共産主義者同盟(統一委員会)


1501号(2017年4月5日) 政治主張






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  森友学園―日本会議疑獄を弾劾する

 共謀罪制定絶対阻止

 安倍右翼反動政権打倒!

 共産同政治集会に結集しよう

       



 韓国では三月十日、憲法裁判所がパク・クネ大統領の弾劾を妥当とする判決を下した。パク・クネ大統領は退陣した。これは、まさしく韓国労働者人民のたたかいの成果にほかならない。昨年十月末に発覚したチェ・スンシルゲート事件、腐敗したパク・クネ政権に対して毎週行われたロウソク集会デモには、延べ千六百万人が参加した。そうした韓国労働者人民の政権の不正を許さないたたかいが国会議員や憲法裁判所判事を動かし、パク・クネ大統領を退陣へと追いやったのだ。
 今、日本では安倍首相をはじめ、多くの右派政治家が関与した森友学園事件が露呈している。南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊の日報が隠ぺいされていたことも明らかになってきた。安倍首相、妻昭恵の森友学園事件への関与の解明、稲田防衛大臣の辞任を求める声が強まっている。韓国労働者人民のたたかいに学び、日本において安倍政権打倒のたたかいを力強く組織しよう。
 安倍政権は三月二十一日、共謀罪を新設する組織犯罪処罰法改悪案を閣議決定した。改憲と戦争に突き進む安倍政権が目論む現代版治安維持法=共謀罪を絶対に阻止しよう!
 安倍政権は、世界で一番企業が活動しやすい国を目指して、「働き方改革」を行おうとしている。長時間労働の是正ではなく、過労死ラインを超える残業月百時間を合法化しようとしている。こうした「働き方改革」と対決していこう。
 ロシア革命から百年にあたる今年、米国では差別排外主義のトランプ大統領が就任するなど現代世界は大きく変動している。われわれは、日本の左翼、労働者階級人民がどうたたかうべきかを提示すべく、今春、同盟政治集会を開催する。同志友人の皆さん、『戦旗』読者の皆さんに、政治集会への結集を呼びかける。

 ●第1章 治安弾圧立法―共謀罪制定を阻止しよう

 安倍政権は三月二十一日、共謀罪(「テロ等準備罪」)新設法案を閣議決定した。
 安倍政権は、「テロ等準備罪」の名称を使用し、「組織的犯罪集団」に限定し「準備行為」の要件があるから「共謀罪」とは違う、「共謀罪」と批判するのは当たらないとしてきた。しかし、「準備行為」と現行法制の予備罪の違いを国会答弁では金田法相が明らかにすることができず、答弁は混乱を極めた。金田法相の不勉強ということ以上に、安倍政権の隠然とした立法目的が根底にあるからだ。
 準備されている法案の企図が、「準備行為」の処罰ではなく、行為が行なわれていない段階での「話し合い」(「共謀」)こうとするものであるからだ。その上で、安倍がその魂胆を隠そうとするから、まともな答弁にならないのである。いかに名称を変えようとも共謀罪である。共謀罪新設を絶対に許してはならない。
 安倍政権は、「テロ対策のため」「東京オリンピックのため」とその必要性を強調してきたが、二月末に明らかになった法案の条文の中には「テロ」の文字がなかった。批判を受けてあわてて「テロリズム集団その他の」の文言を加える修正を行ったが、「テロ対策のため」というのは法案を通しやすくするための方便であったことがより明らかになった。
 「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」という規定はアイマイだ。何が「テロ集団」か定義されていないし、「その他」に何が入るのかも不明だ。法務省は、「もともと正当な活動をしている団体であっても、目的が一変した場合は犯罪集団とみなされ、処罰の対象となり得る」としている。対象犯罪数を六百七十六から二百七十七に絞ったとしているが、絞り方も不明な点が多い。何ら関係のないような犯罪が多く含まれている。捜査機関の判断次第で、容易に市民団体や労働組合などに「テロ等準備罪」の網がかけられる。些細な事案で、共謀罪の対象として捜査・逮捕・勾留されることになる。
 「準備行為」については、「資金または物品の手配、関係場所の下見その他」としているが、「準備行為」が犯罪である必要はない。東京新聞は「基地建設に反対する市民団体が工事車両を止めようと座り込みを決めた場合、捜査機関が裁量で組織的威力業務妨害が目的の組織的犯罪集団だと判断し、仲間への連絡が準備行為と認定される可能性がある」と報じている。このように基地建設反対、原発再稼働反対などのあらゆる労働者人民の大衆的直接行動が、共謀罪の適用対象とされていくことは明らかだ。
 共謀罪の新設を絶対に阻止しなければならない。
 二〇一五年に戦争法を強行し、二〇一六年には戦争法に基づく南スーダン派兵を強行した安倍政権は、侵略戦争に参戦できる国家体制への再編を目指している。
 二〇一八年―一九年天皇代替わり攻撃を大きな画期として、改憲―国家体制再編を一挙に進めようとしている。そのための国内治安弾圧体制強化のための共謀罪新設攻撃なのである。
 侵略戦争と国内治安弾圧体制を打ち破る全人民的なたたかいが、今こそ問われている。

 ●第2章 米韓合同軍事演習、日米合同軍事演習弾劾

 米韓両軍は、三月一日から四月三十日まで合同野外機動演習「フォールイーグル」を、三月十三日から二十四日まで合同指揮所演習「キーリゾルブ」を実施している。二か月間にわたって続く合同軍事演習は、朝鮮半島における戦争重圧を極度に高め、朝鮮半島の人々が願う平和と統一への道に立ちふさがるものである。
 昨年のフォールイーグルとキーリゾルブには、米軍一万七千人、韓国軍三十二万人が参加し、史上最大規模で実施された。報道によれば、今年の演習はそれをさらに上回る空前の規模になるといわれている。三月十五日には、原子力空母カールビンソンがプサン港に入港した。今年に入って岩国基地に配備されたステルス戦闘機F35Bをはじめ、嘉手納基地に配備されているステルス戦闘機F22など在日・在沖米軍基地から多くの米軍部隊が、さらにグアムなどから長距離戦略爆撃機B52、超音速戦略爆撃機B1Bランサー、ステルス爆撃機B2スピリットなどの戦闘機が参加するといわれている。
 米国と韓国はこの合同演習を通して「朝鮮民主主義人民共和国の核や弾道ミサイルの脅威」に対抗するための「4D作戦」(探知・攪乱・破壊・防御)の具体化を進めるとしている。それは共和国が大量破壊兵器を使用する「兆し」を示した時点で共和国の基地を破壊するというきわめて先制的攻撃的な戦争作戦だ。
 さらに今回の合同軍事演習では、韓国に配備がもくろまれるTHAAD(終末高高度ミサイル防衛)システムの運用手続き演習も実施される。三月六日には、韓国にサードの機材の一部の搬入を行っている。これらはTHAAD配備を阻止するために連日立ち上がっている星州、金泉の住民をはじめとする韓国の人々に対する真っ向からの挑発であり、敵対である。
 また、三月十四日から十五日には四回目となる日米韓のミサイル防衛訓練が日本海で行われた。米日韓のイージス艦、海上自衛隊の護衛艦「きりしま」、米海軍「カーティス・ウィルバー」、韓国軍「世宗大王」が参加し、コンピューターを使ってミサイルを共同で探知する訓練が行われた。
 日本は米軍に基地を提供することで、米韓合同軍事演習と共和国に対する軍事的圧迫・戦争挑発に加担してきた。昨年十一月の日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の締結など韓国との軍事協力をもおし進めてきている。日米韓の三国軍事同盟の形成に向けた策動を強め、自衛隊の朝鮮半島への派兵策動を強めている。これらの動きに反対し、断固としてたたかっていこう。
 三月六日から三月十七日まで、陸上自衛隊と米海兵隊の日米合同訓練(フォレスト・ライト02)が、新潟県の関山演習場と群馬県の相馬原演習場及び相馬原駐屯地で行われた。ここに米軍のオスプレイが六機も参加した。昨年十二月に沖縄で機体が大破する墜落事故を起こしたオスプレイの共同訓練参加を強行しているのだ。
 また、三月七日から十日まで、海上自衛隊の護衛艦「さみだれ」と護衛艦「さざなみ」、そして米韓合同軍事演習に参加する米空母カールビンソンなどが参加した日米共同巡航訓練が東中国海で行われている。
 これらは、すべて米韓合同演習に合わせて行なわれているものであり、日米韓が新たな朝鮮戦争を具体的に準備する攻撃なのである。
 安倍は日米同盟を「不変の同盟」と掲げた上で、排外主義大統領トランプに取り入り、首脳会談で日米同盟の重要性の再確認を行なった。朝鮮民主主義共和国のミサイル発射批判会見を、わざわざトランプとの共同記者会見として行うことまでしているのである。防衛大臣稲田は、敵基地先制攻撃まで言及している。安倍政権の朝鮮戦争重圧に断固反対して、反戦闘争をたたかおう。

 ●第3章 安倍政権打倒の全人民闘争を

 ▼3章―1節 日本会議疑獄―森友学園事件


 森友学園問題はその証左である。極右―日本会議と一体化した安倍政権であればこそ、籠池(かごいけ)のごとき人物が政権とのつながりを作ることができるのである。
 森友学園問題の核心点の一つは、安倍晋三をはじめとする多くの右派政治家の関与のもと、小学校の認可適当の判断が下され、国有地を格安で取得している点である。これらは、首相の妻・安倍昭恵が小学校の名誉校長を務め、小学校設立募金の際には、「安倍晋三記念小学校」としていたなど、安倍首相との関係を強く打ち出して行われている。
 この四月に開校を予定していた「瑞穂の國記念小學院(学校法人・森友学園)」は、大阪府豊中市の九億五千六百万円とされた土地(八千七百七十平方メートル)を、ゴミの撤去費用等として八億千九百万円を控除され、一億三千四百万で取得している。だが、さらに国は、ゴミ撤去費用として一億三千百七十六万円を学園に支払っており、その結果約二百万円で取得したともいわれている。すぐ横の国有地(九千四百九十二平方メートル)が、豊中市に十四億二千三百万円で売却されているのと比較すれば、その異常さは明らかだ。
 もう一つの大きな問題は、その愛国主義・排外主義の教育姿勢だ。森友学園が運営する幼稚園では園児らに「教育勅語」の朗誦をさせている。運動会では園児たちに中国、韓国を批判させ、「安倍首相がんばれ。安保法制国会通過よかったです」と言わせている。さらに保護者に対しても、在日朝鮮人らに対する差別排外主義をあおる文書を配布していたことが明らかになっている。このような森友学園と日本会議政治家の愛国主義・排外主義教育を絶対に許してはならない。
 当初、安倍首相は、森友学園の教育について「教育に対する熱意は素晴らしいと聞いている」と評価し、売却について「私や妻が関係していれば、首相も国会議員もやめる」としていた。ところが追及が厳しくなるや、一転、「教育の詳細は全く承知していない」「教育者としていかがなものか」などと突き放すような発言をし、追及を逃れようとしている。しかし、森友学園問題は、このような言い逃れですまされるものではない。徹底的に追及しよう。

 ▼3章―2節 辺野古新基地建設阻止しよう

 安倍首相の訪米を前にした二月四日、来日したマルティス米国務長官と稲田防衛大臣は、普天間飛行場の移設及び返還について「辺野古への移設が唯一の解決策」との立場を確認。そして二月六日から本格的な辺野古の海上での埋め立て工事が開始された。沖縄防衛局は民間の大型特殊船「ポセイドン1」とクレーン付きの作業船を投入し、巨大なコンクリートブロックの投入を始めた。これを手土産にして安倍は訪米した。沖縄人民の民意を無視し、日米関係を最優先するもので絶対に許せない。
 三月十五日、沖縄防衛局は、三月末に期限が切れる岩礁破砕許可について、「沖縄県への更新申請は必要なく、更新しない」と伝えた。国は、名護漁業協同組合が漁業補償を受けて漁業権放棄に同意したことをもって、漁業権が消滅したとしているが、まったくデタラメだ。「県」は、これまでの漁業権についての扱いから、公共財としての漁業権の設定変更には、知事の変更免許が必要としている。翁長知事は、四月以降に無許可の岩礁破砕等の行為が行われた場合は、法的手段を駆使して対応していくとしている。
 三月十八日には、山城博治・沖縄平和運動センター・議長が約五ヵ月たって保釈決定し解放された。不当逮捕・長期勾留は新たな基地建設を阻止すべく体を張ってたたかいぬく沖縄人民をはじめとした人民大衆への弾圧であり、埋め立て工事強行を阻止させないための予防反革命だ。沖縄内外から追及する声が高まり、釈放せざるを得なかったのだ。
 引き続き辺野古新基地建設阻止のたたかいに立ち上がろう。高江オスプレイパッド撤去、オスプレイ配備撤回、与那国島・石垣島・宮古島への自衛隊の配備阻止といった沖縄解放闘争の重要課題に対して、沖縄現地と「本土」を貫くたたかいに全力で取り組もう。

 ▼3章―3節 17年米軍再編岩国基地強化阻止

 一月十八日、岩国基地に最新鋭ステルス戦闘機F35Bが飛来した。米国以外では岩国基地が初めてとなるF35Bの配備だ。今回は十機がFA18ホーネットと入れ替わり、八月には残り六機がAV8Bハリアーと入れ替えられる計画だ。
 一月二十日、国が山口県や岩国市に対して米海軍厚木基地から空母艦載機が岩国基地に移転するスケジュールを示した。七月にも配備が始まり、二〇一八年五月にかけて七部隊計六十一機が順次移転する計画だ。現在の岩国基地の米軍機数は約六十機。移転が完了すれば、岩国基地は、極東最大級の米空軍基地とされる沖縄県の嘉手納飛行場の約百機を超え、約百二十機が駐留する巨大軍事拠点となる。軍人・軍属・家族なども三千八百人が移り住む予定で、米軍関係者は一万人を超えることになる。
 二月二日、七月を待つことなくE2D早期警戒機五機が、艦載機移転に備えた「配備前訓練」との位置づけで岩国基地に飛来した。また、移転受け入れの「準備行為」として愛宕山地区では、米軍の家族住宅と運動施設の建設が行われている。七月末には、米軍住宅二百六十二戸と野球場が完成する予定だ。
 これらの米軍再編―岩国基地の強化は、朝鮮半島への出撃拠点として岩国基地を強化しようとするものだ。絶対に許してはならない。
 岩国では、愛宕山を守る会を中心にして、米軍再編強化―愛宕山米軍住宅に反対して毎月三回、愛宕山見守りの集いを開催している。こうした粘り強い岩国基地強化に反対する人々と連帯し、二〇一七年岩国基地強化―米軍再編と対決していこう。

 ▼3章―4節 共謀罪新設阻止―安倍政権打倒の全人民闘争を

 安倍政権は、「テロ等準備罪」と名前をかえ、今国会で法案成立めざしているが、これは「共謀罪」新設にほかならない。あらゆる社会的な活動を「捜査」の名のもとに常時監視し、共謀をでっち上げて根絶やしにすることを狙ったものだ。改憲と戦争へと突き進む安倍政権の共謀罪新設を絶対に阻止していかなければならない。これまで三度にわたって共謀罪を廃案にしてきたたたかいを再組織し、共謀罪新設絶対阻止―安倍政権打倒の全人民的闘争を創出しよう。

 ▼3章―5節 共産同(統一委員会)政治集会に結集しよう

 われわれ共産主義者同盟(統一委員会)は四月・五月、各地方で政治集会を開催する。安倍右翼反動政権と対決し、日本におけるプロレタリア革命をともに切り拓くべく、二〇一七年の方針を提起する。全国の同志、友人、『戦旗』読者のみなさんの結集を訴える。



 

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