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■教育基本法改悪弾劾!/「日の丸・君が代」攻防に勝利しよう!

 

 全国の同志、友人のみなさん! 日帝―安倍政権はあろうことか〇六年十二月十五日、教育基本法の改悪を強行した! われわれはこのような暴挙を絶対に許しはしない! 満腔の怒りをもって徹底的に弾劾する!

 しかしたたかいはこれで終了したわけではない。今後、関連教育法ならびに諸制度の改悪をもって教育現場を実態的に改悪する攻撃がかけられてくる。すなわち、われわれはこれら関連教育法と諸制度の改悪を許さないたたかいを展開することによって、教育基本法改悪を実質上無効にすることができるということでもある。

 たたかいはこれからだ! 戦争国家を構築するための教育の戦時的再編ともいうべき攻撃と断固としてたたかっていこうではないか。その緒戦として今春三・四月の「日の丸・君が代」攻防が控えている。われわれはアジア人民との連帯にかけて、日帝の侵略戦争突撃を阻止していかなくてはならない。そのためにも、「愛国心」教育を頂点とする教育制度の再編を絶対に許してはならない。昨年の教育基本法改悪反対闘争が全人民的に高陽した地平を継承し、たたかうアジア人民との連帯にかけて今春「日の丸・君が代」攻防をたたかおう! 地域・職場・学園に根差した運動を展開し、日帝の戦争突撃を阻止していこう! アジア・メッセージ・プロジェクトの大胆な展開をもって反戦―反改憲運動の爆発をかちとっていこうではないか!

 

●1 戦争国家化を促進する教育基本法改悪弾劾!

 〇六年十二月十五日午後六時、日帝―安倍政権は全人民の改悪反対の声を無視して教育基本法の改悪を強行した。まさに戦後六十年におよぶ画歴史的暴挙をわれわれは徹底的に弾劾しなければならない。

 この教育基本法改悪は何をねらって強行されたのか。

 その第一は、言うまでもなく「愛国心」教育を象徴とする教育体制の戦争国家化に向けた再編攻撃にほかならない。

 旧教育基本法はかつての侵略戦争を一定程度「反省」した理念法であった。すなわち、天皇への忠誠をイデオロギー的柱とした教育の国家統制である戦中の教育勅語体制に対して、ブルジョア民主主義的平和主義と個人主義を教育の理念として対置したものである。当然、その内実は階級的限界性を孕んだものでしかなかった。しかしそれでも、旧教育基本法が侵略戦争当時の教育勅語―教育の国家統制支配を否定し、それを排除する機能を果たしてきたことも間違いない。

 こうした旧教育基本法を「愛国心」を前面に押し立てて改悪するということは、旧来のブルジョア民主主義的「平和」「個人」を否定し、「国家のためには命を捧げる」教育を行うということである。すなわち、例え用語として「勅語」を使用しなくても、その思想構造においてかつての教育勅語と大差無い代物への改悪である。

 少なくとも日帝支配階級はそのことを明確に意識していることは間違いない。今次教育基本法改悪のための特別委員会答弁で、自民党から幾度となく教育勅語への憧憬が語られている。教育基本法の改悪は教育勅語体制復活を目指したものにほかならない。

 侵略戦争、すなわち他国の労働者階級人民を虐殺し収奪しぬくためには、それ相応のイデオロギー的背景を必要とする。戦後ブルジョア民主主義的「平和」主義、「個人」主義では、到底、他国の労働者階級人民を虐殺することは不可能である。そのためにも教育内容の基盤に「愛国心」を据え国家主義的に労働者階級人民の思想を統制することが必要不可欠の条件となっていく。

 そのための改悪なのだ。今回の教育基本法改悪は、日帝が侵略戦争遂行―海外での労働者階級人民虐殺のためのイデオロギー注入機関として教育制度を全面的に再編することの宣言にほかならない。まさに改悪教育基本法が言うところの「愛国心」教育とは、差別・排外主義と侵略戦争―アジア人民殺戮のための教育である。

 第二に旧教育基本法は現行憲法を前提にして、その内容を教育理念として反映させることを目的とした法律である。このような教育理念法を改悪することは言うまでもなく、現行憲法を改悪することを目的にしていることは余りにも明らかである。日帝自身、そのことを隠そうともしていない。

 安倍極右政権はその発足時から、教育基本法の改悪と改憲を二大獲得目標として明確に主張してきた。安倍にとって憲法を改悪するためには教育基本法の改悪は避けて通ることのできない課題でもあった。今次教育基本法の改悪によって改憲策動が急ピッチで浮上することは間違いない。改憲への導水路として教育基本法改悪が位置付けられてきたことは多くの人々が指摘する通りである。

 教育基本法改悪から改憲へといたる道を断固として阻止していかなければならない。

 そして第三に、教育基本法の改悪とはたたかう教職員と教職員組合の解体を策したものにほかならない。

 これまで再三再四にわたって様々な所で言われているように、今次教育基本法の改悪の特徴の一つに第一〇条の改悪、いわゆる「不当な支配に服することなく」の改悪がある。すなわち旧一〇条の中身に「この法律に定めるところ」という文言を差し込むことによって、その内容を百八十度転換する攻撃である。今回の教育基本法の改悪をもって、教育内容へのたたかう教職員・教職員組合の活動と教育住民運動を「不当な支配」として排除することを法的に可能にしたのだ。明らかに戦後の反戦・平和闘争をその最先頭で担っていた教職員と教職員組合の活動、そして教育住民運動を押さえ込む意図をもった改悪なのだ。

 日教組中央はすでにたたかう力を喪失しているとはいえ、北海道・東京・広島・大分等々の各都道府県教組に結集する多くの教職員は反戦・平和教育に頑強にこだわり続けたたかっている。すなわち、「教え子を戦場に送るな」という日教組結成以来の精神は、一般組合員に受け継がれているということでもある。

 いみじみくも教育基本法改悪が俎上に登ってきた昨秋、森(元首相)は週刊誌のインタビューで教育基本法の改悪の目的は日教組の解体である旨を明言しているのである。

 このように支配階級からして教育基本法改悪の目的を隠そうともしない状況にあるにも係わらず、日帝の前にひれ伏す現日教組中央、とりわけ委員長森越による闘争放棄発言は階級的に許しがたい犯罪である。日教組中央の闘争破壊を乗り越えてたたかう教職員とともに、教育基本法改悪強行成立を徹底して弾劾していこうではないか。

 

●2 教基法改悪に抗拒した労働者階級人民の闘い

 しかし、全国のたたかう教職員と教職員組合、そして市民・労働者・学生はけっして教育基本法改悪を座して見守っていたわけではない。国会前闘争をはじめとして、全国各地で熾烈な労働者階級人民による改悪反対闘争が展開されていたのである。これらのたたかいは教育基本法改悪を臨時国会会期ギリギリまでに追い込み、あわや「今国会成立断念か」というところまで情勢を引き上げたのである。

 昨年、教育基本法改悪は安倍新政権樹立とともに秋の臨時国会で早々に決まるだろうと言われていた。十一月初旬には強行成立される、というのが現実的予想として言われていたのである。しかし全国のたたかう教職員と市民・学生・労働者は教育基本法の改悪を何が何でも阻止すべく果敢なたたかいを展開した。結果、その成立を臨時国会会期末限界の十二月十五日まで追い込んだ。しかも臨時国会にも係わらず四日間の小幅延長を担保しての強行成立だったのである。

 率直に言って、これら全国の労働者階級人民のたたかいがなければ教育基本法改悪はもっと早く成立していたであろうし、またその内容もより反動的なものになったのに違いない。強行成立を阻む野党の攻防を引き出したのは、明らかに国会前でのたたかいや全国津々浦々での大衆的反対運動である。

 すなわち、教育基本法改悪を巡る政治の中心は国会内の与野党による攻防にあったわけではない! その中心はあくまでも教育基本法改悪に反対する全国の労働者階級人民のたたかいにあったのだ! われわれはそのことを何度でも確認していこうではないか。

 教育基本法改悪反対闘争の爆発はいかなるものとしてあったのか。

 その第一はたたかう教職員を先頭とする大衆闘争として爆発したということである。戦闘的教職員は日教組中央の裏切りを乗り越えて果敢にたたかい抜いた。

 日教組中央は臨時国会が始まった直後くらいから「非常事態宣言」を発し、十月二十六日と十二月八日日比谷野外音楽堂で八千五百名と千二百名規模の集会を行った。そして日教組中央主導の国会前座り込み闘争が衆議院段階まではたたかわれた。しかし十一月二十四日委員長森越はテレビの公開討論番組で右翼イデオローグの八木秀次(高崎経済大教授)に「いま国会前で何百人もの日教組の人たちが座り込んでいますよね」「あの先生たちにぜひ教室に戻ってもらいたい」と批判されると、「あのーすみません。先週でやめました、それ」とあっさりと国会前の闘争放棄を宣言したのである。

 「非常事態宣言」はなんだったのか。日比谷集会はなんだったのか。そして日教組中央とともに寒空のなか国会前で座り込んでいた教職員のたたかいを何だと思っているのか。まさに怒りなくしては聞くことができない。11・24森越発言は教育基本法改悪反対闘争の放棄というよりも、まさに闘争破壊そのものである。日教組委員長森越は、その階級的犯罪性の故にたたかう人民の記憶にその名を刻まれることになった。

 しかし現場教職員はこのような日教組中央の屈服を乗り越えて、果敢なたたかいを展開したのである。

 北海道教組は衆議院段階と参議院段階を通じて国会前座り込み闘争を貫徹している。衆議院、参議院段階での決定的な情勢の時には北海道から五百名規模の動員を行ってきた。また九州の大分県教組も衆議院参議院ともに国会前座り込みを行っている。東京教組は職場が終わる夕方から夜にかけて連日にわたる座り込みをたたかった。多摩教組は「改悪案が審議されている間は必ず旗を掲げる」という組織決定を断固として実践しぬいた。都高教は一般組合員の怒りに押される形で、国会中盤から終盤にかけて座り込み闘争を展開した。

 そして日教組傘下の教職員組合ばかりではなく、日本共産党系の全教や上部団体を持たない独立教組も国会前座り込みをたたかったのである。臨時国会終盤、教育基本法改悪の強行成立が濃厚となった段階では、これら教職員が国会前で互いに激励を交わしながら教育基本法改悪弾劾のシュプレヒコールを挙げていったのである。

 「教え子を戦場に送るな」という精神を継承しようとする全国のたたかう教職員は、まさに最先頭で教育基本法改悪とたたかった。そして「韓国・全教組と交流する教職員と市民の会」として韓国ツアーに主体的に参加した教職員たちは、文字どおりの最先頭でこれらのたたかいを担ったのである。

 第二に教育基本法改悪反対闘争は全人民的政治闘争として爆発した。

 「教育基本法の改悪を止めよう! 全国連絡会」が主催する11・12集会には、日比谷野音に全国から八千名の教育労働者・市民・労働者・学生が結集した。そしてこのような教育基本法の改悪に反対する大衆集会は全国各地でたたかわれた。

 十月二十三日大分で六千、二十八日埼玉で千、十一月十八日愛知で千百、十一月二十二日函館で二千、十一月二十四日福岡で七千、十一月二十五日北海道で一万、十二月十日沖縄で千五百規模の集会がたたかわれている。これら集会は時には教職員組合が主導であったり、時には市民主導であったりしながらも確実に全人民的大衆運動としてたたかわれたのだ。ここに挙げた数は、ほんの氷山の一角にすぎない。実態はこれらに数倍する人民が全国で教育基本法改悪反対をたたかったことは間違いない。

 まさしく教育基本法改悪反対闘争は全人民的かつ全国的たたかいとして爆発したのである。

 そして第三にこのような大衆運動は国会前座り込み闘争として、権力中枢に迫るたたかいとして爆発した。

 先の臨時国会開会直後から国会前では、教育基本法の改悪を阻止すべく国会前の座り込み闘争がたたかわれた。

 全国連絡会が主催する毎週火曜日の国会前集会では、常に数千規模の人民が結集している。さらに市民主催で国会を取り巻く目的で呼びかけられた「ヒューマンチェーン」の取り組みが五千規模でたたかわれている。

 首都圏の被処分教員を軸に呼びかけられた「リレーハンスト&座り込み行動」は、「首都圏包囲ネット」の全面的サポートを受けながら十月十七日から十二月十五日まで、のべ三十五日間の国会前座り込み行動を貫徹している。アジア共同行動の仲間もこの行動に合流し、連日にわたっての座り込み行動を支えた。

 これら以外にも、先程報告したように日教組各支部が国会前でたたかっている。さらに国労、全労協、在日団体が独自の主張をもちながら国会前の座り込みをたたかってきた。

 まさにこの時期、国会前は人民のエネルギーで溢れていたと言っても過言ではない。永田町の駅から首相官邸はずれまで、国会前の路上は人民で埋め尽くされていったのである。

 こうした国会前攻防は、直接的に権力中枢に圧力を加えるたたかいであった。「教育基本法改悪反対!」のシュプレヒコールは、議事堂内の議員に届きプレッシャーを与え続けていた。テレビの公開討論番組で右翼イデオローグ八木が思わず吐露しているように、与党―支配階級内においてこれら国会前座り込みのたたかいは、まさに邪魔な存在であり続けたのである。事実、衆議院段階で国会運営の事務方レベルにおいて、国会前座り込みを「歩行の妨害」とし、これを規制しようという動きがあることを商業新聞が報道している。右翼商業新聞―産経はあからさまに国会前攻防を「一部過激派系の市民運動」と規定し、国会前の行動を破壊しようとしてきた。

 国会前座り込みのたたかいが情勢を切り開いてきたことは間違いない。国会という日帝国家権力の中枢に迫ることをもって、与野党議員の眼前で大衆運動のエネルギーを見せつけた事の意義は大きい。このエネルギーが教育基本法改悪の早期成立を阻止したのである。

 

●3 今春、「日の丸・君が代」攻防に立ち上がろう!★

 全ての同志、友人の皆さん! われわれがこれらたたかいの意義をガッチリと確認して、教育基本法改悪反対闘争を継承・発展させていきたいと考える。

 すなわち、これら労働者階級人民の決起を見ることなしに、教育基本法の法律的成立もって、やれ「あっさり可決された」だの「なんだかんだ言っても敗北だ」という主張はまったく的外れである。事実は、けっして「あっさり可決」されたわけでも「敗北」でもない。なによりも前提として、教育基本法改悪とのたたかいは未だ継続中ということを忘れてはならない。

 教育基本法が法的に改悪されたとは言え、今後この改悪案との熾烈な現場攻防が控えているのである、すなわち、ここで改悪教育基本法を認めるのか否か、現場に定着させるのかそれとも実態として無効にしていくのか、というたたかいが問われるということである。

 このような情勢にもかかわらず無責任な闘争終焉論はけっして許されない! たたかいが継続中である以上、「敗北」はありえない! われわれは労働者階級の解放を目指す党派として、そしてたたかうアジア人民と連帯して反戦闘争をたたかう党派として、今後とも断固として教育基本法改悪反対闘争をたたかい抜いていかなくてはならない! 教育基本法改悪反対闘争で切り開かれた労働者階級人民のたたかいの意義・地平を継承・発展させていくことが、日帝の戦争突撃と対決していく道なのだということを確信していこうではないか!

 その緒戦として、今春「日の丸・君が代」攻防がある。われわれは教育基本法改悪反対闘争として今春攻防をたたかっていこうではないか。

 われわれは第一に、あくまでも昨年の教育基本法改悪反対闘争を継承したたたかいとしてたたかっていこう。

 改悪教育基本法は「愛国心」なるものを前面に押し立てたしろものである。当然、卒・入学式には「日の丸・君が代」を強制することを要中の要としてくる。すなわち、「日の丸・君が代」の強制こそが、改悪教育基本法で言うところの「愛国心」であることは間違いない。しかも、この強制は全人民が従ってこそはじめて意味をもつ。一人でも反対をすれば、その政治的意義は半減してしまう。

 であるならば、この強制に「反対」の意志をつけつけること、あくまでも強制に従わない旨を公然と主張することが改悪教育基本法を否定するたたかいである。

 第二に、われわれはたたかう教職員と連帯するたたかいとしてたたかっていこうではないか。

 日教組にいても断固として「教え子を戦場に送るな」の精神でたたかおうとする現場教職員は多く存在する。そして日教組にいなくても独立教組としてたたかう教職員がいる。これら教職員と連帯して、「日の丸・君が代」強制とたたかっていこうではないか。

 第三に、われわれはこれらのたたかいを教育基本法改悪反対闘争としてたたかうということは、とりもなおさず、改憲阻止運動の一環としてたたかっていくということでもある。

 すなわち「日の丸・君が代」強制反対闘争を、反改憲運動と一体のたたかいとしてたたかうということだ。たたかうアジア人民と連帯する反戦―反改憲のたたかいとして「日の丸・君が代」強制とたたかっていこうではないか。

 そしてわれわれはこれら「日の丸・君が代」強制反対のたたかいを、地域・職場・学園に根差したたたかいとしてたたかっていかなければならない。広範な労働者階級人民の利害と一致したものとして、「日の丸・君が代」強制に反対していこうではないか。地域の学校で「日の丸・君が代」強制に反対している教職員、または子どもを学校に送り出している労働者、学園で反戦運動を担っている学生と結合した「日の丸・君が代」強制反対運動を作り出していこう。そしてこのようなたたかいの過程から、アジア・メッセージ・プロジェクトの全人民的な潮流を建設し、反改憲闘争の全人民的高揚を勝ち取っていこう。

 たたかうアジア人民と連帯し、教育基本法改悪反対! 憲法改悪阻止! を掲げて今春「日の丸・君が代」攻防を断固としてたたかっていこう。

 

 

 

 

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