共産主義者同盟(統一委員会)


1556号(2019年10月5日)






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  天皇制・天皇制イデオロギー攻撃粉砕

 「祝賀」強制反対! 安倍政権打倒

  10月連続闘争を断固闘いぬこう



 
 安倍晋三は九月一一日、第四次再改造内閣を発足させた。台風一五号の大規模な被害をもたらした状況下で、安倍は改憲に向けた組閣に執着していた。千葉県全域での大規模停電が報じられる中でも災害対策本部を立ち上げることもなく、新内閣発表を強行した。
 大停電長期化の最大の原因は、この安倍政権の初期対応の遅れにある。労働者人民の生命・生活より、改憲に向けた新内閣発足を重視する安倍に怒りを集中し打倒しよう。
 この安倍政権が一〇月、「天皇代替わり」の「即位礼正殿の儀」を強行しようとしている。われわれは侵略と差別の元凶である天皇制を許さない。天皇制の強化は新たな侵略戦争の準備に他ならない。アジア人民をはじめとする闘う全世界労働者階級人民との連帯にかけて、天皇制・天皇制イデオロギー攻撃と闘おう。大胆な街頭行動にうってでよう。
 一〇月一三日には三里塚現地全国集会が闘われる。改憲阻止―反戦闘争と結合した闘いとして現地集会に結集しようではないか。
 成田空港会社は市東さんの営農・生活を破壊し、第3滑走路を建設しようとしている。さらには周辺住民の生活を脅かしてでも空港機能強化を強行しようとしている。空港機能強化策を許してはならない。
 農地死守・実力闘争の原則を貫いて闘う三里塚芝山連合空港反対同盟とともに、空港機能強化粉砕を闘おう。市東さんの農地を守れ。請求異議裁判控訴審闘争に勝利しよう。
 反天皇と三里塚、二つの一〇月決戦を全力で闘おう。アジア人民との連帯を掲げ日帝―安倍政権を打倒していこう!

  ●第1章 10月「即位礼正殿の儀」反対に立ち上がろう!

 四月三〇日アキヒト「退位」・五月一日ナルヒト「即位」に続き、一〇月二二日「即位正殿の儀」が国家式典として強行されようとしている。断固とした反対運動を展開しよう。
 「即位礼正殿の儀」と付随する「祝賀パレード」「饗宴の儀」は日帝国家権力にとって、大小四〇の即位関連のなかで最も重要な儀式として位置付けられている。ここでナルヒトは一九五カ国の元首や駐日大使ら二五〇〇名の参列者を前に、即位宣言の「お言葉」を述べる。そして首相安倍が「臣民代表」としてナルヒト即位への「寿詞(よごと)」と呼ばれる祝辞を伝え、万歳三唱をする。
 この「即位礼正殿の儀」は、一九九〇年のアキヒト即位を踏襲した形で行われる。天孫降臨神話にもとづいて、「万世一系の神の子孫=天皇」崇め奉るという、明治維新後にでっち上げられた「皇室神道」の宗教儀式そのものであり、憲法違反であることは明白だ。
 日帝―安倍政権は、これら「即位礼正殿の儀」「祝賀パレード」、さらに「饗宴の儀」を国事行為として行い、新天皇ナルヒトの「即位」宣言によって、天皇が日本の「国家元首」であることを国内外にアピールしていこうというのだ。
 そして「テロ対策」「天皇警護」の名の下に、皇居周辺地域は戒厳体制に置かれる。国内における一切の反対の声を封殺した上で、天皇即位「祝賀」を強制するものだ。「天皇即位」儀式の荘厳化によって、天皇制・天皇制イデオロギーの下に「国民再統合」をはかり、日本労働者階級人民の階級性を解体して再度天皇の「赤子」=臣民として組織しようとする極めて重大な攻撃である。
 一〇月二二日は、「祝日」とされており、「日の丸」掲揚が学校現場、自治体などに対して通達され、全社会的な「祝賀」が強制されようとしている。天皇「即位」に対する異議申し立ては無視・封殺され、いっさい「なかったこと」にされるのだ。そして反対の声をあげる者に対しては、「非国民」「反日」のレッテルを貼り、予防拘禁や暴力的敵対が行われていくのだ。この天皇の名の下への統合=組織化の強制と、それに従わない者に対する暴力的な封じ込めこそが、天皇制の本質の一つだ。
 日本労働者階級人民は、この攻撃に対して、はっきりと反対の声をあげていかなければならない。われわれは「反天皇制・反戦・改憲阻止行動」が呼びかける一〇月六日と二〇日の集会に結集し、二二日「即位礼正殿の儀」当日には多くの労働者・市民とともに断固とした街頭行動に決起して闘っていく。
 天皇制・天皇制イデオロギー攻撃は国民統合―労働者階級人民に対する侵略反革命戦争動員攻撃に他ならない。
 明治以降の天皇制は、中央集権国家を確立し帝国主義となっていくための制度的イデオロギー的軸心となってきた。日帝は天皇制・天皇制イデオロギーをもって国民統合を進め、一方では共産主義運動をはじめとするあらゆる抵抗闘争を弾圧して、帝国主義国家を樹立してきたのである。
 明治政府は国民統合政策として教育勅語を成立させる一方で、大正デモクラシー運動―自由民権運動の圧殺、そして共産主義者や無政府主義者等を弾圧するたの「大逆事件」をねつ造し弾圧を行ってきた。そして本格的な侵略戦争と帝国主義間戦争に乗り出すための国家体制を確立するために、当時の日本共産党指導部であった佐野・鍋山を天皇制に屈服させ、もって共産主義者と組織に対する壊滅的弾圧をもってファシズム体制を構築してきた。
 天皇制・天皇制イデオロギー攻撃と人民の抵抗闘争・共産主義運動に対する圧殺攻撃と侵略戦争は一体なのだ。ゆえに、現代日本の共産主義者と労働者階級人民は、これと全面的に闘わなければならない。また、現代における天皇制の強化は過去の侵略の歴史を歪曲するものであり、新たな侵略反革命の準備に他ならない。われわれはアジア人民との連帯をかけた闘いとしてこれと対決していく。プロレタリア国際主義を貫徹し天皇制・天皇制イデオロギー攻撃と闘おう。
 安倍政権は韓国に対する報復外交に踏み込み、文在寅(ムンジェイン)政権批判を強めて民族排外主義を煽り立ててきた。一方では天皇退位―即位、さらには二〇二〇年オリンピック・パラリンピックをも最大限に利用して改憲を進めようとしている。安倍政権にとっては、「天皇代替わり」とオリンピックそして改憲は連動した攻撃に他ならない。われわれは天皇制・天皇制イデオロギー攻撃との闘いを、改憲と一体の戦争国家体制問題として闘い、安倍政権を打倒していこう。
 10・6反天皇集会、10・20総決起集会・デモ、そして10・22「即位礼正殿の儀」反対闘争に断固立ち上がろう!

 ●第2章 市東さんの農地を奪うな! 10・13全国総決起集会へ

 われわれは天皇代替わり式典反対の決戦に連動した闘いとして、一〇月の三里塚現地全国集会に決起していく。
 現在、三里塚闘争は市東さんの農地を巡って重大な局面に突入している。
 昨年一二月に千葉地裁は市東さんの農地に対する空港会社の強制執行を認める反動判決をだした。市東孝雄さんと弁護団は即日控訴し法廷闘争の場を高裁に移した。この地裁判決において、「審理開始までの強制執行停止」に一日の空白ができるという事態が生じた。これに対して反対同盟と支援連は市東さん宅―天神峰決戦本部に座り込み「農地死守・実力闘争」の決戦態勢で臨んだ。
 九月二四日の請求異議審控訴審闘争は、こうした反対同盟の闘いの地平の上にあることを確認しなければならない。われわれは「何事があっても天神峰で生きていく」という市東さんの決意を胸に控訴審闘争を闘っていく。
 そもそも請求異議裁判は、空港会社が市東さんの農地を強制執行によって強奪しようとすることを阻止する闘いである。権力と空港会社は農地法裁判の最高裁判決を盾に、農地を強制執行しようとしているのだ。農地強奪の手続きのための空港会社側請求権など認めてはならない。
 第一に、空港会社がいかに農地法裁判判決を根拠にしようとも、強制的手段で市東さんの農地を強奪することは、違憲であり違法である。成田空港建設の事業認定は一九八九年に失効している。それはすなわち、土地収用法による強制収用の失効を意味しているのだ。
 第二に、そもそもが自作農育政を促す目的で成立した「農地法」を根拠に、市東さんの農地を強奪しようとすることが倒錯した主張なのである。
 そして決定的には、空港会社の詐欺行為による農地強奪を許してはならないということだ。空港会社は市東さんに隠したままで旧地主から底地を買収した。そのことを根拠に市東さんを叩き出そうとしている。耕作者に秘密にしたまま土地を買収し、そのうえで農地を手放さなければ強制的に取るぞ、などいう違法・無法を絶対に許してはならない。請求異議審裁判控訴審闘争に勝利していこう!
 市東さん、そして反対同盟の闘いは確実に空港会社を追い詰めている。
 成田空港会社は新社長・田村明比古の下で、着陸制限時間の短縮―殺人的な生活破壊に踏み込み、第3滑走路を建設しようとしている。この第3滑走路建設策動は成田空港の建設が反対同盟の闘いによって思惑通りにいかないがゆえの矛盾を抱え込んだ方策である。第3滑走路とは、もう一つ別の空港を作ろうとするのと同等の計画であり、無理が生じて当たり前である。滑走路予定地内の住民が反発して当然なのである。国際空港としての地盤沈下を新たな滑走路を作ることで乗り切ろうとする発想そのものが間違っているのだ。
 市東さんの農地を守る裁判闘争は、市東さんの権利と正義を守ると同時に、この闘いによって成田空港周辺地域の新たな空港反対運動の希望を拓くものである。市東さんの裁判闘争勝利! 空港機能強化阻止! を鮮明に掲げて闘おう。
 市東さんをはじめとして反対同盟は、天神峰決戦本部を軸にして、市東さんの農地を守る闘いを推し進めてきた。昨年の一二月二〇日から二一日に、高瀬反動判決に対して座り込み態勢をとり反対同盟と支援連総力で闘った。反対同盟と支援連は今週一〇月からの空港機能強化策の前倒し実施に対して、周辺地域の一斉行動を強化して闘っている。反対同盟の闘いに結合し、一〇月一三日の三里塚現地全国集会に全力で決起して共に闘っていこうではないか!
 「天皇代替わり」攻撃反対と三里塚、二つの十月闘争に勝利しよう!



 

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