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 ■7・22  東京・荒川

  朝鮮学校も無償化に!在日含め広範な結集

朝鮮学校も無償化に!下町集会(7月22日)

 七月二十二日、東京・荒川区にあるサンパール荒川で、「朝鮮学校も無償化に!下町集会」が実行委員会の主催で開催されました。
 集会には、会場ホールを埋め尽くす東京東部地域を中心に在日も含め約二百三十人が参加し、希望持って共に闘う人々の熱気の中、朝鮮学校への「無償化」適用を求める集会宣言が満場一致で採択されました。八月には、採択された集会宣言を持って文科省への申し入れが予定されています。
 すでに新聞報道でご存じのように、「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律」(以下略「高校無償化法」)が成立し、各種学校も給付対象に対象に含まれ、本年四月から施行されています。
 ところが、「友愛政治」を謳って登場した民主党鳩山政権は、あろうことか各種学校にあたるインターナショナルスクールや韓国学園・中華学校などの三十一校だけを適用対象にして、全国に十校有る朝鮮高級学校をのみを除外しました。
 きっかけは中井洽拉致問題担当相が朝鮮学校の除外を文科省に要請したことにあり、それを受けて鳩山―川畑達夫文部科学相が第三者機関による学校の教育内容を検討し、八月末までに適否決定するとしています。
 こうした民主党政権による差別政策は、憲法第二六条や同第一四条、国際人権規約A規約、子どもの権利条約、人種差別撤廃条約第五条などがうたう、普通教育及びマイノリティ教育を受ける学習権の保障、平等原則に違反しています。また、ファシスト排外主義勢力「在特会」などネット右翼によるこの間の差別扇動・差別襲撃を勢い付かせてきた責任が、民主党政権にあることも見逃してはなりません。
 実行委員会は、東京東部地域にあたる下町七区の高校無償化から朝鮮学校排除を許さない団体や有志が参加して結成されました。
 集会では、最初に主催者のあいさつとして集会へ向けての実行委員会結成に至る経過報告が行なわれました。「下町の各地域でそれぞれ独自の取り組みを行なってきた。個人でのハガキ署名運動や国会ロビー活動。下町には四つの朝鮮学校が有り、『アンニョンフェスタ』などをはじめとする地域に開かれた交流の場を提供してきた。にもかかわらず朝鮮学校のみを『高校無償化』から適用除外した行為は、日本政府自ら差別を助長し、しかも子ども達を差別する行為であり断じて許すことはできない。こんなに多くの方が参加されて感動で胸がいっぱいだ。一日も早く朝鮮学校にも無償化適用をさせるべく闘おう」と訴えられました。
 続いて、東京朝鮮第一初中級学校舞踊部が朝鮮舞踊を披露。民族文化性と芸術性あふれる演技に会場からは大きな拍手がわき起こりました。演技を終え、全校生徒の思いを込めたメッセージが生徒より読み上げられました。
 「なぜ私たちだけ差別を受けるのか?子ども権利条約は私たちにはなぜ適用されないのか。親は税金もきちんと納めているのに、これ以上何をしろと言うのでしょうか?日本から出て行かなければならないのでしょうか?いくら考えても納得できない毎日です」と率直な心境を明らかにし、「我が国を植民地にし、やむなく日本に住む私たちを差別し続けてきたのにまだ足りないというのでしょうか。私たちは朝鮮民族としての誇りを持ちつつ差別のない国で、手を取り合って生きていきたい」と訴えられました。
 田中宏・一橋大学名誉教授の講演では、朝鮮学校をはじめとする外国人学校の地位と処遇の経過、各種学校認可、大学入学資格、税制適用などでの差別問題について言及され、「高校無償化」における外国人学校の扱いについて解説。「朝鮮学校除外は不当であり、無償化はすべての人に適用されなければならない」と厳しく指摘された。
 「高校無償化」適用問題では、日本の高等学校の課程との「同等性」が焦点となっています。田中氏によると、例えば専修学校に大学入学資格が認められた際、「修業年限三年以上、総授業時数二千五百九十時間以上」と、客観的基準によって定められたように、これまで教育内容が審査されたことはなかったとのこと。田中氏は、教育内容の審査は教育の自由への侵害に当ると、政治問題を適用検討の理由にすることの不当性についても指摘されました。
 東京朝鮮中高級学校保護者を代表して発言したオモニは、三人の子の親であり一番下の次女が現在、東京朝鮮中高級学校に通学中。「私は常日頃、子ども達に時代は大きく変わっている、在日コリアンとして日本と朝鮮半島はじめ国際社会の架け橋となって欲しいと言ってきた。親の生き甲斐や喜びは、子ども達がいつどんな時でも笑顔で暮らしていくことでありその姿を見ることでがんばることもできる。朝鮮学校の無償化除外は、日本政府が子どもたちから権利を取り上げたいじめ以外の何物でもない。日朝間の政治問題が起きるたびになぜ弱い立場の在日の子ども達がやり玉に挙げられなければならないのか。なぜ朝鮮学校の保護者は教育、勤労、納税の義務を果たしているのに、自由・平等の権利を奪うのか。敵対心を持たず、子ども達の笑顔を奪うことなく、朝鮮学校に無償化を即時適用すべきだ」と強く訴えました。
 続いて、実行委員会に参加する各地のアピールが行なわれました。墨田からは「日の丸・君が代」の押し付けに反対する墨田ネットワークが発言。「枝川問題を契機にして朝鮮第五初中級学校との交流を取り組んできたが、高校無償化から朝鮮学校排除に反対の声を上げよう!ということで三回にわたって錦糸町駅で四十名近く集まって署名活動を行なった」との報告がなされた。
 地元荒川からは荒川国際平和展実行委員会より「政府が拉致問題を口実にしているならば、この高校無償化から朝鮮学校排除に反対する闘いとは相対的に別個の闘いとして日朝間の国交正常化交渉の世論を盛り上げる闘いを直ちに行なうべきである」と提案されました。「日本政府の不履行によって日朝平壌宣言に基づいた交渉がストップしているが是非とも再開させなければならない」。また、葛飾からは人権ネットより「一九八〇年の指紋押捺拒否闘争から始まった歴史のある団体で、この問題では国会闘争を中心に取り組んできた。三月と六月に都内で行なわれたデモや街頭での署名活動に参加してきた」ことなどが報告されました。
 賛同者は日を追うごとに増加しており、七月二十一日現在二百三十一人の賛同人と八団体の賛同があったことが司会より報告されました。「私たちの主張は絶対正しい。勝利を信じて最後まで手を取り合って闘おう」といった力強い呼びかけがありました。
 急きょアピールに駆けつけていただいた東京朝鮮中高級学校の愼吉雄校長は「生徒たちは差別を実感したが、差別に反対し朝鮮学校を支援する日本人がたくさんいることも知った。生徒たちはきっと忘れない。朝・日友好の東アジアの懸け橋の人材になるだろう」と述べ、「無償化」適用に向け闘う決意を示しました。
 最後に集会宣言が採択されました。「私たちは長い間、下町の各地区で、朝鮮学校の学校公開や日常的な交流を通じて、親しい関係を築いてきた。だが、日本社会には在日コリアンに対する差別や偏見が今なお強く残っている。朝鮮学校除外は政府自らが差別を助長しているもの。一日も早く朝鮮学校に通う子どもたちが笑顔で通学できるよう、『無償化法』を適用することを求める」。採択された集会宣言を持って八月中に文科省交渉を取り組むことが提案され闘う熱気と息吹があふれる中、集会は終了しました。
 拉致問題が起きた時に、チマチョゴリ切り裂き事件が全国で多発しましたが、自民党政府による煽動が大きく影響していたことを思い出さずにはいられません。
 今回も、「在特会」やネット右翼の「2ちゃんねる」などでの罵詈雑言は聞くに堪えないものです。ナチスを彷彿させる書き込みや扇動が行なわれています。
 「北のスパイ養成学校をつぶせ」なる扇動はユダヤ人を根絶やしにしようとしてきたナチスそのもの扇動です。我々は絶対にこうした輩を東京下町に登場させてはならないし、許しもしません。差別と闘う人々が多く暮らす街に彼らが一歩でも踏み込むなら、人民の怒りを思い知らせてやろうではありませんか。実行委員会では今後とも下町の各地域で連携しながら朝鮮学校も無償化に!の課題を中心に取り組んでいくことが確認されています。



 

 

 

 

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