共産主義者同盟(統一委員会)


1545号(2019年4月5日)






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  沖縄解放、天皇制打倒、G20粉砕

 今春期闘争に全力で立ち上がろう


 


 全国の闘う同志・仲間の皆さん! 
 今春期、安倍右翼反動政権の排外主義扇動、改憲策動、辺野古新基地建設強行、天皇代替わり攻撃との対決が問われている。反天皇闘争、六月大阪G20反対闘争と、連続する反帝政治闘争に、国家権力の治安弾圧態勢をはね返して、断固として決起していこう。
 安倍政権は、外交成果として参議院選挙に利用しようとした日ロ交渉の破綻、統計不正問題、朝鮮民主主義人民共和国(以下共和国)や中国・韓国への排外主義扇動と敵視ゆえのアジア外交の行き詰まり、原発輸出策の頓挫、アベノミクスの失敗に直面し、政権維持の展望を失いつつある。世論調査でも、支持率と不支持率が拮抗し、自民党内で出ている四選にも反対が半数を超えている。政権批判は確実に強まっている。
 安倍政権は、さまざまな矛盾を抱えて参院選に向かう状況にある。選挙対策のバラマキ予算を計上し、日米軍事同盟の強化と排外主義によって、参院選をのり切ろうとしている。改憲勢力三分の二を維持し、政権を維持し、改憲―戦争国家化を実現しようとしている。秋の臨時国会には、改憲発議とともに国民投票法案の改悪案の成立を策動している。安倍改憲攻撃を粉砕しよう。
 われわれは春期政治闘争に断固決起し、その力で階級闘争を牽引していく。安倍政権を打倒しよう。

 ●1 沖縄―「本土」貫き辺野古新基地建設阻止

 春期政治闘争の第一の課題は、埋め立て強行―辺野古新基地建設阻止に沖縄人民とともに立ち上がることだ。
 二月二四日、「辺野古米軍基地建設のための埋立ての賛否を問う県民投票」が行なわれた。投票数の七割を超える反対票が投じられ、改めて沖縄人民の基地建設反対の民意が示された。反対票は、玉城デニー知事の知事選得票数を上回った。このことは故翁長前知事が体現した、保革を超えた沖縄人民の自己決定権に基づく団結――日本帝国主義と天皇制に蹂躙され支配された苦難の歴史の共有と戦後も続く日米帝国主義による差別軍事支配からの解放――を示した。
 安倍政権は、県民投票で示される民意を恐れ、県民投票の全「県」での実施を妨害したり、違法な埋め立て工事を強行し基地建設の既成事実化をはかり、県民投票の政治的破産を狙った。しかし沖縄人民は、安倍政権の破壊攻撃を跳ね返し、基地建設反対の民意を安倍政権に突きつける偉大な勝利を勝ち取っている。「本土」労働者階級人民は、沖縄人民に連帯し、新基地建設阻止と日米軍事同盟粉砕を中軸とする沖縄解放闘争を推進しなくてはならない。
 安倍政権は、沖縄の民意を無視し埋め立て工事を強行している。新たにK8護岸の工事を始め、三月二五日からは、新たな区域での埋め立て工事を強行した。徹底的に弾劾しなければならない。
 しかし軟弱地盤、活断層の存在が工事を極めて困難な状況に追い込んでいる。最大で九〇メートルもの深さに達する軟弱地盤は、国内には地盤改良工事の作業船自体が存在せず、これまで前例のない「改良工事」となる。膨大な費用と予測困難な工期がかかる。そもそも活断層の上に基地など造れるわけもないのだ。
 安倍政権は、軟弱地盤の存在を認めつつも工事を強行しているが、辺野古新基地建設は絶対にできない。安倍政権の狙いは、抵抗し従わない沖縄人民を徹底的に踏みにじり、工事を強行し、日米帝国主義の軍事拠点―出撃拠点としての沖縄を固定化することを迫っているのだ。
 新たな埋め立てを強行した安倍政権を徹底的に弾劾し、全国で辺野古新基地建設阻止の闘いを拡大させていこう。五月沖縄現地闘争に全国から立ち上がろう。
 首都圏では、五月二五日に国会包囲行動が取り組まれる。国会を巨万人民で包囲し、安倍政権に辺野古断念を迫っていこう。
 辺野古新基地建設と一体に、宮古島石垣島などへの自衛隊配備攻撃が強まっている。中国脅威論に基づく対中抑止戦力として、すでに与那国島、宮古島に配備が強行され、石垣島でも基地建設が始まっている。沖縄が、日米帝国主義の対中国戦略の最前線として位置付けられることを許してはならない。

 ●2 「祝賀」強制と対決し「天皇代替わり」攻撃粉砕

 第二に課題は、「天皇代替わり」攻撃と対決することである。
 四月三〇日アキヒト退位式典、五月一日ナルヒト即位式典が、「平成」から「新しい時代への転換」などと位置づけて、大々的に行なわれる。退位式典には、皇族や三権の長らが出席し、アキヒトが天皇として最後の「お言葉」を述べる。即位式典には、三権の長がやはり出席し、新天皇の「お言葉」を受け、内閣総理大臣が「国民代表の辞」を「奉答」する。五月四日には新天皇即位祝賀の一般参賀が行なわれる。まさにブルジョア独裁国家における階級対立を「超越する権威」として天皇制の〝権威付け〟が大々的に行なわれる。
 そして「天皇の即位に際し、国民こぞって祝意を表す」として、五月一日及び「即位礼正殿の儀」の一〇月二二日を一年限りの休日とした。四月二七日から一〇連休を労働者人民に強制し、新天皇即位を「国民の総意」として祝うことを強制する。この一連の過程を通して、天皇制・天皇制イデオロギーの下へ統合しようとしているのだ。
 この一連の「天皇代替わり」攻撃は、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックによる「国威発揚」と連動している。そして、安倍右翼反動政権は改憲―戦争国家化をこれと一体に強行しようというのだ。
 われわれは、新天皇即位―奉祝の強制を断固として拒否し、「護憲天皇を戴く平和国家日本」という欺瞞を許さず、天皇制打倒を掲げ、反天皇闘争に立ち上がる。天皇制が「国民統合」の象徴として、階級対立の融和、日本帝国主義の戦争責任の清算、侵略反革命戦争への労働者人民動員の役割を果たすことを暴露・弾劾して、「天皇代替わり」攻撃と対決していこう。
 五月一日、労働者階級の歴史的な闘争日、メーデーを闘い抜こう。メーデーは、一八八六年五月一日、アメリカの労働者が八時間労働制を要求しストライキに立ち上がった闘いが起源だ。
 五月一日、新天皇ナルヒトの即位―奉祝の強制と対決し、資本による搾取強化・貧困化を弾劾し、労働者階級の権利と生活を前面に、メーデーに立ち上がろう。
 「天皇代替わり」攻撃との闘いとして、「反天皇制・反戦・改憲阻止行動」を結成し、四月二八日集会とデモに決起する。「差別と侵略の元凶―天皇制打倒! 5・1メーデーつぶしの即位式典反対! 琉球弧の軍事基地化反対! 日米安保粉砕! 戦争と改憲の安倍政権打倒!」を掲げ、国家権力による弾圧、右翼・ファシストの敵対・介入を粉砕し、4・28反天皇闘争に立ち上がろう。
 首都圏では、4・28闘争とともに、「終わりにしよう天皇制! 『代替わり』反対ネットワーク(おわてんねっと)」が、労働組合や諸運動団体に広汎に呼びかけて、四月二七日から五月一日を「反天ウィーク」として設定し、さまざまな闘争を提起している。「反天皇制・反戦・改憲阻止行動」は、「おわてんねっと」と連携し、取り組みに結集していく。
 五月二六日には、新天皇の最初の会談相手として米帝―トランプを「国賓」として招待することが決定されている。日米帝国主義による、共和国・中国に対する戦争態勢強化、日米軍事同盟強化に新天皇を担ぎ出すことをもって、自民党の一貫した主張としての天皇元首化の道を開くことを許してはならない。安倍政権の攻撃を打ち砕こう。5・26新天皇―トランプ会談反対闘争に立ち上がろう。

 ●3 G20サミット反対! 大阪現地に決起しよう

 第三の課題は、六月大阪G20反対闘争に立ち上がることだ。
 二〇〇八年九月一五日、アメリカの投資銀行リーマン・ブラザーズ・ホールディングスが経営破綻したことに端を発して、世界的規模で金融危機が発生した(リーマン・ショック)。この事態の収拾するため、それまでのG7(米・日・独・英・仏・伊・加)の枠組みだけでは対応しきれないことから、二〇〇八年一一月二四・二五日に第一回のG20首脳会合(サミット)が米・ワシントンで開催された。
 G20サミットという枠組みは、新自由主義グローバリゼーションの危機として発現したリーマン・ショックの危機を打開するためにつくられたが、際限のない金融緩和と莫大な財政政策をもって、独占資本・金融資本・金融投機資本を救済した。このことが、さらなる金融投機を促進し、世界的規模での貧富の格差拡大、少数の富裕層による富の独占を結果したのである。
 新自由主義グローバリゼーションの推進と、そのための金融・財政政策の調整を基調とするG20サミットの役割は変わっていはいない。しかし、「アメリカファースト」を掲げ、自国の国益の擁護を前面に押し出すトランプ政権の登場や、貧富の格差拡大がもたらす階級矛盾の激化、そして移民排斥や民族排外主義の拡大が、帝国主義国間の「国際協調」をすら妨げ、対立と不安定化が進んでいる。
 このような性格を持つG20サミットに対して「新自由主義グローバリゼーション反対! 貧困と格差をなくせ! 食料や資源の収奪を許さない! 排外主義・レイシズム反対!」を掲げ、日本の労働者階級人民が反帝国際連帯の闘いに立ち上がることは大きな意義を有する。
 アジア共同行動日本連絡会議は、全関西規模の多くの闘う仲間とともにG20大阪サミット反対闘争を準備している。
 洞爺湖サミット粉砕現地闘争、マニラAPEC反対現地闘争など、アジア共同行動日本連が積み重ねてきた反帝国際共同闘争の地平を継承した闘いとなるだろう。
 開催地大阪では、地元関西の諸運動団体によって「G20大阪サミットNO! アクション・ウィーク実行委員会」が結成され、五月一一日プレ企画集会、六月二三日の大阪市内での集会とデモ、六月二八日の首脳会合に対するデモを予定している。
 労働者階級人民の未来をG20にゆだねることはできない。民衆の闘いによってこそ未来は切り拓かれることをはっきりと押しだして広汎な結集を作り出していこう。
 開催地での闘いの拡大のために闘おう。


 

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