共産主義者同盟(統一委員会)


1520号(2018年2月20日) 政治主張






■政治主張

■各地の闘争

■海外情報

■声明・論評

■主要論文

■綱領・規約

■ENGLISH

■リンク

 

□ホームへ

 
  18春闘勝利!生活できる賃金の実現を

 「働き方改革一括法案」粉砕



 ●1章 労働者の反戦反基地闘争で朝鮮侵略反革命戦争阻止

 朝鮮半島をめぐって情勢は緊迫の一途をたどっている。米帝-トランプ政権は二月二日、今後五~一〇年の核政策の指針となる「核態勢の見直し(NPR)」を公表した。そこでは、ロシア・中国・朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)・イランを具体的脅威として名指しし、核の先制不使用を否定、小型核や海洋発射型の核巡航ミサイルの新規開発、通常兵器や大規模なサイバー攻撃を受けた場合の報復にも核使用を排除しない方針を明らかにした。日帝―安倍政権は、この発表後ただちに「今回のNPRを高く評価する」と言いはなち、米帝の核政策の転換を賛美している。
 われわれは、排外主義煽動と対決し、朝鮮侵略反革命戦争阻止を掲げた反戦闘争に断固として立ち上がるべきだ。朝鮮戦争という事態になれば、共和国の労働者民衆に多大の犠牲が出るとともに、韓国、日本でも数十万人とも数百万人とも死傷者が出ると言われている。誰がこのような犠牲を望むのか。みずからは安全圏を確保して、戦争からも利益をむさぼろうとする支配者―資本家どもである。これに対し、われわれ日本労働者階級人民は、南北に分断された朝鮮半島の民衆とともに、戦争反対という点で利害を共有しているのだ。米帝と一体となって朝鮮戦争重圧を強める安倍政権こそが、われわれ日帝足下の労働者階級人民の敵である。安倍政権を打ち倒すたたかいにたちあがろう。
 一月二二日、第一九六回通常国会が始まった。安倍は施政方針演説をおこない、何よりもまず「働き方改革を断行する」と宣言した。「働き方改革」関連法を今国会の重要法案として位置づけ、成立させようとしているのだ。外交安保政策では日米同盟を基軸と位置づけ、「北朝鮮による挑発がエスカレートする中にあって、あらゆる事態に備え、強固な日米同盟の下、具体的行動を取っていく」とし、イージス・アショア、スタンド・オフ・ミサイルを導入する方針を表明した。最後に、国会内での改憲論議に強い期待を示し、今年中の改憲発議へ突き進んでいこうとしている。安倍政権による改憲攻撃を全人民的政治闘争で粉砕しなければならない。
 そして、二月四日投開票の名護市長選を経て、二月七日、稲嶺名護市長が退任した。稲嶺市政は、安倍政権による苛烈な沖縄差別軍事支配の重圧に決して屈することなく、二期八年にわたって辺野古新基地建設反対を貫きつつも、政府の助成金にたよることなく名護市民の生活の向上をかちとってきた。この稲嶺市政の成果に対して、安倍政権―自民・公明は全体重をかけて、渡具知候補を支援した。無法な護岸工事を強行しながら、渡具知候補に辺野古の「へ」の字も言わせず、新基地建設を選挙の争点からはずす選挙戦術をとった。実際、出口調査では渡具知候補に投票した三割は基地反対の立場であり、公明党の渡具知候補支持一本化という裏切りと、歴史的な沖縄人民の反戦・反基地の意思を踏みにじる卑劣な攻撃を断じて許すことはできない。
 沖縄人民は、名護市民投票から知事選まで、幾度となく辺野古新基地建設反対の意思を表明してきた。そして辺野古現地では、いまも新基地建設を阻止する闘いが進められている。問われているのは、「本土」における辺野古新基地建設に反対するたたかいだ。先進的な反基地闘争の地平を切りひらいてきた沖縄人民と結びつき、安倍政権による辺野古新基地建設を阻止する闘いに立ちあがらなければならない。

 ●2章 18春闘に勝利し、八時間働けば生活できる賃金をかちとり、
     「働き方改革一括法案」を粉砕しよう!

 先に述べたように、安倍政権は施政方針演説において「働き方改革を断行する」と宣言した。この「働き方改革」の実現にむけた具体策が、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案」である。一八年度予算案の成立後に審議入りしようとしている。18春闘の過程で「働き方改革一括法案」の成立を阻止する闘いを大きく構築していかなければならない。
 この法案は、雇用対策法、労働基準法、労働時間等設定改善法、労働安全衛生法、パートタイム労働法、労働契約法、労働者派遣法、じん肺法といった八本の法律の一部改正を一括でおこなおうとするものである。
 労基法の改悪については、いわゆる「高度プロフェッショナル制度(以下、高プロ)」と裁量労働制の拡大がもくろまれている。いずれも、「残業代ゼロ」と指摘されているように、賃金と労働時間を切り離すことが目的の改悪案である。前者の「高プロ」は、年収一〇七五万円以上の「高度専門職」労働者には、労基法の規制をはずし残業代を支払わなくてよいとする制度である。後者の裁量労働制は、一定時間働いたとみなし、実労働時間にもとづく割増賃金を支払わない制度である。これまでは、本社の企画・立案、調査・分析業務に限定される「企画業務型裁量労働制」だったものを、法人向け営業や本社以外の事業所の企画や管理業務にも広げようとしている。いわゆる「みなし管理職」をも対象とし、法文上は、ほぼすべての総合職が対象になるとも指摘されている。これを許せば、経団連が主張するように、平均月収四五〇万円のホワイトカラーまで拡大されていくのは火を見るよりも明らかだ。
 長時間労働規制では、月四五時間、年間三六〇時間を超える残業には罰則がつくことになる見通しだ。とはいえ、労使協定(三六協定)を締結すれば単月で一〇〇時間未満、二~六カ月の平均で月八〇時間の残業が可能となる。これは「過労死ライン」を超える労働時間であり、まったく規制になっていない。文字通りのザル法である。
 全労協、全国一般全国協、コミュニティーユニオン全国ネットなど多くの労働組合、労働団体が共闘し、「働き方改革」反対の全国キャラバンを行うことを決定した。これらの取り組みを断固支持して、「働き方改革」に反対する闘いの陣形をともにおしひろげていこう。
 そして次に、われわれがかかげる18春闘でたたかうべき内容である。それは、大幅な賃金引き上げと労働時間の短縮をめざし、非正規労働者の処遇改善を求めてたたかっていくことである。
 まず第一に、大幅な賃金引き上げ、労働時間短縮をめざしてたたかおう。
 全労協は「八時間で生活できる賃金を!」などを掲げ、全国一般全国協は「定昇分2%+ベア分2%+大企業との格差是正3%」の7%以上の賃金引き上げを要求している。これらの闘いと結合し大幅な賃金引き上げを実現していかなければならない。
 一六年の毎月勤労統計調査では一般労働者の総実労働時間は二〇〇〇時間を超えている。月八〇時間以上の時間外労働は過労死ラインであるが、男性では一割以上の労働者が強制されている。多くの労働者が長時間労働で肉体的、精神的に疲弊し過労死している。世界有数の長時間労働を短縮していくことが必要だ。賃金引き上げと結びつけて長時間労働の短縮を要求していこう。
 第二に、非正規労働者の処遇の改善を求めてたたかおう。
 労働契約法二〇条や「同一労働同一賃金ガイドライン」などには、正規と非正規との差別は認めた上で「不合理な差別は禁ずる」という限界がある。しかし福利、厚生、一時金などを中心にして、非正規労働者の処遇改善を求めるたたかいの武器として使える部分もある。非正規労働者にとって、少しずつでも実際に労働条件が向上していくことは、前進していることの実感を得ることになり、力になるものである。各職場で創意工夫を凝らし要求を練り上げて、非正規労働者の労働条件改善を実現しよう。
 また有期雇用労働者は、二〇一八年四月一日から、労働契約法第一八条による無期雇用契約への転換権が発生する。同一の使用者との間で五年を超えて反復更新された場合、労働者からの申し込みによるなどの条件があるが、無期転換権が発生する。この権利を持つ有期雇用労働者に対する、四月一日以前の脱法的な雇い止め解雇を許さないことや、無期転換後の労働条件の向上を求めていくことが重要なたたかいとなる。
 そして、非正規労働者の処遇を改善するにあたって、最低賃金を引き上げることは決定的に重要である。改正後の最低賃金額を下回る賃金で働く労働者の割合をしめす「影響率」は、四割を超えている。その多くが非正規労働者であると考えられる。最低賃金が上がれば賃金があがる労働者は、影響率の対象労働者だけではない。毎年、時給があがるランク制を採用している流通、製造などの大企業のパート制度では、最下位のランクが最低賃金見合いであることが多い。最低賃金が上がることによって最下位ランクが上がれば、最上層まで引き上げなければならなくなる。その影響は雇用するパート労働者全体に及ぶ構造になっている。
最低賃金引き上げを春闘において重要な課題として位置づけ闘うことは、組織された労働者による未組織や非正規の労働者に対する賃金引き上げの連帯戦であり、社会的責任でもある。「最低賃金一五〇〇円をめざし、直ちに一〇〇〇円」をかかげ、春闘時から最賃引き上げの署名活動などを大きく展開していこう。これらを18春闘の重要な課題として闘いぬこう。



 

当サイト掲載の文章・写真等の無断転載禁止
Copyright (C) 2006-2007, Japan Communist League, All Rights Reserved.