共産主義者同盟(統一委員会)


1529号(2018年7月5日) 政治主張






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  労働法制改悪可決強行弾劾!

 労働者人民の怒り集中し安倍政権を打倒しよう



 

 ●第1章 朝鮮戦争終戦―自主的平和統一支持

 ▼1章―1節 板門店宣言を再確認した米朝首脳会談


 六月一二日、シンガポールで史上初の米朝首脳会談がおこなわれ、金正恩(キムジョンウン)国務委員長とトランプ大統領が署名した共同声明が発表された。
 それによれば、「トランプ氏は北朝鮮に安全の保証を与えることを約束し、金正恩氏は朝鮮半島の完全な非核化に向けた確固とした揺るぎない責務を再確認した」。その上で、次の四点を宣言した。「米朝両国は、両国民が平和と繁栄を切望していることに応じ、新たな米朝関係を確立すると約束する」。「両国は、朝鮮半島において持続的で安定した平和体制を築くため共に努力する」。「二〇一八年四月二七日の『板門店(パンムンジョム)宣言』を再確認し、北朝鮮は朝鮮半島における完全非核化に向けて努力すると約束する」。「両国は(朝鮮戦争の米国人)捕虜や行方不明兵士の遺体の収容を約束する。これには身元特定済みの遺体の即時帰国も含まれる」。
 米朝首脳会談は先の「板門店宣言」を踏まえ、朝鮮半島の平和体制構築に向けた第一歩となった。この歴史的意義は大きい。
 今回の共同声明には「朝鮮戦争の終結」という具体的文言が明記されたわけではない。しかし両国が朝鮮戦争の休戦から六五年という歳月を経てようやく「新たな米朝関係を確立すると約束する」と明言したことはそれだけで重大な意味がある。甚大な犠牲をもたらす朝鮮戦争を回避し、何より朝鮮半島の平和と自主的統一を願う南北の民衆の期待に応えるものであるからだ。
 米朝の共同声明はまた「板門店宣言」を再確認している。「朝鮮半島の非核化、朝鮮半島の平和定着、南北関係の発展」の三つを骨子とする「板門店宣言」を、米帝―トランプも認めざるを得なかったということでもある。
 もちろん、われわれはトランプ大統領や金正恩国務委員長にも、そして文在寅(ムンジェイン)大統領にも与するものではない。歴史を動かす決定的な原動力は一部の権力者ではなく、労働者民衆の力以外にありえない。この先、戦争とその準備で利益を得るアメリカの軍産複合体の反動的巻き返しがありうるだろうし、韓国の保守反動勢力、あるいは安倍政権が様々な妨害を策動する可能性もある。こうした反動や妨害を食い止め、南北の自主的平和統一を進める力は南・北・在外の朝鮮人民と、日米帝国主義足下の労働者人民の闘いいかんにかかっているのである。
 南北―米朝首脳会談は、朝鮮半島と東アジアの政治的・軍事的情勢を大きく転換させようとしている。改めて、南北―米朝首脳会談の意義を確認し、朝鮮戦争の終戦、南北の自主的平和統一に向かう流れを断固、支持しよう。
 それは第一に、二〇一六年の「ろうそく革命」、韓国民衆の闘いこそが切り拓いた地平である。李明博(イミョンバク)、朴槿恵(パククネ)と続いた「積弊勢力」による国政私物化、新自由主義、反北政策と対決し、文字通りの全人民的闘争で韓国民衆は反動政権を打倒した。この闘いこそが文在寅大統領を生み出したのであり、この闘いがなければ南北首脳会談も「板門店宣言」もなかった。トランプを対話に引きずり出す機会もなかった。
 第二に、朝鮮戦争を完全に終結させることは、東アジアの軍事情勢を大きく転換させることにつながる。ソ連・東欧の崩壊以後、東アジアでは「朝鮮戦争危機」を最大の口実にして、日米安保が強化され、新ガイドラインや戦争法が策定されてきた。朝鮮戦争の終結へと向かう情勢の転換は、在韓米軍の存在だけでなく、日米安保すなわち沖縄と「本土」の米軍基地が存在する根拠そのものを大きく崩していくことになる。
 われわれは、帝国主義の侵略反革命戦争とその拠点としての日米の軍事基地を根底から否定し撤去していく。その壮大な攻防の始まりだと捉えるがゆえに、この新たな状況を歓迎する。

 ▼1章―2節 「最大限の圧力」に固執する日帝―安倍政権を許すな

 南・北・在外の朝鮮人民が切り拓いているこの新たな朝鮮半島情勢、東アジアの平和を掴み取る闘いに対して、日本の労働者人民がなすべき闘いは、この新たな情勢の桎梏と成り果てた東アジア最大の反動―安倍政権を打倒することだ。
 朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)に対し「最大限の圧力を」と敵視政策を続けてきた安倍政権は、この一連の流れにおいて「蚊帳の外」に置かれてきた。米朝首脳会談が一時「中止」と報じられると、世界で唯一支持を表明した。しかし予定通り行われると聞くや、今度はトランプに対し慌てて「拉致問題」を議題にするよう注文する始末だ。
 日本のブルジョア・マスコミも「拙速だった会談」、「『完全かつ検証可能で不可逆的な非核化』に触れていない」、「北朝鮮は何度も約束を破ってきた」等と低く評価し、開始された南北―米朝首脳会談の歴史的意義をあまりにも軽視している。
 「北朝鮮の脅威」を煽動し、それをもって戦争法の制定、そして改憲へと「戦争のできる国家」づくりに利用し、同時に政権への求心力を保つという安倍政権の政治手法は、今後はもう通用しない。
 米朝首脳会談後の記者会見で、トランプは米韓演習を「挑発的な」「戦争ゲーム」であると述べた。そして八月に予定していた米韓両軍による定例合同軍事演習フリーダムガーディアンの中止を発表した。まさしく挑発的な「戦争ゲーム」を毎年春と夏、大規模に繰り広げてきた張本人が今さら何を言うのか、ということだが、軍事演習の中止は当然すべきことだ。一方、安倍政権にとっては、米韓合同軍事演習が中止になれば、「北朝鮮の弾道ミサイル発射」を想定し、日米韓で一昨年六月からミサイルの追尾、情報共有を目的に実施してきた合同訓練も中止せざるを得なくなる。「北朝鮮の脅威」を口実に組み立ててきた軍事訓練ができなくなりつつあるのだ。
 「北朝鮮脅威論」の破産は、東アジアの平和のためにたたかう反戦反基地闘争、反改憲闘争にとって、反転攻勢となりうる絶好の機会だ。米海兵隊の辺野古新基地はまったく不要である。「八月土砂投入」など絶対に許せない。岩国基地の機能強化やイージス・アショアの配備もすべて中止させなければならない。
 同時に、われわれは今こそ、共和国に対する敵視政策を転換させよう。まずは軍事的威嚇と制裁措置という安倍政権がおこなっている「最大限の圧力」をやめさせることである。そしてそれに止まらず、日朝国交正常化を実現させなければならない。かつて日本は植民地支配によって朝鮮の人民にすさまじい犠牲を強要したが、その清算はいまだなされていない。とりわけ共和国に対しては「拉致問題」「核ミサイル問題」を理由に交渉そのものが途絶えてきたため、植民地支配、侵略戦争動員に対する謝罪も賠償も一切行われていない。国交正常化交渉の中で、日本政府としての謝罪と戦後補償を実現させよう。それは日本の人民が担うべき歴史的責務でもある。

 ●第2章 労働法制改悪反対、安倍政権打倒

 「働き方改革推進法案」の強行採決が迫っている。去る五月二五日、衆院厚生労働委員会で強行採決され、六月四日から参院で審議入りしている。こうしたなか、二〇日の衆院本会議で、安倍政権は通常国会の会期を七月二二日まで三二日間延長した。何が何でも「働き方改革推進法案」を成立させようとしているのだ。
 しかし審議過程で、次々と法案の不備が暴露されている。「高度プロフェッショナル制度」については、労働者へのヒアリング調査がまともになされておらず、立法根拠をでっち上げていたことが判明した。残業の上限規制にも、三〇日一五〇時間以上残業となる抜け穴が見つかった。偽りの「同一労働・同一賃金」にも、格差の現状が固定化する可能性や、待遇の説明が書面化されないなどの不備が次々に見つかっているのだ。
 過労死遺族の訴えが注目を集め、また「雇用共同アクション」など労働者による国会行動が取り組まれるなか、「過労死促進法」「定額働かせ放題」など本質的な批判が社会的に拡大し、反対世論が賛成を大きく上回るようになった。本紙でも批判してきた通り、「働き方改革推進法案」は、戦後労働法制の総体を改悪する一括法案であり、労働運動が勝ち取ってきた諸権利をはく奪するばかりか、労働者にさらなる強搾取と過労死を強制するものだ。絶対に廃案に追い込もう。
 森友・加計疑惑で安倍政権は追い詰められている。愛媛県が作成した文書で、安倍首相と加計学園の加計孝太郎理事長が二〇一五年二月二五日に面会していたとの記述が見つかった。しかし安倍は国会で面会の事実を否定。加計理事長も初めて記者会見を行い、「記憶も記録もない」と全否定した。こんな回答、いったい誰が信じられるだろうか。
 森友・加計疑惑の幕引きをはかろうとする安倍政権だが、疑惑は深まる一方だ。「このままでは来年の参院選に勝てない」と自民党内部からも〝安倍おろし〟が始まっている。ウソと腐敗にまみれ、東アジアの平和に敵対し、労働者の諸権利をはく奪する安倍政権を民衆の実力決起で打倒しよう!




 

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