共産主義者同盟(統一委員会)


1613号(2022年5月5日)






■政治主張

■各地の闘争

■海外情報

■声明・論評

■主要論文

■綱領・規約

■ENGLISH

■リンク

 

□ホームへ

  
   
 
 バイデン来日―日米首脳会談反対
 クアッド首脳会議日本開催反対!
 
日米帝国主義の軍事同盟強化を許すな                        


 日本における新型コロナウイルス感染第六波は完全に下げ止まった。沖縄を嚆矢として地方ではすでにはっきりと第七波が始まっている。死亡者数も高止まり、医療崩壊は解決していない。
 中途半端に経済活動が再開され、全世界でインフレが発生している。ロシアのウクライナ侵略がこれに拍車をかけている。そして燃料費や食料品の高騰は新型コロナウィルスで打撃を受けた人民をさらなる困窮に陥れている。
 新型コロナ危機は全く収束していないし、さらに深刻さを増している。にもかかわらず、世界の資本家と各国政府は利益の争奪に汲々とし、戦争という最悪の形でこれを表現している。ウクライナでの戦争は泥沼化し、継続中だ。


●1章 プロレタリ国際主義に立脚しウクライナ反戦を
▼1章―1節 民間人の虐殺


 二月二四日からウクライナ全土に対して侵攻してきたロシア軍だが、ウクライナ軍の反撃と世界的な反戦運動の中で首都キーウに対する攻撃を継続することが困難になり、ウクライナ北部からの撤退を開始した。四月二日、ブチャなどロシア軍が撤退した地域で、残虐な民間人殺戮の事実が報告された。被害者は後ろ手に縛られるなど、明らかに「戦闘の巻き添え」とはいいがたい様態を示している。ロシア側はこれを「フェイクニュースだ」「ウクライナ側の自作自演だ」等と主張しているが、占領地を管制していたのはロシア側なのだから責任はまぬかれない。国連安保理では比較的欧米の主張からは距離を置いている中国やインドも事件の検証や独立調査を求めている。そのほかにも非武装の民間人、子どもの殺戮、女性に対する性暴力事件などが報告されている。
 プーチン政権は、ウクライナ人民の抵抗によって、武器の多寡だけでは勝敗が決しない戦争の現実に直面している。誤った政治判断ゆえに戦争が泥沼化する中、自国に有利な戦果をあげるためにだけ、戦力をウクライナ東部と南部に集中しようとしている。プーチン政権が一方的にルガンスク人民共和国、ドネツク人民共和国として独立承認したルハーンシク、ドネツィク二州(いわゆるドンバス地方)からクリミア半島、オデーサに至る黒海沿岸の軍事的要衝を武力で占領することを目指している。

▼1章―2節 階級攻撃こそが本質だ

 ウクライナ侵略戦争を一刻も早くやめさせなければならない。この戦争の本質はロシアの「自存自衛」の闘いでないのはもちろんのこと、「正義のゼレンスキー政権」を守る戦いでもない。資本の利害に貫かれた昔ながらの侵略戦争である。
 新自由主義の限界がもたらす利潤率の低下、それでも新自由主義のほかに回答を持ちえない全世界の資本家階級による労働者人民に対するさらなる搾取強化と各国資本家の縄張り争い。このもとで、すでに東アジアでは米中対立、中東は断続的に続く戦乱、主要帝国主義国では労働者階級の窮乏化や差別排外主義の横行などが引き起こされてきた。そこへ新型コロナ危機による世界経済の連環の破綻。資本家階級の利害矛盾は今回ウクライナで爆発した。
 NATO加盟国やアメリカはウクライナへの軍事支援を強化している。民衆虐殺を批難する一方でロッキード・マーチン、レイセオン、ジェネラル・ダイナミクスといった軍需企業がこの戦争から莫大な利益を得ている。アメリカだけで四月上旬までに一七億ドル(約二一〇〇億円)以上の軍事支援を行っている。その中身は対戦車ミサイル「ジャベリン」、携帯型対空ミサイル「スティンガー」、自爆型ドローン「スイッチブレード」など。バイデンの「正義の演説」に隠されて、アメリカ軍需産業は特需に沸いている。問われていることは、ゼレンスキー政権に対する軍事支援ではない。米帝などNATO諸国の利害による軍事支援、戦争長期化を許してはならない。
 労働者人民の利益に合致するのは、プロレタリア国際主義に貫かれた反戦闘争の一大高揚をもって、プーチン政権を追い詰めていくことである。ウクライナ人民、ロシア人民の闘いと結合した国際反戦闘争をさらに大胆に推し進めていこう。


●2章 5・15沖縄解放闘争に起ち上がろう
▼2章―1節 沖縄反革命的統合五〇年弾劾

 本年五月一五日、沖縄は、一九七二年の反革命的統合から五〇年を迎える。五〇年経ても米軍基地は、なくなるどころか、日米帝の軍事同盟強化に伴って、強化されてきた。辺野古新基地建設は、オール沖縄=沖縄人民の反対を押しのけて、現在も強行され続けている。沖縄に対する差別軍事支配はさらに強まっているのだ。
 辺野古新基地だけではない。前章でも指摘したように新自由主義の破綻を背景とした世界の縄張り争いは東アジアにおいては米中対立として表現されている。そのもとで琉球弧は最前線として基地強化が進められている。北部訓練場はその敷地の半分を返還させたと日本政府はうそぶくが、その本質は高江集落を囲むオスプレイパッドの設置による機能強化だ。沖縄島中南部では浦添新軍港の建設やミサイル部隊の配置が進められている。石垣島、宮古島には自衛隊ミサイル基地が建設され、宮古島にはすでに配備された。与那国島にはすでに二〇一六年に監視警戒部隊が配備、さらに電子戦部隊の配備も検討されている。
 基地建設のほかにも、訓練空域以外での低空飛行訓練、悲惨な事故も起こした夜間空中給油訓練が行われている。「不時着水」という新しい日本語を生み出した二〇一六年一二月のオスプレイ墜落(名護市安部)。六人の米兵が犠牲になった二〇一八年一二月の空中給油機、ホーネット接触、墜落事故。いずれも夜間空中給油訓練中の事故であった。
 これまでほとんど行われていなかった那覇軍港での警護訓練など軍事訓練の頻度と質も強化されている。鹿児島県内の馬毛島、奄美大島含め琉球弧の軍事強化はとどまるところを知らない。
 ウクライナでの戦争が示しているように、資本家を中心とする支配層は自己の利益のためにさんざん戦争をあおっておいて、いざ戦争が始まればさらにそこから利益を得ようとする。したがって琉球弧の軍備強化は島々の民衆を守らず、琉球弧の戦場化を結果することにしかならない。沖縄の民衆は大日本帝国の捨て石とされた沖縄戦の歴史からそのことをよく理解している。沖縄を再び戦場にしてはならない、という糾弾の声があがっている。

▼2章―2節 5月沖縄解放闘争に全国から結集しよう

 この五〇年間は「本土」人民の沖縄人民に対する責任を厳しく問うている。沖縄の民衆が闘い続けている間、「本土」の階級闘争は客観的には後退戦を続けてきたといわざるを得ない。沖縄の民意を無視した差別軍事支配が継続できるのはとどのつまり、「本土」人民の階級闘争の弱さの表れだ。「本土」階級闘争の再建と沖縄闘争を結合して闘おう。沖縄―「本土」を貫いて、反革命的統合五〇年糾弾! 辺野古新基地建設阻止! 軍事基地撤去を断固闘い抜こう。5・15沖縄解放闘争に向けて全国から決起しよう。


●3章 クアッド首脳会議粉砕 反帝闘争に立ち上がろう
▼3章―1節 クアッド首脳会議


 クアッドを構成する日米豪印四カ国は、首脳会議を五月下旬に日本で開催することを合意している。クアッドは米中対立を背景とした対中国の政治・経済・軍事連携を図るものだ。クアッドは構成国の資本家階級の利害に貫かれたものであり、当然これは労働者人民に敵対する本質を持つ。日本が主催者となって開催することを絶対に許してはならない。反対の闘いに立ち上がろう。

▼3章―2節 経済安全保障推進法案反対

 岸田政権は、コロナ禍で困難となったグローバルな経済活動をいかに補完するのかを「安全保障」として位置付け、同時に、軍事に直結する技術開発の国家的統制を図ることも企図して、経済安全保障推進法案を策定して、これを押し通そうとしている。
 その中身は①重要物資の安定供給確保、②基幹インフラ役務(電気・ガス・水道・交通・通信・物流・郵便・金融)の安定提供確保、③先端重要技術開発支援、④非公開特許制度の導入である。
 ところがその詳細はどこにも書かれていない。②では実際にこれを提供している労働者、労働組合に対していかなる統制をかけてくるのかなど現時点では全く不明だ。③や④では軍事研究とも関係してくる問題だが、これも不明。罰則を伴って経済活動を統制する法案でありながら、詳細は政令、省令で政権の恣意的な統制をなそうとしているのだ。軍備強化、戦争準備につながる経済安保法案の成立強行を許してはならない。






   

 


Copyright (C) 2006-2007, Japan Communist League, All Rights Reserved.