共産主義者同盟(統一委員会)


1612号(2022年4月20日)






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 改憲阻止!クアッド反対!岸田政権打倒

 
                      
 コロナ禍とウクライナ戦争という世界情勢の危機の中で、貧困・格差の拡大と軍拡・戦争攻撃、そして排外主義が各地で深まっている。世界中の労働者人民の命・健康が破壊され、差別分断が強められ生活苦が進んでいる。これに対して抵抗と反撃も起こっている。米帝の没落とともに世界史の大転換が起こっている。
 安倍・菅を継いだ日帝―岸田右翼反動政権は、ウクライナ戦争の危機を利用し、改憲と核武装の攻撃を画歴史的に強めている。岸田もまたPCR検査や感染者対策・医療体制・生活保障政策の不十分さなどコロナ失政を繰り返している。現下の原油高・燃料高、食料品値上げ、インフレ化は、新自由主義攻撃の格差拡大・雇用破壊に加え、労働者人民の生活苦・困窮化をさらに深めている。全人民において、これらの階級的で社会的な政権批判・不満・怒りは圧倒的に蓄積されている。われわれは、これらの全人民の憤激を解き放ち、労働者人民解放の階級闘争決起と結合し、日帝―岸田政権打倒を牽引していかなくてはならない。次に訴える春期政治闘争の中で、青年、労働者、被抑圧人民・被差別大衆の決起と団結を意欲的に促進していこうではないか。
 日帝―岸田政権打倒にむけ、内外の階級闘争における国際主義的闘いを貫き、次の基軸的闘いを据えて、春期政治闘争を攻勢的に繰り広げていこうではないか。


▼1章 ウクライナ、ロシア人民とともに国際反戦闘争に立ち上がろう

 第一には、ウクライナ反戦を左派として、ウクライナ・ロシア人民とともに国際反戦闘争を推進していくことである。ロシア・プーチン政権は大ロシア民族主義を露わにしてウクライナへの帝国主義的侵略戦争を行っているのだ。ロシア軍のウクライナ侵略と人民虐殺の蛮行を、ロシアとウクライナを貫く反戦、さらには世界各地の国際反戦闘争によって阻止していかなくてはならない。
 米欧日の帝国主義列強とNATOが対ロシア制裁と軍事圧力を強めることも、ウクライナのゼレンスキー・ブルジョア政権に対する軍事援助を強めることも、本質的には、ロシア覇権大国と米欧帝の間のウクライナ地域の争奪戦を激しくするだけである。日帝―岸田は、「人道支援」の口実でゼレンスキー政権に自衛隊の装備品や医官などを送り出している。これは、違法違憲な武器輸出であり、絶対に許されない。停戦へと到らせ、ロシア軍を撤退させ、ウクライナ人民が自己決定権を回復し労働者人民解放の反資本主義・反帝闘争の前進へと繋がること、そのための国際反戦闘争こそ、世界各地の左派勢力に求められている。われわれは、国際反戦闘争と反帝闘争を深く結びつけて闘う。


▼2章 日帝―岸田政権の改憲・核武装を阻止しよう

 第二には、岸田政権の改憲攻撃を阻止する闘いである。ウクライナ反戦は、日帝―岸田の改憲攻撃と日米軍事一体化、核武装策動に反対する闘いと結合することが決定的に重要となっている。岸田政権は、改憲四項目(九条自衛隊明記、緊急事態(=戒厳令)条項導入など)を任期中に実現するとぶち上げた。改憲実現本部を立ち上げ、七月参院選をメルクマールに、国民的論議・キャンペーンを加速する。5・3憲法記念日を前後して、党を挙げて、各地で改憲実現集会を行うというのだ。極右の安倍・高市などを先頭にし、櫻井よしこ・日本会議など右翼ファシスト勢力が「草の根」改憲キャンペーンを激化させている。
 通常国会で憲法審査会の開催が強行されている。これに維新と国民民主が積極的に応じ、改憲―戦争態勢の攻撃を補完し加速しようとしている。憲法審査会開催に抗し、院外・国会前・街頭などで、左派勢力や左派労組・市民団体の直接抗議が取り組まれている。断固として、改憲阻止―岸田政権打倒の闘いを地域、街頭、国会前で直接抗議行動として、大規模につくり出していかなくてはならない。


▼3章 反革命的統合五〇年弾劾、五月沖縄解放闘争を闘おう

 第三には、辺野古新基地建設阻止と琉球弧戦場化反対、5・15反革命的統合五〇カ年を弾劾し、基地撤去―安保粉砕の沖縄解放闘争を推進することである。日米帝の差別軍事支配と対決する沖縄人民の自己決定権を支持し、この沖縄解放闘争と各地の反戦反基地闘争を前進させていくことである。
 改憲攻撃は日米軍事同盟の画歴史的強化と連関する。一月七日の日米の防衛・外交閣僚会議(2+2)や一月二六日のリモートによる日米首脳会談は、辺野古新基地建設強行と馬毛島基地建設を確認した。また岸田は「敵基地攻撃能力」保有や前年比8%増の大軍拡予算、米軍の核を含む日米軍事一体化の「抑止力と対処力」を基礎とする、「国家安全保障戦略」・「防衛大綱」・「中期防」の新たな策定を約した。米帝・バイデンはこれらを大歓迎した。要するに、対中国の「台湾有事」や朝鮮戦争を具体的に想定し、インド太平洋地域での日米共同戦争計画が日米首脳で合意されたのだ。さらに岸田は経済安全保障推進法案の制定をもって、日本経済の国家統制と侵略戦争への総動員を強めようとしているのだ。
 なかでも、米海兵隊と自衛隊が対中国の機動的なミサイル攻撃基地群を琉球弧に設置する日米共同作戦計画は、危険極まりない攻撃である。琉球弧の住民が対中国戦の戦場の真っただ中に叩き込まれ、あの沖縄戦の人民大虐殺が再び繰り返されようとしている。これが、一九七二年5・15という沖縄の反革命的統合から五〇年を経ての現状なのだ。一〇月には沖縄「国民文化祭」開催に天皇ナルヒトが出席するという。絶対に許すことはできない。だからこそ、沖縄反革命的統合五〇カ年を徹底的に弾劾し、辺野古新基地建設阻止―普天間基地撤去、琉球弧の戦場化を許さず、基地撤去―安保粉砕の沖縄解放闘争を前進させなくてはならない。5・15「復帰」=沖縄反革命的統合の五〇カ年記念式典が沖縄と東京で開催される。これを粉砕し、沖縄解放闘争の前進に向け、5・15現地派遣団の闘いと「本土」を貫いて闘おう。
 そして岩国基地反対、京丹後米軍Xバンドレーダー基地撤去、横田基地強化反対、神奈川基地反対、木更津自衛隊基地へのオスプレイ配備阻止など、各地の反戦反基地・反安保の闘いを進めよう。韓国やフィリピンなどアジアからの米軍総撤収を闘おう。


▼4章 クアッド首脳会議反対、 反帝国際共同闘争を

 第四には、クアッド首脳会談、ならびに米帝バイデン来日と日米首脳会談に実力で反対し、反帝国際共同闘争を進めることである。クアッド首脳会談とは、日米豪印という帝国主義・大国の頭目たちが、対中国包囲網を形成し、軍事政治経済で連携する会合である。ウクライナ危機下、先のクアッド外相会談は「ウクライナへの人道的支援」など確認した。クアッド首脳会談では、対ロシア制裁にインドを協力させ、中国の台湾武力侵攻を牽制し、インド太平洋地域において、米日豪印の覇権強化を策動している。
 この機に、日帝―岸田はバイデンとの日米首脳会談を行い、日米軍事一体化と核武装策動、自衛隊の新たな先制攻撃戦略と大軍拡、そして対ロシア制裁強化などを狙っている。今年前半期とされるクアッド首脳会談の東京開催、バイデン来日―日米首脳会談を粉砕する反帝国際共同闘争を進めよう。左派勢力やアジア太平洋人民の国際連帯をもって闘おう。


▼5章 反帝闘争を闘い国際主義の潮流建設を

◆1 三里塚闘争
 三里塚・市東さんの農地強奪阻止、空港機能強化阻止―第3滑走路建設粉砕、即ち三里塚軍事空港粉砕の闘いである。昨年六月七日に最高裁は請求異議審の上告を棄却した。東京高裁の決定によって強制執行が法的に可能になった昨年四月一日以降、市東さんの農地強奪攻撃と正面から対決する「実力阻止態勢」をもって、反対同盟と支援は闘っている。一年間にわたって強制執行を阻止し続けている。市東さんの耕作権裁判なども展開中だ。政府・成田空港会社はコロナ禍で需要激減にも関わらず、空港機能拡大―二四時間化、第3滑走路建設計画を強行しようとしている。結局、三里塚軍事空港建設を狙っているのだ。すさまじい騒音被害、空港周辺住民の生活破壊・叩きだし攻撃が強まっている。これらへの反撃も拡大している。農地死守実力闘争、政権打倒・反戦闘争の砦である三里塚闘争。この前進を闘っていかなければならない。

◆2 反原発闘争
 反原発と核兵器廃絶の闘いを強めることである。事故被害が収束できない福島第一原発では、放射能汚染水の海洋放出を来年にも強行しようとしている。高浜・美浜・東海第二など老朽を含む原発の再稼働が強行されようとしている。さらに、上関原発の新設が狙われている。反原発の社会的要求は圧倒的に多数派である。また核兵器禁止条約が昨年一月に発効し、この締約国やオブザーバー参加も増えている。原発と核武装を一体的に推進しようとする日帝の野望を許してはならない。原発の再稼働・新設の阻止、核兵器廃絶にむけ、各地の闘いを展開していこう。被爆者・被爆二世三世の解放運動を前進させよう。
 さらに次の重要な領域の闘いも進めていこうではないか。

◆3 反差別闘争
 外国籍の労働者人民、即ち、技能実習生、滞日、在日などが差別・監視・収容・追放の攻撃を受ける入管体制。これを強化する入管法改悪が狙われている。滞日・在日の外国籍労働者人民に対する国家権力や差別排外主義ファシスト勢力の攻撃を許さず、連帯行動を強め、闘っていこう。
 部落差別攻撃も激化している。ネット内外で鳥取ループ・示現舎など差別主義者たちが、部落解放運動の糾弾権を堅持した大衆運動に対し、その破壊策動を強めている。狭山差別裁判糾弾・石川一雄さん無実を求める狭山第三次再審闘争が山場である。各地で23デー街頭行動を進めよう。
 朝鮮学校・幼保への「無償化」の不承認攻撃、また戦後補償問題への排外主義的敵対など、日本政府・企業の中国・韓国・朝鮮民主主義人民共和国などアジア人民への差別排外主義攻撃を断固として阻止していこう。

◆4 反弾圧の闘い
 関西生コン労組弾圧は、憲法二八条の労働三権を破壊し、産別労働運動と反戦・反政府・沖縄解放・日韓連帯などを担う左派労働運動つぶしであり、粉砕あるのみだ。関生労組と支援が反撃を進めている。韓国サンケン労組争議の中心的支援者が不当逮捕・長期投獄・裁判引き伸ばしなど重弾圧の攻撃にある。青年や左派労組活動家に対する不当な逮捕や家宅捜索・事情聴収攻撃も強まっている。改憲・戦争の攻撃とともに、弾圧は厳しいが、具体的に現場で大衆的に闘っていかなければならない。


◆5 左派・国際主義派の潮流建設を
 左派やAWCといった反帝国際連帯派の潮流建設によって、系統的な階級闘争の飛躍をかち取っていくことも重要な課題である。左派勢力による先進的な反帝闘争や政権打倒の街頭政治行動は重要である。ウクライナ戦争の勃発により、朝鮮半島・東アジア情勢も緊張が高まっている。米韓合同軍事演習・日米軍事演習などがこれまで以上に強化されようとしている。左派勢力やAWC勢力が、南北・在外の朝鮮人民による自主的平和統一を支持し、日米帝の共和国敵視政策を粉砕し、朝鮮核戦争阻止を闘うこと、これを断固として支え、牽引していくことである。
 三〇カ年目を迎えたAWC=「日米のアジア侵略支配を許さない国際共同行動」を支えることもアジア規模の階級闘争にとって決定的に重要である。コロナ禍にあっても、ビデオ・メッセージ・リモートなどでアジア各地の国境を越えた反帝国際共同闘争を繰りひろげている。韓国、フィリピン、台湾などと、各国地域報告をリモートで交換し、反戦反核・新自由主義粉砕・反帝の大衆的な左派潮流建設を進めている。AWCの六月アジア共同行動、沖縄闘争・岩国闘争などの反戦反基地国際連帯を支え、担っていこう。
 来る七月参院選は、改憲阻止―岸田自公政権打倒の一つの攻防環となる。全人民の生活苦・反差別抑圧・反戦平和などの要求や憤激・怒りは、岸田政権退陣に解き放たれていくことが要請されている。連合=帝国主義労働貴族たちは、反日共と自民すり寄りを強め、泉・立民を「野党共闘」から後退させ、改憲攻撃に加担している。ブルジョア国会を総保守翼賛状況にしてはならない。七月参院選では、岸田自公政権打倒・反改憲・反戦反基地・反差別・沖縄解放勢力の院内抵抗勢力を前進させてなくてはならない。そうした候補を支援しよう。

 以上の春期政治闘争と階級闘争の任務を、わが同盟とともに、闘っていこう。プロレタリア国際主義と実力行動、そして左派勢力によって、日帝―岸田右翼反動政権打倒を闘い抜き、共産主義運動を進めていこう。この闘いを大衆的に飛躍的に前進させていこうではないか。




   

 


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