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  ■8・28 一坪共有地買上無効裁判

 「全面的価格賠償」の不適用を明らかにする






 八月二十八日千葉地裁で、鈴木幸司さんの一坪共有地裁判第七回口頭弁論が行われた。約五十名が傍聴に駆けつけた。

 この裁判は、県が鈴木さんに対して起こしている裁判である。空港敷地の近くの未買収の一坪共有地を、千葉県が鈴木さんから「全面的価格賠償方式」(金に換算して土地を強奪する)によって買い上げようとしている。県は買い上げた後、空港会社に譲渡するという。

 前回五月二十九日の公判では、一坪共有地は「三里塚地区周辺に土地をもつ会」という組合財産の合有地であるため個人で勝手に売買できないこと。売買は、民法六七六条にも、「土地をもつ会」会則にも違反し、無効であることを明らかにした。

 この日の裁判では、弁護団が第九準備書面を提出し、要旨を次のように述べた。「全面的価格賠償方式を適用した判決は、最高裁で九六年に唯一あるが、この判決において全面的価格賠償方式を適用したのは間違いだ。また仮に全面的価格賠償方式を適用するとしても、特段の事情がある場合にのみ適用できる」「その事情とは、現物分割が不可能、当事者が金銭解決に納得していること、である。本件では土地は分割可能であり、鈴木さんは空港建設に絶対反対で、金銭解決を望んでいないから、適用できない。9・11事件やSARS等で航空需要が低下している中で、空港を拡大することには意味がない。空港会社を助けようとする県の不当な提訴は却下されるべきだ」。これに対して県は、後日反論するという。

 弁護団は県をさらに追及した。「県が提出した書面では、地主の藤崎氏から県が購入した額がスミ塗りになっている。これは出してもらいたい」。この当然の要求に対し、裁判長は、「県の方で出すかどうか検討してくれ」と、県を助ける訴訟指揮を行った。法廷内は怒りの声であふれた。弁護団は、「裁判長の腰が引けている。全面的価格賠償自体がおかしいのであり、公平な訴訟指揮をしてほしい」と抗議した。

 裁判の後、別の部屋で報告会が行われた。弁護団から「傍聴闘争によって弁護も生きてくる。傍聴闘争と一体となった闘争として闘いたい」「今後、一坪共有地の形成過程から歴史的に検証していく。全面的価格賠償方式は民法では認められていないが、判決で勝手に認めてしまった。九六年の判決は、市民間の問題だ。この裁判は権力対人民の問題だ。違法な存在である成田空港に対して闘う」「足尾銅山の事件以来、一坪運動で闘ってきた歴史がある。今回、全面的価格賠償方式で、そのような運動を切り崩そうとしている。違憲、違法だ。空港建設反対を勝利させよう」という発言があった。鈴木幸司さんは「これから闘いは本格的になる。市東さんの農地が重要な段階だ。死守しよう」と力強く発言。鈴木いとさんは「一坪共有地を死守して、最後の最後までがんばる」と決意表明した。北原鉱治事務局長は「空港建設反対を貫いて闘う。空港会社を追いつめる闘いの第一段階だ。四十三年間の闘いの勝利を目指して闘おう」と呼びかけた。次回の口頭弁論は十月二十三日十時半から行われる。多数の傍聴で勝訴を勝ちとろう。
 

 

 

 

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