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 ■8・29  東京

   東京都総合防災訓練反対総行動

  抗議デモで労働者・市民に訴える




 自衛隊・米軍参加の防災訓練を東京都は文京区を当該責任区として開催した。二〇〇〇年来の石原知事が提唱する「ビックレスキュー」の性格は、自衛隊・米軍の参加を得て以来ますます治安訓練・戦争訓練的傾向が強くなり、この訓練が実際の震災において本当に役にたつものかどうなのかが疑問視されているほどである。また、その組織体制は住民の自主・共助参加といいながらも、最近は町内会のみならず、民間企業から小学生をも含めた学生やボランティア団体の参加も目立ってきているのだ。今年は初めての文京地区での訓練という説明にもならない位置づけで大学や高校の協力を取り付けている。この十年間で大学がメイン会場として公然と使われるのは初めてであり問題である。大学の自治権が学生の了解無く侵され、しかも軍隊等に大学や学生が協力させられていくことを許してはならない。
 東洋大学、東大医学部、順天堂大、小石川高校、駒本小などが訓練・メイン会場として使用されていた。「自衛隊・米軍参加の東京都総合防災訓練に反対する実行委員会2010」は、監視団を組織しながら、早朝行動、抗議のデモ、報告集会の開催と終日闘い抜いた。

 ●早朝監視行動を各地で取り組む

 文京区のメイン会場以外に自衛隊練馬基地、米軍横田基地、有明臨海公園、地下鉄白山駅、白山通りなどにも監視団が派遣され、私服警官、公安のチェック・妨害をはねのけて監視行動をやりぬいた。今回は東洋大学を中心に白山駅、白山通り、隣接する京北学園の校庭も使った訓練であり、全面的な協力体制である。
 メイン会場の東洋大学の正面正門では自衛隊練馬・普通科連隊の炊事班が車両を持ち込み食事のサービス。以下、各行政機関、民間企業の宣伝、展示が続いており、関連グッズを配るのが仕事のようだ。しかし、会場の奥では、陸自、空自(府中)を中心にしっかりと自衛隊の宣伝がなされていた。また会場内では外国人の姿が目立っていたのでチェックしたところ、米軍関係者で、休暇をとり見学にきたとのことであった。明らかに、個人の意思ではなく、組織的な指令で、住民との交流を図るとの目的できていたのだ。校舎の地下道を通じて、白山通りでの訓練と直結しており、そのまま訓練見学に参加できるよう誘導している。
 白山通りでの、瓦解障害物の撤去はいかにも「見せる訓練」にふさわしいものだが、そこには自衛隊の陸自、空自が装甲車を含む数台の車両とともに参加していた。台湾・台北の消防レスキュー隊も参加していた。高校生が組織的に動員されていた。訓練自体は非常にアリバイ的で、非現実的な設定だが、白山通りを数百メートルにわたり交通止めし、人員を大量動員している点においてはかつてない規模でもあるといえる。

 ●弾圧はねのけ抗議デモ貫徹

 早朝監視行動を貫徹しつつ、まだ訓練の終わらないなかで各会場を横断するような画期的なデモ行進を貫徹した。出発地の文京勤労福祉会館前は公安・私服が五十名以上も取り巻くという異様な状況のなか、弾圧をはねのけデモ隊は出発した。何も実態を知らないで訓練に参加している人々がほとんどの中、デモ隊は沿道の注目を浴びた。途中一人二人意識的な妨害があったが、「災害のとき誰が助けてくれると思っているのだ」とかいうか弱いヤジ程度であった。排外右翼の妨害を警戒しながら闘ってきた実行委は敢然と抗議デモを貫徹した。

 ●報告集会で訓練内容明らかに

 午後からは、各地の監視行動をやりぬいた仲間や抗議デモを闘いぬいた仲間たちが結集し、訓練の現状報告を中心に集会を持った。労組、住民団体、反戦グループ等が続々あつまり、文京勤福の会場は満杯になった。
 江東区有明防災センターからの監視報告では、今回も米艦船が東京湾に係留し、ヘリコプターを使った物資の搬入訓練を行ったとのこだ。他の会場では公安・私服に入場を妨害されたとの報告もあり弾劾の声があがった。
 続いて連帯アピールが行われた。二〇〇〇年から東部地域での防災訓練反対闘争を担ってきている荒川―墨田―山谷&足立地区実の在日の仲間からは、排外主義右翼が台頭していることへの徹底した批判が行われた。理不尽で何の根拠も無い在日や外国人排斥は実は日本人の植民地主義がまだ払拭されてなく、完全に反省されていないことの結果だと弾劾した。しかしこうした闘いが継続さなければもっと事態は悪くなるとも述べ、来る九月二十五日にも四地区実主催で「排外主義を撃つ」集会をもつことが提起された。「横浜APEC反対」を闘う神奈川の仲間からの提起、「自衛隊の観閲式反対」を闘う仲間、「PAC3配備反対」を闘う仲間、「反弾圧と闘う」仲間など多彩なアピールを受け、共に闘うことを確認した。
 最後に、実行委より次のような簡単なまとめが提起された。①一見して訓練内容が後退したかのように見えるが、実際には自衛隊参加の枠は確実に拡大している。国民保護実働訓練が本格化していない中で予備的な位置づけになっているが、本格的な戦争訓練の導水路となっている。②訓練の位置づけのなかで住民の「自助・共助」が強調されているが、実態は町内会や高校生や子供たちをいかに効率よく動員していくかということであり、協力的でない部分は排除していく構造がつくられている。③米軍との連携は確実に強化されている。訓練内容より米軍がいかに自衛隊や行政と関係を深め、日本社会に貢献しているかを見せるのが重要なのだ。以上、東京都の防災訓練をめぐる問題点と、これに抗して私たちが闘っていく意義が提起され、参加者全員で確認した。 
 こうして、十時間以上にも及ぶ闘いは、勝利的に貫徹された。今後も継続的に闘っていくことを確認し、全闘争を終了した。



 

 

 

 

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