共産主義者同盟(統一委員会)


1523号(2018年4月5日) 政治主張






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  国家的権力犯罪を許すな

  全人民の怒りで安倍打倒

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 東アジアで七〇年以上続いてきた、「最後の冷戦構造」に画歴史的な流動が起こっている。四月末、二〇〇七年一〇月の金正日(キムジョンイル)―盧武鉉(ノムヒョン)による第二回会談以来一一年ぶりの南北首脳会談が開催される。
 昨年は米帝トランプの大統領就任に始まり、一九九四年以来、いや、朝鮮戦争以来の核戦争危機が最大限に高まった年となった。三月、「フォールイーグル」「キーリゾルブ」米韓合同軍事演習を例年以上の規模で実施して以来、朝鮮民主主義人民共和国(以下共和国)首脳部の暗殺を狙う「斬首」作戦、原子力空母三隻や原子力潜水艦、核爆撃機B1の派遣、ほぼ通年にわたる事実上の米日韓合同軍事演習など、日米帝は徹底した戦争挑発を行った。これに対し、共和国は核・ミサイル開発で応え、一一月には米帝全土を攻撃できるICBMを完成したと宣言した。日米帝では対共和国先制攻撃が語られ、日帝は労働者人民に対し、「Jアラート」扇動により排外主義をあおった。
 これに対し、韓国では「ろうそく革命」から誕生した文在寅(ムンジェイン)政権が韓国人民の意思を背景に粘り強く対話を進め、平昌(ピョンチャン)五輪を契機として今回の合意にこぎつけた。日米帝の戦争挑発は足並みが乱れ、一人安倍政権のみがむなしく「圧力」を叫び続けている。
 われわれ日本労働者人民のなすべきことは何か。朝鮮半島和平の阻害物にして、権力をほしいままにする腐敗分子、安倍晋三とその仲間たちを官邸からたたき出すことだ。以下に、目下の情勢とわれわれの任務を明らかにする。

  ●第1章 東アジア情勢の大転回、朝鮮半島の平和実現を

 三月五日に行なわれた韓国政府特使団と金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との会談において、以下の五つの合意がなされた。①四月末に板門店(パンムンジョム)で南北首脳会談を実施する、②緊張緩和のため、首脳間のホットラインを設置する、③共和国への軍事的脅威が解消され、体制が保証されれば核を保有する理由はない、④共和国は非核化問題協議と関係正常化のため、米国と対話する用意がある、⑤対話が続く間は、共和国は追加の核実験や弾道ミサイル試射を行わない、である。
 三月八日には、この韓国特使団はその訪朝内容を米トランプ政権に報告した。米韓外交交渉の結果、トランプは五月に米朝首脳会談を行なうことを発表した。
 この南北首脳会談、米朝首脳会談の合意によって開始された朝鮮半島の和平への転回を、朝鮮戦争反対を掲げてきたわれわれは評価する。韓国―文在寅政権が主導した外交交渉によって、米帝、日帝が企図した朝鮮戦争情勢が大きく和平の道へと転回したのである。THAAD配備強行や労働政策など文在寅政権は決して労働者階級人民の代表であるとは言い得ない。しかし、それでも、現在の韓国の政治状況は、一昨年の韓国労働者階級人民の「ろうそく革命」が朴槿恵(パククネ)政権を打倒して切り拓いたものだ。南北、米朝の戦争を絶対阻止するという韓国民衆の意思こそが、この和平への転回を創り出したと言えるだろう。
 もっとも、この流れがそのまま順調に進むとみるのは、あまりにも楽天的な見方だろう。昨年戦争挑発を主導した勢力は健在であり、現に米帝トランプ政権は対話の動きが始まって以来、一貫して動揺している。昨年末の対話過程の進行の中では対話派とされるティラーソン国務長官とトランプやそのとりまきとの対立が表面化したし、平昌オリンピックの開会式ではペンス副大統領が制裁を突き付けて予定されていた共和国特使との会談をご破算にした。今回の米朝首脳会談の合意発表後にも、トランプは三月一三日突如としてティラーソンを解任した。後継はCIA長官のマイク・ポンぺオで、筋金入りのキリスト教右派だ。CIAに共和国専従の部署を設置したり、長官在職中に金正恩排除を示唆するなど、およそ和平交渉担当の国務長官としては不適格な人間である。
 三月二三日には外交・安保担当の大統領補佐官のマクマスターを解任し、後任には共和国に対して強硬派のボルトンをすえた。さらに、平昌パラリンピックの終了を待ったかのごとく、三月二〇日延期されていた米韓合同軍事演習の開始(四月一日)が発表された。今のところ、共和国は冷静な対応を続けているが、米帝はトーンダウンをさせてはいても、共和国への圧迫を放棄していない。
 本来「行動対行動」の原則で臨むのであれば、共和国が対話中の核・ミサイル開発の凍結に合意している以上、米帝も対共和国軍事圧迫を控えるのが筋というものである。和平に水を差す米韓合同軍事演習に対して、平和を求める米日韓の労働者人民はともに闘いに立ちあがろう。
 さて、韓国―文在寅政権の主導で進んだ南北首脳会談、米朝首脳会談、朝鮮半島の和平の急展開にあせりまくっているのは、これまで「朝鮮戦争危機」を煽りまくってきた安倍政権である。再三の言及だが、平昌オリンピック外交においても、文在寅を捕まえては「対話のための対話は意味がない」だの「予定通り米韓合同軍事演習を実施しろ」だの放言しまくった挙句、文在寅に「それ内政干渉ですよ」とたしなめられて、大恥をかき(もっとも安倍晋三本人がそれをどれくらい恥ずかしいことと分かったかどうかは疑問)、共和国の特使を捕まえては拉致問題をまくし立てる(一〇年以上日朝国交正常化の対話を閉ざして、解決を遠ざけてきたのはむしろ日本政府)といったありさまだ。対話を進める過程で「こいつ(安倍)は外そう」となるのは誰にでもわかる。
 慌てふためいた安倍はトランプと電話会談を行ない、四月末に日米首脳会談を急遽設定した。

  ●第2章 危機に瀕した安倍政権を打倒せよ

 安倍政権の支持率が急落している。三月九日から一二日にかけての各社世論調査ではNHK44%(前回比2%減)、読売新聞48%(同6%減)、産経新聞・フジテレビ45%(同6%減)、時事通信39・3%(同9・4%減)とじりじりと下がり、保守系メディアでも50%を切る状況になっていたが、一二日に財務省の決裁文書改ざんが明らかになると、これがさらに加速した。一六日から一八日の各社世論調査では日本テレビ30・3%(同13・7%減)、朝日新聞31%(同13%減)、毎日新聞33%(同12%減)、共同通信38・7%(同9・4%減)と軒並み10ポイント前後下落している。これまで排外主義であおられていたり、経済政策の幻想でひきつけられていた消極的な支持層が安倍離れを始めた。この機を逃さず彼らがふりまいてきた嘘を暴露し、安倍政権を打倒しよう。

  ▼2章―1節 安倍が主動した制裁外交の破綻

 安倍外交は国内的な排外主義扇動以外破たんした。朝鮮民主主義人民共和国敵視を全面的に煽り立てて、制裁を積み重ね、日米・日韓軍事演習を強化拡大し、戦争法などの立法を強行して日本自体の戦争準備を進めてきた安倍政権こそが、朝鮮半島和平の敵対物になっている。
 戦争法も日米軍事一体化も改憲策動も、朝鮮戦争扇動の下でなされてきた。新たな海兵隊基地=辺野古新基地建設強行について安倍政権が根拠としてきた「抑止力」など、不要であるばかりか、和平を阻害するものでしかない。
 排外主義と戦争挑発にまみれた安倍政権の外交の基軸を転換させるか、そうでなければ打倒あるのみだ。
 排外主義煽動を打ち破り、朝鮮戦争反対―安倍政権打倒の闘いをさらに推し進めよう。

  ▼2章―2節 「働かせ方改革」むき出しの強搾取粉砕!

 「働き方改革一括法案」は国会審議では恣意的かつメチャクチャなデータを持ち出し裁量労働制のほうが労働時間が少なくなるなどという珍説を展開した挙句、破たんして裁量労働制の拡大の撤回に追い込まれた。だが、まだまだ残業代ゼロ法案や、過労死ラインまで働かされる「長時間労働規制」、労働者の雇用安定から資本家のための生産性向上に法律の趣旨を捻じ曲げる雇用対策法の改悪、不合理な非正規差別を禁じる労契法二〇条の廃止など悪法がめじろ押しである。すべて廃案に追い込むしかない。四月一七日より開始される「八時間働けば生活できる社会を!」労働法制改悪阻止に向けた全国キャラバンに各地で決起しよう。

  ▼2章―3節 権力犯罪弾劾! 公文書改ざん許すな

 三月一二日、森友疑惑をめぐって財務省理財局の決裁文書の改ざんが公表された。元の文章には関与した政治家や安倍昭恵の名前が入っており、国会での追及を避ける目的は明らかだ。三月二七日にはトカゲのしっぽ切り的に辞職した佐川前理財局長(国税庁長官)が証人喚問に招致された。あきれたことに政府与党は全部財務官僚が悪いことにしてこの事態を乗り切るつもりのようだ。
 だが、そんな言い分を信じることができるのは、お隣韓国で最後まで朴槿恵を支持したクラスのウルトラな安倍利権集団くらいなものだろう。政治案件でもないのに財務官僚が買い手に予定売却額を漏らしたり、決裁文書にやたらと人名を出したりするものか。
 アベノミクスの下での腐敗しきった政権運営を絶対に許してはならない。

  ●3章 あらゆる闘いを結合し安倍政権打倒へ

 安倍政権のもとであらゆる闘いが必然的に結合していっている。最賃闘争・労基法改悪阻止と結合する18春闘、地域的には沖縄―辺野古、宮古、石垣、与那国への自衛隊配備、佐世保、岩国、京丹後、首都圏を貫き、日米軍事一体化に反対して闘う反基地闘争、原発再稼動阻止闘争、三里塚闘争、あらゆる闘いの場から安倍政権打倒に攻め上っていこう。



 

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