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 ■4・21 千葉地裁

 行政訴訟、農地明渡し裁判開かれる





 四月二十一日千葉地裁で、行政訴訟第七回口頭弁論と農地明渡し訴訟第二回口頭弁論が開かれた。約百名が傍聴に駆けつけた。新庁舎が前日開庁し、反対同盟としては一回目の裁判だった。法廷が広くなり、傍聴席数が倍増の七十二となった。

 農地明渡し訴訟の前回の弁論において、市東さんは陳述の中で二つの裁判の併合を要求した。同じ内容を争っており、農作業の時間が削られてしまうからである。これに対し空港会社と千葉県は反対し、裁判長は併合しないことを決定した。しかし二つの裁判は同じ日に続けて行われることになった。また農地明渡し訴訟で、空港会社は「天神峰」と「南台」の畑について別々に裁判を起こしたが、これを一緒に審理するようにとの市東さんの要求は認められた。

 十時半から行政訴訟が行われた。この裁判は千葉県知事による農地賃貸借契約の解約許可決定の違法性を争うものである。前回(一月二十日)の法廷では、原告・市東さんと弁護団は準備書面八、九を提出して、知事の決定の無効を全面的に主張した。準備書面八では、明渡し提訴が形を変えた土地収用に他ならず、憲法二九条(財産権)と憲法三一条(適正手続き)に違反することを主張した。準備書面九では、被告・千葉県の釈明に反論しながら、七つの論点で憲法と農地法に違反するとして、決定の無効を主張した。この日の弁論では、成田市農業委員会、千葉県農業会議、知事決定に至る審議過程の違法性について全面的に明らかにした。賃貸借契約の解約の申し立ては耕作者がいないことを受理の要件にしているが、要件を満たさないのに農業委員会が受理したこと。二、三の八百長的な質問をし、二十分位の審議で「許可相当」と決定したこと。などを明らかにした。

 弁護団は「県が提出した証拠説明書の、千葉県農業会議の議事録の発言者名が墨ぬりになっており誰の発言か分からないので、墨ぬりしていないものを出してほしい」と求めた。県は「農業会議のものだから県としては出せない。情報公開請求をしてくれ」と答えた。裁判長は県の主張を認めた。出そうと思えば出せるものであるから、法廷内は抗議の声であふれた。弁護団が「『空港会社黒野社長(当時)が地元住民に対してお詫びの手紙を出した。その事実と手紙の内容を知っているか』という質問に対して県は『不知』という。そういう答え方はやめてほしい」と発言すると、県は「書面で出してくれれば回答します」と返答。まじめに応対しない態度に再び抗議の声が上がった。

 十一時十分から農地明渡し裁判が行われた。この裁判は知事の違法な決定に基づいて空港会社が市東さんに明渡しを求めてきた二カ所の畑(天神峰と南台)をめぐるものである。二月三日に初弁論が行われ、今回が二回目である。初弁論では市東さんが、農地取上げと断固闘う決意を陳述した。また弁護団は二月十七日、「空港会社は賃貸人たる地位をいつ取得したのか」という求釈明書を提出した。空港会社は、「二つの裁判が併合するかどうかの判断を待っていた」と言い訳しつつ、今に至るも返事をできないでいる。

 弁論終了後、弁護士会館へ移動し、報告会が行われた。貨物機事故についての記者の質問に市東さんが答えた。「成田は風が強いところで、建設前から危険性は分かっていた。欠陥空港だ。事故は起こるべくして起きた。この事故を利用して暫定滑走路の北延伸を早めて運用開始するというのは許せない」。続けて萩原進事務局次長も、「事故後、空港をただちに閉鎖するべきだったが、暫定滑走路の方をどんどん使った。許せない。暫定滑走路を開港したとき、一カ月前倒しで開港したことを謝る手紙が地元住民に届いた。それなのに今回、北延伸を半年前倒しすると言っている。許せない」と糾弾した。反対同盟、弁護団、傍聴支援の闘いで、裁判闘争は優勢に進んでいる。次回口頭弁論は七月二十一日に開かれる。多数の傍聴で勝訴を勝ち取ろう。

 

 

 

 

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