共産主義者同盟(統一委員会)


1615号(2022年6月5日)






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 日米帝の軍事同盟強化弾劾!
 
6月国際連帯運動を推進しよう
 
                         



 五月一一日、岸田政権は経済安全保障推進法案(経済安保法)を成立させた。われわれはこの法案の成立を絶対に許さない。経済安保法は現代における「国民総動員法」である。徹底的に弾劾しよう。
 岸田政権と自民党は明文改憲と実質改憲に向けて暴走している。反撃能力(敵基地攻撃能力)という「敵」の指揮系統の破壊の目的化、そして防衛予算のGDP2%確保、さらに自衛隊明記と緊急事態条項追加を柱とする改憲策動を強引に押し進めようとしている。ロシアによるウクライナ侵略戦争を利用した日帝の軍事大国化―戦争国家化を阻止しよう。反戦運動の爆発を勝ち取ろう。
 その要となるのがアジア共同行動(AWC)が主催する六月行動だ。今ほど、プロレタリア国際主義を掲げた反戦運動が必要な時代はない。六月アジア共同行動の成功を勝ち取ろう! アジア人民の闘いと具体的・実践的に連帯した闘いをもって岸田政権を打倒しよう!


●第1章 経済安保法成立弾劾!

 岸田政権が今国会の重要法案としてきた経済安保法案が五月一一日、参議院本会議で与党と立憲民主党等の野党の一部も賛成し、可決され成立した。われわれはこの法案の成立を徹底的に弾劾する。
 経済安保法案には「国際情勢が複雑化する中、経済活動に関して国民の安全を害する行為を未然に防ぐ」、「安全保障の確保に関する経済政策を総合的に推進する」と趣旨説明が書かれている。経済安保なる用語の基本的概念は経済活動と日帝の「安全保障」を結合させたものであり、具体的対象としているのは、主要には中国やロシア、朝鮮民主主義人民共和国である。ロシアによるウクライナ侵略戦争という情勢を受けて、審議未成熟のまま早期成立された。
 法の中身は中国やロシアとの取引を念頭に、日帝国家権力が企業の経済活動を監視することを目的とする。同時に重要物資の安定供給と対象国(中国やロシア)への技術流出を防ぐ狙いをもつ。罰則規定をもっていることが特徴でもある。法の構成は「四本柱」からなっている。①半導体など特定重要物資のサプライチェーン(供給網)の強化、②サイバー攻撃に備えた基幹インフラの事前審査、③先端技術の官民協力、④軍事技術の特許非公開である。
 しかしこの法は罰則を伴って経済活動を統制する法案でありながら、詳細は政令・省令で決めることになっている。すなわち、政権の恣意的な統制ができる法なのだ。例えば「特定重要物資」とあるが、この特定重要物資なるものが条文には明記されていない。何を特定重要物資にするのかは今後、国会審議のいらない政令・省令で決めるということだ。その時々の政権の都合によって特定重要物資が決められていく。
 また官民一体の軍事研究を積極的に位置づけている。そしてその成果を「特許非公開」によって秘密にする。技術情報を流出させた者は罰則を受けることになる。
 要するに、経済安保法は学問を軍事に利用することを法的に位置づけているのだ。これを思想的に総括するならば、戦後「民主主義」的理念であった学問の軍事利用反対という思想を清算する法でもあるということだ。一方で「先端技術の官民協力」の名の下に、軍事利用に直結する研究が政府による莫大な援助によって活性化する。経済安保法の成立以降、基本的に日本の科学技術は軍事に集約されることは明白だ。
 経済安保法は、コロナ禍で困難となったグローバルな経済活動をいかに補完するのかを「安全保障」として位置付けたものである。いわば、日帝ブルジョアジーの利害を防衛する法案である。そして、その一方で戦争情勢をも利用して軍事技術開発の推進と、軍事技術の秘密化(特許非公開)を重要な領域にしていく。
 すなわち、インド太平洋戦略を推進しようとする日帝が中国、ロシアとの貿易関係が切断されても特定重要物資の供給を維持し、かつ軍事に直結する技術開発とその国家的統制を推進するための法が経済安保法なのだ。それはウクライナ戦争情勢に乗じて、戦争体制に向けて経済・社会を再編しようとする攻撃に他ならない。徹底的に弾劾し、岸田政権打倒を闘おう!


●第2章 日帝の軍事大国化を許すな!

 岸田政権は発足当初から改憲に向けた動きを加速させてきた。衆参の憲法審査会をほぼ毎週開催し、改憲論議の「実績」を演出している。
 また自民党は本年四月に岸田首相に提言案を提出した。岸田政権が年内に予定する外交・防衛の長期指針「国家安全保障戦略」など政府三文書の改定への反映を目指すための「提言」である。
 そこでは、これまでの敵基地攻撃能力を「反撃能力」と言い換え、その攻撃対象を基地という建造物にとどまらずに「指揮統制機能」にまで拡大することが明記されている。「指揮統制機能」とは何か。いうまでもなく「敵」なる相手国における人的組織を指している。すなわち、公然と相手国の中枢を攻撃対象としているのだ。
 防衛費に関しては、北大西洋条約機構(NATO)加盟国がGDP比2%以上を目標としているのを念頭に置いた上で、「五年以内に防衛力の抜本的な強化を目指す」としている。防衛費の飛躍的増大も問題だが、その根拠が具体的武器・装備の観点ではなくNATOとの関連で発想されていることに着目しなければならない。日帝はロシアのウクライナ侵略戦争を受けて、NATOとの交流を活発化させてきている。外相や自衛隊幹部がNATO会合に積極的に出席している。日帝は明らかに、NATOとの連動を視野に入れた軍事大国化を指向している。
 「提言」では「専守防衛の考え方」に立つとしているものの、「必要最小限度の自衛力」は「時々の国際情勢や科学技術等の諸条件を考慮し決せられる」と、詭弁を弄している。すなわち、口先では「専守防衛」なるものを掲げながら、状況しだいでは明確な侵略行為も「必要最小限度の自衛力」と言いなす、ということだ。
 われわれは、これまでのいかなる帝国主義戦争も「防衛戦争」であったことを決して忘れはしない。直近で言えば、ロシアによるウクライナ侵略戦争もその名目は「防衛」であったではないか!
 日帝の軍事大国化を許すな! プロレタリア国際主義を掲げた反戦運動の前進をかちとろう!


●第3章 六月国際連帯運動を推進しよう

 世界がブロック化され軍事的緊張がかつてないほど高まる現代においてこそ、プロレタリア国際主義の思想に裏打ちされた反戦運動が貫徹されなければならない。その要がアジア共同行動(AWC)が主催する六月行動である。
 AWC韓国委員会は、四月六日東京のアメリカ大使館前での米韓合同軍事演習抗議行動に寄せた連帯メッセージの中で、「外見はロシアとウクライナの間の戦争だが、内容としてはヨーロッパ連合とアメリカ対ロシアの新冷戦の一つの形態だ。今回のウクライナ戦争は朝鮮民主主義人民共和国・中国・ロシアと日本・米国・韓国との間に形成されてきた新しい冷戦秩序をより一層強化させて軍事的緊張を高めている」と弾劾している。
 今こそ、労働者・民衆の立場に立った反戦運動を、街頭で、職場で、学校で、地域で広げていかなくてはならない。六月アジア共同行動を、このような労働者・民衆の立場に立ったウクライナ反戦運動と結びつけて取り組むことが重要である。
 われわれ日本帝国主義足下の労働者・民衆は、ロシアによるウクライナ侵略戦争を利用した日本の戦争国家化と全力で闘っていかなくてはならない。日米軍事同盟、さらに日米韓の軍事同盟の強化と闘い抜く、日常的な宣伝活動や街頭活動を作っていかなくてはならない。ウクライナ反戦と一体のものとして日帝の軍事大国化と闘おう。
 五月、われわれは沖縄解放闘争とクアッド日本開催反対闘争を断固闘い抜いてきた。岸田政権の反動外交と対決してきた。岸田は五月に東南アジアとヨーロッパを歴訪し、ロシア制裁、中国非難を強めてきた。その反動外交の頂点として、米大統領バイデンの来日―日米首脳会談、そしてクアッド首脳会議の日本開催強行があった。この日米帝国主義を軸としたアジア太平洋の軍事同盟関係強化を許してはならない。帝国主義の企図を粉砕する国際反戦闘争を闘い抜こう!
 韓国、台湾、フィリピンをはじめとしたアジア諸国・地域の人民の国際連帯を強め、反戦闘争、反基地闘争、反原発闘争を推進するアジア共同行動を支え、国際連帯集会を成功させよう。六月アジア共同行動を成功させよう!





   

 


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