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 ■5・14-16  沖縄

  普天間基地包囲を頂点に沖縄解放闘争が大爆発




 ●5・14 平和行進が出発

 雨をつき基地撤去のコールが全島に響き渡る



 5・16普天間基地包囲行動を頂点に5・15沖縄解放闘争が大爆発した。日米軍事同盟強化と「抑止力」の名の下に「県内移設」「辺野古修正案」を押し付ける鳩山政権に対する沖縄人民の怒りの爆発だ。九万三千七百人の結集、否、沖縄全島で島ぐるみ決起がかちとられた四・二五県民大会の地平を真っ向から否定する鳩山政権に再度のイエローカードを突きつけた。鳩山よ、「仏の顔も三度まで」だ。「五月末決着」をアリバイ的に引き延ばし、「辺野古修正案(くい打ち桟橋方式)」を押し付けるための時間かせぎ策動は断じて許さない。
 五月十四日、「復帰三十八年」の内実を糾弾する三十三回目の5・15平和行進が、東(辺野古)・西(読谷)・南(糸満)の三コース、二日間の日程で出発した。十五日には宮古・八重山でも平和行進が展開された。
 新基地阻止!普天間基地撤去!米軍再編粉砕!戦闘的シュプレヒコールで開始された東コース出発式では、主催者の崎山嗣幸平和運動センター議長、北部実行委員会代表の玉城義和県議会副議長、稲嶺進名護市長、安次富浩ヘリ基地反対協代表委員などが決意表明の発言をした。出発式には行進団約六百名をはじめ、早朝からのキャンプ・シュワブゲート前座り込み抗議行動を終えて参加した命を守る会、テント村、反対協のみなさんも多数参加した。
 集会では、開催地首長として二十四年ぶりに参加した稲嶺名護市長が、「大きな希望を押しつぶそうとする動きに天も怒っている。名護の海にも陸にも、沖縄にも新たな基地はいらない。平和行進・普天間包囲行動を成功させ、沖縄から全国から発信しよう」と訴えた。また安次富ヘリ基地反対協代表は、「命を守る会のオジーオバーたちとともに現地での闘いは続いている。くい打ち桟橋方式は埋立て方式と同様、自然に対する冒とくであるとともに、沖縄県民に対する冒とくでもある。鳩山政権のペテンと裏切り、暴挙を許さず、辺野古新基地建設阻止、普天間基地即時撤去へ向け闘いを強化しよう」と檄を飛ばした。
 集会を終え熱気高まる行進団は、雨もものとせずキャンプ・シュワブの境界鉄条網へ向けた辺野古の浜の一周デモを展開した後、宜野座村役場を経由して金武町キャンプ・ハンセン第一ゲートまでの十八キロメートルの行程を基地撤去、安保粉砕のなどのシュプレヒコールをあげながら貫徹した。


 ●5・15 県民大会

 三千八百名が差別軍事支配からの脱却・解放訴える


 五月十五日、三十八回目の「沖縄返還・復帰」の日を迎えた。今なお基地の重圧は何ら変わらないばかりか、新たな基地負担、新たな米軍基地を押し付けられようとしている沖縄。一九五二年サンフランシスコ講和条約発効から七二年沖縄「返還」までの間、在「本土」米軍基地は85%が返還された。沖縄では「復帰」後の返還面積は17%にすぎず、日本全体の73・9%を占めている。兵力も同様だ。そして爆音激化、軍事演習の増加、事件事故の多発、一方で失業率は全国平均を上回る7・5%、所得も全国最下位、この現状を沖縄差別支配、軍事植民地支配といわず何と言うのだ。
 前日に続き大雨の中、三コースの平和行進団は集約合流地点の宜野湾市海浜公園めざして進んだ。大音量で妨害・敵対を繰り返した右翼「菊水青年同盟」は、行進団の密集した戦闘性で完全に粉砕された。各コース長蛇の行進団と大雨の影響もあり、「命とくらしを守る五・一五県民大会」は、まだ西コース行進団が到着できない中、一時間以上の遅れで開会した。会場の野外劇場前でわれわれは、統一委員会・沖縄労共闘のビラ情宣行動を展開して、参加者に安保粉砕―沖縄解放闘争への決起を訴えた。
 集会では、崎山平和運動センター議長、伊波洋一宜野湾市長、照屋寛徳衆議院議員(社民党国対委員長)、山内徳信参議院議員(社民党)、糸数慶子参議院議員(沖縄社大党副委員長)、安次富ヘリ基地反対協代表委員、そして伊佐真次高江ヘリパッドいらない住民の会前共同代表などが発言した。
 主催者の崎山議長は、「三十八年前の5・15も同じ土砂降りの雨だった。4・25県民大会で示された沖縄の民意を踏みにじることは許されない。全国の仲間と力を合わせ断固として闘おう」と訴えた。また伊波宜野湾市長は、「半世紀以上にわたる米軍基地が居座っているにもかかわらず、新たな基地を押し付けようとしている。4・25県民大会で発信した普天間基地の県内移設に反対する沖縄の意思を、さらに普天間基地包囲行動の成功で、何度も何度も鳩山政権に突きつけよう」と訴えた。
 安次富ヘリ基地反対協代表委員に続いて登壇した伊佐住民の会前代表は、「政府・防衛局は説明を求めて座り込む私たちを『通行妨害』で提訴する暴挙に出た。七月からは工事再開・着工を狙っている。危険な基地はどこにもいらない」と支援強化を訴えた。特別参加として重野社民党幹事長が発言したが、会場からは連立政権与党への叱咤・野次が目立った。
 その中で、アジア連帯集会参加のフィリピン、グアム、韓国の代表団も壇上に立ち、短いアピールながら連帯とアジアからの米軍総撤収を呼びかけたことで、集会の意義はいっそう鮮明となった。
 集会は最後に、①鳩山政権は選挙公約・政権公約を順守し、普天間基地の県内たらい回しを断念せよ、②鳩山内閣はまやかしの基地探しを中止し、普天間基地閉鎖のための対米交渉を開始せよ、という明快な大会決議を採択した。そして結集した三千八百名の参加者が一丸となり、ますます強くなる風雨を吹き飛ばす怒涛のガンバロー三唱を行ない、翌日の普天間基地包囲行動の成功と基地撤去の決意を満天下に示した。


 ●5・16 普天間包囲行動

 大雨洪水警報の中、一万七千名で大勝利!


 五月十六日、この日も雨。しかも中部地区には大雨・洪水警報が出された。梅雨真っ最中の沖縄ではあるが、例年にない天候だ。天も怒り、沖縄人民大衆の怒りも深い。しかし人々の顔に悲壮感はない。みんな敢然と周囲十三キロの包囲行動に立ち上がった。「普天間基地を返せ!人の輪で普天間基地を包囲する県民大行動」の開始だ。
 包囲開始前の一時半頃には包囲位置に配置が完了。結合地点の各団体との連携もスムーズに行なわれる。周辺住民も次々と輪に加わる。雨にも鳩山政権にも、米軍にも負けてなるものか、必ず成功させよう、熱気は高まる一方だ。午後二時、第一回目の包囲行動開始。一斉に基地に向かって手と手がかざされる。「普天間基地を返せ!県内移設反対!」シュプレヒコールが響き渡る。ラジオ沖縄からの実況中継からも、包囲の様子が伝えられる。
 二時半、二回目。再び人間の鎖が普天間基地を包み込んだ。「つながった。成功だ」実施本部からの知らせが伝達され、歓声と拍手が沸きあがった。菊水青年同盟・幸福実現党の反革命右翼・反革命宗派集団の宣伝カーが敵愾心丸出しで妨害策動を試みるが、参加者の怒りで一蹴、粉砕する。午後三時、雨がますます強まるが、最後の三回目の包囲行動も成功をかちとった。勝利感と達成感で、全身ズブ濡れも気にならない。参加者一万七千名、沖縄が再び一つになり、闘争宣言を発した普天間基地包囲行動の歴史的大勝利を刻印した。
 また、アジア共同行動とあすじゃ、新自由主義・国家主義と対決する学生・青年ネットワーク(SYN)は、ともに、宜野湾市民会館から第三ゲートへとむかう地点で、包囲行動に参加した。
 豪雨のなか、三回のくさり行動の合間に、独自集会を貫徹。アジア共同行動日本連の全国共同代表の鴨居さんが、普天間の即時閉鎖を力強く訴えた。つづいて、あすじゃで全国から参加した学生が次々と決意を述べる。また、SYNの学生や青年労働者も次々と怒りの声を上げた。
 人間の鎖が成功したアナンスが流れると、大きな歓声が上がった。降りしきる雨をものともしない熱意にあふれたたかいであった。人間の鎖を終えて、普天間基地第三ゲート前に移動し、まず、アジア共同行動日本連、あすじゃ、SYNを初めとする仲間たちで、ゲート前で抗議のシュプレヒコールを浴びせた。その後、ゲート前で普天間爆音訴訟の主催で、第三ゲート前抗議集会。百名以上が集まり、抗議の声を上げた。
 高里鈴代さんは、人間の鎖で和やかに笑顔で反対して終わることなく、しっかりと怒りの声をぶつけることが必要だと訴えた。続いて、普天間爆音訴訟の島田善次さん、高橋事務局長も怒りの声を上げた。韓国からの参加者もともに参加し、国際的な抗議集会としてこの日の行動を貫徹した。
 普天間基地包囲行動は〇五年五月十六日に続く五回目、嘉手納基地包囲行動を含めて九回目となる。初めての八七年6・21嘉手納基地包囲行動の際も、今回のような土砂降りの豪雨の中で大成功・大勝利をかちとり、天皇・国体決戦勝利に向けた大号砲を発したことが思い出される。
 今回の特徴は、普天間・嘉手納基地をかかえる中部七市町村(宜野湾市、沖縄市、北谷町、西原町、読谷村、中城村、北中城村)の首長が共同代表を務め、普天間基地撤去・県内移設反対の意思をより鮮明にしたことである。七首長らは、十一日普天間基地が見渡せる宜野湾市役所屋上で共同記者会見を開き、「声を上げて行動しよう」と普天間基地の無条件撤去へ向け包囲行動への参加を呼びかけていた。
 さらには、名護市長が初めて包囲行動に参加し、伊波洋一宜野湾市長と稲嶺進名護市長による共同声明を発するという画歴史的な成果も生み出された。共同声明は言う。「私たちは、名護市民や宜野湾市民のためにも沖縄の未来のためにも、基地のない平和で暮らせる沖縄を取り戻さなければならない。そのためにも、新たな米軍基地を断固としてつくらせてはならない」「宜野湾市・名護市は本日の普天間包囲行動を機にお互いに手を結び、普天間基地の県内移設に反対する共同声明とする」。こう宣言して、二人の市長はガッチリと手を組んだ。
 大会本部のある宜野湾市役所前では総括集会が開かれ、参加者は勝利のガンバロー三唱で新たな闘いへの決意を固めた。



 

 

 

 

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