共産主義者同盟(統一委員会)


1619号(2022年8月5日)







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 疑惑隠蔽、安倍賛美の国葬断固反対
 
安倍を踏襲する戦争と改憲を粉砕!
 
反共集団=統一教会の所業を暴き解体しよう


 
九月沖縄選挙戦に勝利しよう
 
辺野古現地に全国から結集を                    






 岸田自公政権は今回の参院選で改選議席の過半数を占めました。また、自公、日本維新の会、国民民主党など現行憲法の改悪を狙う院内勢力が衆参両院で三分の二を占めることともなりました。憲法改悪と日本の軍事大国化を許すのか否かの闘いは、待ったなしの情勢です。
 参議院議員選挙終盤の七月八日、元首相安倍晋三が街頭演説中に射殺されました。容疑者は、自民党と深く長く結託して来た「世界平和統一家庭連合」(旧「世界基督教統一神霊協会」=統一教会)によって生活を破壊された被害者だとされています。事件を受けて、参院選は最終盤になって自民党へと投票する動きが出ました。
 岸田は七月一四日、安倍の葬儀を九月に「国葬」として行うと表明。内閣府設置法が法的根拠であると強弁して、閣議決定で「国葬」を強行しようとしています。あざわらいながら慣例や手続きを踏みにじり、数をたのみとした強権と腐敗をきわめた安倍晋三を神格化しようというのです。独裁政治の批判を許さずに安倍を美化し、今後も戦争と改憲を推し進めようというのです。決して許してはなりません。安倍の死を徹底的に政治利用しつつ、戦争国家体制づくりに突き進む岸田政権を、打倒しよう!


岸田政権の軍事外交路線弾劾 日米韓三カ国の共同訓練反対

 岸田は前首相の菅同様、「安倍晋三なきアベ政治」を変わることなく推し進めています。参院選においても、防衛予算を対GDP比2%を「念頭に」「積み上げ」ることと、「わが国への武力攻撃に対する反撃能力を保有」すること、そして「憲法改正を早期に実現する」ことを公約していました。まごうことなき軍拡路線です。
 このかん岸田は、日米豪印のクアッド首脳会談を日本国内で開催しました。六月一〇日にはアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)で講演し、「平和のための岸田ビジョン」の名の下、いっそう米帝バイデンとの一体化にのめり込むことを明確にしました。同月末にドイツのエルマウで開かれたG7サミットでも、ロシアへの制裁への強化を打ち出し、バイデン、尹錫悦(ユン・ソンニョル)と会談をしました。日韓両国は、オーストラリア、ニュージーランドとともにNATOの「パートナー国」として招待されていましたが、岸田はここでも「自由で開かれたインド太平洋」戦略を主張し、他帝からの支持を取り付けようとしていました。
 八月一日からは核不拡散条約(NPT)再検討会議が国連本部で開催されており岸田もそれに出席していますが、六月に初めて開催された核兵器禁止条約の締約国会議(ウィーン)には見向きもしなかったのです。この会議には非締約国でNATO加盟国のドイツ、オランダ、ノルウェー、ベルギーと、クアッドの一角であるオーストラリアすら、オブザーバー参加していました。岸田は広島出身であることを強調し「核廃絶はライフワークだ」などと言ってみせるものの、オブザーバー参加を徹底して拒むなど、実際の行動は全く伴っていません。中国に対する対決姿勢を強めるばかりの米帝バイデンに付き従い、東アジアの緊張を高めることしかしていない岸田政権の軍事外交路線は、人民を帝国主義侵略戦争に引きずり込むものでしかありません。
 一方日米韓三軍が、現在ハワイ沖で行われている「環太平洋合同演習(リムパック)」の期間中、対朝鮮民主主義人民共和国の共同訓練を行うこともすでに明らかにしています。四年半ぶりのことです。米帝、NATOとともに、対中包囲網を形成しつつ、朝鮮民主主義人民共和国への敵対をも深める日米韓三カ国による共同訓練を許してはなりません。反対の声を上げましょう!


統一教会と結託してきた自民党弾劾!

 安倍の射殺の直後から早々にその名が取りざたされていた旧「統一教会」(現在は「世界平和統一家庭連合」。以下旧統一教会)は、軍事独裁政権時代の韓国内で文鮮明が興した組織です。安倍の祖父である岸信介と笹川良一らが日本に引き入れ、それ以降、岸、安倍晋太郎、あるいは福田赳夫など、主要に自民党の右派と長年にわたって関係を持って来ました。一九六七年には岸らと「国際勝共連合」を立ち上げ、「反共産主義」を掲げて日本国内の民衆の闘いや、軍事独裁政権に抗して闘う韓国民衆に敵対して来ました。日本のみならずアメリカにも勢力を広げ、特に共和党には無視しがたい影響力を保持しています。
 日本国内では、あたかもキリスト教の一宗派のごとくに装いながら全国大学で学生組織「原理研究会」(現在は「CARP」)を組織する一方で、七〇年代から九〇年代にかけては、壺や印鑑や食品を高額で売りつける詐欺の「霊感商法」や、破綻必至の婚姻関係を信徒たちに一方的に強制する「合同結婚式」などの悪辣な資金集めが、広く社会問題化した組織です。被害者たちの訴えが絶えることなく、裁判でも多く敗訴して来た集団にもかかわらず、未だに宗教法人格を取り消されることもなく自由に活動出来ている(韓国とフランスではすでに「カルト」だと認定されています)のは、間違いなく自民党による庇護があったからです
 詐欺で集めた膨大な資金を背景に、旧統一教会は自民党に秘書や運動員たちを送り込み、自民党政治を強力に支え続けて来ました。見返りに自民党は、旧統一教会のイベントに出席したりメッセージを送るなどして彼らに「お墨付き」を与え、法務当局やメディアをけん制して来ました。そして、彼らが主張する改憲、軍拡などの戦争政策を進め、性的少数者への差別を煽り、家父長制的家族制度を護持しようとして来たのです。まさに持ちつ持たれつ、ズブズブの関係です。
 党副総裁まで務めた高村正彦は、旧統一教会の訴訟代理人弁護士を務めましたし、現国家公安委員長の二之湯智も昨年、教会主導のイベントの呼びかけ人に名を連ねていました。宗教法人を管轄する文科相末松は七月一二日の会見で「(宗教法人への介入は)きわめて抑制的であるべき」と言い放ちました。銃撃の容疑者に犯行を決意させたとされる、安倍が教会に送ったビデオメッセージも、もちろん旧統一教会にとっては強力な「お墨付き」です。祖父の岸信介を敬慕し、父晋太郎から地盤を引きついた安倍晋三が、旧統一教会についてよく知らなかった、などということはあり得ません。知った上で関係を続けていたのです。
 戦後の日本社会で興ったいわゆる「新宗教」も、信者たちが代を重ね、今回の事件の容疑者のような、宗教活動に熱心な親に翻弄され疲弊する子どもたちという「宗教二世」問題が広く発生しているわけですが、これは旧統一教会のみならず自民党と連立する公明党=創価学会にとっても絶対につつかれたくない問題であるがゆえに、対策も講じられずに放置されて来ました。自民党と旧統一教会が築き上げて来た集金、集票のシステムが、そのあまりの非人間性ゆえについに破綻を来した結果の今回の事件だと言えるわけで、宗教団体と自民党との結託ぶりが、一気に衆目にさらされているのです。
 自民党議員たちは現在、旧統一教会との関係を示すネット上の記録を慌てて削除するなど、あわてふためいています。一方で御用メディアや御用文化人を動員して、党と旧統一教会との関係から目を反らさせようと、安倍の「功績」をたたえてみせ、事件の容疑者の行為が的外れで筋違いだと非難することに、躍起になっています。
 参院選で勝利したとは言え、自民党は人民からの指弾に怯えているのです。この上安倍を「国葬」だと! 絶対に認めるわけにはいきません! 反対するのは当たり前です。人民が、森友、加計、桜を見る会などの政治の私物化、腐敗を忘れると思うのか! 統計不正、公文書の隠蔽、書き換え、虚偽答弁、そしてアベノミクスで格差を拡大させ、低賃金と物価高を人民に強制してきた安倍への弔意と服喪の強制、神格化など、絶対に認められません。
 安倍の「国葬」に対し、反対の声、抗議の声を叩きつけ、粉砕しましょう! 怒りを自民党と旧統一教会、さらには日本会議や神社本庁など、ブルジョア政界に巣食う反動的宗教集団に叩きつけ、粉砕しましょう!


沖縄知事選、名護市議選に勝利しよう

 参議院沖縄選挙区では、「オール沖縄」の推す伊波洋一候補が断固として勝利しました。岸田政権の反動攻勢の中にあってかちとられた勝利の意義は巨大です。この勝利の地平の上に立って、九月一一日投開票の沖縄知事選と名護市議選など統一地方選に、何としても勝利しなければなりません。
 辺野古新基地建設の設計変更に対して、昨年、玉城デニー知事が不承認の処分を下しました。これに対して、岸田政権は「不承認」を取り消しましたが、承認はされていないまま違法な工事を強行し続けることでしか、新基地建設を進められないでいます。そのために、沖縄「県」の訴えを審理させないで退かせて権限を奪い、追いつめることで「容認する知事」にかえさせようとしているのです。知事選最中にも遺骨土砂の採掘、国地方係争処理委員会で沖縄「県」の訴えを退かせる事態を起こさせようとしています。
 沖縄人民は、辺野古新基地建設阻止―オール沖縄勢力の知事選の勝利を何としてもかちとるために、座り込みを続けながら必死に運動を展開しているのです。今こそ、座り込み行動を堅持し知事選勝利に向け、沖縄―「本土」つらぬき総力で闘い抜きましょう。
 土地規制法の九月下旬の本格運用によって辺野古新基地建設阻止闘争をはじめ沖縄の反基地闘争を解体するための弾圧に打って出てくることが予想されます。沖縄解放闘争の原動力である座り込みをはじめとした実力闘争での勝利の確信をつぶそうとしているのです。まさに戦場化するために反戦―反基地を闘う人民を一掃しようということです。座り込み闘争を軸とした辺野古新基地建設阻止闘争を沖縄―「本土」つらぬいて強化しようではありませんか。
 辺野古新基地建設を許さない、沖縄人民の意志は不変です。基地と戦争を押し付ける岸田政権との政治対決に、全国からの支援を集中して勝利しましょう!
   

 


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