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 ■8・6 広島

  
青空集会でアジアから全ての米軍基地撤去を誓う

                 被爆二世の会・会員


原爆ドーム前で開かれた青空集会


 被爆六十四年目の八月六日、我々は八時十五分より前に広島の原爆ドーム前に立った。既に、多くの人々が集い、亡くなった被爆者を追悼し、反戦、反核を訴えている。早速、上関原発建設反対の署名を取るために机を用意し、被爆二世の会の旗を立てる。曇っているとはいえ、今年もやはり暑い。喉が乾いた人が立ち止まって誰でも飲めるよう冷茶も用意する。八時十五分の黙祷が終わったころ、在外被爆者問題を取り組んでいる長崎の被爆二世と韓国の被爆者の方が連帯のあいさつに来られた。被爆二世の方は、「わたしたちの団結の力で、この地から反戦・反核の大きなうねりを作り出していこう!」と話され、韓国の被爆者は、「被爆二世の会が、上関原発建設に反対していることはとても重要なことだ。皆さんの力で、上関原発を建てさせないでください」と話された。被爆者の方が原発反対を表明してくださったことに感銘を受けた。少しして、平和式典に出席するためにやってきた麻生首相への直接抗議行動を終えた学生たちが戻ってくる。学生達と共に青空集会のプログラムをまき、上関原発建設反対の署名を集める。写真展の準備もする。今年の写真展は広島・長崎の被爆写真とあわせて、現代の核被害を許さないための展示も合わせて行った。現在中国電力が上関原発を建てようとしている田ノ浦に生息している貴重なカンムリウミスズメやスナメリやナメクジウオの写真もある。原発ができれば当然これらの生物は住み家を追われる。様々な人々が、戦争とヒバクを許さない展示を見ていく。

 十時半、いよいよ青空集会のはじまりだ。学生団体あすじゃの司会のもと、やまぐち障害者解放センターの仲間が高らかに開会のあいさつをする。続いて、被爆二世の会からの基調の提起を行う。歴史的に、8・6広島闘争が被爆者・二世と民衆の共同の反戦・反核被爆者解放闘争として作られてきたこと、広島・長崎の原爆被害者は、今までに亡くなった被爆者と生存被爆者を合わせると被爆一世だけで百万人に近いこと、しかも全国には三十万人とも五十万人とも言われる被爆二世が存在し、健康不安を抱えていること、この原爆被害を具体的に伝えていくことが核廃絶の大きな力になること、それを、拒んでいるのは核被害を過小評価するアメリカ政府の核戦略であり、日本政府の核武装を含めた軍事的衝動であること、その結果、原爆症認定却下取消し集団訴訟で十九連勝しているにもかかわらず、いまなお、認定基準の抜本的改正がなされていないことを弾劾した。また、「八月五日、麻生首相と被団協代表委員は原爆症認定却下取消し集団訴訟についての確認書を締結した。このことにより日本政府は被爆者問題の幕引きをしようとしている。これを許さず、永続的に、被爆者・二世・三世の国家補償にもとづく援護を求めていくことを改めて、決意した」と表明。最後に、アジア民衆との団結の力で、アジアから全ての米軍基地を撤去し、日本の核武装を阻止して、東アジアの非核化を実現すること、また朝鮮戦争を阻止しようと訴えた。

 次は、歌だ。福山のアマチュアミュージシャンによる日本国憲法前文をラップにした歌や、広島の歌を聞いた。つづいて、AWC韓国委員会や米国・ANSWER、台湾労働人権協会、アジア学生青年協会からの連帯アピールが紹介される。

 青空集会のメイン、各団体・個人からの発言では飛び入り発言も多く、詩人や反原発を闘うミュージシャン、イラク反戦運動家などたくさんの方が参加した。アジア共同行動日本連絡会議の方は、昨年の夏横須賀で米原子力空母ジョージ・ワシントン母港化阻止の闘いを被爆二世の会と共に取り組んできたこと、米軍再編阻止の闘いが、日米帝国主義の戦争策動をストップさせる大きな力となること、十一月岩国反戦国際集会を成功させようと訴えた。また、韓国の双龍自動車労働者支援のために、このあと韓国領事館に抗議行動に行こうと訴えた。また、連帯労組・やまぐちも韓国領事館に対する抗議行動、双龍自動車の労働者に対する殺人的弾圧に抗議しようと呼びかけた後、反貧困の闘いと反戦の闘いを結びつけていくことの大切さを訴え、戦争と貧困に真正面から対決する労働運動を作り、祝島住民・岩国住民と共に闘うことを宣言した。

 学生青年グループのSYNは、前日に被爆体験を聞き、原爆投下あるいは核兵器の存在そのものは絶対に正当化することはできないという思いを強くしたこと、被爆者をはじめとする反戦運動、反核運動がオバマ大統領の発言や原爆症認定基準の緩和につながったことを訴え、共に頑張っていこうと発言した。

 憲法を活かす市民の会・やまぐちは「アメリカは原爆攻撃の際にフェイント攻撃をしたのではないか。最初、飛行機が飛んできたとき、広島市民は防空壕に隠れた。飛び去ったので安心し、通勤時間だからみんな出てきた。そこへ引き返してきて、原爆を落とした。いかに原爆が効果的に人を殺せるかという事をアメリカは実験した。私は、これを許せません。この怒りを日本人は持たなきゃならない。次に、なぜ日本はアメリカの核に頼っているのか。核の傘の下にいるから、北朝鮮(ママ)からミサイルが飛んでくるとかそういう脅威がある。日本がアメリカの核の傘から出るといったら、北朝鮮(ママ)は、ミサイルなんか飛ばさない。アメリカの岩国基地、米軍基地を日本から撤去すること。日本政府はなぜアメリカの潜水艦や空母が核兵器を積んだまま、日本に入って来るのを許しているのか。我々は、許していない。なぜ日本は核兵器廃絶の先頭に立たないのか。オバマが言ったからオバマジョリティ、ふざけるな。確かに、日本は戦争をした。これを謝ります。しかし、戦後平和憲法を持って、平和を愛する国民になった。一部、なっていない人がいる。戦争を望んでいる人が」と怒りをもって発言した。

 閉式の言葉でAWC日本連は「今日、この集会において私たちは、平和の大切さとアメリカ帝国主義の世界支配に対する反対の意志を鮮明にした。アジアにおける全ての不安の根源は、アジアにおける米軍の存在にある。アジアから、米軍を追い出さない限り、平和になるということはない。なぜならば、彼らは侵略軍だからだ。これを明確にして、闘いを前進させていこう」と宣言した。
 最後にあすじゃの音頭のもと「すべての被爆者・被爆二世・三世の国家補償を勝ち取ろう!」「上関原発建設に反対しよう!」などのシュプレヒコールをあげ、二時間にわたる青空集会を終えた。

 今年の参加者は約五十名。年々八月六日の平和公園への参列者が少なくなっていく中で、青空集会の参加者は増えている。特に今年は学生や若者の参加が多かった。上関原発建設に反対する署名の旗や被爆二世の会の旗を見て、声を掛けてくる人もいる。意思表示を鮮明にすることによって集会は成功裏に勝ち取られた。

 
 

 

 

 

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