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   ■4・24  東京

 
反戦闘争実が集会・デモ   東電前で反原発の声あげる



 四月二十四日、東京・中央区の浜町区民館において、「中東・北アフリカ人民闘争連帯!朝鮮戦争阻止!日米安保粉砕!沖縄闘争連帯!4・24反戦行動」が有事立法―改憲阻止 反帝国際連帯 反戦闘争実行委員会(反戦闘争実)の主催で取り組まれた。
 二〇一一年に入ってからも、菅民主党政権は大ブルジョア階級・国家官僚(外務省・財務省・防衛省など)の意向を大きく反映し、戦争国家化を推進する反動的・反人民的政策を進めてきた。そして、三月十一日に起きた東日本大震災と福島原発事故に対応する中で「震災救援」を名目に、自衛隊と米軍による「日本有事」の共同軍事作戦を展開してきた。また、中東・北アフリカにおいては、チュニジア人民の蜂起から始まった一連の独裁政権打倒闘争が今も進行している。これに対し、帝国主義はリビア侵略戦を強行し、中東石油権益の確保とイスラエル支援、パレスチナ民衆解放運動の圧殺に突き進んでいる。こうした情勢に対して、アラブ民衆蜂起に連帯し、すべての原発施設の廃炉の要求、日米韓による朝鮮戦争阻止をかかげ、震災の犠牲すべてを労働者人民へと押し付けてくる独占資本の策動を許さないたたかいとして4・24闘争は取り組まれた。
 午後一時半すぎ、司会の挨拶で集会が開始された。はじめに、「中東・北アフリカの人民運動」と題して、東京外国語大学の元教員で中東・アラブ現代史を研究してきた藤田進さんによる講演が行われた。
 藤田さんは、まず、一連の民衆蜂起の特徴として、民衆が決起してくる速度と規模が驚くほど早い点に注目して、次のように述べた。「チュニジアにおける露天商の青年の抗議行動が国境を越えて瞬く間に広がった。この背景には、アラブ民衆の置かれた状況、その当事者の視点に立った報道をしてきたアルジャジーラの存在、そしてフェイスブックなどソーシャルネットワークの普及という三つの要素が働いている。これらによって主催者の予想を超えて民衆が結集した。それに対して、独裁政権はほとんどなす術が無いということが露呈した。シリアでは、権力基盤が強力で蜂起が起こらないと思われていたが、一連の民衆蜂起が波及し、戒厳令廃止を要求して人民が決起している。産油国であり米帝・イスラエルと密接に関係してきたサウジアラビアでも状況は動き始めている。これらに共通するのは、民衆が民主化―独裁体制の終焉を要求していることだ。他の国で民衆が決起している様子を見て、自分たちの置かれている状況や事実に即して、人々が立ち上がっている。こうした「アラブの春」と呼ばれる人民の力と米帝を中心にした中東軍事支配体制がどう変化していくのはまだわからないが、新しいことが始まったという現実はしっかりと確認すべきだ」。そして、この情勢がある局面に達すれば、やはりパレスチナ人民の解放闘争が焦点になることが語られた。
 そして第二に、こうした民衆蜂起の先頭に立っている二十代から三十代の青年たちの背景、彼らがどのようないきさつの中で育ってきたのかが語られた。「エジプトの若者たちは「民主化」や「独裁不正権力の終焉」を求め、「宗教対立」や「イスラム・テロリズム」などのデマゴギーでごまかすなと叫んでいる。その背景に広がっているのは、彼らの家族たちを含む広範な民衆が味わってきた不当な体験の歴史である。彼らが生まれたのは一九八〇年ごろで、すでにエジプトは親米・開発独裁路線に転換しており、国内の経済格差は拡大していく一方だった。多くの労働者がイラクをはじめとした国外での出稼ぎで将来の展望を切り開こうとしていた。そうして出稼ぎに出ている間に、自分たちの実家が権力によって強制的に収用され、その目的が石油会社への土地売却だったという事例もある」。こうしたエジプト人民の状況を、エジプト在野の新聞記事などを示しながら明らかにされた。
 休憩をはさんで、リビアの状況を中心に活発な質疑応答がおこなわれた。
 つぎに連帯アピールでは、日韓民衆連帯全国ネットワーク、たんぽぽ舎、原子力空母の母港化に反対し、基地撤去をめざす県央共闘会議の檜鼻さんから寄せられた連帯メッセージが紹介され、拍手で確認された。
 つづいて反戦闘争実に結集する各団体から、決意表明がかちとられた。沖縄文化講座の仲間からは、沖縄人民の自決権の要求が高まっており、これに応えられるたたかいが「本土」にいる我々に求められていることを明らかにし、五月沖縄闘争へ立ち上がっていく決意を表明した。全国労政の仲間からは、原発を稼動するには被爆労働が不可避であり、その犠牲は下請け労働者に押し付けられていることを弾劾した。さらに現在は原発を運用している東京電力の責任だけに注目が集まっているが、プラントを設計し建設した日立や東芝の責任も見過ごしてはならないことが訴えられた。派兵反対実の仲間からは、被爆者解放のたたかいの地平に立脚する反戦反核の立場から、日帝の核武装策動を打ち砕き、反基地闘争を推進していく決意が表明された。労活評の仲間からは、震災を口実にした挙国一致の賛美、在日米軍―自衛隊の強化に対決していく決意が表明された。最後に「4・24反戦行動」集会決議文が読み上げられ参加者全員の拍手で確認された。
 集会が終わり、いよいよデモ行進だ。坂本町公園から日比谷公園までのコースを反戦闘争実の隊列が意気高く進んでいく。銀座の街を行き交う労働者・市民が反戦闘争実が訴えるスローガンを聞き、デモ行進に注目している。東京電力本社前においては、ひときわ高い声で「いますぐ原子炉を停止しろ」「原子炉すべてを廃炉にしろ」といったシュプレヒコールがたたきつけられた。労働者に被爆労働を強制し、福島県を中心に地元住民の生活基盤を根こそぎ破壊した東電を徹底的に弾劾し、デモ行進を貫徹した。



 

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