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 ■3・17  沖縄

〝裁決申請を却下して〟と訴える

 米軍用地強制使用公開審理が結審



 去る三月十七日、沖縄の新たな米軍用地強制使用手続きによる公開審理が打ち切られた。最後となった公開審理では残りの「求釈明」(地主が沖縄防衛局に釈明を求める)と反戦地主の有銘政夫さんや内間清子さんなどが「意見陳述」をおこない、裁決申請の却下を求めた。
 これまで求釈明では、「日米安保終了は全く考えておらず、今後相当長期に使用される」という申請理由、地籍明確化法による認証手続きがおこなわれていない地籍不明地への使用裁決は違法であること、分筆された土地の補償金に差がついていること、牧港補給基地の土地への立ち入りは実現したが、地主が希望していない土地であったこと、伊江島基地の57%が基地としてではなく黙認耕作地・住宅であり、三十五年前に返還合意されているにもかかわらず米軍が強制使用し続けていること、「一坪共有地主」と任意交渉しないこと等々、多くの問題が指摘され、一問一答方式で、沖縄防衛局に答えさせ、追及してきた。申請理由を繰り返し述べることで済まそうとする沖縄防衛局を具体的に追及することで、その矛盾がいっそう明らかにされたのだ。とくに伊江島基地の使用実態が明らかにされたこと、「一坪共有地主」の中に契約する意思を表明した人がいたことと「一坪共有地主」であること自体が「一坪反戦地主」ではないことを認めさせ、「一坪共有地主」と任意交渉しない不当性を明らかにしたことが特徴的であった。

 ●強制使用粉砕へ

 これら強制使用の対象となっているほとんどの土地の使用期限は昨年までに切れているが、新たな使用手続きが完了するまでそのまま継続して使用し続けられる「暫定使用」状態にある。普天間基地と那覇軍港の土地は去年二〇一〇年一月一日に、嘉手納基地、嘉手納弾薬庫、伊江島基地、キャンプ・ハンセン、キャンプ・シールズ、トリイ通信基地、キャンプ瑞慶覧、陸軍貯油施設、牧港補給基地(一部は分離している)の九基地は今年二〇一一年一月一日に使用期限切れとなっているのだ(牧港補給基地の一部は二〇一〇年十一月一日で、三月三十日に十年の裁決申請がされたばかり)。 
 そこで、新たな強制使用の期間は、普天間基地については二〇一〇年一月一日から八年間、那覇軍港については同年一月一日から十年間、嘉手納基地など九基地については、二〇一〇年一月一日から十年間としている。前回の強制使用の裁決申請も同じ使用期間であり、裁決がその半分であったことから、前回を踏襲しているだけで申請期間に何も根拠がない。
 今回の公開審理闘争は、「普天間基地の県外移設・辺野古新基地建設反対」の島ぐるみ闘争と高江ヘリパッド建設阻止の現地攻防と結びつき、問答無用の基地使用で生活と生命を脅かしていることを具体的に暴露して、日帝・沖縄防衛局を追及してきた。公開審理で明らかにされた内容のひとつひとつが、日米安保体制と沖縄差別軍事支配の実態を物語っている。
 また、二〇〇九年三月二十二日に金武町伊芸区の伊芸財政保全会が、新たな都市型戦闘訓練施設建設や相次ぐ流弾事故で、キャンプ・ハンセン内の土地の二〇一〇年以降の新たな契約の拒否を決定し政府へ文書を送付したり、二〇一〇年三月二十七日には名護市軍用地等地主会が開いた新たな契約更新の説明会で、辺野古新基地建設のキャンプ・シュワブ陸上案反対で、キャンプ・シュワブの軍用地の新たな契約を拒否するよう呼びかけている(呼びかけたのは海上案を推進している輩ではあるが!)。
 たとえブルジョア法によって「合法的」に人民の土地を奪い続けることができたとしても、米軍が土地を奪い続けている限り、人民を抑圧・虐殺する帝国主義軍隊としてのその本性は明らかになり、米軍に対する人民の怒りは必ずや軍事支配体制の土台を揺るがしていく。沖縄の軍用地問題はいつでも、その時々の基地問題とリンクし、政治問題化するということだ。まさしく、反戦地主の存在が重要であるということが、あらためて確認できる。
 二〇一二年五月十五日には契約している大多数の軍用地主の使用期限が切れるために、民主党政権もこれまでと同じく民法上の最長期限である二十年間で更新しようとしている。すでに軍用地主を束ねる沖縄県軍用地等地主会連合(通称:土地連)も、これまでと同じように本契約の前から軍用地主を縛っておく「予約契約」を進めている。しかし、反戦地主会へも入会の相談が相次ぎ、今現在、会員が増加傾向にあるという。沖縄解放闘争の現状から、沖縄人民の中には、これまでと同じにはいかない、状況を変えていきたいという動きが垣間見える。
 軍用地闘争は、沖縄の反戦・反基地闘争の根幹をなすものであり、沖縄解放闘争の重要な環である。米軍用地強制使用を許さず、安保粉砕―沖縄解放への闘いの前進を実践的に切り拓こう。



 

 

 

 

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