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■嘉手納―辺野古―浦添、5・15沖縄闘争を闘いぬく

基地建設を許さない! 沖縄―「本土」貫く陣形構築を

 

 今年で反革命統合三十五年目を迎える沖縄の五月現地闘争は、辺野古新基地建設を強行しようとする日米帝国主義の攻撃が、ついに海上自衛隊の動員という事態にまで激化する中でたたかいぬかれた。

 われわれは海上自衛隊の投入という歴史的暴挙を徹底的に弾劾するとともに、自衛隊が労働者人民に銃口を向け、基地建設の前面に登場してきたことの政治的階級的段階性を明確に押さえていかなければならない。日帝―防衛省は、在日米軍再編特別措置法による経済的締め付けによる基地受け入れの強要と同時に、小型船やカヌーによる阻止行動に対し海上保安庁とともに自衛隊を投入し圧倒的な物量をもって海上阻止行動を封じ込め、基地建設の強行に打って出てきた。

 辺野古現地では、「力づくで基地を押しつけ、沖縄を日米帝の侵略反革命戦争の出撃拠点とし差別軍事支配の下に組み敷こうとする第三の琉球処分を許さない」という糾弾がなされていた。在日米軍再編の名の下で進行している事態は、日米の軍事一体化であり、日米帝の戦争体制の飛躍的な強化に他ならない。日帝―安倍政権が、この日米軍事同盟を根拠に従来の支配体制を右翼的に再編し、「戦争のできる国家」「戦争に協力する国民」の創出に突き進んでいるなかで、日米軍事同盟の実体的な基礎である軍事基地の最重要の拠点―沖縄から上がる反戦反基地の烽火は絶対に叩き潰さなければならないし、それができなければ日米の軍事同盟の強化も日米軍による侵略反革命戦争も決してできないのだ。これは日帝の帝国主義としての延命すら左右する事態となる。

 沖縄―辺野古でのたたかいとその帰趨はかくも重大な階級闘争的位置を有しているのだ。今回強行された現況調査は、基地建設の初戦の攻防とはいえ、海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」の投入によって辺野古でたたかいぬく沖縄人民、全国から集まる労働者人民、青年・学生のたたかいの意思を叩き折ろうとする側面を有することは明らかであった。

 今回の沖縄現地闘争は、辺野古現地への訪問と交流・連帯、「人間の鎖」行動の成功をバネに、全体重をかけて基地建設を強行する日帝―安倍政権の攻撃を跳ね返し、あくまで基地建設を許さない沖縄と「本土」をつらぬく陣形を構築していく一環として位置づけられていた。また沖縄闘争を担う内容と主体を形成するたたかいであった。

 われわれは、沖縄労共闘の同志を先頭に、全国から結集したアジア共同行動の仲間、反侵略アジア学生共同行動のたたかう学生とともに、辺野古現地訪問、嘉手納基地を包囲する「人間の鎖」行動を中心とした沖縄現地闘争を断固としてたたかいぬいた。

 

■5・15 キャンプ・キンザー・デモ

軍港反対浦添行動とともに暑さふっ飛ばす歌とコール

 

 五月十三日、十四日の闘争に続いて十五日にたたかわれた軍港反対浦添行動(共同代表黒島善市さんら)の呼びかけたキャンプ・キンザー(米軍牧港補給地区)デモを報告する。

 前日の雨模様とは一転、快晴で暑い日ざしのもとたたかわれた。例年のように国立劇場おきなわ横に結集し、まよなかしんやさんを先頭にキャンプ・キンザーを真横にしつつデモ行進を行った。各地のアジア共同行動の仲間や反侵略アジア学生共同行動の学生も多数参加した。

 デモは、まよなかしんやさんの歌とともに、「米軍再編撤回」「米軍は沖縄から出て行け」「事前調査をさせないぞ」「浦添軍港反対」とシュプレヒコールを上げながら展開された。浦添では、那覇軍港の代替施設の建設が策動されており、新たに作られる軍港は米軍の大型戦艦も接岸できる設備を有し、新たな出撃拠点として位置づけられている。またキャンプ・キンザーも米軍の補給・保管基地として浦添市の海岸の大半を占拠し、浦添を海の見えない街にしている。今年で九回目を迎えるキャンプ・キンザーデモは、地元浦添で粘り強く基地強化反対、基地撤去をたたかっている軍港反対浦添行動をはじめとした沖縄人民と「本土」から沖縄現地闘争に結集した労働者人民・学生の共同闘争として積み重ねられてきた。

 デモ終了後は、泉公園で集会とコンサートが行われた。集会ではまよなかさんや黒島さんが発言し、また反侵略アジア共同行動の学生からは沖縄と同じく米軍基地の強化とたたかっている岩国基地でのたたかいの報告が行われた。

 

■5・13嘉手納基地包囲行動

一万五千二百七十人が結集

久間パフォーマンス*\言弾劾

 

 五月十三日、嘉手納基地包囲「人間の鎖」行動が取り組まれた。沖縄人民をはじめとする、一万五千二百七十人が結集して、嘉手納基地撤去を訴えた。

 日米帝国主義は〇六年五月の在日米軍再編「最終報告」以来、嘉手納基地の「負担軽減」というペテンを弄しながら、東アジア最大の米軍基地である嘉手納基地の機能強化を強行してきている。〇六年十一月には、「本土」に先駆けてパトリオットミサイルPAC3の配備を強行した。さらに二月には「訓練移転」の名目の下、ステルス戦闘機F22Aラプター十二機が米本土から配備され、連日の訓練を強行した。岩国基地からもFA18ホーネットが嘉手納に飛来し、訓練を強行している。ステルス戦闘機ラプターは、五月十日には周辺住民が寝静まる夜中に離陸を強行している。嘉手納基地に配備されているF15戦闘機五十二機が、これまでのように爆音を撒き散らしながら離着陸を繰りかえす。これの上にさらなる負担増大を住民に強制するのが米軍再編の実態であることが、嘉手納基地においても如実に現われているのだ。

 今回の包囲行動は、@地対空誘導弾パトリオットPAC3の配備や最新鋭のステルス戦闘機F22Aラプターの一時配備など嘉手納基地の機能強化に反対、A普天間飛行場のキャンプシュワブへの移設など基地の県内移設に反対、B普天間飛行場の早期閉鎖と返還、C北部訓練場のヘリパッド建設中止、という四つのスローガンを掲げて取り組まれた。この嘉手納基地包囲行動に、沖縄人民をはじめとした一万五千二百七十人の人民が結集し反基地闘争としてたたかったのだ。われわれは、包囲行動参加者に向けてビラまきをおこなった。そしてAWC日本連の仲間とともにこの包囲行動に加わり、沖縄人民とともにたたかいぬいた。

 この包囲行動に対し防衛相久間は「パフォーマンスに過ぎない」などと放言し、沖縄人民の反戦・反基地への強い意思を踏みにじろうとしている。この久間が、辺野古での米軍新基地建設を何としても強行しようと海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」を派遣し、違法な「事前調査」を強行しているのだ。日帝が沖縄人民に再び銃口を向け、軍事基地建設を強行しようとしているのだ。これを徹底的に弾劾し、名護新基地建設を絶対に阻止しなければならない。沖縄―「本土」・アジアを貫く反基地闘争の一層の高揚をかちとり、米軍基地再編強化を粉砕しよう。

 

■5・14 アジアから基地をなくそう沖縄集会

韓国・平澤の闘い引き継ぎ、新基地建設阻止でアジア連帯アピール

 五月十四日、那覇古島の教育福祉会館を会場にして「アジアから基地をなくそう沖縄集会」が「5・15沖縄行動」の主催で開催された。この集会は、韓国・平澤米軍基地拡張阻止闘争を現地でたたかい抜いてきた「平和と統一を開く人々」のチャン・トジョンさんをメインの報告者に迎えて行われた。

 軍隊までをも投入した激しい弾圧のなかで、農地を鉄条網で封鎖されながらも、最後まで現地に残りたたかってきた平澤テチュ里の農民たちは、今年三月、ついに移転を強いられた。チャン・トジョンさんは、平澤でのたたかいの歴史を振り返り、住民たちの葛藤にも触れながら、「『平和の村』をつくりだそうという意志を引き継いでいく」と述べ、また「韓国国防部がやったことは泥棒がやったことであり、私たちが負けたわけではない」という農民の言葉を紹介しながら、駐韓米軍の撤収に向けた韓国の民衆のたたかいが決して終わったわけではないことを明らかにした。実際、韓国においては平澤に続いて基地強化が狙われている群山などにおいて、「第二の平澤」として基地強化反対のたたかいが広がっている。

 最後にチョン・トジョンさんは、「米軍再編によって、人権侵害、生存権破壊、平和破壊など、アジア民衆は苦痛を受けている。しかし私たちにはたたかう大切な人たちがいる、平和のためにたたかうこと、それが連帯であり、勝利につながる道だ。米軍はこれ以上必要ない」と訴え、報告を結んだ。

 この集会では、主催者あいさつを兼ねて発言した普天間基地爆音訴訟原告団長の島田善次さん、アイヌ民族の立場から発言した川村シンリツエオリパックアイヌさん、沖縄戦の歴史歪曲とのたたいかを報告した平和教育を進める会の山口剛史さんなど、さまざまな方が報告に立った。また、まよなかしんやさんと塚田タカヤさんがミニコンサートで会場を盛り上げた。

 辺野古現地から報告に立ったヘリ基地反対協議会の安次富浩さんは、新基地建設への海上自衛隊の投入を弾劾し、戦後初めて自衛隊が民衆に銃を向けたということの重大性に触れ、「私たちが抵抗しなくなったら、この時点から日本の民主主義が破壊されるのだ」として集会参加者に自らの問題としてこの事態に立ち向かっていくことを訴えた。そして、「新基地建設をとめることはアジアの人々と連帯するあかしだ。ひるまずにたたかっていく」と発言を締めくくった。

 最後に輪になってインターナショナルを歌い、集会は終了した。辺野古新基地建設―米軍再編を粉砕し、アジアからの米軍の総撤収に向けてたたかおう!

 

■5・15県民集会

改憲・新基地建設阻止訴える

 反革命統合三十五年目の五月十五日夕方、「復帰三五年・憲法の改悪を許さない五・一五県民集会」(主催・沖縄平和運動センター)が那覇市内県民ひろばで開催された。集会には労働者や市民など三百五十名が参加した。

 主催者の崎山議長は、五・一五平和行進や嘉手納包囲行動などの一連の取り組みの成果を確認しつつ、前日に成立した改憲手続法を弾劾。「復帰」の内実を問い返し、改めて改憲阻止への体制を構築しよう、と訴えた。社民党県連新里書記長につづき、あいさつに立った社大党副委員長の糸数慶子氏は、県民世論に背を向け戦争体制へとつき進む安倍内閣を厳しく糾弾し、七月参議院選挙での決意を表明した。また「基地の県内移設に反対する県民会議」前共同代表の山内徳信氏も連帯あいさつに立ち、新基地建設阻止のために参議院比例区への立候補を決意したことを述べ、勝利までたたかおうと訴えた。

 さらに沖教組の大浜委員長は、沖縄戦集団死強制問題の歴史教科書からの削除を糾弾し、六月九日の県民大会への総結集を呼びかけた。辺野古現地からかけつけたヘリ基地反対協の安次富共同代表は、海上自衛隊を動員した辺野古への事前調査強行の動きなど現地の緊迫した情勢を報告し、現地阻止闘争への総決起を訴えた。大学人九条の会沖縄代表の高良琉大教授は、改憲手続き法の成立を批判し、憲法の原点を次世代につなげるために声をあげよう、と訴えた。

 沖縄の怒りは深い。数々の戦争遂行法案の攻撃、さらには辺野古における緊迫した情勢を受け、集会参加者全員でたたかいの決意を固めた。集会後デモ行進に移り、市民や観光客でにぎわう国際通りでは「改憲阻止! 米軍再編粉砕! 新基地建設阻止!」のシュプレヒコールが響き渡った。

 

■5・15 一坪反戦関東ブロック

沖縄基地の強化反対訴え防衛省前で抗議し集会開く

 沖縄での5・15闘争に結合して、今年も沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックが、防衛省前での抗議行動と屋内集会を延べ約百名の参加でおこなった。

 防衛省前では同関東ブロックの木村辰彦事務局長が基調報告し、ヘリ基地反対協事務局長で名護市議の仲村善幸さんもかけつけ、訴えた。

 防衛省に手交した抗議文で突きつけたことは、「キャンプ・シュワブ海域での事前調査を中止せよ」「海上自衛隊掃海母艦`ぶんごaは沖縄に行くな」など四点。

 また、反侵略アジア学生共同行動(AASJA)も「辺野古・新基地建設のための『現況調査』反対! 海上自衛隊の動員をただちに中止せよ!」の文書を読み上げ、手渡した。

 続いてルーテル市ヶ谷センター・音楽ホールで開かれた集会では、仲村善幸さんが思いのたけを語った。冒頭、自衛隊の掃海母艦の辺野古への派遣に怒りを表明。さらに五月十四日の改憲に向けた国民投票法案が成立したが、そもそも沖縄は憲法に見放され、米軍基地を押しつけられてきた三十五年であった歴史。一千億円の北部振興予算をめぐって利権争いしながら、一方で名護市の財政状況は福祉や教育予算が削られている問題などを告発した。

 連帯発言では、沖縄の闘いと連帯する東京東部集会実行委員会のほか、「本土」在住の沖縄出身者それぞれが、労働組合として平和行進に参加したことなどを語った。

 今後の行動提起として、6・4防衛省・防衛施設庁抗議行動、山内徳信さん、安次富浩さん、平良夏芽さんが発言する予定の6・9集会への参加が呼びかけられた。

 

 

 

 

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