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  被爆63年目の8・6広島青空集会

 反戦・反核・反原発運動を

 被爆者・二世解放運動と結合させて、地域に広げたい





広島青空集会 被爆六十三年目の今年も、8・6広島青空集会から9・6「山口のヒロシマデー」へ!連続行動実行委員会主催の青空集会が、やまぐち障害者解放センターの挨拶で始まった。

 まず、被爆二世の会より基調報告を行う。「現在、被爆者が闘っている原爆症認定集団訴訟の本質は、低線量被曝を認めさせることで、核の被害の恐ろしさを訴え、二度と核兵器の被害者を生み出さないためのものである。アメリカ政府は一九四五年当時、原爆の被害を隠すためプレスコードを引いた。その姿勢は今も変わっていないため、今月初めシーファ駐日大使が『原爆投下正当化』発言を行った。これを決して許してはいけない。そして横須賀にも佐世保にも原子力空母や原子力潜水艦を来させてはならない。そうした運動を取り組むと共に、アメリカ政府とチェルノブイリ原発事故を起こしたロシア政府に対し、すぐに核兵器を撤廃するよう呼びかけることで、世界中からの核兵器廃絶は実現できる。私たち被爆二世・三世・四世が安心して生きていける社会を作るため、二度と日本政府が侵略戦争を起こさないように、自衛隊の海外派兵を許さない闘いを皆さんとともに実現していきたい」と訴えた。

 本集会には、フィリピン新民族主義者同盟(BAYAN)、ミグランテ・ジャパン(フィリピン)、シドニー平和と正義連合(オーストラリア)、国際人民闘争同盟(ILPS)、労働人権協会(台湾)、ピョントンサ(韓国)、アジア学生協会(ASA)、ANSWER連合(米国)からの連帯メッセージと、G8サミット反対集会に集まった様々な国の人々に書いてもらった檄布が届いている。青空集会がアジアを始め世界の人々と繋がっていることを感じる。

 各団体、個人からの発言では様々な取り組みや主張が報告された。反侵略アジア学生共同行動はG8サミット反対行動の報告の後、「昨年起こった広島での米兵による集団女性強かん事件を不起訴処分にしたにも関わらず、なぜ広島が『平和だ』と語れるのでしょうか? この事件に対する市民の関心、怒りが薄いようにも感じられます。また、きょうのセレモニーの時に私たちの主張を書いたプラカードを上げようとしたら、公安警察に囲まれ、できなかった。日本に言論の自由はあるのでしょうか?」と訴えた。司会者から、「今の広島は六十年前プレスコードが引かれた広島と変わらない」と付け加えられる。アジア共同行動日本連絡会議は今夏、米原子力空母の横須賀母港化に反対する現地決起集会、横須賀の海上自衛隊への抗議、米海軍基地への抗議デモを闘うことを宣言し、「米原子力空母の横須賀母港化は、広島や長崎の被爆被害者を先頭にした反戦・核廃絶・反基地の闘争をつぶそうとし、日米軍事同盟と米軍再編の強化を推進するもので、絶対に許されません。先日、G8の帝国主義大国の頭目たちが、北海道洞爺湖でサミットと行いましたが、環境問題、食糧問題、原油高騰問題などで、聞こえのいい言葉を並べていました。その環境問題では、原発の増設を打ち出しています。つまり、東芝や三菱など、軍事産業独占資本がボロ儲けし、日米軍事同盟を強化しています。日本の政府と独占資本は、いまのアフガニスタンやイラクでの民衆虐殺の加害者立場にたって、それを進めています。許せません。米軍再編反対、日米軍事同盟廃棄の闘いを、沖縄、岩国、神奈川と連帯し、フィリピン・韓国のアジア民衆とも連帯して闘い、アジアからの米軍総撤収のたたかいを進め、働くものが主人公となる社会をめざし、ともに闘いましょう」と発言した。

 やまぐち障害者解放センターは、障害者自立支援法が、施設から地域へと障害者が自立しようとする妨げになっていると訴え、「日本は一隻六百八十億円のイージス艦を年間に二隻買い、いまや六隻のイージス艦を持つ軍事大国となっている。この六百八十億円は私たちが払っている福祉サービスの一割負担分に相当する。一隻の軍艦を買うために私たちから一割負担をさせているような感覚を受ける」と発言した。昨年から集会に参加しているSYN(新自由主義・国家主義と対決する学生・青年ネットワーク)は「昨年、当時の防衛庁長官久間の『原爆投下はしょうがない』発言や、未だアメリカ政府が原爆投下について『戦争を終わらせるため』と正当化しているという現実があるが、原爆投下の結果起きた多くの人々に対する筆舌に尽くし難い苦痛というものはこのような言葉では片付けられない。この責任はアメリカ政府とともに日本政府にきっちり取って頂かないとならない問題だ。また、同時に被爆者をはじめとする戦争被害者への補償を行わせていくことは、現在起きている、あるいはこれから起きるかもわからない戦争というものを阻止するための一つの闘いだと思う。ぜひ青空集会の成果を関西に持ち帰り反戦運動、労働運動と結合させながらこの闘いを関西の地でも押し進めたいと思います」と発言した。世界百三十カ国を旅した大学生は「いろんな国の人と話す中で、『広島・長崎』という言葉を知らない人はほとんどいませんでした。それはすごく大事なことです。私には、被爆者や二世・三世・四世の人たちがどういう状況におかれているのかを伝える責任があるのではないかと思い伝えて来たつもりです。今言えるのは、核に関することはNOと言いたいということと、世界のことも考えて、日本の米軍基地はいらないな、と感じました」と話した。

 閉会のことばではアジア共同行動日本連絡会議共同代表が、「この一年間で私たちは様々な成果を上げ人民の闘いは前進していますが、しかしながら、日本帝国主義は天皇ファッシズムの復活を夜となく昼となく企んでいます。その具体的な現れが、こともあろうか下関教育長の『朝鮮侵略は歴史的事実に反する』という発言です。日本政府、その文化イデオロギーを司る文部科学省の中に、このアジア・太平洋戦争を侵略戦争として認めない勢力があり、それが日々再生されていることの証です。それはただ単に、教育長が発言を撤回し謝ったらすむという問題ではありません。私たちは戦争被害を糾弾するとともに、侵略戦争の悪について断固として糾弾し続けなくてはなりません。そのことが私たちが今願っている東アジアから米軍基地撤去闘争の前進にとって大きな意義をもっています」と発言した後、十一月三十日に岩国市で行われる、東アジアから米軍基地撤去を求める国際集会への参加を呼びかけた。

 最後に集会参加者一同で「アジアから米軍基地を撤去しよう」などのシュプレヒコールを上げ集会を終えた。

同時に開催した写真展では、被爆の様子のほかに、劣化ウラン弾や、岩国基地強化についての写真も並べ、現在につながる戦争と核の問題をアピールした。多くの人が足を止めて見入っていた。また、広島で起きた米兵による女性暴行事件に抗議する署名活動も取り組んだ。

 今年のこの集会で飛び入り発言した「劣化」ウラン弾反対の活動をしている青年は、実は三年前から毎年飛び入りで発言していた。この集会が、世界平和を願う人々に開かれた集会であり、過去の問題だけでなく今の問題とも結びつけていることに共感し参加しているのだと言う。最後に「ここで発言するのは非常に気持ちいい」と彼は言った。これが青空集会の意義だと思う。誰もが日頃感じていること、言いたいことを訴える。参加者はそれを共有し、各自の場で広げていく。そうした地道な運動が、日本に侵略戦争を起こさせない歯止めとなり、アジアから米軍基地を撤退させることに繋がる。六〇年前、被爆者達が朝鮮戦争に核兵器を使わせない為に立ち上がったように、そして、七〇年代にベトナム戦争に加担する佐藤首相の平和公園への侵入を体を張って阻止した被爆二世等の闘いのように、我々も青空集会で誓い合った様々な反戦・反核・反原発運動を被爆者・二世解放運動と結合させて、地域に広げていきたい。それが、被爆者解放運動を引き継ぐ私たちの使命だと強く感じた8・6広島行動だった。
                           (被爆二世の会 会員より)

 

 

 

 

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