共産主義者同盟(統一委員会)

 

■政治主張

■各地の闘争

■海外情報

■声明・論評

■主要論文

■綱領・規約

■ENGLISH

■リンク

 

□ホームに戻る

  ■6月 アジア共同行動、各地で成功

アジア共同行動・首都圏集会後のデモ(6月28日)
   9月AWC国際総会、

  11月岩国へ結集しよう





 ●6・21九州・山口

 「やられる前に立ち上がれ」

 反戦・反失業を掲げ
集会・デモ




 六月二十一日、今にも雨が降り出しそうな梅雨空のもと北九州市で「やられる前に起ちあがれ!反戦・反失業集会」がアジア共同行動九州・山口実行委員会の主催で労働組合や市民運動団体、市民・学生が結集して開催された。

 集会はAWC九州・山口実代表白松さんの開会挨拶から始まった。白松さんは「百年に一度といわれる不況で、今帝国主義は労働者人民に犠牲を押し付けて生き延びようとしている。反戦・反失業をかかげ、たたかおう。岩国は負けないとがんばっている。さらにたたかいを共有し、交流してがんばっていこう」とのべた。

 今集会は二部構成の前半第一部として、「コラ ええ加減にせんか 労働者はたちあがる」と題して労働者を取り巻く状況とたたかいの報告がおこなわれた。DVDを使って今春期北九州合同労組を中心にした「中国人実習生・研修生の労働問題」などの取り組みや地域メーデーのたたかいの映像が紹介された。さらに北九州合同労組の仲間より、大分県での中国人実習生・研修生問題の取り組み、昨年以降の大不況下における労働者の雇用と貧困状況について、反貧困と国際的労働運動の共同闘争の推進などが報告され、貧困と失業問題の根本原因である有期雇用制度を撤廃しようと呼びかける発言が行なわれた。

 続いてたたかいの現場から、今春闘をストライキでたたかった郵政労働者ユニオン、北九州地域を中心に労働者の共同闘争を推進してきた「ねぇ・聞いてっちゃ集会」実行委員会、岩国労働者反戦交流集会実行委結成に参加した連帯労組・山口、北九州合同労働組合よりそれぞれ今春期の実践的な取り組みの報告がおこなわれた。

 休息をはさんだ後、第二部「岩国のたたかいをいっそう支援しよう」と題して映像の上映と発言が行なわれた。この間の岩国の動きをコンパクトにまとめたニュース映像が映し出されたあと、岩国基地訴訟事務局より「岩国市民のたたかい~岩国爆音訴訟を始めとする裁判闘争」について発言がおこなわれた。

 「岩国で裁判が起こされるまでの経過をふりかえると、岩国市長選敗北後も岩国市民は艦載機移駐案を容認していない。その中で、基地の沖合埋立処分の取り消しをもとめる公有水面埋立法に基づく変更承認処分取り消し請求訴訟(行政訴訟)を提起し、更には沖合に基地が移動することで騒音が軽減されるとして我慢してきた岩国市民が実は戦闘機が倍増し更なる爆音にさらされることに怒りを燃やし、もうこれ以上我慢できないと四百七十六人の原告が爆音訴訟にたちあがった(三月二十三日)。来る七月九日爆音訴訟第一回口頭弁論に結集してほしい。また同時に国や山口県・岩国市の愛宕山への米軍住宅建設の動きにも反対していかなければならない」と訴えた。

 つづいてAWC山口の仲間より岩国の運動を支援するタクシー労働者の取り組みの紹介と、カンパ要請や岩国爆音訴訟を支援する会への入会の呼びかけがおこなわれた。

 集会では、今秋期のアジア共同行動の取り組みについて、AWC九州山口実事務局から「九月アジア共同行動第三回総会」と「十一月岩国国際集会」への参加呼びかけが続いてあった。

 最後に今集会のまとめとデモの行動提起をうけ、集会参加者は組合旗やアジア共同行動ののぼり旗など林立させながら小倉駅までのデモ行進に出発した。梅雨空を吹き飛ばす「やられる前に立ち上がろう」と呼びかける声が繁華街小倉魚町一帯に響き渡った。

 十一月岩国労働者反戦交流集会実行委員会が結成されるなど労働組合を中心に岩国支援の全国的取り組みが始まる中で、大不況のもと強まる労働者への不当な解雇攻撃などをはねかえし、岩国のたたかいへの支援の輪をさらに広げる取組みを今夏―今秋強化していくことを確認して、六月行動を終えた。




 ●6・28首都圏

 韓国ゲストと共に集会・デモ

 交流会も開催




 六月二十八日、東京・渋谷の渋谷区勤労福祉会館においてアジア共同行動首都圏の主催による「失業・貧困を許すな!アジア米軍総撤収!自衛隊派兵反対!/6・28アジア共同行動首都圏集会」が開催された。

 午前中、日韓首脳会談抗議行動を闘った労働者・学生も結集し、集会・デモが行なわれた。

 午後一時十五分、司会のあいさつで、集会が開始された。

 つづいて、主催者を代表しアジア共同行動日本連共同代表の鴨井さんが「世界的な恐慌状況のなかで、労働者の失業と貧困化が進み、日本においては毎年のように自殺者が増えている。そのなかで、麻生政権は戦争攻撃を強めている。労働者こそが闘いに決起するときだ。今日の集会・デモを闘い、反帝国際連帯運動の前進をかちとろう」と力強く訴えた。

 つぎに、岩国の闘いの報告として寄せられたアジア共同行動―九州・山口からの連帯メッセージが代読された。3・23岩国爆音訴訟提訴、愛宕山米軍住宅化反対五万人署名大成功と4・12愛宕山大集会の成功が報告され、十一月岩国行動への結集が呼びかけられ、会場の参加者全員が拍手で確認した。

 つづいて、沖縄辺野古新基地建設阻止闘争について、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの方が発言に立った。まず「6・23慰霊の日」にもかかわらず、米軍は戦闘機の飛行訓練とエンジン調整を強行し、過去最大の騒音を記録するという事態が発生するなど、基地被害はますます増大していることを明らかにした。そして、嘉手納基地爆音訴訟団による最高裁上告を支援する署名と7・24支援集会について紹介した。辺野古の問題は戦争の問題にとどまらず、環境破壊の問題としてもあることを明らかにし、「環境アセスは準備書まできている。やれることはやって、もっと頑張って闘いの高揚を作り出そう」と訴えた。

 神奈川反基地闘争については、県央共闘副代表の檜鼻さんが発言に立った。檜鼻さんは、日米軍事再編について、相模補給廠に新たに戦闘指揮訓練センターが着工されていることを明らかにし、「そこは地上戦を想定した訓練を行なうところである。これまで自衛隊と米軍は、空と海上での連携はやってきたが、陸上では本格化していなかった。ここでは、地上戦を実際に想定した訓練を行ない、本格的に日米軍が実戦で連携していくこをめざそうとしている」と戦争攻撃が具他的に強まっている事態を暴露し、全国各地の反戦反基地運動の結合の意義を強調した。

 つづいて、海外ゲストの韓国民主労総傘下イーランド労組委員長のキム・ギョンウクさんがイーランド闘争について闘いの経過と意義について約四十分に渡って語った。キムさんが来日前に自らがパワーポイントを使って編集した映像をもちいて報告していく。現場の非正規労働者と正規労働者が、権力機動隊や、雇われヤクザによる排除・闘争破壊にも屈せず団結してたたかいぬく姿は、会場の参加者に感動を呼ぶものであった。闘争の最中での、さまざまな困難や苦闘。勝利の地平と民主労総・民主労働党指導部の問題などが、キムさんの視点で率直に語られた。

 発言後の、質疑応答を通して韓国の労働運動、民衆運動の現状が集会参加者にリアルに伝わった。

 つぎにAWC首都圏幹事より、「国境を越えた労働者の連帯・団結をつくろう」とカンパアピールが行なわれた。

 休憩をはさんで、集会後半の最初は、韓国の民衆歌謡―労働運動などの現場でよく歌われる闘争歌を、参加者全員で合唱した。

 つづいて、全国一般全国協の東京東部労組矢部書記次長が連帯あいさつに立った。矢部さんは「年間四千~五千件の労働相談が組合に寄せられているが、今年は三月に五百十九件、四月に四百七十七件とかなり多いペースで寄せられている。その中で、解雇事案がトップに来ている」と、解雇・失業問題が深刻な状況であることを明らかにした。

 フィリピントヨタ労組の争議を支援している吉田さんは、ヨーロッパ社会の考え方は、「自分たちの生活を第一に考える」という風潮からか、トヨタの「カイゼン」や、サービス残業などの日本的な就労形態は受け入れられていない状況を紹介し、「企業のため・会社のため」という日々資本側から植えつけられる考えを「労働運動のなかで打ち破っていこう」と訴えた。

 韓国全教組と交流する教職員・市民の会の青木さんは、民間と同じように公務員の現場でも非正規職の労働者が増加している現状を明らかにし、正規・非正規職労働者の団結が課題であることを提起した。

 つづいて、集会に寄せられた連帯メッセージが紹介された。フィリピンの新民族主義者同盟(BAYAN)日本支部、沖縄の一坪反戦地主会北部ブロックの川野純治さん、入管法改悪反対運動を取り組む丹羽雅雄弁護士のメッセージが代読された。

 集会決議文と日韓首脳会談に抗議する声明文がそれぞれ読み上げられ、参加者全員の拍手で確認。集会のまとめとしてAWC首都圏幹事が「九月AWC第三回総会の成功をかちとり、十一月岩国行動へと総決起しよう」と訴えた。

 最後に参加者全員のガンバロー三唱で集会をしめくくり、デモ行進だ。

 雨が降る梅雨空のもと、「反失業・反貧困」「反戦反基地―アジア米軍総撤収」「自衛隊派兵反対」などを訴えながら渋谷勤労福祉会館前から宮下公園までのコースを意気高くデモ行進した。そして、いったん解散後、ふたたび渋谷勤労福祉会館に結集し、韓国ゲストを交えて交流会が開催され、参加者の親睦と意見が深められた。


 ●注……イーランド闘争とは

 イーランド闘争は、韓国の大型量販店「ホームエバー」で働くレジ係など非正規職労働者が、勤続二年以上の正規職化を義務付けた「非正規職保護法」施行(二〇〇七年七月)直前に、いわば駆け込み的に大量解雇されたことに端を発する。これに対しイーランド一般労組は二〇〇七年六月からストライキに突入、売り場を占拠して闘い、女性を中心とした労組員の闘いに多くの支援が寄せられた。これに対し韓国政府(当時は盧武鉉政権)と資本は、機動隊による暴力的排除や労組幹部の逮捕という激烈な弾圧を繰り返した。弾圧に抗して続けられた五百十二日間のストライキは、二〇〇八年十一月に、労組に残る百八十人の原職復帰、十六カ月以上働いた非正規職の正規職化、非正規職への有給休暇付与などを勝ち取って終結した。他方、労組は委員長を含む幹部の復職を断念して、上記合意を実現したという。イーランド闘争は、韓国非正規職闘争の象徴となった。イーランド一般労組は正規職と非正規職がともに加盟する労組。韓国の非正規職は総労働人口の60%に迫る八百二十万人で、低賃金・無権利の悪労働条件下におかれ、一カ月働いても七~八十万ウォン(日本円で六万円程度)。




 ●6・30京都

 韓国・イーランド闘争の意義と地平を共有




 六月三十日(火)午後六時三十分から「ひと・まち・交流館」において、アジア共同行動・京都が主催する「貧困と戦争国家化を打ち破れ!6・30国際連帯集会」が開催された。この集会には、京都の闘う労働者・市民・学生など約五十人が参加した。

 集会の最初に、司会からこの集会にBAYAN日本支部および弁護士の丹羽雅雄さんからのメッセージが寄せられていることが報告された。続いて、主催者を代表してアジア共同行動・京都の共同代表である瀧川順朗さんがあいさつに立った。瀧川さんは、「自公連立政権が崩壊しつつあるなかで、自民党か民主党かと言われるが、私たちは反戦・反貧困という立場で闘う。そして、米軍再編と対決し、沖縄・岩国・神奈川の闘いに連帯していく。本日の集会では、イーランド闘争についての報告、そして京都の労働運動からの報告を受けて交流と連帯を発展させていきたい。いま、新しい社会への展望を明確にしていくことが求められている。AWCは九月に第三回国際総会を開催するが、反帝国主義、反基地の闘いをさらに推進しつつ、新しい社会への展望をめぐって議論していきたいと思っている」と述べた。

 続いて韓国・イーランド労組委員長のキム・ギョンウクさんが、パワーポイントを使って、約一時間にわたって発言を行った。キムさんは、イーランド闘争の経過、その意義と教訓についてなまなましく語った(イーランド闘争の概要については「6・28首都圏集会」の報告記事の注を参照のこと)。キムさんの闘いの報告は、まさに胸を打つものであった。売り場を占拠する労働者たちの自らの誇りをかけた決起、これを暴力的に排除する機動隊との身体をはった闘い、映し出される映像はこの集会に参加した労働者の心を揺さぶらずにはおかないものであった。そして、キムさんはこの闘いが非正規職と正規職労働者がともに闘ったものであり、女性労働者にとっては自己解放の闘いでもあったことを熱く語った。同時に、残念ながら労組役員九人については復職を断念せざるをえなかったこと、またこの闘争のなかで民主労総・民主労働党が十分な支援体制を取れなかったことなどについても率直に報告した。韓国の労働運動・社会運動は、いまさまざまな困難に直面している。キムさんの報告は、イーランド闘争という熾烈な現場の闘いを通して、韓国の労働運動・社会運動の現状をとらえていくという意味でも、貴重な報告となったと言える。

 質疑に続いて、SYN(新自由主義・国家主義と対決する学生・青年ネットワーク)から、キムさんに檄布が贈呈された。そして、労働運動の闘いの現場からの報告に移った。国労熊本闘争団(大阪駐留)の蓑田浩司さんは、闘争団の二十三年間にわたる闘いをふり返り、闘えば必ず成果があること、いま重要な局面にある国鉄闘争の勝利的な結着に向けともに頑張りたいと訴えた。大美堂労組の奥田委員長は、突然の倒産・解雇攻撃に対して職場占拠で闘った結果、勝利的な解決をかちとったことを報告し、京都の多くの労組・労働者からの支援に感謝の意を表明した。そして、大美堂労組は解散するが、それぞれの労働者は闘いを続けると決意を述べた。自立労連の藤原書記次長は、中部工場閉鎖反対闘争の経過を報告し、京都および全国からの支援によって闘いが大きく前進してきたと述べ、引きつづく支援を要請した。きょうとユニオンの玉井書記長は、七月五日にきょうとユニオン結成二十周年集会を開催したことを報告し、ますます労働相談が増加するなかで、労働組合が闘う姿を示すことの重要性を訴えた。洛南ユニオンの服部書記長は、職場の多数派労組となる分会の結成に成功したことを報告し、労働者が労働者としての誇りを取り戻し、闘いのなかで希望を見出していけるような労働運動をつくりだしていかねばならないと訴えた。

 続いて、朝鮮半島―東アジアにおける戦争の危機をめぐってのアピールが行われた。アジア共同行動・京都の事務局長の山本さんが最初に発言に立った。山本さんは、国連安保理が共和国への制裁決議を採択したことによって、朝鮮戦争の停戦協定が破綻し、戦争の危機が高まっているとして、このような戦争の危機の高まりをもたらした主要な責任が米日帝国主義と韓国・李明博政権にあると厳しく批判した。そして、アメリカによる共和国への侵略戦争、日本のこれへの参戦を何としても阻止し、朝鮮半島-東アジアにおける新たな平和の構築に向かわねばならないと訴えた。そして、カン・ヨンピョン韓青同京都府本部副委員長は、在日の立場から朝鮮半島―東アジアにおける戦争に反対し、在日への人権侵害・政治弾圧に反対するという決意を述べた。この発言に続いて、「あすじゃ」の学生からの発言が行われた。

 最後に、集会のまとめと秋の取りくみの呼びかけをアジア共同行動・京都の共同代表である野坂昭生さんが行なった。野坂さんは、九月二十六日・二十七日のAWC第三回国際総会と日本連主催の公開シンポジウム、十月十八日の円山野音での反戦・反貧困・反差別共同行動、そして十一月二十八日・二十九日の岩国集会への総結集を呼びかけて集会をしめくくった。

 この集会は、アジア共同行動の総力を結集した六月十三日の「愛宕山に米軍住宅はいらない 岩国基地大強化反対 6・13関西学習交流集会」から二週間後という厳しい条件のもとであったが、多くの京都の闘う活動家たちが結集した。内容的にも、イーランド労組委員長のキム・ギョンウクさんの素晴らしい報告、これに対する京都の闘う労働運動の現場報告、朝鮮半島―東アジアにおける戦争の危機の高まりについてのアピール、SYNや「あすじゃ」の発言に示される青年・学生運動の参加など、多彩で豊かなものであった。それは、アジア共同行動・京都が、労働運動のなかに深く立脚しつつ、京都の社会運動のなかで広範な共同行動をつくりだしてきた努力の反映でもあった。


 

 

 

 

当サイト掲載の文章・写真等の無断転載禁止
Copyright (C) 2006-2007, Japan Communist League, All Rights Reserved.