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 ■3・23沖縄県民大会


沖縄3.23県民集会
                                ▲雨のなか、6000人が参加
                          


 三月二十三日、「米兵によるあらゆる事件・事故に抗議する県民大会」が北谷町野球場前広場で開かれた。主催は、九・二九教科書検定意見撤回県民大会をマグマのように押し上げた原動力である沖子連(沖縄県子ども会育成連絡協議会)と沖婦連(沖縄県婦人連合会)を中心軸に呼びかけられた三・二三県民大会実行委員会である。大会には、大会開始前からの大雨にもかかわらず六千名の人々が結集し、野球場前広場を埋め尽くした。また、宮古・八重山でもそれぞれ郡民大会が開催され、際限のない米軍犯罪に全島で怒りの声を発した。

 大雨をものとせず集会は定刻に開始された。主催者あいさつに立った実行委員長の玉寄沖子連会長は、「超党派の県民大会をめざしてさまざまな要請活動をしてきたが、県議会最大会派である自民党は『被害少女に配慮』と不参加を決めた。何のための県議会での抗議決議だったのか」と冒頭から強い怒りを表明し、また自民党と同様に不参加を決め込んだ仲井真知事へも、(地位協定の改訂を求める訪米も)「手ぶらで行くのか。県民の声を反映させて先頭に立つべきだ」と怒りの矛先を向けた。そして「県民一丸となって沖縄の怒りを日米両政府にぶつけよう」「復帰前から続く人権回復、人権を保障させる社会運動として、量から質に転換させる新たな社会運動として今後も一緒にやっていこう」と、大会参加者の熱気を反映した断固たる、そして画期的な訴えがなされた。

 開催地を代表して発言した野国北谷町長は、「今回の少女への性暴力事件は基地外居住の指導的米兵によって引き起こされた。少女に落ち度はないことを県民が認識しないと引き続き事件は起こる」と、一部悪質マスコミなどの「セカンドレイプ」を糾弾した。そして住民登録もない米軍人・軍属の基地外居住の実態に警鐘を鳴らし、日米地位協定の抜本改正を訴えた。また東門沖縄市長、翁長那覇市長も登壇し、日米地位協定の改正に消極的な日本政府への厳しい怒りが表明された。

 集会ではさらに、小渡沖婦連会長、三宅沖縄弁護士会会長、大浜沖教組委員長など各界からの発言が続き、「言うべきことを言わないと後悔する。今こそ声を上げよう」(松島中学校PTA・金城会長)との声がうずまいた。

 嘉手納基地滑走路の真下にあり爆音被害にさらされている北谷町砂辺区の松田区長も登壇した。区内九百戸中約五百戸が米軍住宅で占められ、まさに基地外基地の現実にさらされており、「子や孫のため声を大にして怒りをぶつけよう」と静かな口調ながらも毅然とした発言を行った。
 二〇〇二年米海軍横須賀基地所属の米兵にレイプされ、この間たたかってきたオーストラリア出身のジェーンさんも東京から駆けつけ発言した。事件は不起訴処分で民事訴訟では勝訴したものの、加害者の米兵は審理中に米国へ逃亡したという。また神奈川県警の悪辣で非人道的な取り調べがあったことを暴露し、権力によるセカンドレイプを糾弾した。この六年間一人でたたかってきたが、「沖縄に来てよかった。私は一人ではない。みんなと気持ちがひとつになれた。一緒にやっていこう」と訴えた。参加者はこの勇気ある発言に聞き入り、米軍犯罪・国家犯罪への新たな怒りとたたかいへの決意を固めた。

 集会は佳境を迎えた。大会決議の採択だ。「『私たちに平和な沖縄を返して下さい』―一九九五年県民大会から十三年、その時約束された『再発防止』や『綱紀粛正』はむなしく、米軍犯罪はやむことを知らない。……何ら変わらぬ現状に県民の我慢の限界はすでに超えている。日米両政府は、沖縄県民の訴えを、怒りを真摯に受け止め、以下の事項を確実に進めるよう、強く要求する」とし、@米軍優先の日米地位協定の抜本的改正、A米軍による県民への人権侵害根絶のための、政府の責任と実効ある行動、B米軍人の綱紀粛正、実効性のある具体的な再発防止策、C米軍基地の一層の整理縮小・海兵隊を含む米軍兵力の削減、を求め満場の拍手で確認された。

 最後に、玉寄実行委員長の「雨が降り続いていますが、傘をとりましょう」との提起を受け、沖縄の怒りを表わすかのように涙雨が降り注ぐ天に向かい、断固たるガンバロー三唱を行い、県民大会を閉じた。

 たたかいは新たな第一歩を踏み出した。米兵による女子中学生への性暴力事件徹底糾弾! 相次ぐ米軍事件・事故糾弾! 日米地位協定を直ちに見直せ! 軍事基地撤去―安保粉砕! へ断固つき進もう。

                                          

 

 

 

 

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