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 ■2・26 東京

 朝鮮学校への「無償化」即時適用を求め、

 代々木公園に2000名の大結集



 ●菅政権への怒りの声で埋められた

 二月二十六日、東京・代々木公園において「朝鮮学校への『無償化』即時適用を求める大集会」が取り組まれた。主催は「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会だ。今回は、フォーラム平和・人権・環境が共催団体になったこともあり、在日高校生、大学生、父母、労組、住民団体など二千名をこす結集があった。
 会場は、菅政権への怒りと弾劾の声で埋められた。「教育に政治や外交問題を持ち込まない」と明言しておきながら、昨年末、菅自らがその約束を反故にし「延坪島砲撃事件」の様子をみて判断するとし、「無償化」に向けての手続きを凍結したのだ。朝鮮学校関係者はじめ日本人運動サイドも文科省や首相官邸に度重なる要請行動をとり続けてきた。しかし菅首相は、この事件と何のかかわりも無い在日の子供たちを犠牲にして反北キャンペーンを張り、批判にさらされる自らの政権維持を図ったのだ。まさに排外主義政策をテコに第二の朝鮮戦争策動を推進しようとしているのであり断じて許されない。そうした危機感を反映してか今回は三百二十四団体もの賛同が集まり(前回二百四十八団体)、また全国からの結集でこの大集会が勝ち取られた。
 最初に、卒業間近の朝鮮高校の三年生が登壇し発言した。「あと一週間で卒業です。しかし胸にひっかかるものがあります。いまだに『無償化』が実施されないことです。この問題で自分たちは好きな部活の時間も削り、署名活動や宣伝活動をしなければならなかった。しかしこれは、お金の問題ではなくて権利の問題だと気づいた。なぜ朝鮮人だけが権利から排除されるのか。これは明らかに朝鮮民族にたいする明らかな差別だ」と言い切った。日本政府ならびに日本社会を弾劾したのだ。続いて発言した朝鮮高校校長会の会長は「日本の植民地支配のもっとも残酷なことは文字を奪ったことだ。解放後、自分たちの力で民族教育をかちとった。そうした権利を奪い去ろうとする行為は、いまだ日本には植民地主義の残滓があるといわなければならない」と明言した。まさに「無償化」問題では、日本人の歴史認識と植民地・戦争責任が問われているのだ。その後、オモニ会をはじめ、愛知、三重、福岡と全国から連帯の発言が続いた。また北教組、広教組と教員からの発言も続いた。
 いま許せないことに、中央にならって地方自治体でも「助成金」打ち切りの動きがある。石原や橋下といった右翼反動知事どもがそれを煽っている。日本人生徒の何十分の一でしかないものまでも打ち切ろうとしている。すべての子供たちが平等に受ける権利がある教育さえ在日の子供たちから奪おうとすることは、この日本社会にますます差別と格差が当然とする風潮を生み出すのだ。皮肉にも、菅政権が一番の「反日教育」の元凶となっているのである。全国で、「助成金」打ち切りを許さない闘いを推し進めよう。

 ●排外主義右翼の敵対許すな!

 今回の集会にも、排外主義右翼「在特会」が登場した。わずか二十名そこそことはいえ、かれらが、在日朝鮮人や韓国人に対してあびせる罵声は聞くに耐えないもので許せない。しかも在日の人々の心に深い傷を残す代物なのだ。戦前のファシストどもが、侵略戦争を肯定するために、他民族をうそとでたらめで落としこめるやり口と同じなのだ。今回、警察権力は、彼らの集会申請が在日への挑発を繰り返し、揉め事を起こすための申請であることを百も承知で、目と鼻の先の公園使用を許可したのだ。警察の防衛をいいことに、でたらめな歴史観で、人権無視、言いたい放題に在日を罵倒し、挑発することは許されない。排外主義と戦争策動は表裏一体の関係であることを、歴史の教訓として忘れてはならない。
 いま、朝鮮半島は第二の朝鮮戦争が起きても不思議ではない情勢だ。二月二十八日から開始されている米韓合同軍事演習「キー・リゾルブ」には、オブザーバー参加とはいえ、米帝の要請により自衛隊も参加しているのである。この中身はとは演習とは名ばかりの、明確に朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)を軍事的に解体しようとする実践訓練そのものである。米核空母ジョージ・ワシントンも参加する訓練は、米軍二万、韓国軍二十万参加といわれ、訓練の規模をはるかに超えているのだ。核兵器やミサイル攻撃をも想定し、いつでも共和国になだれ込んで行ける体制なのだ。米韓は共和国との対話路線はとっくの昔になげうっており、いかに共和国を軍事的に解体するかの軍事戦略に切り変わっていることを、危機感をもって見て行かなくてはならない。共和国はこの無謀な軍事演習の中止を求めているし、また軍事挑発には断固とした反撃で対応すると警告を発している。いまこそ第二の朝鮮戦争反対の国際的反戦運動を推進しようではないか。
 菅政権は、これまで踏み込めなかった領域にも手をつけようとしている。「武器輸出三原則」の見直し、沖縄や岩国に見られるような米軍基地の積極的強化、そして海外派兵を積極的に推し進めようとしている。日帝資本主義の危機に対しては労働者階級への犠牲の転化と戦争政策の激化による体制維持にしか展望を見出せなくなり、保守反動や財界の言いなりでしか政治を推し進められない、菅政権を一刻も早く追い詰め、打倒しようではないか。

 ●「無償化」へ運動の強化を

 「無償化」実現の闘いは正念場を迎えている。朝鮮高校生に差別と傷を負わせて卒業させてはならない。主催者である「連絡会」の長谷川代表は、今後の具体的闘いの方針を集会の最後に提起した。①「無償化」が実現するまで、断固として闘いつづける、②地方でも「助成金」打ち切りの攻撃があるが、これを許さない闘いを行う、③本日の「決議文」を、内閣府と文科省に提出する、④朝鮮高校生を励まし、連帯するメッセージを送る、⑤「無償化」手続きが開始されないなら、今日を上回る国会包囲闘争の闘いをやる、⑥在日の人たちが裁判訴訟をおこすなら、全面的支援を行う、と具体的に運動方針を提起した。なんとしても年度内に「無償化」を実現するために、残された時間に全力をかたむけ奮闘しようではないか。



 

 

 

 

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