標が軒並み下落している。日本経済は停滞から後退へ向かっている。世界経済が低迷しているとはいえ、ここ数年他帝は2―3%の経済成長率だが、帝国主義国のうちで日本だけが0―1%台だ。アベノミクスははじめから失敗だったのであり、安倍及び取り巻き連中が根拠なき成功神話を四年間吹いて回ったのだ。
 ダメなのは政策だけではない。日本資本主義の構造的問題が深刻な形であらわになっている。パナマ文書は、そこに掲載されたセコム・ソフトバンク・伊藤忠・丸紅・楽天・UCC・東洋エンジニアリング・ライブドアに加え、日本航空・ユニクロ・大和証券・三井住友銀行など無数の大企業がタックスヘイブンを用いて合法的な巨額の実質脱税に手を染めていることを暴いた。
 己の腹のみ肥やして国家の財政に大打撃を与えるという、税収を基盤に運営されるブルジョア国家の根幹を揺るがす事態なのだが、日帝政治委員会は何とそれを容認し、他方では消費税増税は延期してでも実施しようとするのだ。「共同的利害」という幻想を自らひきはがしてしまう行為だが、そうしないと生き残りを図れないブルジョアジーの危機的局面を示してもいる。
 個別利害と共同的利害の、「私」と「公」の区別の消失は、東京オリンピック関連の巨額の裏金と利権問題、税金を私事で湯水のように浪費する東京都知事が典型だ。
 タカタ製殺人エアバッグの大量リコール、東洋ゴムの免震データ改竄、三菱自動車とスズキの燃費データ改竄、羽田・福岡・松山各空港滑走路工事耐震データ改竄は、資本家階級の法令順守意識の致命的欠如と、日本の技術水準がどれほどのものかを明確に示した。もちろん、電力会社の原発技術も同様である。
 〇八年恐慌は、現代帝国主義の新自由主義政策の破綻としてあった。日本帝国主義のひずみは、その政治内容だけでなく、実体経済の土台であったはずの工業技術の水準にまで達しているということである。労働者人民への搾取・収奪を激的に強化してきた現代帝国主義がその腐朽性をあらわにしているのである。

  ●5章  苦悶する労働者人民

 1%の金持ちがますます富む一方で、99%の労働者人民の苦悶はやまない。実質賃金は四年連続で減っている。つまり、生活はますます貧しくなっているのだ。
 五月十八日に政府が発表した「一億総活躍」プランでは、保育士は月平均六千円の賃金上昇、介護労働者は月平均一万円の賃金上昇を図るという。だが、保育士と介護労働者はともにその月給水準が全産業平均より約十万円低いのだ。六千円、一万円だけでは生活状態が改善されるわけがなく、焼け石に水だ。非正規労働者の賃金額は正規職の63・9%だ。非正規の約二割が生活苦で食事回数を減らしている。
 昨年六月一日時点での派遣労働者数は前年同時期より6・7%増えた。女性労働者は半数以上が非正規労働者だ。障害年金を受け取りながら仕事をしている人の半数近くは年間の賃金が五十万円未満だ。障害者は「相対的貧困率」が25%を超えている。今年三月のエンゲル係数は三年前に比べて2・6ポイント上昇の24・5%で、年収三百三十三万円以下の層では4・2ポイント増加の29・9%に上る。地方税滞納者が厳しく徴収されて生活が困窮したり精神的に追い詰められたりするケースが増えている。子どもの六人に一人は貧困状態で、食事を抜いている子も少なくない。
 なのに安倍は一月の国会で「日本は裕福な国」と言い放った。マクベスも真っ青の「白は黒、黒は白」だ。顔を洗って出直して来い!

  ●6章  川内原発を即時停止せよ

 四月十四日、十六日に熊本地震が発生した。震度7の大型地震が二度襲ったのだ。家屋が損壊し、道路に亀裂が入って通行止めになり、橋が落ち、土砂崩れも起き、多くの地区で住民が避難所にも行けずに孤立した。避難所自体も使用不能になったところが多かった。
 にもかかわらず、安倍政権は川内原発を停止しない方針を表明した。原子力規制委員会の判断を根拠に、「川内原発を停止させる必要はないと判断」(原子力防災担当相・丸川)、「現状において停止する必要はない」(官房長官・菅)と主張した。
 熊本県内の道路が寸断され、鉄道や空港も使用できない状況のただ中で、つまり原発事故が起こっても避難経路が断たれている中で、住民の生命を全く無視して原発運転強行を政治判断したのだ。熊本地震は五月以降も続いているが、川内原発は稼動し続けている。日本列島のどこにでも地震は起きうる。日本政府の稼働継続決定は、地震が起きて事故になったら住民は死ねと言っていることと同じだ。殺人政権そのものだ。
 もう一つの大きな問題は、九州電力が川内原発の重要免震棟建設を反故にしていることだ。経営上の利害だけを優先し、原子力規制委員会の水準での対策すら反故にする九電を徹底的に弾劾しなくてはならない。熊本地震が続く中でまずもってなすべきことは、川内原発を停止することだ。五月十日には四国電力が、運転開始からまもなく四十年になる伊方原発一号機を廃炉としたが、伊方の残りの原発も、玄海原発も、そしてすべての原発を決して稼動させてはならないのは言わずもがなだ。すべて廃炉にすべきだ。
 許せないことに安倍政権は、熊本地震直後に、改憲の具体的内容として緊急事態条項の必要性を強調した。不必要なオスプレイの出動も日本政府が米軍に要請した日米軍事一体化宣伝のパフォーマンスだった。住民が地獄の苦しみを味わっているさなかに、なんということをするのか。自己陶酔・自己満足政権だ。熊本地震を右翼ファシストどもの改憲の口実にさせてはならない。

  ●7章  辺野古新基地建設絶対阻止

 辺野古新基地建設を強行しようとする安倍政権に対して、沖縄人民は「オール沖縄」の力で「和解」―工事中止に追い込んできた中で、五月沖縄闘争は取り組まれた。
 第三十九回平和行進の出発に際し、山城博治沖縄平和運動センター議長が発言した。米軍政下で沖縄の人たちは人間扱いされなかった。「復帰」闘争では「核も基地もない平和な沖縄」を目指し、「憲法九条のある祖国」に帰ろうと立ち上がった。そして一九七二年の五月十五日に沖縄は日本に返還された。しかし、現実は何一つ変わってはいない。戦争への道を阻止しよう――という檄だった。途中、右翼の執拗な妨害と敵対もあったが、これを跳ね返して、平和行進は貫徹された。韓国からは済州島江汀(カンジョン)村への海軍基地建設に反対する住民と支援も合流した。
 平和行進終了後、米軍基地跡地の那覇新都心公園で「復帰四十四年5・15平和とくらしを守る県民大会」が開催された。城間幹子那覇市長のメッセージ、国会議員の発言などが続いた。二千五百人が結集し、成功した。
 以上の他、国際連帯集会、辺野古現地、ガマの見学など、さまざまな取り組みを行い、沖縄の歴史と現在の闘争を学びながら、辺野古新基地建設阻止、侵略戦争阻止、安倍政権打倒の気持ちを強くした。東京においても、沖縄・反戦地主会関東ブロックの呼びかけの下に新宿での集会とデモが取り組まれた。
 安倍政権はあくまでも辺野古新基地建設強行を狙っている。同時に、「中国の脅威」を煽り、宮古・八重山への自衛隊配備増強を推し進めている。あらためて、沖縄の基地強化・前線基地化阻止をはっきりと掲げて、反戦闘争・反基地闘争に立ち上がるべき時だ。辺野古新基地建設工事の中止から新基地建設そのものの撤回へとさらにたたかいを推し進めていかなければならない。
 四月に行方不明になった女性が在沖米軍の元海兵隊員で現軍属の男に殺され、五月十九日に遺体が発見された。痛ましすぎる。あってはならないことだ。日米両政府を、怒りを持って弾劾する。米軍がいる限り、住民が犠牲になる事件は無残に繰り返される。もうたくさんだ。米軍はアジアから直ちに撤収しろ!

  ●8章  帝国主義こそ諸悪の根源だ

 日本政府は、戦争法に基づく自衛隊海外派兵の準備を着々と進めている。特に対中国戦略の整備を進めている。日米もしくは多国間の合同軍事演習に加え、フィリピン・ベトナムへの海上自衛隊艦艇の寄港、日韓軍事協定締結の推進などをすすめ、中国を見据えて自衛隊の活動範囲を東中国海および南中国海へ拡大している。
 五月二日、海上自衛隊の練習機を貸与すると日比両政府間で合意した。十一日、神奈川県厚木基地に駐留する原子力空母艦載機部隊が十七年に山口県岩国基地に移駐したのちも厚木基地での訓練を行う方針を在日米海軍司令部が発表した。加えて、産軍学共同路線を推進し、戦争体制への研究者・技術者の組み込みを進めている。
 朝鮮民主主義人民共和国(以下、「共和国」)の核実験とミサイル発射に対して、帝国主義国にある私たちはどうすべきか。マスコミ報道では反共和国キャンペーンが連日繰り返されている。「共和国=侵略者・加害者」という意識を植え付けようという支配階級・国家権力の意図が露骨に反映されている。しかし、マスコミの報道は本当に正しいのか? われわれはすべての核兵器と核実験に反対するが、同時に、朝鮮半島をはじめとする北東アジアの軍事情勢を最も強く規定しているのは米帝の共和国敵対路線であり、話し合い解決を一切拒否してその体制崩壊を公言してはばからない利害むき出しの米帝の軍事戦略なのだということもはっきりと押さえておく必要がある。
 今年の初めから現在までの北東アジアの軍事的緊張を産み出している主因は共和国指導部殺害訓練まで組み込んだ二か月にわたる米韓合同軍事演習であり、それへの自衛隊の全面協力、すなわち日米韓三角軍事同盟だ。
 共和国は米帝に対し、対話の申し入れをこれまで何度となく行ってきているが、米帝は共和国の核放棄を前提条件に突き付け、対話を拒否し続けている。これがオバマ政権の、帝国主義的利害むき出しの攻撃的対応なのだ。そして、日帝安倍政権はそうした米帝の軍事戦略に百パーセント結びつく形で日米軍事一体化を進め、朝鮮有事に自衛隊を出動させて朝鮮再侵略に踏み込もうとしているのだ。帝国主義こそが侵略反革命戦争を起こす要因を作り、起こそうとし、中東では実際に起こしているのだ。そのことを一ミリもあいまいにしてはならない。

  ●9章  六月国際連帯運動の前進を

 アジア共同行動(AWC)日本連は、本年二月の第四回国際総会に続き、伊勢志摩サミット反対闘争をはじめとした二〇一六年の国際連帯活動を進めており、その一環として六月集会を開催する。われわれもAWC日本連を全力で支持・支援し、六月各地集会を成功させよう。
 われわれは五月、権力のでたらめな政治弾圧に屈することなく、これを跳ね返しながら、東京・大阪・名古屋での伊勢志摩サミット反対闘争を多くのたたかう団体・個人と協力しながら準備し、実現してきた。八日東京集会、二十一日大阪でのシンポジウム、二十二日東京でのサミット反対新宿デモを打ち抜いた。そして五月二十六、二十七日にはサミット粉砕現地闘争をたたかいぬいた。
 これに続き、六月十一日に「戦争法廃止! 安倍たおせ! 反戦実行委員会」(反戦実)が反戦集会を開く。反戦実は、東京における左派総結集の軸心になっている。今年は年頭から伊勢志摩サミットに反対する首都での闘争を組織してきた。また、現地派遣をはじめとして辺野古新基地建設阻止闘争も位置づけ、取り組んできた。われわれは六月十一日の集会を、伊勢志摩サミット反対闘争を引き継ぎ、改憲阻止―安倍政権打倒に向けた闘争として位置づける。労働者階級人民の皆さん、結集してください。
 対象を拡大し弾圧を強めるための通信傍受法改悪、司法取引の導入などを柱とする刑事訴訟法の戦時的改悪を許してはならない。焦点となっていたはずの、取り調べの録画・録音(可視化)はごく一部に制限された。栃木県今市市小学生刺殺事件の裁判員裁判でも明らかなように、本来警察による違法・不当な捜査を監視するはずの取り調べ録画・録音が、実際には警察によって都合が良い部分だけが抜き出され、自白を正しいものと印象づける手段として利用されているのである。
 反帝国主義・国際主義に立脚し、日本の労働者階級人民はともにたたかおう。



 

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