共産主義者同盟(統一委員会)


1544号(2019年3月20日)






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  改憲―戦争、窮乏化と対決し
 ともに青年学生の未来を拓こう

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共産主義青年同盟(学生班協議会)


 今春、大学の門をくぐった、新入生の皆さん! 共産主義青年同盟(学生班協議会)より、熱烈な新歓アピールを送ります。私たち学班協とともに、国際的な連帯の旗の下、今こそ改憲と戦争の道へと突き進む安倍政権を打倒し、働く者こそが主人公となる社会を建設する闘いに臨まれんことを、心より訴えるものです。

 ●1章 戦争と改憲に突き進む安倍政権を打倒しよう

 日本はこんにち、人口の減少と、新自由主義グローバリゼーションの進行による極端な格差の拡大と出口のない経済の後退局面が続いています。また、各国の不均等な発展もあいまって世界経済の混迷は深まっています。帝国主義国の中間層が広く没落していくことは、新自由主義グローバリゼーションの趨勢(すうせい)でもあります。安倍政権はそれに伴う政治的危機を、九条をはじめとする憲法改悪で戦争のできる日本へと作り変えることで乗り切ろうとしています。また、天皇代替わりと、東京五輪、大阪万博など連続するイベントで国家主義を煽り立てることで、人民の反撃を抑えつけようとしています。
 第二次安倍政権発足以降の政治は、まさに「改憲ファースト」の政治と言うべきものです。あらゆる政策が、ごくごく短期的に人民からの支持を取り付けることのみに費され、得られた政治的資源を改憲=国家改造へと集中させていこうとするものです。「アベノミクス」なるものも、経済政策というよりも、現在に至っては改憲のための手段となっています。とは言え、安倍が何よりの頼みとするアメリカ帝国主義自体が、国内的には目もくらむような格差の拡大と社会の分裂を抱え、政治的経済的な没落に歯止めがかからない状態です。アメリカ帝国主義に追随しながら、中国やロシア、南北朝鮮など周辺国との軍事的緊張を高めずにはおかない安倍の路線自体が、実はなんら展望のないものです。それは、日本の孤立を招き、そして若い皆さんはじめ、人民を帝国主義戦争の泥沼へと引きずり込みかねない危険なものです。
 新たな時代を切り拓くのは、常に若い世代、つまり今『戦旗』を手にしているあなたたちの、批判的知性と熱です。「ろうそく革命」の韓国で、「黄色いベスト運動」のフランスで、労働者と若者は街頭に出て声を上げ、時の政権を揺さぶって自らの展望を切り拓いているではありませんか! 二月二四日の沖縄で県民投票を実現して、辺野古埋め立てに圧倒的多数が反対である、との結果を示して安倍に大打撃を食らわせたのも、SNSなどを駆使した若者たちの精力的な運動と、諦めない心だったではありませんか!
 日本では政権からの帝国主義的大学再編の攻撃が吹き荒れ続け、学園と学問の自由は常に危機に晒されていますが、それでも全ての若者の知への欲求と批判精神と熱を抑え込むことは出来ません。奨学金の返済に縛りつけられ、いわゆる就活のみに力を傾注した果てに「社畜」として歩むのではない、私たち学班協とともに闘いの道を選択されんことを呼びかけます!

 ●2章 戦争政治を止めよう。アジアから米軍撤退を

 皆さんが最後の追い込みの時期にあったかも知れない二月の二七、二八両日に持たれた、二度目の米朝首脳会談は、合意文書を交わすことが出来ず、「決裂」したと報じられました。しかしながら、米朝両政府は期日こそ決まっていないものの協議は継続することを明らかにしています。また、朝鮮民主主義人民共和国政府は大陸間弾道弾の発射や核実験は行わないとアメリカ側に伝えています。米韓合同軍事演習の規模縮小も決まりました。政権基盤が磐石とは言えないトランプ政権について見通せない要素はありますが、それでも、朝鮮半島を巡る情勢が大きく転換していることは明らかで、この流れを逆転させることのほうがもはや容易ではない地点にまで来ていると言えます。
 この間、右派メディアやインターネットで、韓国政府や社会への反感をむき出しにした言説が渦巻いています。きっかけは徴用工を巡る韓国大法院の判決と、自衛隊機への韓国艦船からのレーダー波照射だとされています。皆さんも実際に目にされているやも知れません。
 しかし皆さん。飛び交うこの「反韓」の言説にこそ、平和と統一に向けて動いている朝鮮半島現情勢が逆説的に反映されているのだと言えます。
 歴代自民党政権も安倍政権も、排外主義と危機とを煽り立てることで、改憲や戦争国家化を策して来ました。が、南北朝鮮の平和的局面の到来でその「論拠」をにわかに失いつつあります。帝国主義の「親玉」であるトランプ自身が金正恩(キムジョンウン)国務委員長と対話をしようという時に、安倍も民間右派勢力も、共和国指導部を声高には攻撃できなくなりました。安倍が平和条約の締結を叫んでプーチン大統領と会談を重ねているロシアに関しても同様です。日本の帝国主義者どもが今「安心して」口を開き攻撃していられるのは、韓国政府と社会だけ、他に言えることがなくなってしまっているから「反韓」なのです。
 しかしより根源的に言うならば、日本の右派、排外主義者たちが、遠くない将来に誕生するかも知れない「統一朝鮮」の衝撃を、すでに警戒し、身構えているということでもあります。
 その意味において、情勢の転換に背を向け目をそらし、国際的孤立化を進めながら、民族排外主義を煽動して戦争国家化に突き進む安倍政権こそが、東アジアの平和実現の最大の桎梏となろうとしているとさえ言えるのです。
 私たちは当然にもこうした排外主義者たちに与してはなりません。平和統一に向かって動く南北朝鮮を支持し連帯するのでなくてはなりません。そして、長く積み残したままにきた侵略戦争の真の謝罪と賠償を果たし、東アジアに民衆の友好と連帯による平和をこそ打ち立てるのです。安倍すらが、金正恩国務委員長との対話、会談を口にせねばならなくなりました。「東アジアに今こそ平和を!」「在韓米軍はいらない、アジアから米軍は撤収せよ」との声を今こそ上げましょう。

 ●3章 学生、青年層の戦争動員を許すな

 新入生の皆さん。若い知性が集まる大学は、常に時の権力から警戒され、介入を狙われる存在です。帝国主義日本の大学は、権力からの介入をはね除け、自由でありえてきたとは必ずしも言えません。学生時代にキャンパスの中での抵抗の経験を持たなかった教員たちが増える中で、学生は言うに及ばず教員たち自身も今や、権利や自由を奪われています。
 国立大学の運営費交付金は、独立行政法人化(二〇〇四年)当時の一兆二四〇〇億円から今や一兆円にまで減らされました。結果予算申請が厳格化され、書類作成に追われて国立大学教員の研究時間は二〇〇二年以降10%も減っています。教員の身分も安泰ではなく、非常勤教職員の雇い止めが続発しています。自民党議員杉田水脈のごときは、「反日活動」「国益に反する研究」「科学研究費を活動家支援に流用」などと、慰安婦問題などの研究者を名指しして研究を潰そうとさえしてきました。
 二月一日には、文科省より「高等教育・研究改革イニシアティブ(柴山イニシアティブ)」が公表されました。「高等教育へのアクセス確保」=低所得層への支援、「研究力向上」「大学教育の質保証・向上」「教育研究基盤・ガバナンス強化」の四つを掲げていますが、大学側に改革や「教育の質の確保」を要求し、できないとみなされた大学については再編・統合・撤退をさせるとしています。歴史的に、高等教育への公費負担が少なく、国立大学ですら学費が安いとは言えません。私立大学を乱立させることで大学進学率をどうにか高めて来たに過ぎない現状を顧みることなく、今後は文科省主導で大学のスクラップ化を促進しようというのです。資金を十分に回さないままに「研究力の向上」を迫るなど、まったくふざけた話です。「全学部学生に数理・データサイエンス教育を展開させる」ことも謳われ、「実学」重視にいっそうの拍車がかかることが明らかです。
 入学直後から早々に「社畜」予備軍としてふるまうことを迫られ、「インターンシップ」の現場で安価な労働力としてこき使われ、アルバイトで消耗した挙句に、卒業後も奨学金の返済に追われる。現行の九条に第三項を加えて自衛隊を明文化しようと目論んでいる安倍は、当然その先には、充足率が下がる一方の自衛隊員を確保すべく、青年層を自衛隊へと誘導しようとするでしょう。事実上の徴兵が始まります。学生や青年の窮乏化は、戦争のできる日本を目指す安倍以下帝国主義者どもによって狙われたものなのだと言えます。
 今『戦旗』を読んでいるあなた自身のことでは直接にはなかったとしても、同年代の友人や身内が自衛隊に入ることを余儀なくされ、戦地に赴かざるを得なくなるような未来は、拒否するしかないではありませんか! 許してはなりません!
 かつて近隣諸国への侵略行為に手を染めた歴史を、再び繰り返すことがあってはなりません。台頭する中国を封じ込めようとするアメリカ帝国主義トランプ政権に同調するあなたたちであってはなりません。
 安倍政権の戦争政策と対決しましょう。改憲攻撃と対決しましょう。国家主義と排外主義を煽り立てる、天皇代替わり攻撃と対決しましょう。辺野古沖の新基地建設阻止を闘う沖縄人民と連帯して闘いましょう。
 自身の未来をかけて、帝国主義と対決する青年学生の闘いに決起しましょう。新たな同志の決起を、私たちは心より歓迎します。ともに闘いましょう。

 

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