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■10・21 京都

 戦争国家化に反対する共同行動に1200名が結集



 十月二十一日、京都の円山野外音楽堂において、「このままでええの!! 日本と世界 10・21反戦共同行動in 京都」が約千二百人の結集で開催された。

 午前十一時四十分から、アマチュアバンドによる反戦ライブが開始される。そして午前十二時五十五分、司会の千葉宣義さんと工藤美彌子さんによる開会宣言から集会は始まった。最初に主催者あいさつに立った実行委員会共同代表の仲尾宏さんは、「アジアの二千万人以上の人々の命を奪った日本国家は、その加害の歴史を反省することなく、再び戦争と人権抑圧の道を歩もうとしている」と述べ、「今、ここで声をあげ、連帯の輪で一人ひとりの思いを力に変える運動をつくりあげねばならない」と呼びかけた。

 友部正人さん、元頭脳警察のパンタさんの歌に続いて、「生きさせろ こんな日本は変えよう」と題した雨宮処凛さんの講演に移る。雨宮さんの希望で、講演は洛南ユニオンの服部恭子さんからのインタビューに答えるという形式で行われた。その中で雨宮さんは、生存権すら奪われている「ワーキングプア」と呼ばれる青年たちの厳しい現状に触れつつ、こんな日本を変えていくためにこれらの青年たちとともにたたかおうと呼びかけた。次に、岡真理さんから「私とパレスチナ」というテーマでの講演が行われた。岡さんは、長くパレスチナ問題にかかわってきた経験を踏まえ、やさしい語り口ながら「パレスチナ問題とは決して他人ごとではない」と訴えた。

 田川晴信さんからのカンパアピールに続いて、まーちゃんバンドが沖縄をテーマにした歌を披露する。そして、七月の参議院選挙で当選した山内徳信さんからのメッセージを秘書の服部良一さんが紹介し、十月十四日に発生した岩国基地の米海兵隊員による集団レイプ事件を弾劾する緊急アピールを都裕史さんが行った。また、社民党の辻元清美さんがテロ対策新法をめぐって緊迫する国会情勢の報告を行った。続いて、沖縄からかけつけたヘリ基地反対協の安次富浩さんが特別アピールを行う。安次富さんは、沖縄戦における日本軍による「集団自決」強制の事実の教科書からの削除に抗議する九月二十九日の県民大会が十一万六千人の結集で歴史的な成功をおさめたことを報告し、沖縄の怒りはますます高まってきており、辺野古新基地建設を絶対に阻止するという決意を述べた。そして、このたたかいへの支援をあらためて呼びかけた。

 続いて連帯あいさつが行われた。在日から無年金訴訟原告団長の玄順任さん、ウトロからウトロを守る会の田川明子さん、教育現場から「心の教育」はいらない!市民会議の蒔田直子さん、反原発運動から小林圭二さん、東京から九条改憲阻止の会の蔵田計成さん、地元京都からアジア共同行動・京都の共同代表である瀧川順朗さんが次々と発言に立った。とりわけ、瀧川さんは新自由主義政策がもたらす生活破壊、米軍再編と憲法改悪による戦争国家化と対決し、テロ対策新法の成立を阻止することでインド洋・イラクからの自衛隊の撤退を実現しよう、十月二十七日・二十八日の岩国国際集会に総結集しようと力強く呼びかけた。これらの発言を受けて、集会の最後にアジア共同行動・京都の山本純さんから集会宣言が提起された。集会宣言では、ブッシュ政権による新自由主義グローバリゼーションと侵略戦争を厳しく批判し、この集会が「『市場原理』にもとづく現在の社会を根本的に変革し、この地上から戦争を根絶し、人が人らしく生きられる新しい世界をつくりだしていきたい」という世界の民衆のたたかいと海を越えて結びつくものであることが高らかに宣言された。そして、「私たちはかつてのアジア植民地支配と侵略戦争の歴史の歪曲、正当化を許しません。……再びのアジアへの侵略戦争を阻止し、アジア民衆とともに生きる道へと進んでいきます。格差ではなく平等を要求し、競争ではなく連帯と共生にもとづいた人らしく生きられる社会をめざしていきます」と提起し、この秋、テロ対策新法の成立阻止・憲法改悪阻止に向けて全力でたたかうことを呼びかけた。四時間に及ぶ長い集会であったにもかかわらず、この集会宣言に対して「異議なし」「よし」という声が会場のあちこちから飛びかった。そして、仲尾さんからのまとめの提起、デモの諸注意に続いて、趙博さんの音頭によるインターナショナル斉唱によって集会はしめくくられた。

 午後五時すぎ、集会参加者は四条河原町を通って京都市役所前に至るデモに出発する。警備にあたった警察は、千人近いデモ隊の迫力の前に何もできず、デモ隊は四条通の半分を制圧する八列の隊列で行進していった。四条河原町交差点前では、事業所閉鎖による解雇攻撃とたたかうきょうとユニオン第一物産分会の労働者とこれを支援するきょうとユニオン・洛南ユニオンの組合員が待ちうけ、デモ隊との間でエールの交換を行う。次々と通過するデモ隊が第一物産分会の労働者とともに争議勝利に向けたシュプレヒコールを行い、街頭での感動的な交流が実現されたのだ。生きさせろ! 戦争をするな! テロ対策新法反対! 憲法改悪を許さない!……夕闇の迫る京都の中心街をデモ隊は元気いっぱいに最後までデモを貫徹した。

 この集会の第一の意義は、まず何よりも京都を中心に大阪・兵庫・滋賀などの関西各地、そして東京からの参加をも含めて千二百人の大結集を実現したことである。新自由主義政策による犠牲の増大と階級矛盾の深まり、米軍再編と憲法改悪による日本の戦争国家化に対する危機感はまちがいもなく拡大してきている。10・21京都集会は、この危機感を強める人々を広く結集させることに成功した。それはまた、六〇年安保世代・七〇年安保世代を中心とする「九条改憲阻止の会」とアジア共同行動・京都をはじめとした京都の反戦運動・市民運動を中心的な推進力としつつ、半年を越える関西での粘り強い組織化によって実現されたものであった。第二の意義は、この集会を通して非共産党系左派の党派・政治勢力の違いを超えた広範な結集構造がつくりだされたことにある。新自由主義政策と戦争国家化が進行していくなかで、非共産党系左派の広範な結集構造を求める機運が強まってきている。10・21集会は、これをある程度まで糾合することに成功した。集会の賛同人は、公表可の部分だけで百九十三人、非公表の部分を含めると二百五十人前後に達し、集会後の交流会に関西各地や東京から百二十人を越える人々が参加したことにもそれは示されている。第三の意義は、この集会が進行する新自由主義政策と戦争国家化との総対決、総抵抗を呼びかけるものとして成功したということにある。現在の日本の状況において、新自由主義政策に反対する経済要求と戦争国家化に反対する政治要求をしっかりと結合させ、新しい社会をめざしていくという方向を明確に打ち出していくことがますます重要になってきている。10・21集会実行委員会は、京都を中心に関西各地の労働組合・市民運動・青年学生運動・在日の運動などに自らの要求を掲げて総結集することを呼びかけていったが、このような大衆集会として徹底して組織しようとしたことが集会の成功につながったと言える。10・21集会の成功によって、何らかの形でこのたたかいを継続させていこうという機運が強まっている。われわれもまた、この機運を支持し、より発展させていくために努力する。


 

 

 

 

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