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 ■暫定滑走路認可取消控訴審・第3回

 裁判打ち切り策動を押し返し、証人調べをかちとる





 九月十日、東京高裁で、暫定滑走路認可処分取消訴訟控訴審第三回口頭弁論が開かれた。この裁判は、反対同盟が国土交通大臣を相手に提訴したものである。空港会社から提出されていた成田空港の工事実施計画変更申請を運輸相が認可した処分に対して、取り消しを求めて提訴したのだ。

 暫定滑走路は、本来の基本計画であった二千五百メートルの平行滑走路を変更して北側に八百メートルもずらした上、現在ではさらに三百二十メートル北方に延伸している。これは一九六七年に認可された当初の空港建設計画とは全く違ったものになっており、明らかに基本計画に違反している。暫定滑走路は住民に爆音やジェットブラストをたたきつけ、民家上空四十メートルのジェット機飛行という国家的犯罪を日夜強行して、農家を大惨事の危険にさらしている。認可をただちに取り消すことを求めたのだ。

 一審は、「二千百八十メートル滑走路はあくまでも暫定であり、基本計画の変更にはならない。最終的には(滑走路の長さが基本計画と)同じになる」と開き直って、国交省の違法な「変更認可」を政治的に追認する不当判決を出した。殺人的な生活破壊については、「騒音被害は受忍限度を超えているとは言えない。なぜならまだ病人が出ていない」から「合法」とした。

 今年三月十二日の控訴審第一回弁論で、原告代表市東孝雄さんが冒頭陳述を行った。「危険で違法だらけの暫定滑走路はただちに閉鎖するべきだ。私は今後も、親子三代にわたって築き上げてきた肥沃な北総台地の現在地で農業を続けたい。控訴審では、地裁の誤った判決を追認することなく、住民の人権や生活の権利を守る公正な審理を十分に尽くされることを要請する」と力強く発言した。

 この日の裁判では、弁護団が書面を提出し、要旨を述べた。「航空保安無線施設の場所の変更は重大な変更であり、基本計画に違反している。『行政庁内部の行為にすぎない』という国交相の主張は、公団から民間会社の成田空港会社になったので、誤りだ。暫定滑走路は原告らの平穏な生活を破壊する。空港建設は憲法九条に違反し、地域共同体を破壊する違法なものである」と空港会社を徹底追及した

 口頭弁論に続いて弁護団は、一審判決の誤りをより明らかにするため証人申請を行った。これに対し富越裁判長は、裁判官三人で別室で合議を行った後、「書面を見れば十分だ。証人は必要ない」と、裁判打ち切りの姿勢を見せた。法定内は怒りであふれ、弁護団が「一回も証人調べをしないのは裁判史上の汚点になる」などと粘り強く証人の必要性を主張した。裁判長は二度にわたって合議をやり直し、原告・市東孝雄さんと、騒音被害の調査を行った松井利仁京都大学准教授の証人調べを認めた。しかし、反対同盟が申請した残りの証人は認めなかった。

 報告会で、反対同盟の伊藤信晴さんがあいさつした。「弁護団と傍聴が一緒になって闘えた。北原事務局長が言うように『裁判に幻想は持たない』ということはあるが、今日の闘いの中で大きく力関係を変え、勝利の展望を切り開いたと思うので、これからも共にがんばっていきたい」と決意を述べた。裁判長は公正な判決を出すためには書面ばかり見ているのではなく、現地へ来るべきだ。次回は十二月十七日(水)十四時から行われる。市東さんと松井准教授の証人調べを含む、二時間半の裁判闘争となる。多数の傍聴で勝訴をかちとろう。

  
 

 

 

 

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