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■天神峰現闘本部裁判

裁判長、証人調べを決める

現場検証ぬきの偏向ぶりに怒り

 

 五月十日、千葉地裁において、天神峰現闘本部裁判の第十六回口頭弁論が開かれた。

 原告・空港会社は、現闘本部について、「地上権、借地権があるとは思わなかった」「地代受取りの事実はない」などとの主張を繰り返しているが、反対同盟弁護団は、現闘本部が建てられた背景や、登記されているという事実、旧地主石橋政次氏の代理人として息子である石橋武司氏が署名した地代の領収書などを根拠にして、圧倒的な反論を行った。

 今回、特筆すべきは、仲戸川裁判長の空港会社への偏向ぶりが明らかになったということである。

 これまでの報告でも再三にわたって触れてきたことであるが、本件裁判はまさに木造建物(旧現闘本部建物)が現存するか否かが最大の焦点となっている。というのも、原告・空港会社も、木造建物が建物登記の事実を覆すことは出来ないので、現闘本部の鉄骨造建物と木造部分との一体性を否定し、木造建物は「解体、吸収」されすでに存在していなので、鉄骨造建物に地上権は存在しない、との自説を提訴の根拠にしている。一方、反対同盟は、木造建物は鉄骨造建物に覆われる形で現存しており、鉄骨造建物と一体であることを主張している。底地を買収したからと言って、登記された建物を撤去させることができないというのは民法上の常識となっている。そのため、木造建物が現存することが確認されれば、空港会社の主張が根底から覆されることになるのだ。

 反対同盟は、木造建物の現存を証明するために裁判所による現地検証を一貫して要求し続けてきた。これに対し、仲戸川裁判長は、現地検証を抜きにして、地上権、借地権の存否を巡る証人調べを行うと言ってきたのである。

 裁判長の言い分は、「地上権」「借地権」に関して証人調べを行った上で、現場検証の必要性を検討するというものだ。しかし、現地検証を行えば、原告側の訴えが、根拠ある正当なものか否かが明らかになるのであり、これによって裁判の進め方そのものが変わる。裁判所は何よりも先に事実を確認するべきなのだ。

  裁判所がこのような態度をとっている理由は何か。反対同盟弁護団は大きく二つの理由を挙げて推測している。一つには民事裁判を早期に解決させようという「裁判制度改革」である。裁判迅速法によって民事裁判は二年以内に結審することとなった。そのため、裁判長は年内結審、年度内判決を狙っており、現地検証を行わないで済ませようとしているのではないかということだ。二つ目の理由は、国策である成田空港建設に不利な判決は出せないという、政治的な理由である。後者が大きいということは言うまでもあるまい。

 一度証人調べに入ってしまえば、空港会社の言い分を採用し、「そもそも地上権も借地権も存在しない」ので「現地検証は必要ない」という結論を出す可能性が高い。法律家特有の詭弁をもって、反対同盟の地上権が否定される危険性があるのだ。これは決して杞憂ではなく、三里塚闘争関連の裁判の歴史がそれを証明している。裁判長による不当な訴訟指揮を絶対に許してはならない。

 閉廷後行われた記者会見で、反対同盟事務局長北原鉱治さんは、「木造建物があるか否かは現地検証をおこなえば一目瞭然だ。裁判は公平になされなければならない」と、裁判長の偏向に対する怒りを表明した。国家権力、資本家と癒着した裁判制度そのものに対するたたかい、裁判闘争を取り組まなければならない。反対同盟事務局次長の萩原進さんからは、裁判闘争の強化のため、「現闘本部裁判を支援する会」の会員登録の更新と更なる拡大とが呼びかけられた。次回口頭弁論は七月十九日である。傍聴に参加し、裁判所を人民の怒りで包囲しよう。

 

 

 

 

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