共産主義者同盟(統一委員会)

 

■政治主張

■各地の闘争

■海外情報

■声明・論評

■主要論文

■綱領・規約

■ENGLISH

■リンク

 

□ホームに戻る

   ■11月  

 
ソウルG20―横浜APEC粉砕!国際行動闘いぬく


 ■11・11 韓国・ソウル

 G20反対闘争に1万人が結集



十一月十一日、十二日の両日、韓国・ソウル市内で開催された二十カ国地域(G20)首脳会議に対し、韓国においてG20対応民衆行動が結成され、六日から十二日にかけてさまざまな反対行動が共同闘争週間として取り組まれた。このG20対応民衆行動は、民主労働党、進歩連帯、民主労総など八十一の政党や市民団体、労働団体などによって構成された。共同行動週間の間に、労働者大会などさまざまなたたかいが繰り広げられた。七日の労働者大会には四万人が結集した。十一日には、ソウル駅前広場に一万人が結集しG20糾弾国際民衆共同行動が開催された。
 ソウル駅前広場は熱気につつまれ、次々と発言者がG20や韓米FTAを批判・弾劾した。海外からも、多くの団体が結集し、アジア共同行動日本連絡会議の代表団も集会で紹介された。集会では、経済危機のつけを民衆に転化しないこと、全面的な金融統制を実施すること、集会やデモの自由とすべての市民権を保障すること、などを求めるソウル宣言が採択された。集会後、ソウル市内をデモ行進し、デモ途中に降り出した豪雨をものともせず、高らかにG20首脳会談を糾弾した。今回、韓国政府は、G20反対闘争に結集しようとしたフィリピンKMU書記長を初めとするフィリピン活動家などの入国拒否を強行し、国際的な反グローバリゼーション闘争を分断することに躍起となった。アジア共同行動日本連絡会議の代表団も、入国とともに全面的な韓国警察の監視下におかれ、不当な監視弾圧体制を受けた。また、その後、横浜APEC反対闘争に結集した韓国の仲間は、今度は日本の入管当局によって、まったく不当な拘束を受けた。こうした日韓両政府による妨害をはねのけて、ソウルG20、横浜APEC反対闘争は国際的な共同闘争、連続闘争として成功したのである。



 ■11・13

 戒厳態勢打ち破り

 横浜APEC反対の号砲!



 帝国主義どもらの強盗会議である横浜APECが戒厳体制を敷いて強行される、まさにその会場近くで、APECを粉砕する闘いの号砲が轟いた。
 アジア共同行動(AWC)日本連絡会議、労働運動活動者評議会、あすじゃの三団体が呼びかける「戦争と貧困にNO! 金融資本・多国籍企業の支配を打ち破れ! G20―APECに反対する国際行動」(以下、横浜APEC反対国際行動)がまさしく、十一月十三、十四日の両日にわたって強行されようとする横浜APEC首脳会議の会場に迫るデモンストレーションを展開したのだ。
 そのスタート集会を十一月十三日午前九時からかながわ労働プラザでかちとった。全国から約二万一千人にもおよぶ動員で会場周辺を警官で埋め尽くし、住民への監視を強め観光や商店の営業を脅かして人民をAPEC会場周辺から締め出すことで、人通りが激減するという事態となっている。APECに反対する労働者・市民に対しては、会場前だけでなく歩行中にも公安どもが張り付き、海外からの入国に際しても管理を強め、弾圧の機会をうかがっている。そのような緊張した空気が張りつめる状況を突破して、海外から全国からと労働者・市民が続々と結集した。
 集会では、各国・地域での闘いをもって闘いにのぞむ力のこもった熱い決意表明が続いた。主催者三団体のあと、フィリピン、インドネシア、台湾の代表が自己紹介し、韓国からAWC韓国委員会がソウルG20粉砕闘争を闘いぬいて決起したことを報告した。全国各地からの発言が行なわれた。北海道からはアイヌ民族が農民の反対集会を報告し軍事基地によって土地を奪われてきたという共通の歴史を踏まえて沖縄とともに闘うと表明、京都からはアジア共同行動・京都が財務相会合粉砕闘争について報告しAPEC反対闘争を労働運動を基盤に闘うと表明し、大阪からは横浜APEC反対実行委員会が実行委を結成し闘争に取り組んできたことを報告し、九州・山口からはアジア共同行動―九州・山口実行委員会が岩国基地の強化を問題にし戦争と貧困と闘う労働運動として闘うという決意を明らかにした。集会はソウルG20粉砕闘争と一体に、闘うアジア人民ととともに日本の労働者階級・人民が戦闘的に闘う陣形でかちとられたのだ。
 スタート集会はシュプレヒコールで気勢をあげて締めくくり、参加者は意気高く街頭に打って出た。

 ●会場へと迫り、戦闘的にデモ行進

 スタート集会会場からさらにAPEC首脳会議の会議場に近い関内駅近くで街頭宣伝をおこなった。
 労働者・市民を締め出した戒厳体制を打ち破り、声を轟かせ、横断幕・のぼり旗をかかげ、ビラをまき始めた。途中、右翼の街宣車が登場し、差別排外主義に貫かれた言辞をはいてくるが、情宣部隊の圧倒的な登場になすすべなく、過ぎ去るのみであった。
 情宣を貫徹後、さらに会議場の最寄り駅である桜木町駅前に移動し「『いらない!APEC』横浜民衆フォーラム」のデモ集合場所に合流。集合した参加者を前に横浜APEC反対国際行動に結集した海外ゲストがアピール。四カ国・地域の海外ゲストの発言は注目を集め、特にソウルG20粉砕闘争と連続して決起していることに万雷の拍手が沸き起こった。
 デモ行進は、さらに会議場に迫りながら、約二時間にわたっておこなった。デモの途中で警察は、「国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域の静穏の保持に関する法律」(静穏保持法)の指定区域だとして、スピーカーの使用を止めさせ、音量を計るつもりのマイクをぶら下げた棒を出しくる。しかし、警察がデモを押さえ込むためにスピーカーを使っているのだ。まさしく抗議の声を上げさせない、闘いをつぶすため弾圧以外の何ものでもない。さらに怒りをもって肉声もヒートアップさせる。会議場に近づくと武装警官が会場側の歩道上に張り付きはじめ、写真を撮るだけでなく、トイレに行こうとする人すら問答無用に力づくで隊列から外に出させない。会議場があるパシフィコ横浜に向かう道という道は、警察車両で封鎖されている。海外ゲストを先頭にした横浜APEC反対国際行動の部隊は、会議場のある建物を目前にして一段とシュプレヒコールを強め、海外ゲストもそれぞれのやり方で声をあげ、デモは終始、戦闘的に闘いぬかれた。



 ■11・13 国際フォーラム第Ⅰ部

 韓国、滞日フィリピン人、台湾、アイヌ民族から発言受ける


 十三日夜からは、「戦争と貧困を強める横浜APECに反対する国際フォーラム」Ⅰ部が開催された。
 フォーラムの冒頭、AWC日本連共同代表の鴨居さんが「アジア太平洋地域の首脳や資本家たちは巨大な軍事力を背景に富の略奪と民衆の搾取を強めている。そうした動きには世界の労働者が団結し断固闘っていかなくてはならない」と挨拶した。
 各地域報告で、まずAWC韓国委員会が韓国内での新自由主義グローバリゼーションの強まりについて政治・経済・労働の面から多角的に分析し、「労働者は団結して闘おう!」と訴えた。
 ガブリエラ・ジャパンの代表は、日本のフィリピン人移民が低賃金・長時間で劣悪な労働環境のもとに二重に抑圧され搾取されている現状を述べ「その解決には労働力輸出と新自由主義グローバリゼーションに対決する以外に方法はない」と訴えた。
 台湾労働人権協会は、「『釣魚台は日本の領土ではない』と言ってくれた皆様に感謝する」と述べ、「労働者人民とともに決然と日米安保条約に反対していく」と決意を表明した。
 北海道在住アイヌの方は、「琉球とアイヌはこの間の歴史の中でいつも軍事基地に苦しめられてきた」と述べ、「差別排外主義との闘いをアイヌの誇りにかけてこれからも続けていく」と発言した。



 ■11・14 国際フォーラム第Ⅱ部

 フィリピン、インドネシアから報告

 二日間の行動確認し決議を採択


 十一月十四日の午前九時から、かながわ労働プラザにおいて、「戦争と貧困を強める横浜APECに反対する国際フォーラム」のⅡ部がおこなわれた。司会をあすじゃの仲間が担った。
 冒頭に前夜におこなわれたⅠ部の中身を再確認し、フィリピン・バヤンからの報告を受けていった。
 バヤン代表は「戦闘的集会に対して祝福の言葉を申し上げます」と挨拶し報告をおこなった。「アロヨ政権下において一千人以上の活動家が殺害され、二百人以上が行方不明、そして三百人以上が未だに拘束されている。二〇一〇年の二月には四十三名の医療保健労働者が『銃火器、爆発物の所持および新人軍のメンバーである』との容疑で逮捕され拘束されている」「アキノが大統領に就任したが、彼は民衆の反アロヨ感情の広がりに乗じたに過ぎない。アキノ政権発足後の百日間で二十人の活動家が超法規的殺人の犠牲となった」「アロヨ政権に対する(人権侵害の)告訴はおこなわれていない」「アキノ政権は前政権と同じ血塗られた対反乱作戦を継続している」と報告した。そして最後に「AWCに若い人が多く参加していることに嬉しく思う。アメリカ帝国主義打倒! 国際連帯万歳!」と報告を締めくくった。
 続いて滞日フィリピン人組織からミグランテ・名古屋の方が報告した。
 「私たちはフィリピンが永遠に移民労働者の国であることを望みません」「滞日フィリピン人の60%以上は女性です」「新自由主義経済はフィリピン経済を破壊しています。フィリピンが工業化することは難しい。なぜならば帝国主義各国がそれを許さないからです。フィリピンは独占資本の奴隷になっています」「フィリピン人は売り物ではありません。私たちは民族的で新の民主主義を勝ち取るまで闘います。私たちの力をつないで帝国主義をつぶそう」と発言した。
 次にインドネシアから労働組合連盟会議の代表が報告に立った。冒頭、「私たちの総連盟は先進的な組合であり、御用組合ではありません」と、その立場を鮮明にした。
 「インドネシアはIMFや世界銀行のシナリオで動かされています。金融部門の自由化によって銀行資本が救済されると同時に様々な汚職が広がりました」「この莫大な資金はIMFからの借り上げであり、民衆が税金として返済しなければなりません」「インドネシアはWTOやAPEC等の自由貿易協定に参加し、自由貿易地域が作られました。四十四の国有企業が民営化され安値で国外に売り出されています」「労働市場の自由化はあらゆる産業に契約労働者やアウトソーシングをもたらし、〇八年の金融危機で〇九年には六十五万人が解雇されました。しかし契約労働者やアウトソーシングの労働者を入れた実数はそれを上回ります。同時に組合潰しが横行しています」「一月から六月にかけて労働者の大きな闘いがありました。石油・電気料金の値上げに対して十八のストライキがおこなわれ、これに十四万七千人の労働者が参加しました」と報告した。そして最後に「インドネシアの貧しい人々と労働組合を代表して、皆さんと手に手をとって一つの闘いを作りあげます」と締めくくった。
 これらの各国の報告を受け、フォーラムの最後に「横浜APECに反対する国際フォーラム決議文」を満場一致で採択し、午後からの抗議行動に臨んでいった。



 ■11・14

 横浜APEC粉砕! 総決起集会・デモ

 APEC会場に肉迫し弾劾叩きつける



 午前中の国際フォーラム第二部の集会を終えた参加者と海外ゲストは、かながわ労働プラザ近くの大通り公園に再結集し、総決起集会とデモ行進をかちとった。二日間にわたる横浜APEC粉砕闘争は、海外ゲストをはじめ全国からの労働者人民の結集と実力決起で勝利をかちとった。
 午後一時すぎ、司会のあいさつで総決起集会が開始され、海外ゲスト、労組、市民団体、学生などから決意表明がつぎつぎとかちとられた。沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック、山形から参加した農民、AWC韓国委員会、原子力空母の母港化に反対し基地のない神奈川をめざす県央共闘会議、北海道のアイヌ、フィリピンのBAYAN、京都ユニオン、台湾労働人権協会、労働者共闘、AWC九州・山口、札幌で障害者解放を闘う障害者、インドネシアの労働組合連盟会議、静岡、連帯労組やまぐち、関西単一労組、ミグランテジャパン、あすじゃ、新宿ど真ん中デモとそれぞれから、闘いの報告や決意表明、なかには詩の朗読や闘争歌の披露などが行なわれ、創意あふれる集会が展開された。まさしく労働者人民の国際連帯で、資本主義―帝国主義支配を打ち破っていく闘いの狼煙があげられたのだ。
 集会の最後に、参加者全員でシュプレヒコールをあげ、いよいよデモ行進だ。警視庁、神奈川県警が機動隊と私服警官を大動員して弾圧態勢をかけてきたが、一切の弾圧を寄せつけずデモ隊列は横浜市内を進んでいく。商店街など往来の労働者・市民がデモ隊列が訴える反APEC、国際連帯の言葉に耳を傾け注目している。
 APEC会場のみなとみらい地区に近づくとデモ隊列はいっそう力をこめてシュプレヒコールをあげる。あろうことか神奈川県警は「静穏保持法」なるものを持ち出して拡声器の使用の制限をかけてきたが、毅然とした態度でデモ隊は弾圧をはねかえした。そして、桜木町駅までのデモ行進を貫徹し、闘争を終えた。



 ■11・14

 交流と連帯の夕べ

 闘いを勝利的に貫徹した充実感に包まれる



 横浜APEC粉砕の二日間にわたる反帝国際共同闘争を勝利的に闘いぬいた実行委員会と海外ゲストは、闘いの締めくくりとして「交流と連帯の夕べ」をかながわ県民センターで開催した。
 闘争を勝利的に貫徹した充実感に包まれながら、全員の笑顔と笑い声にあふれた盛大かつ楽しい「交流と連帯の夕べ」であった。
 開会にあたってAWC日本連の共同代表である白松さんが、「我々は二日間帝国主義ブルジョアジーと敢然と闘い、敢然と勝利した。大いに二日間の闘いを語り、明日からの闘いに備えよう」と挨拶した。
 それからさっそく歌が始まった。最初に登場したのは笹島芸能部のえぐれ笹島さん。いつものハイテンションなおしゃべりと歌で会場は大いに盛り上がった。それからカフィン横浜や海外ゲストの台湾、韓国、フィリピン、インドネシアの代表の歌やアイヌ民族からユーモラスな動きをするバッタの踊りなどが次々と披露された。
 日本からは、他に「あすじゃ」の音頭でインターナショナルが全体で歌われたり、自作の歌を披露するなどの発表があった。
 最後に力強い団結がんばろうを全員であげて、「交流と連帯の夕べ」を締めくくった。



 ■11・15 横須賀

 横浜APEC反対国際行動

 米海軍基地に対し抗議集会・デモ闘う


 
横浜APEC反対国際行動は十一月十五日朝、場所を横須賀に移し、アジアから米軍総撤収を掲げ、米海軍基地に対する街頭行動に立ち上がった。
 デモ出発地のヴェルニー公園では、日本全国、アジア各国・地域から結集した仲間が、デモ出発を前にして次々に発言に立った。
 最初に発言したピリカ全国実は、千歳基地での米軍・自衛隊合同演習を弾劾し、さらに横須賀基地のジョージ・ワシントンが参加しての「尖閣奪還」日米共同演習を許してはならないと訴えた。
 AWC韓国委員会は、初めて来た横須賀で第七艦隊を間近に見て、東北アジアにおける米軍の支配を実感すると述べ、横須賀の米軍は「朝鮮有事」を想定したものだと断じた。アジアの民衆が力を合わせて、この軍事基地を吹き飛ばそうと呼びかけた。
 AWC京都は、アメリカの世界に対する侵略の基地を弾劾し、貧困と戦争をもたらすAPECを批判した。その上で、現在の日本の釣魚諸島をめぐる排外主義の台頭を批判し、日本政府に現在の強権的な対応を謝罪させなければならないと訴えた。
 フィリピン・バヤンは、フィリピン人民が九一年に米軍基地を撤去させた意義を確認した上で、アメリカが再びフィリピンに軍隊を駐留させようとすることに対して断固たたかう決意を明らかにし、アジアの仲間とたたかっていくと結んだ。
 全関東単一労組は、横浜APECで警備が強化される中、公共交通機関に火薬検知装置が導入された事実を暴露し弾劾した。「テロ対策」に労働者が動員されていくような社会にしてはならないと訴えた。
 台湾の労働人権協会は、今年は「五〇年代白色テロ」の開始から六十周年にあたることを明らかにし、六十年前、横須賀から来た第七艦隊が蒋介石の虐殺を助けたのだと弾劾した。そしてアジアのすべての仲間とともにたたかっていくと決意を述べた。
 笹日労からは、フィリピン・トヨタの解雇問題をたたかわない連合を労働者の魂を忘れた労働組合として批判し、自らは国際連帯を貫いてたたかっていく決意を表明した。
 インドネシアの仲間は、インドネシアに米軍基地はないが、オバマのインドネシア訪問はアメリカのアジアへの政治的介入を意味するものだと弾劾した。
 最後に、学生団体あすじゃが発言に立ち、APEC警備を厳しく弾劾し、これを吹き飛ばして本当の自由をたたかいとると決意表明した。
 この後、APEC反対国際行動全体は米軍横須賀基地に向けたデモに出発した。日本語、英語、タガログ語、中国語でシュプレヒコールを行なって進んだ。米軍基地正門前では、米軍は出て行け! 第七艦隊は出て行け! 日米安保粉砕! と、抗議のシュプレヒコールを叩きつけた。
 デモ到着地の市役所前公園では、AWC九州・山口の仲間が発言して、岩国基地の実態を暴露し、十二月岩国国際集会への結集を呼びかけた。最後にAWC首都圏が発言し、三日間のたたかいを貫徹したこと、そして、アジアの人々とともに街頭行動をたたかったことの意義を確認して、闘争全体のまとめとした。




 

 

 

 

当サイト掲載の文章・写真等の無断転載禁止
Copyright (C) 2006-2007, Japan Communist League, All Rights Reserved.