共産主義者同盟(統一委員会)


1516号(2017年12月5日) 政治主張






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  石材海上搬入を許すな

  辺野古新基地建設阻止

  朝鮮戦争反対―安倍打倒

  大飯・玄海再稼働阻止



 
 全国のたたかう労働者、青年・学生の皆さん!
 さる十一月、われわれはトランプ来日―日米首脳会談反対闘争をたたかい抜き、さらにAWC日本連と岩国・労働者反戦交流集会実行委の呼びかけに応えて、全国からの結集で共に「岩国行動二〇一七」の成功を勝ち取った。これらは同時に、日米帝国主義による朝鮮侵略戦争策動と真正面から対決するたたかいであった。
 これらのたたかいの成果を踏まえ、排外主義攻撃を打ち破り、朝鮮侵略戦争策動を許さないたたかいをさらに推進しよう。改憲と戦争に突き進む安倍政権を打倒するたたかいの陣形の拡大に向けて奮闘しよう。

  ●第一章 トランプ・安倍の朝鮮戦争重圧許すな

 十一月に行われた米大統領トランプによる一連のアジア歴訪は、朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)に対する戦争重圧と国際的包囲をいっそう強めるものとして展開された。日本、韓国、中国、ベトナム、フィリピンと続いた歴訪は終始この目的に貫かれていた。
 日米首脳会談はまさに戦争会談であった。終了後の記者会見で安倍は、「日米が主導し、あらゆる手段を通じて北朝鮮に対する圧力を最大限まで高めていくことで完全一致した」と語り、トランプは、「(オバマ前政権が掲げた)『戦略的忍耐』の時代はもう終わった」と言い切った。トランプはまた、韓国国会での演説では共和国の金正恩政権を「ならず者体制」と呼び、「強さを通じて平和を求める」として軍事的圧力を強調した。米中首脳会談においては、習近平政権に対して共和国への制裁強化を要求した。
 トランプは共和国への恫喝を、その発言を通してだけでなく、実際の米軍展開としても示した。アジア歴訪の期間中に原子力空母三隻と原子力潜水艦を朝鮮半島近くの海域に展開させ、十一月十一日から十四日にかけて韓国海軍との大規模な米韓合同軍事演習を実施した。また、これら米空母打撃群と海上自衛隊との日米合同軍事演習も行われている。韓国―文在寅政権の反対で三国合同軍事演習とはならなかったが、実際には連動した軍事演習であり、韓国を巻き込み日米韓の軍事的連携をいっそう推し進めていこうとするものだ。
 米帝―トランプ政権にとってのアジア歴訪のもうひとつの大きな目的は、いわゆる「貿易不均衡問題」の是正であった。中国訪問では総額二千五百億ドル(約二十八兆円)という巨額の契約にこぎつけた。日本や韓国においては巨額の武器売却を手段として展開された。
 トランプは日米首脳会談において、「非常に重要なことは、日本が膨大な兵器を追加で買うことだ」と言い放ち、それに対して安倍は、「日本の防衛力を質的・量的に拡充しなくてはならない。米国からさらに購入する」と即答した。トランプはまた、米韓首脳会談においても数十億ドルにのぼる兵器を韓国側が購入することを要求した。こうした巨額の武器売却は米軍と日韓など同盟国の軍隊との軍事一体化を促進すると同時に、相手国の国家財政を圧迫し、社会保障の切り捨てなど労働者人民の生活破壊につながっていくものである。それを何の躊躇もなく受け入れた安倍ともども徹底的に弾劾しなくてはならない。
 トランプはまた、ベトナムでのアジア太平洋経済協力(APEC)会議において、「自由で開かれたインド太平洋」構想なるものを打ち出した。それは、インド洋と太平洋にまたがる地域における貿易・通商および安全保障上の秩序を米国・日本・インド・オーストラリアの四カ国を中心にして形成するというものである。この構想は、そもそもは日本の安倍政権が提唱しており、日米首脳会談においても確認されてきた。トランプ政権の場合は、貿易・通商の側面においては、それを自国に有利な二国間協定を中心に推進するということである。いまだアジア担当の国務次官補さえ不在のままのトランプ政権にとって、それがどれほど確定的な戦略として推進されていくのかは不透明ではある。しかし、はっきりしていることは、それが地域的な影響力を強める中国に対抗するものとしてあり、あくまでこの地域における帝国主義の搾取と収奪、支配を強めていこうとするものであるということだ。

  ●第二章 日・韓・比共同行動でトランプ迎え撃つ

 トランプのアジア歴訪はその訪問先において、様々な抗議行動で迎えられた。アジア各地の労働者人民は、トランプの訪問を決して歓迎しておらず、その戦争政策と差別的政策に断固として反対していることを行動によって全世界に示した。それは抑圧された世界各地の労働者人民を励まし、その国際主義的連帯を育み促進していく上で大きな意味をもつものであった。
 トランプの最初の訪問国となった日本では十一月五日、「トランプ・安倍戦争会談反対! 新宿共同デモ実行委員会」によって新宿デモが取り組まれた。参加者は「トランプと安倍は戦争と差別を撒き散らすな!」「日米戦争会談反対!」という鮮明なスローガンの横断幕を先頭に、多くの人々が行き交う新宿の街をデモ行進した。このデモンストレーションは米国市民を含む沿道の外国人からも大きな注目を浴びた。
 韓国では、二百二十二団体によって「NOトランプ共同行動」が形成され、十月三十日から一週間にわたって様々なトランプ訪韓反対行動が組織された。人々は、新たな朝鮮戦争反対、朝鮮半島平和協定締結、THAAD配備撤回、韓米FTA反対などの主張を掲げて、米大使館や青瓦台(大統領府)に近い光化門広場や国会前などで一連の抗議行動を展開した。学生たちはトランプ来韓前の十一月三日に国会前奇襲デモを行って、その戦闘性を示した。七日、文在寅大統領主催の晩さん会の後に宿舎に戻ろうとしたトランプは、民衆の抗議に直面して、そのルートを変更せざるを得なくなった。
 トランプはまた、アジア歴訪の最終地となったフィリピンでも大規模な民衆の抗議行動に直面した。新民族主義者同盟(BAYAN)を先頭とするフィリピンの民族民主主義勢力は、トランプ来比に先立つ十一月七日から抗議キャンペーンを開始した。とりわけトランプが到着した十二日から十四日までの三日間は米大使館や米・ASEAN首脳会議の会場に向けたデモンストレーションなど、トランプの行く先々で戦闘的なデモンストレーションが展開された。フィリピン民衆運動は、ドゥテルテ政権と民衆運動の関係変化を端的に示す警察によるデモ隊への放水銃の掃射などによって数十名の負傷者を出しつつも、最後までこの闘争を貫徹した。
 また、このトランプのアジア歴訪に対して、国際的に連携した取り組みが様々に組織されたことも重要だ。日米のアジア支配・侵略に反対するアジア・キャンペーンに参加する各国・地域の民衆団体は「アジア太平洋地域の民衆はトランプのアジア歴訪とたたかう!」と題する共同声明を発表し、その実践として日本、韓国、フィリピンの各地で連続する闘争をたたかい抜いた。また、トランプの訪韓にあたっては、「朝鮮半島と東北アジア平和のため、大胆な政策転換を求める」日米韓の民衆団体による共同宣言が発表されている。

  ●第三章 全国で反戦・反基地闘争を巻き起こせ

 トランプのアジア歴訪は同時に、米帝―トランプ政権を支え、それと一体となって朝鮮戦争策動を画策し、アジア太平洋地域においてさらなる搾取と収奪を強めていこうとする日帝―安倍政権の姿を浮き彫りとするものになった。われわれはこの眼前の敵である安倍政権の攻撃と正面から対決していかねばならない。
 何よりもますます切迫する朝鮮戦争策動との対決の実践が重要だ。われわれは日米戦争会談反対闘争をたたかい、さらに「岩国を朝鮮半島への出撃拠点とするな!」を掲げて岩国市民、そして全国の人々と共に「岩国行動二〇一七」の成功を勝ち取った。その地平をさらにおし広げていかねばならない。
 日米帝国主義による朝鮮戦争重圧に反対するたたかいは、日本の民衆運動にとって安倍政権が煽動する朝鮮排外主義に屈服するのか否かの重大な試金石である。われわれは旗幟を鮮明にして朝鮮戦争阻止とたたかい抜いていく。
 日米政府の策動こそが戦争危機をもたらしている最大の要因であることを明らかにし、朝鮮戦争を公式に終わらせる平和協定を締結し、日米政府が共和国敵視政策をやめて日朝・米朝国交正常化を進めること、それらが朝鮮半島と東アジア全体に平和をもたらす道であることを訴え、その要求の周りに人々を結集させていかねばならない。
 この朝鮮戦争に反対のたたかいは、安倍政権による改憲策動を阻止するたたかいと一体のものだ。十月衆議院総選挙によって衆参両議院の双方で三分の二以上の改憲勢力を確保した安倍政権はいよいよその改憲策動を本格化させようとしている。われわれはこれに対して全国各地において広範な統一戦線の形成に努力し、実際にそれを阻止するためにたたかう。ここにおいて重要なことは、この改憲阻止闘争が実際的な力をもつためには、日米帝国主義が現実に進めている朝鮮侵略戦争策動、日米軍事同盟強化の道に反対する具体的な実践と結びつけられねばならないということだ。
 この点で、沖縄・辺野古の新基地建設阻止闘争や岩国基地強化に反対するたたかいをはじめとした全国反基地闘争を強力に推進していくことがますます切実に求められている。辺野古では護岸工事のための海上搬入が新たに始まり、岩国では愛宕山米軍住宅建設の完成と共に厚木基地からの艦載機移転が進められようとしている。これらとたたかい、日米軍事同盟の実体的根拠である在沖・在日米軍基地とその強化・新設に対するたたかいを通して、日米軍事同盟をその足元から揺さぶり、解体していくことである。沖縄、岩国、京丹後、神奈川、横田をはじめとする全国の反基地闘争を推進し、その連携と結合を推進していこう。
 緊迫する情勢の中で、われわれは朝鮮侵略戦争策動と対決し、沖縄・岩国をはじめとする全国反基地闘争を推進していく。そして、それらのたたかいと反原発闘争や生活破壊・権利破壊に対する労働者人民の闘争など様々な抵抗闘争を結びつけ、安倍政権を打倒するたたかいの陣形を現場から拡大していく。
 全国のたたかう労働者、青年・学生の皆さん、二〇一八年に向けて、このたたかいを共にしよう。たたかいを通して労働者階級人民の未来を獲得しよう。



 

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