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 ■11・7-8 韓国

  
AWC日本連が訪韓団を組織

ソウル・ヨイド公園を埋め尽くした労働者たち(11月8日)

 ●11月7日-民主労総との懇談会など

 アジア共同行動日本連絡会議は、長年にわたって築き上げてきた韓国労働者・民衆との連帯にもとづいて、今年も韓国での全国労働者大会への訪韓団を組織した。

 十一月六日にソウルに到着した訪韓団のメンバーは、翌七日の午前中には、「韓半島平和協定締結と六・一五自主統一のために 韓日労働者民衆懇談会」と題する民主労総との懇談会に臨んだ。

 この懇談会は、日本における鳩山政権の成立や米朝協議に向けた動きなど、朝鮮半島と東アジアをめぐる政治環境のいくつかの変化のなかで、これをどのように捉えるか、また民衆の側からどのような運動をつくっていくかを互いに討論することを目的にして開催された。韓国側からはとくに、日本の鳩山政権の政治的階級的性格をどのように捉えるべきなのかについて強い関心が寄せられた。

 日本側からは「日本政府の安保・外交政策と民衆のたたかい~鳩山連立政権発足から二カ月の時点で」と題する報告がおこなわれ、とりわけ米軍再編をめぐる問題が大きな攻防の焦点となってきていることが報告された。AWC日本連のメンバーからは、民衆の深い怒りの蓄積によって自民党政権は総選挙での敗北を強制されたが、われわれは新たに発足した民主党政権にいささかの幻想ももっていないこと、明日八日に県民大会をおこなう沖縄民衆をはじめ、岩国、神奈川などの地元住民と連帯して、日米軍事同盟―米軍再編とのたたかいを全国的な課題としておし広げ、新政権に対して民衆の声を突きつけていくこと、きたる十一月二十九日には岩国現地闘争を準備していることが述べられた。韓国側からは、米国のオバマ政権、日本の鳩山政権を実際に朝鮮半島の平和に向かって動きださせるための民衆の側からのたたかいを強化すべきだという提起がおこなわれた。

 午後からは、龍山駅前に移動し、翌日の労働者大会に向けた前段集会の一部としておこなわれた民主労総・全解闘(全国解雇者復職闘争委員会)の主催による解雇者決意大会に参加した。双竜自動車での大量の整理解雇攻撃との死闘をはじめ、李明博政権のもとで資本によるリストラ解雇と労働運動弾圧が激しさを増している。この集会にはキリュン電子、鉄道、KBSをはじめ現職復帰をたたかう被解雇労働者が結集していた。日本連の仲間はここで連帯発言をおこない、労働者の国際連帯で共に資本の攻勢に立ち向かっていこうと訴えた。

 訪韓団のメンバーはさらに、引き続いて同じ場所でおこなわれた「資本の危機転嫁と闘う共同闘争本部」による労働解放先鋒隊の解団式に参加した後、さる一月二十日に強制立ち退きに抵抗して建物の屋上で篭城していた五人の撤去民が警察の鎮圧作戦によって虐殺された龍山惨事の現場を訪問した。この事件はいまだ何も解決されておらず、そのために亡くなられた方々の葬儀もおこなえていない状態だという。訪韓団は取り壊そうとするソウル市当局に抗して今も事件当時のまま保存されている建物と「李明博政権龍山撤去民殺人鎮圧汎国民対策委員会」の事務所を訪問した。断食闘争中だった汎国民対策委の方は、龍山惨事は新自由主義政策の結果であり、独占資本の貪欲な利潤追求行動がもたらしたものであるゆえに、この闘いが労働者民衆の共通の課題であることを強調しながら、現在に至る闘いの状況を説明した。

 その後、ヨイド公園で開かれた労働者大会前夜祭を見学してこの日の日程を終えた。


 ●11月8日-労働者大会に参加

 民主労総農楽隊が大会会場のヨイド公園を練り歩く中、全国から集まった労働組合員が続々と大会会場を埋めてゆく。続いて太鼓を中心に構成されたバンドの演奏、さらに会場に三基すえられた大型画面に大会に寄せられた各界からのビデオメッセージが放映される。それらを大会の導入部として、十一月八日午後三時過ぎ「全泰壱烈士精神継承―二〇〇九年全国労働者大会」の開会が宣言された。全泰壱氏をはじめとしてたたかいの中で倒れた人々への黙祷ののち、「労働弾圧粉砕、民主労総への弾圧粉砕、李明博政権退陣」という今大会の主テーマが明らかにされる。そして大会に参加している各労組が地域ごとに紹介され、壇上が各労組の団結旗で埋め尽くされる。大会への労働界・政界・民衆運動などの来賓紹介、AWCや郵政労働者ユニオンなどの海外からの参加団体が紹介され、続いて民主労総に加盟する各単位労組などからのビデオメッセージが映し出される。非正規職、公共サービス部門などなどで活動する組合員たちが、口々に民主労総指導部への要望やメッセージを明らかにし、これを受ける形でイム・ソンギュ民主労総委員長が登壇した。同委員長はその発言の中で、李明博政権への批判を全面的に展開しつつ、「ゼネストをもって政権が死ぬか、民主労総が死ぬか二つに一つ」「殺すか殺されるか、二つに一つ」という形で、十二月ゼネストを宣言した。また、「一日や二日のゼネストは準備しない。一ヶ月のゼネストを準備せよ」ともぶち上げた。

 続いて、非正規労働者を代表して公共運輸連盟、マスコミ労働者を代表してMBC労組が、さらに公共サービス連盟、統合公務員労組、農業中央会労組がそれぞれの産業、業種を代表するかたちで報告と決意を表明した。さらに、農民団体や民衆運動団体からの支援共闘をめざす発言が続く中、民主労総を中心に各界・各層が団結して李明博政権打倒への一大闘争を巻き起こすことが確認された。

 全泰壱氏のオモニ・李小仙氏が「労働者大会に参加できるのはこれが最後かもしれない」と発言を求め「李明博の好き勝手にはさせない。団結して李明博とたたかえ」と檄を飛ばした。

 「労組弾圧・民衆生活破壊の李明博政権を空のかなたに葬り去れ」という趣旨の象徴儀式の後に、①李明博政権の労働抹殺政策に対決する②全教組への全面弾圧に抗し、公務員への労働三権付与③鉄道・電力・ガスなどの基幹的公共部門での民営化阻止、医療・教育などの分野の社会的公共性を尊重せよ④非正規職労働者の権利保障立法要求など七点にわたる決議案が提案され全体で確認された。

 七点目の決議は「全国民的な反李明博闘争に起ちあがれ」。大会に参加した五万の労働者たちは、今大会でも鮮明に明らかになった各界各層からの民主労総への期待や共感をも受けながら、十二月ゼネストを焦点に、李明博政権との全面対決へとあゆみを始めた。

 来年一月一日に政府が強行しようとしている「単位事業所複数労組許容と交渉窓口一本化」「専従賃金支給禁止」という労働組合運動への大抑圧政策に対するたたかいが、生活破壊にあえぐ韓国民衆を巻き込んだたたかいへと発展するか否か、まさに正念場へと向かいつつある。


 

 

 

 

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