共産主義者同盟(統一委員会)


1656号(2024年4月20日)







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  自衛隊と米軍の指揮統制連携反対
  5・15沖縄解放闘争を闘い抜こう



 岸田政権が、かつてないスピードで大軍拡ー戦争準備を進めている。中国や朝鮮民主主義人民共和国に対し、日米一体となって軍事圧力をかけていくための日米首脳会談が一〇日強行された。新年度予算の防衛費は七兆円を超え、過去最大を更新。労働者階級人民の生活をことごとく破壊し、また国是である戦争放棄、平和国家の理念を大転換させようとしている。絶対に許すことはできない。
 私たちは四月一〇日の岸田訪米を徹底弾劾し、首相官邸前行動を闘い抜いた。
 続いて来る五月沖縄闘争への決起を皆さんに呼びかける。沖縄反革命的統合五二年弾劾! 5・15沖縄解放闘争を、沖縄―「本土」貫いて闘おう! 昨年の「全国連帯11・23県民大集会」を中心に、東京・国会前、大阪、京都など全国一〇箇所で取り組まれた闘いを引き継いで闘おう。
 沖縄・琉球弧の軍事要塞化・戦場化を阻止する闘いをさらに拡大強化し、大軍拡―改憲攻撃を打ち破り、岸田政権を打倒しよう。


●眼前の戦争を利用し「有事」を煽る岸田政権

 ロシアによるウクライナ侵略から二年以上が経過し「膠着状態」と評される中、首都キーウへのミサイル攻撃や、ハルキウの火力発電所をはじめとするエネルギー施設への攻撃が繰り返され、多くのウクライナ人民が犠牲になっている。反戦を訴える市民への激しい弾圧が繰り広げられているロシアにおいては、三月一七日実施された大統領選挙で、プーチンが五度目の当選を果たした。その五日後にはモスクワ郊外で一四三名の死者を出す銃乱射事件が発生した。これを受け、プーチンは「ウクライナ背後説」を唱えて更なる攻撃の口実にしようとしている。イスラエルによるパレスチナ人民虐殺が昨年一〇月以来続いており、ガザ地区における死者は三万人を超えた。がれきの下に埋もれたままの行方不明者を含めれば、更に犠牲者数は計り知れない。一刻も早くロシアはウクライナから、イスラエルはガザ侵攻から手を引き、大量虐殺をやめなければならない! イスラエルを支援する帝国主義諸国、企業も、虐殺への加担を今すぐやめるべきだ。
 平和外交に努めるどころか、これら眼前の戦争を利用して「台湾有事」「朝鮮半島有事」を煽り立て、東アジアの軍事的緊張を強めているのが岸田政権だ。ウクライナ人民、パレスチナ人民、アジア民衆と連帯し、自国帝国主義打倒の立場に立ち切って反戦闘争に決起しよう。


●腐敗しきった岸田政権が進める大軍拡

 自民党は二〇一八~二〇二二年の期間だけでも約六億円と言われる「裏金」を着服していたという。自民党全体が組織的に行なってきた政治資金の裏金問題。国会・政治倫理審査会では何も明らかにならず、幕引きを図る岸田政権への不信は拡大、支持率は下がり続けている。二月の世論調査では、ついに岸田内閣、自民党共に支持率が10%台にまで下落した。
 しかし、この不正事件に労働者人民の怒りが集中している状況にありながら、岸田政権は大軍拡を進めている。殺傷兵器輸出拡大へ大きく舵を切ると同時に、武器購入のための予算面の歯止めもゆるめようとしている。三月一九日に衆院通過した武器購入に関する長期契約恒久化法案は、高額な兵器を最長一〇年ローンで購入することを永続的に認める内容である。単年度の防衛費増加を目立たせずに、自衛隊が保有する兵器を強化させる目論見だ。大増税には限りがある、なら借金で、ということでもあり、膨張し続ける兵器ローンにより財政破綻を招く恐れもある。
 同じ日に国会審議が始まった「重要経済安保情報保護・活用法案」成立も絶対に阻止しなければならない。セキュリティ・クリアランス制度導入により、労働者人民を監視・統制、委縮させ、「知る権利」を奪い、でっち上げ弾圧も可能、秘密保護法並みの厳罰化が指向されている。経済安保が持つ危険性については、先駆けて起きた大川原化工機冤罪事件に明らかだ。
 さらには、有事の際の自衛隊や海上保安庁による公共の空港・港湾使用に備えて整備する「特定利用空港・港湾」に、北海道や沖縄など七道県一六箇所を指定する方針が、近く閣僚会議で決定されようとしている。戦闘機・輸送機が離発着できるための滑走路延伸や、護衛艦など大型艦船が接岸できるための岸壁工事など、整備事業が始められる初年度の予算は、約三五〇億円となる見通しだ。
 あらゆる手段で戦争体制を構築しようとする岸田政権を包囲し、今すぐ退陣へと追い込まなくてはならない。そして安倍政権以来、やつらの悲願である憲法改悪は、絶対に阻止しなければならない。


●殺傷兵器輸出拡大への転換を許すな

 岸田政権は昨年一二月に閣議決定した「防衛装備移転三原則」の緩和に基づいて、武器輸出拡大を急ピッチで進めている。外国企業に特許料を払って日本で生産する「ライセンス生産品」について、ライセンス元の国への完成品の輸出を全面的に可能にした。その直後に政府は、国内でライセンス生産している地対空誘導弾パトリオットをアメリカに輸出することを決めた。日本が製造した殺傷兵器がアメリカの不足分を補うことにより、間接的に紛争当事国を含む第三国に輸出される道が開かれたのだ。さらに、日英伊で共同開発中の次期戦闘機の輸出を可能とすることを、自民党・公明党が三月一五日に合意し、二六日に閣議決定した。
 ①輸出は次期戦闘機に限る、②輸出先は国連憲章に沿った目的以外の使用を禁じる「防衛装備品・技術移転協定」の締結国に限る、③「現に戦闘が行われている国」は除外する――という「三つの限定」が「歯止め策」というが、この三つの限定の実効性は極めて無に等しい。①の「次期戦闘機」とは現在航空自衛隊で運用中のF2戦闘機が一〇年後に退役開始となる後継として、英伊にとってはユーロファイターの後継として、共同開発中のステルス戦闘機を指している。しかしその一点に限らず「個別の共同開発プロジェクトごとに運用を閣議決定」となれば、対象武器は追加されていくだろう。②「協定の締結国」は現時点で米英など一五か国だが「未来永劫一五か国なわけじゃない。必要があれば二〇、三〇か国と増やせば良い」などと、自民党内からは早くも反故にする発言が出ている。③「現に戦闘が行われている国」が除外されたとて、「一五か国」を通して紛争国へ、あるいは将来の戦場で、使用されることは言うまでもない。何より、個別案件ごとに政府与党のみの閣議決定で決められ、国会にもかけられずに進められていくことは問題であり、もはや平和国家でも民主主義国家でもない。岸田首相は三月六日の参院予算委員会で戦闘機輸出が「日本の国益になる」と強調した。日本を「死の商人国家」に変貌させ、その「国益」追求にひた走る岸田政権を許すことは出来ない。


●オスプレイ飛行再開弾劾! 弾薬庫新増設許すな

 昨年一一月鹿児島県屋久島沖で起きた墜落事故以来、全世界で飛行が停止されていたオスプレイが、米軍(三月一四日以降)、陸上自衛隊(二一日以降)共に、飛行再開された。不具合部品が特定されたから安全対策を講じられるというが、事故の根本原因は不明なままであり、危険なことに変わりはない。欠陥機オスプレイは全機、撤去されなければならない。
 防衛省は戦闘継続能力強化のための弾薬庫新増設を全国で進めようとしている。弾薬庫は現在既に全国に約一四〇〇棟もあり、更に北海道・宮崎・鹿児島・沖縄の陸上自衛隊施設九箇所内に、約一三〇棟を増設する方針だ。それに先駆けて着手されたのが、大分分屯地と青森県大湊地方総監部などの大型弾薬庫新設工事だ。長射程ミサイル(スタンド・オフ・ミサイル)などの保管が想定されている。大分・青森で弾薬庫新設反対を闘う住民と、共に闘おう。
 沖縄・琉球弧の軍事要塞化もどんどん進められようとしている。うるま市のゴルフ場跡地に計画されている陸自訓練場もその一つであり、三月二七日住民らによる反対集会には、超党派の約一二〇〇人が結集して怒りの拳を突き上げた。同市内にある陸自勝連分屯地には、陸地から艦艇を攻撃する地対艦ミサイル部隊が新編された。オスプレイ飛行再開やこれらの軍備拡張は、すべて住民を無視して頭ごなしに強行されている。繰り返し沖縄に「痛み」が押しつけられることに、沖縄人民の怒りは頂点に達している。沖縄・琉球弧を再び戦場にさせない闘いを、沖縄ー「本土」貫いて闘い抜こう。


●岸田訪米―日米比三国首脳会談を徹底弾劾する

 四月一〇日、岸田訪米にあわせて、フィリピン大統領マルコス・ジュニアも訪米し、日米比三国首脳会談が強行された。昨年八月岸田訪米時の日米韓三国首脳会談に続くものだ。米帝―バイデン、日帝―岸田の意図は、日・米、韓国、フィリピンの反動政権の軍事的同盟・連携を強め、中国包囲、朝鮮民主主義人民共和国敵視の軍事外交を拡大・強化することだ。更に安倍訪米以来九年ぶりに国賓待遇を受けることで、日米の「不朽の同盟」関係を誇示することが目的だ。先立って米政府は、在日米軍司令部(横田基地)の指揮統制機能を強化し、自衛隊と米軍による「指揮統制」を連携させる方針を明らかにした。今年度末予定の自衛隊「統合作戦司令部」新設を見据えた連携促進について、一〇日の首脳会談で合意が交わされた。日米が、より一体となって侵略反革命戦争に突入しようする動きを許すことはできない。
 われわれは四月九日、「戦争・治安・改憲NO! 総行動実行委員会」が呼びかけた首相官邸前行動に参加し、「岸田訪米反対! 日米首脳会談粉砕!」の声を叩きつけた。

二〇二四年国際連帯運動を推進しよう

 アジア共同行動日本連は三月の総会に基づいて、本年の国際連帯運動を進めていこうとしている。
 日米帝国主義が東アジアの軍事的緊張を高めている中で、台湾、韓国、フィリピンをはじめアジア各国・地域やアメリカの労働者人民と連帯して、反戦闘争、反基地闘争、労働運動を進めていこう。
 辺野古新基地建設阻止! 沖縄・琉球弧の軍事要塞化・戦場化を許さない闘い、ウクライナ侵略、パレスチナ人民虐殺を許さない反戦闘争に、全力で決起しよう。
   

 


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