共産主義者同盟(統一委員会)


1614号(2022年5月20日)






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 5・22クアッド反対に立ち上がろう
 アジア人民と連帯する反帝闘争を
 
                         

 ロシア・プーチン政権によるウクライナ侵略戦争が開始されて、すでに三カ月になろうとしています。情況は、ウクライナとロシア二国の戦いにとどまらず、事実上、アメリカ帝国主義とNATO(北大西洋条約機構)に加えて他のヨーロッパ諸国対ロシアの戦争となってしまっています。それぞれの勢力がそれぞれの思惑を秘めてうごめく中で、ウクライナ民衆と、動員されたロシア軍兵士の犠牲が積み上がるばかりです。
 私たちは、戦闘の即時停止とロシア軍のウクライナ域外への撤兵を求めます。帝国主義の戦争に反対し平和を求める、ロシア、ウクライナ人民をはじめとする全世界の民衆と連帯し、ウクライナ侵略戦争を止めましょう。戦争を利用して自分たちの政治的経済的目的を果たそうとうごめく者たちを許さず、国際反戦闘争に立ち上がりましょう。
 ウクライナ侵略戦争を利用して、日本を、戦争が出来て、かつ踏み込む国に変えようとする日帝―岸田政権の策動を打ち砕きましょう。


1章 ウクライナ戦争に乗じた改憲策動と経済安保法制定

 ウクライナへの侵攻開始直後の、安倍晋三の「核共有」暴言を挙げるまでもなく、自民党の戦争屋たちはウクライナ侵略戦争を最大限に利用せんものと勢いづいています。
 「ロシアや中国、朝鮮民主主義人民共和国といった核兵器保有国が攻撃して来るかも知れない」という危機感と「中国脅威論」などの排外主義を煽り立て、それらをテコに日本の軍事大国化や憲法改悪を推し進めようとしているのです。アジア地域において政治的・軍事的緊張を高め、拡大させているのはどこよりも日米両帝国主義であるにもかかわらず!
 四月二七日、自民党の安全保障調査会(会長は元防衛相小野寺五典)は、首相岸田に「提言書」を提出しました。許しがたいその内容の一つは、防衛費を、「NATOの目標も念頭に」対GDP比2%以上に、しかも今後五年以内に増額せよというものです。従来から対GDP比1%で推移しつつも、昨年六兆円を突破して過去最大となっていた防衛費を、一気に二倍、一二兆円にまで増やせというのです。これは、現状ですら世界第九位の予算規模だったものを、アメリカ帝国主義、中国に続く世界第三位の超軍事大国に、日本を押し上げるということです。恐るべき「提言」です。
 もう一つは、従来から自民党内に保持を求める声のあった「敵基地攻撃能力」を「反撃能力」と名称変更して保有せよという「提言」です。しかも、「(ミサイルの)迎撃のみではわが国を防衛しきれない恐れがある」から、「反撃」の対象は「ミサイル基地に限定されるものではな」く、「指揮統制機能をも含む」としています。敵とみなした国の基地だけでなく、中枢、首都をも攻撃しようというのです。そもそも「提言」に言う「反撃」自体、敵の第一撃があってそれに対する反撃を、というものでは全くありません。小野寺は「相手方の攻撃が明確に意図があって、既に着手している状況であれば、判断を政府が行う」と言い切りました。敵が「攻撃」に「着手」したのかどうか、こっちが勝手に判断するというのです。被害もないうちから一体何の「反撃」だというのでしょうか! かつて日本が侵略戦争に乗り出して行ったやり口と、何も変わっていないではありませんか!
 日帝の側からの先制攻撃に道を拓かずにはいないものであり、「専守防衛」の原則を逸脱することは誰の目にも明らかです。
 このような「提言」に対して岸田は、「しっかり受け止めた上で議論を進めて行きたい」と応じ、年末に改定予定の「国家安全保障戦略」にこれらを反映させる意欲を示しました。
 そして五月三日の憲法記念日に際しては、櫻井よしこらが共同代表を務める「美しい日本の憲法をつくる国民の会」主催の公開憲法フォーラムにビデオメッセージを寄せ、自民党のいわゆる改憲四項目について「いずれも極めて現代的な課題であり、早期の実現が求められる」「(改憲に)今だからこそ挑戦し続けなければならない」とぶち上げました。
 また、岸田政権が今国会での最重要法案として位置付けている、経済安全保障推進法案に反対し、葬り去らなくてはなりません。法案は(一)重要物資の供給網強化、(二)基幹インフラの安全性の確保(強靭化)、(三)先端技術の育成・支援、(四)特許非公開の仕組みづくりを目指すというものですが、詳細については政府が後日、実に一三八項目にもわたって「政令」「省令」で定めるとしています。米帝が進める中国経済との「デカップリング(分離・切り離し)」と歩調を合わせつつ、かつてのココム(対共産圏輸出調整委員会)のように、企業活動や大学の研究活動までを国家の監視統制下に置いた上で、軍事研究へと総動員する体制が、出来上がりかねません。
 米帝バイデン政権とともに戦争の出来る体制づくりを進める岸田政権を決して許さず、打倒しなくてはなりません。改憲を阻止しなければなりません。今こそ、心ある仲間たちとともに立ち上がろうではありませんか。


●2章 クアッド首脳会議粉砕! 帝国主義戦争に反対しよう

 五月二二日に米帝バイデンが来日し、二三日に日米首脳会談が開催されます。続く二四日には、日米にオーストラリアとインドを加えた四カ国戦略対話(クアッド)首脳会議が開催される予定です。
 クアッドは、中国を包囲し封じ込めることを狙った日米両帝国主義主導の「戦略対話」であり、首脳会談は今回で三回目となります。米帝からすると、二月に発表した「インド太平洋戦略」を具体化する上で、米英豪の軍事同盟「AUKUS」とともに、きわめて重要な位置を占めています。
 もっとも、インドは英帝の支配からの独立以来、「自主独立、非同盟」を外交の原則としており、三月二日に国連総会で採択されたロシアに対する非難決議を棄権しました。米帝が呼びかけた、ロシアの機関や個人に対する経済制裁にも、インドは加わっていません。米帝バイデンはインドの姿勢に不満をあらわにしており、三月には「(クアッドの中で)インドだけが(ロシアへの対応が)やや薄弱だ」と述べ、四月には首相ナレンドラ・モディとの首脳会談で、「(ロシア産原油の輸入は)インドの国益にならない」と発言し、明確に圧力をかけています。これがウクライナ侵略戦争勃発後のクアッドの現実であり、すでに綻びを見せているのです。
 そもそも、米帝主導の対ロシア経済制裁に参加している国は、四月はじめの時点でたった三七カ国です。アジア・オセアニア地域では日帝の他、韓国と台湾、オーストラリアのみです。ブルジョアメディアが「画期的」と評した国連総会でのロシア非難決議に、一九三カ国の国連参加国のうち一四一カ国が賛成したのと比べれば、きわめて見劣りのする「圧倒的少数」でしかなく、「対ロシア経済制裁は国際社会の総意」だなどとは、決して言えたものではありません。
 歴史を振り返ればそれも当然です。ヨーロッパ諸国もアメリカもロシアも、帝国主義列強としてアジア、アフリカ、中南米地域で侵略をほしいままにして来た、憎悪と怨嗟の対象でしかありません。ウクライナ侵略戦争が所詮、帝国主義諸国同士の争闘戦=「内輪揉め」でしかなく、バイデンや岸田らが叫び立てる「民主主義と専制主義の対決」というようなものでは全くないということを、世界の圧倒的多数の国々が見抜いているということです。
 ウクライナ侵略戦争や、あるいは「米中対立」の本質を捉え、それを人民の中に訴えて闘うならば、クアッドの粉砕は全く可能です。バイデンが今回、日本の前に訪問する、韓国の尹錫悦(ユン・ソギョル)新政権も、「参加の打診があれば積極的に参加を検討する」と表明していますが、こうした動きも韓国民衆と連帯して反対し、打ち砕かなくてはなりません。クアッド首脳会議を粉砕しよう!







   

 


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