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 ■6・13  大阪

  岩国基地強化反対かかげ
 6.13関西学習交流集会(大阪)
 関西学習交流集会開かれる





 六月十三日午後二時から大阪の「いきいきエイジングセンター」において、岩国から愛宕山を守る会の世話人代表である岡村寛さんを招き、「愛宕山に米軍住宅はいらない 岩国基地大強化反対 6・13関西学習交流集会」が約百七十人の結集で開催された。この関西交流集会は、〇九年岩国・労働者反戦交流集会実行委員会とアジア共同行動(AWC)日本連絡会議の共催、しないさせない戦争協力関西ネットワークの協賛という形で行われたものである。

 この日は、京都において「在日の特権を許さない市民の会」なる右翼ファシスト集団の排外主義デモが予定され、それに対する対抗行動が行われるという状況のもとでの取りくみとなった。しかし、会場のエイジングセンターのホールには、開会時間前から多くの労働者・市民・学生が結集した。ホールの壁面には、大阪や京都の労働組合の旗が次々と貼りだされる。また、米軍再編との闘争の最前線に立つ沖縄・岩国・神奈川のたたかいの息吹を伝える写真、そして十一月二十八日・二十九日の岩国集会への総結集を呼びかける大横幕が貼り出される。このような岩国住民のたたかいへの連帯の熱気にあふれるなか、午後二時に司会のあいさつから集会は開始された。

 最初に、この関西交流集会に至る経過の報告が行なわれる。経過報告では、岩国のこれまでのたたかいの経過をふり返り、三年前のアジア共同行動日本連による岩国国際集会の開催、そこに参加した労働組合・労働運動活動家による岩国・労働者反戦交流集会実行委員会(以下、労働者実行委員会)の結成、昨年十一月の愛宕山住民との感動的な交流会の開催、昨年末から今年初めの山口県都市計画審議会への共同申し入れ賛同署名、愛宕山米軍住宅反対署名の広範な取り組み、これらの基礎の上にこの日の関西交流集会があることが報告された。

 この経過報告を受けて、主催二団体を代表したあいさつが行われた。

 まず、労働者実行委員会を代表して、全日建連帯労組の垣沼陽輔さんが発言に立つ。垣沼さんは、米軍再編と麻生政権による戦争国家化を厳しく批判し、沖縄・岩国・神奈川のたたかいへの連帯の重要性を訴えた。そして、「労働運動の力で十一月岩国集会を成功させよう」と呼びかけて、その発言をしめくくった。

 続いて、アジア共同行動日本連を代表して、共同代表の小城修一さんが発言を行った。小城さんは、朝鮮半島―東アジアにおける戦争の危機が高まるなかで、米軍再編・日米軍事一体化と対決し、岩国住民のたたかいを支援していくことの重要性を訴えた。そして、東アジアから米軍を総撤収させていくために、国際的な連帯と共同行動を推進し、日本の戦争国家化と対決していこうと呼びかけた。

 四月十二日の愛宕山住民集会の映像など、岩国のたたかいを記録したDVDの上映のあと、愛宕山を守る会の岡村寛さんが約一時間にわたって発言を行った。岡村さんは、米軍岩国基地の歴史や規模、騒音対策を理由とした滑走路沖合移設事業、これにともなう愛宕山開発計画の説明から話を始めた。そして、米軍再編にともなう厚木基地の米艦載機移駐の決定によって、岩国基地の大強化が明らかになったこと、これに対して岩国の住民が反対運動に立ち上がり、二〇〇六年の岩国住民投票では圧倒的な勝利をかちとったことが報告された。しかし、国は艦載機移駐に反対する井原市長に対して、新市庁舎建設への補助金のカット、米軍再編交付金の対象からの除外など、すさまじい圧力を加えた。自民党など市議会多数派もまた、井原市長が提案する予算案を何度も否決し、市民生活を人質に取る形で市長に屈服を迫りつづけた。このような国・県・市議会多数派の圧力に抗議して、二〇〇七年十二月一日には「怒りの一万人集会」が開催された。しかし、二〇〇八年二月の岩国市長選挙では、「このままでは岩国は財政破綻した夕張のようになる」などのデマ宣伝、国・県・市議会多数派一体となったすさまじい市民へのしめつけと選挙戦への介入によって、井原前市長の落選と福田新市長の誕生という事態となった。そして、愛宕山開発計画の廃止と愛宕山開発跡地の国への売却、米軍住宅建設の動きが一挙に進行し始めた。これに対して、愛宕山住民は米軍住宅建設に反対して「愛宕山を守る会」を結成、これを中心にして「愛宕山を守る市民連絡協議会」が結成された。以降、愛宕山を守る会は、国・県・市への要請行動、県都市計画審議会への意見書提出、愛宕山米軍住宅建設に反対するシール五千枚の販売と五百枚ののぼり旗の設置、愛宕山米軍住宅反対署名などに取り組んだ。この署名は、岩国市だけで人口の三分の一を越える五万筆、全国では十一万筆が集まった。そして、今年の四月十二日には愛宕山大集会を開催した。岡村さんは、これらの経過をていねいに説明し、基地のない平和な岩国を子供たちや孫たちに残したいこと、これまでのAWCからの支援に感謝しつつ、米軍住宅建設を阻止するためにともにたたかうことを訴えた。

 休憩時間をはさんだ質疑のあと、愛宕山を守る会へのカンパが司会から呼びかけられた。そして、アピールやメッセージの紹介が行われた。最初に発言に立った山内徳信参議院議員の秘書である服部良一さんは、四月七日の愛宕山米軍住宅反対署名の東京での提出行動の様子について報告するとともに、次の総選挙で政権交代を実現し、米軍再編を阻止していきたいと訴え、社民党の近畿ブロック比例区候補として立候補するので支援を要請したいと発言した。神奈川県央共闘の檜鼻達実さんからのメッセージの紹介に続いて、全港湾大阪支部の陣内さんが発言に立ち、全港湾としての沖縄のたたかいへの連帯、五月平和行進の取りくみについて報告し、沖縄・岩国を結んで米軍再編とたたかうことを訴えた。そして、協賛団体である「しないさせない戦争協力関西ネット」からは、共同代表の中北龍太郎さんが発言に立ち、関西ネットとして米軍再編と対決し、岩国住民のたたかいに連帯していくという決意を表明した。最後に、主催二団体を代表して、瀧川順朗さんが集会のまとめと十一月岩国集会への呼びかけを行った。瀧川さんは、多忙をきわめるなかで関西に来ていただいた岡村さんに感謝の気持ちを表明し、労働者反戦闘争の再生を掲げた労働者実行委員会結成の意義を提起した。そして、十一月二十八日・二十九日の岩国集会の内容を紹介し、これへの総結集を呼びかけて集会をしめくくった。

 この関西交流集会は、きわめて大きな意義を持つものとして大成功したと言える。

 その意義の第一は、愛宕山米軍住宅建設・岩国基地大強化反対という課題を関西の労働運動、大衆運動のなかにおしだし、十一月岩国集会に向かううねりをつくりだしたことにある。関西においては、昨年末からの山口県都市計画審議会への共同申し入れへの団体賛同署名、そして愛宕山米軍住宅反対署名に広範な労働組合・大衆団体、個人が取り組むことによって、岩国住民のたたかいへの連帯と支援が大きく広がってきた。関西交流集会は、この流れをさらに促進し、愛宕山米軍住宅建設・岩国基地大強化反対という課題を関西の労働運動・大衆運動の重要な共通の課題へと転化するものであった。そして、アジア共同行動日本連と労働者実行委員会がこの関西交流集会を共催することによって、この二団体が中心となって準備する十一月岩国集会への総結集に向かう流れが大きく形成されてきた。

 その第二の意義は、反戦反基地闘争をたたかう労働運動の再生、労働者反戦闘争の全国的な再生を掲げる労働者実行委員会が関西において本格的に登場し、この関西交流集会の組織化を通して拡大・強化されてきたことにある。労働者実行委員会は、関西交流集会の前段に結成会議を開催した。この時点で、全国各地からの呼びかけ人は五十七人に達した。労働者実行委員会は、岩国基地大強化に反対し、岩国住民のたたかいへの支援と連帯を全国の労働運動のなかにおし広げていくこと、十一月岩国・労働者反戦交流集会の成功を実現すること、このことを直接の課題とする実行委員会である。しかし、労働者実行委員会はそれにとどまらず、反戦反基地闘争をたたかう労働運動の再生、労働者反戦闘争の全国的な再生を掲げた実行委員会として形成されてきた。世界金融危機・同時不況のただなかで、朝鮮半島―東アジアにおける戦争の危機が高まり、日本の戦争国家化が一挙に進行していこうとするなかで、労働者反戦闘争の全国的な再生は労働運動の将来、階級闘争の将来にとってますます重大な課題となってきている。労働者実行委員会は、岩国闘争を焦点にしつつ、再生すべき労働者反戦闘争の新しい質と実践を先行的につくりだしていこうとしてきたのだ。

 その第三の意義は、岩国闘争を推進してきたアジア共同行動日本連のたたかいの地平を、関西の労働運動・大衆運動のなかにおしだし、日本連と各地実行委員会を拡大・発展させていくための大きな条件を形成したことにある。アジア共同行動日本連は、九州・山口実行委員会を先頭にして岩国住民のたたかいへの支援に継続的に取り組み、しっかりとした信頼関係を築いてきた。そして、二〇〇六年秋から三回にわたって、アジアからの米軍総撤収をかかげ、全国からの結集で岩国国際集会を開催してきた。そして、これらを通して岩国闘争を全国闘争へとおしあげ、沖縄・岩国・神奈川の反基地闘争の結合を全力で推進してきた。関西交流集会を通して、このようなアジア共同行動日本連のたたかいは、広範なたたかう労働者・市民・学生が知るところとなった。そして、アジア共同行動日本連にとっても、労働者反戦闘争と結合し、労働運動に深く立脚したものへとアジア共同行動日本連を発展させていくうえで、関西交流集会は新しい地平を切りひらくものであったと言える。
 われわれ共産同(統一委員会)は、このようなアジア共同行動日本連と労働者実行委員会のたたかいを断固として支持し、関西交流集会の成功のために全力を結集してたたかい抜いた。関西交流集会が大きな成功を実現したことに立脚し、さらに岩国住民のたたかいへの連帯と支援を推進し、十一月岩国集会の成功をかちとるために全力で奮闘していかねばならない。

 
 

 

 

 

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