共産主義者同盟(統一委員会)


1518号(2018年1月20日) 政治主張(第二新年号)






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  朝鮮戦争を絶対に阻止しよう

 改憲、天皇制、貧困化との対決を

 安倍「働き方改革」粉砕

 全ての原発を稼働するな

 辺野古新基地建設阻止!



 
■第二部・総括と方針



 現代世界は大きく激動している。アジア太平洋地域においてもそれは例外ではない。米帝―トランプ政権と日帝―安倍政権によって朝鮮半島での戦争危機が急速に高められている。労働者人民は各地でいっそうの貧困と抑圧を強制されている。その一方で、韓国の「ロウソク革命」が端的に示したように、社会変革を願う労働者人民の声と行動は世界各地で広がり高まり続けている。
 ますますあらわになる米帝の歴史的没落のすう勢、中国の世界的・地域的な大国としての台頭、帝国主義としての生き残りを果たそうとする日本帝国主義の軍事的拡張、これらの動向が日本を含むアジア太平洋地域の情勢の激動を促進している。それは世界史的な転換期という一時代においてこの地域に現出した現象であり、労働者人民の社会変革要求の増大もまたそうである。
 現代世界はその根底的な変革を要請されている。労働者人民は生きぬくために社会の根本的な変革を求めている。今日まで沈黙してきた人々でさえ、何らかの契機をもって、明日には闘争に立ち上がる。われわれはこれまでもそうしたことを幾度となく目撃してきたし、激動する現代世界の中でそのような労働者人民の決起は今後ますます拡大する。
 われわれに必要なことは、そのような人々の怒りと苦悩を共有しつつ、資本主義社会に代わる展望として今こそ共産主義の旗を高く掲げることである。そして、「現在と同時に未来を代表する」(『共産党宣言』)という精神をもって、戦争に向かい貧困・搾取・抑圧を拡大する現代帝国主義、とりわけ自国帝国主義に対して共に立ち向かっていくことである。未来への展望は現実のたたかいを通してのみ切り拓かれるのだ。
 二〇一八年の幕開けにあたり、われわれはより多くの人々が現在の社会と世界の変革のための実践をわれわれと共にすることをあらためて訴える。


 ●第1章 二〇一七年の闘いの総括

 新しい年のたたかいの開始にあたり、われわれはまず昨年の一年間のたたかいの意義、その成果と課題を総括し、それをもって来るべきたたかいへの前提としなければならない。
 その総括の第一は、安倍右翼反動政権の打倒をめざす全人民政治闘争の一翼を担い抜き、そのなかで左派勢力の共闘を前進させてきたことである。
 昨年前半期における安倍政権による反動諸政策との対決の集約的な攻防戦は、共謀罪法案に対するたたかいであった。われわれはこれを新たに結成された「戦争・治安・改憲NO! 総行動実行委委員会」の下でたたかった。周知のように、この法案は参議院での委員会採決を抜きにして本会議に送付され強行採決されたが、それは通常の形式ではこの治安弾圧立法を制定できなかった安倍政権の追いつめられた姿を示すものでもあった。
 後半期においてわれわれは、トランプ来日―日米首脳会談に対する断固たる闘争に取り組んだ。それは日米軍事同盟強化との対決であり、安倍とトランプによる朝鮮侵略戦争策動との正面からのたたかいであった。 
 重要なことは、安倍政権と正面から対決するこれらのたたかいのただなかで、われわれが資本主義・帝国主義を批判しその打倒をめざす左派勢力の共闘を一貫して追求し、その前進を勝ち取ってきたことである。
 われわれはまた、高浜、大飯、玄海などの原発再稼働阻止闘争をはじめとする反原発闘争、八・六広島闘争をはじめとする反戦・反核闘争、あるいは労働運動における「働き方改革」に対するたたかいなど、安倍政権の反動的諸政策に対して様々な分野においてたたかってきた。
 第二に、排外主義煽動と真正面から対決し、朝鮮侵略戦争阻止を掲げた反戦闘争に断固として立ち上がってきたことである。
 日本の労働者人民にとって、朝鮮侵略戦争策動とのたたかいは、排外主義に屈服するのか否かの試金石である。すべての政治勢力がここで試され、ふるいにかけられる。われわれは韓米・日米合同軍事演習反対闘争をはじめエスカレートする日米帝国主義の戦争挑発を弾劾し、朝鮮侵略戦争策動を許さないたたかいをこの一年を通して様々なかたちで取り組み、全国各地で促進してきた。
 われわれはまた、戦争が発動される際には在日米軍基地が朝鮮半島への最大の出撃拠点とされることを直視し、朝鮮侵略戦争策動とのたたかいと反基地闘争を結合して推進してきた。とりわけ米韓合同軍事演習に反対する岩国基地への直接行動・国際共同行動として取り組まれた2・18日韓共同行動や「岩国を朝鮮半島への出撃拠点とするな!」のスローガンを掲げて取り組まれた岩国行動二〇一七の成功を支えた。
 朝鮮半島をめぐる情勢は日を追うごとに緊迫の度を増している。これと真っ向から対決し、朝鮮反戦闘争をさらに拡大していかねばならない。
 第三に、辺野古新基地建設阻止闘争をはじめとして全国反基地闘争の前進を支え、その結合を促進してきたことである。
 日本政府は昨年四月から辺野古での護岸工事に踏み出してきた。政府は、五カ月間に及んだ山城博治沖縄平和運動センター議長らの不当な長期勾留に加え、ゲート前での座り込みや海上阻止行動に対して不当拘束・不当逮捕を繰り返し、沖縄人民のたたかいへの弾圧を強めている。こうしたなかでわれわれは、辺野古現地でのたたかいを共にし、また各地での連帯行動に取り組んできた。
 F35配備および艦載機の移転開始と愛宕山米軍住宅建設(住宅エリア)の完成という岩国基地の一大強化策動に対しては、年間を通して様々なたたかいが展開された。その集約として取り組まれた岩国行動二〇一七は、「基地との共存」を拒否する地元の住民の粘り強いたたかいと結びついたものとして大きく成功した。
 また、京丹後の米軍Xバンドレーダー基地反対闘争は、韓国のTHAAD配備反対闘争との国際連帯を発展させながら、関西における反戦・反基地闘争を牽引している。神奈川や横田の米軍基地に対するたたかいも持続的に取り組まれ、われわれはそれを共にたたかい抜いてきた。
 第四に、農地死守の決戦の渦中にある三里塚闘争を支え抜いてきたことである。
 三里塚芝山連合空港反対同盟にとって二〇一七年は、前年の10・25最高裁不当決定に立ち向かい、市東さんの農地を守り抜くための徹底した闘争の一年であった。反対同盟は政府と空港会社によるこの農地強奪攻撃と正面から対峙し、決戦本部を立ち上げ、請求異議裁判を展開しつつ、今日まで農地の強制執行を阻止し続けている。その地平は実に偉大である。
 反対同盟は同時に、第三滑走路建設や夜間飛行制限の緩和など新たな空港機能強化策動と対決してきた。空港会社が打ち出したこの新たな策動は周辺住民の激しい怒りを呼び起こし、たたかいの新たな局面をつくりだしている。
われわれは現闘と行動隊の同志たちを先頭にして反対同盟による農地強奪阻止・空港機能強化案粉砕のたたかいに結合し、団結してその闘争を共に担い抜いてきた。われわれは昨年八月に逝去された北原絋治事務局長の遺志を引き継ぎ、農地の強制執行を許さず、反対同盟と共に空港廃港に向けてさらに奮闘していかねばならない。
 第五に、国際連帯闘争を推進し、アジア太平洋地域の民衆運動との具体的な連帯・結合をより深く発展させてきたことである。
 われわれはアジア共同行動(AWC)の運動を支え共に推進することを通してこの領域でのたたかいに取り組んできた。AWC日本連は韓国と米国のたたかう仲間を迎えた六月アジア共同行動を、各地でこのかんの結集を大きく上回る規模で成功させた。また、8・6広島闘争を韓国青年運動との日韓共同闘争としてかちとった。
 労働者大会訪韓団を通して韓国の労働者人民との連帯を前進させ、さらにトランプのアジア歴訪に対する国際的な連続闘争の一環として、トランプ訪比―東アジア首脳会議に対するフィリピン現地での反帝国際共同行動をたたかい抜いた。また、多くの人々と共に韓国サンケン労働者の不当解雇撤回の日本遠征闘争を支え、その全面的な勝利を共有できたことは大きな意義を持つものだ。
 同時にこのような国際連帯運動の前進は、海外活動家の相次ぐ入国拒否・入国妨害など日本政府による弾圧のエスカレーションに直面してきた。それを打ち破り、反帝国主義にもとづく国際連帯をさらに発展させていかねばならない。
 第六に、前記のような政治闘争の展開と同時に、われわれが階級的労働運動と被抑圧人民・被差別大衆の解放闘争の推進を軸として、全国と各地における階級闘争構造建設の課題に粘り強く取り組んできたことの意義をしっかりと確認しよう。
 左派労働運動は、各地で原則的な組織化を進め、最賃闘争や均等待遇を実現するたたかいをはじめ、安倍政権が推進する新自由主義政策の下で拡大する貧困と格差、権利はく奪に抗して、労働者階級の団結を拡大すべく奮闘してきた。そして、連合指導部の裏切りを許さず、安倍政権によるペテン的な「働き方改革」攻撃と対峙してきた。また、岩国基地や横田基地に対するたたかいなど、労働者反戦闘争を引き続き前進させている。われわれもまた全国各地でこれらのたたかいの一翼を担い、階級的労働運動の前進に向けて全力をあげてきた。そのたたかいの課題は今年に引き継がれる。
 さらにわれわれはまた、部落解放闘争、障害者解放闘争、被爆者解放闘争、女性解放闘争など被抑圧人民・被差別大衆の解放闘争を推進してきた。そのたたかいと課題については第三章で提起する。ここでは、侵略戦争策動が強められ、新自由主義攻撃の下で貧困と格差が拡大するなかで、差別・排外主義との闘争、被抑圧人民・被差別大衆の解放闘争を推進していくことの決定的意義をあらためて確認したい。


 ●2章 二〇一八年の闘争方針

 「国難突破」を呼号して昨年十月の衆議院選挙に勝利した安倍政権は、それによって自らの正当性が証明されたかのように振舞っている。しかし、貧困と格差を拡大し、戦争態勢づくりを進める安倍政権に対する労働者人民の怒りは深く蓄積し続けている。実際、小選挙区制ゆえの「圧勝」にもかかわらず、安倍政権への支持は25%以下に過ぎず、与党候補者の総得票数は野党のそれを大きく下回っていた。安倍政権は依然として不安定で脆い基盤の上に立っているのである。われわれは昨年のたたかいの成果を引き継ぎ、労働者人民の怒りを結集し、安倍政権の打倒に向けてたたかっていかねばならない。そして、日米軍事同盟と対決し、帝国主義の侵略戦争策動と新自由主義攻撃に対する労働者人民の国際共同闘争の前進を切り拓いていかねばならない。以下に二〇一八年の政治闘争課題を提起する。
 第一に、最も喫緊の政治課題として、日米帝国主義の朝鮮侵略戦争策動に反対する反戦闘争に全力で立ち上がり、拡大していくことである。
 朝鮮半島をめぐる情勢はますます緊迫している。米帝―トランプ政権は、さる十二月には米兵約一万二千人、米軍戦闘機二百三十機以上を動員した過去最大規模の米韓合同軍事演習を実施するなど、朝鮮民主主義人民共和国への戦争挑発をますますエスカレートさせている。安倍政権はそれを全面的に支えている。
 われわれは日米帝国主義による朝鮮侵略戦争策動、安倍政権による集団的自衛権の発動―朝鮮侵略戦争への参戦を絶対に阻止しなくてはならない。何よりもまず自らが朝鮮反戦の街頭行動へと決起すると同時に、今日の朝鮮半島をめぐる戦争危機の主要因が日米帝国主義の側にあること、朝鮮半島と東アジアの平和のためには朝鮮戦争休戦協定を平和協定に転換せねばならず、日米政府が朝鮮民主主義人民共和国敵視政策を中止し、日朝・米朝の国交正常化を実現する必要があることを広範な労働者人民に対して創意工夫をもって粘り強く訴えていかねばならない。そして、日米韓の合同軍事演習など戦争挑発に反対するより広範な反戦行動をつくりあげていかねばならない。
 第二に、貧困を拡大し、侵略戦争と改憲攻撃に突き進む安倍右翼反動政権を打倒する全人民政治闘争をさらに強力に推進していくことである。
 昨年十月の衆議院選挙を通して衆参両院に三分の二以上の改憲勢力を確保した安倍政権は、いよいよ憲法改悪に本格的に突き進んでいこうとしている。これとたたかう全国―各地方を貫いた最も広範な統一戦線と共同行動を支持するとともに、反改憲闘争を具体的な反戦・反基地行動と結びつけて推進していかねばならない。
 巨額のイージス・アショアの導入など大軍拡予算や、敵基地先制攻撃能力を含む「防衛計画の大綱」の改定など侵略戦争態勢づくりが推進されている。その一方で、アベノミクスの下で貧困と格差、権利破壊が拡大している。脆弱な基盤の上に立つ安倍政権は、やがておこる労働者人民の反乱を恐れ、共謀罪制定など治安弾圧体制を強化し、差別・排外主義煽動を強めている。それらと断固としてたたかい抜かねばならない。
 さらに、天皇代替わりを通した天皇制・天皇制イデオロギーの強化とその下への「国民統合」の攻撃に対して正面からたたかい抜いていかねばならない。安倍政権は退位・即位の日程をそれぞれ来年四月三十日と五月一日に閣議決定した。そこに向けて強まる天皇制・天皇制イデオロギー攻撃とたたかおう。
 森友・加計問題は安倍政権が推し進めてきた国家主義的教育改革と新自由主義政策の腐敗した真実、帝国主義の腐朽性を端的に示すものだ。労働者人民の怒りを結集し、安倍政権の打倒に向けてたたかおう。
 第三に、日米軍事同盟と対決し全国反基地闘争の前進をかちとっていくことが重要である。
 在日・在沖米軍基地は日米軍事同盟の実態的根拠であり、日米帝国主義が朝鮮侵略戦争策動を強めるなかで、反基地闘争を現場から組織していくことの重要性はますます高まっている。
 辺野古新基地建設阻止闘争こそ、その最大の攻防環だ。辺野古をめぐるたたかいは沖縄人民と日本政府との総対決へと発展してきた。安倍政権は島ぐるみで前進する沖縄人民のたたかいを抑え込み、「オール沖縄」の切り崩しを狙い、弾圧を強めている。沖縄側から提訴された工事差し止め訴訟を無視し、石材の海上搬入さえ開始された。沖縄人民の意思を踏みにじる攻撃を許さず、現地派遣を幾重にも組織し、たたかいを現場で支え抜いていくことである。そしてまた、二月名護市長選―九月名護市議選―十一月沖縄知事選の勝利をかちとっていかねばならない。辺野古をはじめとする反米軍基地闘争、宮古・八重山への自衛隊配備強化とたたかう沖縄人民との連帯を推進しよう。
 岩国基地をめぐっては、今年前半に厚木基地からの艦載機の移駐が完了する予定であり、岩国闘争は強化された基地とのたたかいという新たな段階に入る。あくまで抵抗を続ける現地住民との結びつきをさらに広げ深めつつ、たたかいの発展を共につくりだしていかねばならない。
 さらに、米国のミサイル防衛(МD)体制の一環として、また日米韓の三国軍事連携を促進するものとして、地域情勢のなかで重要な位置をもつ京丹後米軍Xバンドレーダー基地に対する反対闘争を大きな力を割いて取り組んでいかねばならない。また、神奈川の基地群や横田基地に対するたたかいの一翼をしっかりと担い抜いていかねばならない。
 第四に、原発再稼働を許さず、すべての原発の廃炉に向けて反原発闘争のさらなる発展を勝ち取っていくことである。
 安倍政権と電力会社は次のターゲットとして大飯原発三・四号機、玄海原発三・四号機の再稼働をあくまでおし進めようとしている。また、原子力規制委員会は、福島事故を引き起こした張本人たる東京電力の柏崎刈羽原発六・七号機にさえ新規制基準への適合決定を与えた。
 あわせて、東海第二原発など四十年越えの老朽原発の再稼働策動のみならず、原発の新増設さえ画策されている。エネルギー基本計画の見直しをめぐり、ブルジョアジーと御用学者からは新増設を要求する声が相次いでいる。また、成長戦略の柱のひとつに位置づける原発輸出は、日帝の思惑通りには進んでいないが、安倍政権はあくまでそれを推進していこうとしている。
 われわれは当面する大飯原発、玄海原発の原発再稼働に反対する現地闘争への決起を重視しつつ、反原発闘争を全国各地で推進していかねばならない。福島の人々と連帯し、原発再稼働を許さず、すべての原発の廃炉に向けてたたかおう。上関原発の新設を阻止しよう。被曝労働の強制を許さず除染労働者裁判、福島原発被ばく労災損害賠償裁判の勝利をかちとろう。
 第五に、反戦の砦、反帝国主義闘争の拠点としての三里塚闘争を支え、市東さんの農地強奪の強制執行を許さず、第三滑走路建設計画など空港機能強化策動を粉砕することである。
 市東さんの農地を守るたたかいは、いよいよ本格的な煮詰まりを迎える。反対同盟決戦本部と結合し、強制執行の阻止に向けて現地決起、裁判闘争、署名活動をはじめあらゆるたたかいを全力で遂行していかねばならない。また、膨大な農地を奪い、深刻な騒音被害をさらに拡大する空港機能強化案に対するたたかいも、今年ひとつの攻防の局面を迎える。
 政府と空港会社が一体となって進めるこれらの攻撃は、日本帝国主義の農業破壊・農民殺しの象徴であり、利潤追求のためには人々の生活と生命を犠牲にすることをいとわない資本主義のあり様、それを暴力的に貫徹しようとするブルジョア国家権力の本質を赤裸々に暴露している。
反対同盟の呼びかけに応え、現地への結集運動を強化しよう。国策に抗する全国各地のたたかいと三里塚闘争との結合を発展させ、五十二年目を迎える不屈の三里塚闘争をあらためて全国・全人民のたたかいのものとするために反対同盟と共に奮闘しよう。反戦の砦、反帝国主義闘争の拠点としての三里塚を守り抜こう。
 第六に、国際連帯運動および反帝国際共同闘争のさらなる前進を切り拓いていくことである。
 この分野において喫緊の課題は、自主的平和統一を求める朝鮮半島の人々と固く連帯して、日米帝国主義の朝鮮侵略戦争に反対するたたかいを国際共同闘争としておし広げていくことである。そしてまた、アジア太平洋地域における反基地・反米軍闘争とその共同闘争をさらに大きく前進させていくことである。さらに、日系多国籍企業下での労働争議をはじめ新自由主義政策とたたかう各国・地域の労働者人民の連帯と相互支援を発展させていかねばならない。
 一九九二年に発足した「日米のアジア支配・侵略に反対するアジア・キャンペーン」(AWC)は、反帝国主義を一致点にして二十五年を超えてアジア太平洋地域の人民の国際主義的連帯を堅持し発展させつづけてきた。東アジアを含むアジア太平洋地域の情勢はますます大きく激動しており、労働者人民の国際連帯と共同闘争の必要性・重要性はますます大きなものになっている。AWCはこの一月下旬に韓国で第十八回キャンペーン調整委員会(CCB)会議を開催する。その成功を支え、激動する情勢のなかで、アジア太平洋地域の労働者人民による反帝国際共同闘争のさらなる前進をかちとろう。


 ●3章 階級闘争構造の建設

 われわれはたたかいを一過性のものに終わらせず、それを階級闘争の拠点建設・陣形建設と結びつけて推進していかねばならない。それは日本におけるプロレタリア社会主義革命の勝利に向けてわれわれが営々と担い抜いていかねばならない任務の一部であり、また、全国の原則的な共産主義者・共産主義党、活動家たちとの共同の努力を通して推進していこうとするものである。この領域における課題を当面する情勢との関係での任務を含めて以下に提起する。

 ▼3章―1節 階級的労働運動の前進

 残業代ゼロ制度(高度プロフェッショナル制度)、裁量労働制の対象拡大、まやかしの「同一労働同一賃金」など安倍政権によるペテン的な「働き方改革」は、一言で言えば、八時間労働制をはじめ全世界の労働者が血の犠牲の下にたたかい取ってきた諸権利を根底から破壊・解体しようとするものだ。職場からの反撃をおし進め、ナショナルセンターの違いを越えた共同行動を促進しつつ、いよいよ国会に上程されようとしている「働き方改革」関連法案を葬り去ろう。あらゆる労働法制の改悪を阻止しよう。
 同時に、階級的労働運動の前進をめざすわれわれは、いまや四割を超えるに至った非正規職労働者や中小零細企業の労働者をはじめ相対的下層の労働者にあくまで依拠し、地域ユニオンの活動などを通してその階級的団結を促進していかねばならない。また、自治体、郵政、教育など公務労働運動の中で、非正規労働者の組織化を重要な課題とし、正規と非正規を貫く原則的な労働運動を進めていかねばならない。
 貧困と格差がますます拡大するなかで、人らしく生活できる大幅賃上げ、全国一律最低賃金千五百円(今すぐ千円)、均等待遇、社会保障の改悪阻止、外国人労働者の権利擁護、これらの要求の実現を18春闘の勝利を通してかちとろう。また、労働者反戦闘争への決起をおし進めよう。労働者と労働組合こそ戦争、基地、原発などの全人民的政治課題をめぐるたたかいを牽引し、反差別・国際連帯のたたかいを積極的に推進していこう。
 現実の労働者を労働組合に組織し、その階級的団結を育み拡大していくこと、経済闘争と政治闘争を結合し、反差別闘争や国際連帯運動に取り組みつつ、労働者を革命的階級として形成していくこと、それらの原則的活動を通して階級的労働運動の全国陣形を拡大し、連合支配を打ち破る日本労働運動の戦闘的発展を切り拓いていかねばならない。また、各地での拠点労組の建設、労働組合オルグの拡大、青年労働運動活動家の形成などの戦略的課題にチャレンジしていかねばならない。

 ▼3章―2節 青年・学生運動の推進

 青年層は新自由主義政策の最も深刻な影響を受けている階層のひとつである。新自由主義的競争がますます強まり、多くの青年労働者が非正規の低賃金労働あるいは長時間労働など過酷な労働条件に置かれたまま、個々に分断され、「自己責任」を内面化している。学生の貧困は深刻化し続けており、キャンパスには閉塞感が拡大し、その陰で「軍産学共同」の戦争協力が強められている。こうした状況の中で、われわれは労働運動における青年労働者の組織化を進めつつ、青年・学生自身の運動と組織の形成を大胆に促進していく。
 同時にわれわれは、青年・学生こそが安倍政権の打倒をめざす全人民政治闘争の先頭に立つことを訴える。とりわけ反戦・反基地、国際連帯のたたかいを推進していこう。国家権力の重圧と対峙する人々の様々な現場でのたたかいを共にするなかから、国家権力の真の姿、社会の構造的矛盾を学びつつ、自らが社会変革の主体として立ち上がっていくことである。韓国およびアジア各地の青年・学生運動との連帯を進め、朝鮮侵略戦争を阻止するたたかいをつくりだそう。辺野古新基地建設阻止闘争に連帯し、現地におけるたたかいと「本土」における連帯活動を推進していこう。五十年を超えて国策と対峙し続ける三里塚闘争に学び、反対同盟決戦本部に結合して、市東さんの農地強奪を阻止するたたかいを共にしよう。
 また、資本主義・帝国主義批判と共産主義の思想・理論をわがものとする学習活動を進めていくことも重要だ。現場でのたたかいと同時に、マルクス・レーニン主義の系統的学習を進めよう。

 ▼3章―3節 被抑圧人民・被差別大衆

 女性解放運動では、「女性活躍」「女性が輝く社会」などと称して性差別を温存したまま安価な労働力として「女性の活用」を拡大するという安倍政権のペテン的政策を暴露しつつ、均等待遇の実現をはじめ階級的労働運動の中で女性労働者のたたかいを推進してきた。また、反戦・反基地闘争への女性の決起を促進するとともに、日本軍性奴隷制度の被害者に対する戦後補償の実現のための取り組みを進め、「日韓合意」に示される安倍政権によるこの問題の欺瞞的決着策動を許さずにたたかってきた。これらのたたかいをさらに進め、女性解放運動の前進をかちとろう。
 障害者解放運動は、日本帝国主義の戦時障害者政策との激しいたたかいの渦中にある。安倍政権は一昨年に起こった障害者大量虐殺事件(相模原事件)を利用して、措置入院からの退院後の監視体制に警察を参加させるなど精神障害者への治安弾圧体制の強化を狙う精神保健福祉法改悪案を国会に上程した。この法案は秋の衆議院解散に伴っていったん廃案となったが、厚生労働省は一月から始まる通常国会にも再提出を狙っている。これを阻止するためにたたかおう。天皇制優生思想、あらゆる差別排外主義政策を許さず、障害者への隔離―抹殺・保安処分攻撃とたたかい、障害者解放―日帝打倒に向けて立ち上がろう。
 部落解放闘争においては、侵略戦争策動と一体となって強まるさまざまな部落差別攻撃に対して、糾弾権をもって大衆的な解放運動が推進されている。また、在日朝鮮人・韓国人への排外主義攻撃を許さないたたかいや沖縄人民のたたかいへの支援など反差別共同闘争が展開されてきた。狭山闘争においては、石川さんの再審勝利に向けて、全証拠の開示、下山鑑定の事実調べを迫りつつ、第三次再審闘争が進められている。無実の石川一雄さんがでっちあげ逮捕されてから五十五年の今年、狭山闘争の勝利を何としてもたぐり寄せるためにたたかおう。
 被爆者解放闘争は、反戦・反核・反原発・被爆者解放を掲げ、帝国主義の侵略戦争策動を許さず、あらゆる核の廃絶をめざすたたかいの先頭に立ってきた。そして、国籍を問わずすべての被爆者、被爆二世・三世に対する国家補償を要求してたたかってきた。この地平をさらにおし広げよう。核兵器禁止条約への不参加をもってあらためて核兵器の容認と自国の核武装への野望をあらわにする安倍政権を弾劾し、反戦・反核闘争をさらに推進しよう。日韓共同闘争として前進する8・6広島闘争を今年も成功させよう。被爆二世集団訴訟をその勝利に向けて支え、被爆二世・三世への被爆者援護法の適用を実現するためにたたかおう。
 また、在日外国人、滞日外国人に対する管理と監視、弾圧体制の支柱である入管体制に対するたたかいを進めていかねばならない。在日韓国・朝鮮人に対する差別排外主義勢力の襲撃を許さずたたかおう。在日・滞日外国人の生活と権利を防衛するたたかいを推進しよう。外国人研修・技能実習制度を廃止させると共に、無権利と低賃金の下で強搾取と抑圧を強いられているすべての外国人の権利と団結の前進を共に支えていこう。

 ▼3章―4節 反帝国際主義潮流の拡大

 階級的労働運動、青年・学生運動、被抑圧人民・被差別大衆の解放運動を推進しつつ、そうした諸階級層、各戦線のたたかいを結集した反帝国際主義派の政治潮流の建設を実体をもって前進させていかねばならない。激動する情勢の中で、プロレタリア国際主義に立脚し、日本階級闘争とアジアにおける階級闘争の結合を促進しつつ、帝国主義の打倒に向けた労働者人民のたたかいの展望を地域規模で切り拓いていくという戦略的課題を推進していくことが求められている。
 われわれにあってそれは今日的には、反帝国際主義の諸内容に立脚した大衆的な政治組織・共闘組織として、また、大衆的政治闘争展開の推進軸として、全国各地でアジア共同行動(AWC)の運動を支え、そのさらなる発展を切り拓いていくことに集約される。とりわけ、全国的運動の基礎としてのAWCの各地実行委員会の運動と組織の前進をしっかりと支えていくこと、また、それと結びついた地区政治サークルなどを建設・強化していくことが重要だ。AWC運動のさらなる前進を共にかちとり、反帝国際主義派政治潮流の飛躍を実現するためにたたかおう。

 ▼3章―5節 左派共闘の推進

 われわれにとっていまひとつの重要な課題は、左派勢力の結集と共闘をさらに強化・発展させていくことである。資本主義・帝国主義批判に立脚し、安倍政権を打倒する全人民政治闘争を実力闘争をもって推進する左派勢力の共闘を各地でさらに推進・拡大し、日本階級闘争の戦闘的再編を切り拓いていこう。そのために、反戦闘争実、「安倍たおせ! 反戦実」、「戦争・治安・改憲NO! 総行動実行委員会」などのたたかいを発展させていこう。
 左派勢力の共闘を拡大し、その内実を深化させていくという課題は、日本帝国主義の労働者人民に対する激しい攻撃が不可避に要請しているものであると同時に、日本におけるプロレタリア社会主義革命、共産主義運動の再建に関わる課題である。まさにそのような観点から、われわれは全国の原則的な共産主義者・共産主義党、活動家たちとの間で、全人民政治闘争、反帝国主義闘争における実践を共通の基盤として、様々な分野での討議、交流、共同行動を積極的に進めていきたいと考えている。分散を克服し、左派勢力の共闘のさらなる前進をかちとるために共にたたかおう。


 ●4章 革命的労働者党建設

 現代帝国主義―日本帝国主義の危機はますます深まるばかりである。労働者人民の貧困・搾取・抑圧が拡大し、侵略戦争に向かう動きが強められている。それを根底的に突破する道は、プロレタリア社会主義革命を通して以外にありえない。われわれは全国のたたかう労働者、青年・学生に対して、今こそ共産主義の旗の下に結集し、革命的労働者党建設を共に担っていくことを呼びかける。
 一九五八年に日本共産党から革命的に分岐して結成された共産主義者同盟は、第一次ブント・第二次ブント、あるいはその後の時代を通してあくまで労働者人民の現実のたたかいの先頭に立つ中で党建設を展望し、また、プロレタリア国際主義と暴力革命の路線を追求してきた。そのかん「戦略・戦術の党」としてのあり様に代表される弱点から分裂を余儀なくされてきたが、ブントの革命的伝統を継承し、そのなかにはらまれた弱点を克服しつつ、新たな地平の上に二〇〇四年に統一委員会の結成をかちとった。われわれはブント結成以来の六十年間、統一委員会結成以来の十四年間に及ぶ自らの党建設の歩みを総括しつつ、スターリン主義、宗派主義の誤りと区別された日本における革命的労働者党の建設をおし進めていく。
 時代は共産主義運動の再生を求めており、われわれは共産主義者・革命家としてその歴史的任務を遂行するために全力でたたかう。同時に、この歴史的な事業を共同で進めていくために、全国の原則的な共産主義者・共産主義党、活動家たちとの共闘を前進させる。そしてまた、新たな同志の共産主義運動への結集を呼びかける。
 われわれは現在、「改憲、戦争、差別排外主義、新自由主義を粉砕し、労働者・被抑圧人民の国際的団結をかちとり、プロレタリア革命の反転攻勢を切り拓こう!」、「共産主義運動を創造的に組織し、党勢拡大に勝利しよう!」の二つをメイン・スローガンとする四回大会路線を貫徹し、物質化すべくたたかい抜いている。その実現との関係で、以下に強調しておきたい当面の党建設課題を簡潔に提起する。
 第一に、すでに述べてきたように、全人民政治闘争の先頭に立ち、階級闘争構造の建設を着実におし進め、反帝国際主義派政治潮流の拡大と左派共闘の前進をかちとっていくことである。われわれはあくまでたたかう党として自らの党の建設をおし進めていく。
 第二に、共産主義の思想理論活動をさらに強化していくことである。現代世界を根底から変革するための武器として、労働者階級・被抑圧人民の解放の展望として、共産主義の復権をかちとろう。現代資本主義・帝国主義批判、共産主義論、スターリン主義批判の深化などの理論作業を進め、マルクス・レーニン主義の創造的・現代的な発展を切り拓いていかねばならない。そのために党内外での理論学習活動を積極的に組織し、強化していく。
 第三に、党勢拡大に向けた系統的な党活動を推進していくことであり、そのための具体的な計画を作成し実践していくことである。階級闘争の先頭に立ち、たたかいの前進を支えると同時に、その基礎の上に、共産主義者を形成し、革命的労働者党建設への結集を呼びかけるための活動を意識的に推進していかねばならない。
 第四に、共謀罪制定をはじめとする治安弾圧体制の強化とたたかい、階級闘争と革命運動、党組織を防衛し抜くことである。日帝―国家権力はこのかんわが同盟に対する監視と弾圧を強めてきた。国際連帯運動に対する弾圧もまた拡大している。弾圧に対する反撃の組織化、獄中での完全黙秘・非転向のたたかいをあらためて確認するとともに、日常的な反弾圧活動を強め、反革命弾圧を打ち破る革命党建設に勝利しよう。
 全国の労働者、青年・学生の皆さん、二〇一八年をプロレタリア階級闘争と共産主義運動の飛躍の年にしよう! 共産主義者同盟(統一委員会)と共にたたかおう!



 

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