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■12・1

 岩国市民が怒りの一万人集会

 岩国市民の闘いが全国の共感を呼び起こしている




 十二月一日、岩国市錦帯橋そばの河川敷において開催された「国の仕打ちに怒りの一万人集会」が、一万一千の岩国市民らを結集して大成功をおさめた。開会を前に、続々と岩国市内外から参加者が結集してくる。在日米軍再編―岩国基地大強化計画に対して反対の意思を堅持する岩国市民と井原市長に対して、理不尽かつ傲慢きわまりない政府の市庁舎建設補助金カットが継続している中、この攻撃をはね返す意思が会場にあふれた。

 午後二時、開会あいさつが同集会実行委員長によりおこなわれ、次いで岩国市長・井原氏が発言に立つ。井原氏は、厚木艦載機部隊移駐などの岩国基地大強化計画に対して「住民の将来にかかわる問題」とし、これまで政府の安保・基地政策に協力してきたが「今度ばかりは我慢できない、というのが市民の正直な気持ちだ」と、昨三月の住民投票に触れながら「目先のお金で将来にわたる市民の安全・安心を買うことはできない、来るものは来るといって市民をあきらめさせることは、政治として絶対にできない」と、自身の立場と態度を鮮明にした。そして、市庁舎建設補助金カットを続ける政府に対して「合意を反古にし、財政に大きな穴を開け、市民を不安に陥れる。国民の負託を受けた国がこれほど市民、国民を苦しめていいのか」「アメとムチと言う手法で市民の意思を押さえつけようとするやり方は、大きな間違い。不信感がたかまるだけ」などと、口を極めて政府の態度を批判した。さらに「これは、もはや、一岩国の問題ではない。地方自治、民主主義の観点から、全国共通の問題である」と、岩国の問題をいっそう全国化させてゆく方向を明らかにした。

 集会はその後、横路衆院副議長を含む九名の国会議員らのリレートーク、米兵住宅建設プランが取りざたされている愛宕山開発跡地に隣接する地域からの発言などが行われ、最後に集会参加者全員が、「怒」の一文字が印刷された用紙をかかげて政府への怒りの意思を明らかにした。

 何よりも、基地大強化に反対する市民・住民運動および市議会内反対派会派・議員が「補助金カットは許さない」という一点において実行委を立ち上げつつ、きわめて短期間の間にこの一万人超の結集を実現したことの意義を確認しなくてはならない。十月三十一日の同市市議会臨時会において、カットされた補助金に代わる市庁舎建設費用の財源を「合併特例債」に求めることにするという市提出の補正予算案が否決された直後の、十一月九日に実行委が立ち上げられたのであった。その後、十一月十六日の再度の臨時議会においても補正予算案は否決されるという事態を経ながら12・1一万人結集への運動は展開されたのである。きわめて短期のうちにこれほどの大集会が実現できたことに、岩国市民の基地大強化反対の意思そして政府への怒りが継続・発展していることを確認できる。岩国市民の継続した基地大強化反対の声とたたかいが、市議会内で多数派を占める容認勢力や、同市商工会などの住民内部の勢力による「基地強化容認・基地との共存と交付金の取得」という世論の形成および井原市長への攻撃を許さずこれを凌駕しているという現実が鮮明に示されたのである。

 そして同時に、この集会を転回点として基地強化をめぐる日米政府と岩国市民との攻防は新たな段階へと至っているということを確認しなくてはならない。昨夏から秋にかけて岩国市民に対してかけられた攻撃はすさまじいものであった。補助金カット、再編交付金対象からの排除(岩国市以外の周辺自治体は交付対象)、愛宕山開発計画中止とその後の跡地処理および巨額の赤字宣伝、滑走路民間使用ということにかこつけた容認圧力強化などなどが、政府および山口県当局そして容認勢力によってなされたのであった。そのあげくが、通算四度にわたる、カットされた補助金の代替財源としての合併特例債利用案の否決であった。同時にその攻撃は、岩国基地所属米兵による集団レイプ事件の発生と不起訴処分、大型ヘリの無通告一時移駐、夜間の市内上空飛行などなどの、政府による岩国市イジメに便乗するかのような、基地米軍による横暴の連続とあいまっていたのである。だが、一万人集会は、こうした政府らの重圧や基地そのものの重圧をはねのけてさらにたたかいを進めてゆくことを明確にすることによって情勢を有利に切りひらきつつある。「反井原・基地強化計画容認」で固まっていた、市議会保守系会派連絡会は集会直前に解散した。「反対」を表明して議席を確保しながら、ついには「容認」勢力の急先鋒へと転向した公明会派は、集会後には政府に対して補助金交付の要請を行った。こうした変化がただちに生み出されているのである。十二月議会、来年三月議会などを軸として、いっそう白熱した攻防がなされることは必至である。

 そしてさらに、この岩国市民のたたかいがいまや全国に発信され、地方自治や民主主義という問題をも媒介としながら、まさに「全国共通の問題」として労働者民衆の共感を呼び起こしつつある点にも注目しなくてはならない。

 アジア共同行動日本連が、労働者反戦集会実行委や学生などとともに十月末に開催した「岩国国際集会」は、まさにこうした岩国市民のたたかいにがっちりと結合し励ましつつ、いっそう岩国基地強化反対のたたかいをおしすすめることを確認しながら大成功をおさめたのだが、さらにこの方向を支持しつつ断固促進してゆかなくてはならない。米軍再編計画を頓挫させ、その背骨をなす日米同盟強化路線を打ち砕こう。

 この一万人集会においては、各地のアジア共同行動勢力は、「米軍再編反対は全国そしてアジア民衆の共通の課題」として、岩国国際集会の成功を市民に伝えるチラシ一千五百枚を配布した。

 

 

 

 

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