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   ■8・27 東京

 
荒川・墨田・山谷&足立実行委が講演集会

 10月防災訓練反対に立ち上がろう!




 二〇〇〇年九月一日のビッグレスキューから十一年目の東京都総合防災訓練は、3・11東日本大震災の影響を受け、二カ月遅れの十月二十九日に小平市・小金井市・西東京市・武蔵野市の合同で開催されることが発表された。東日本大震災で脚光を浴びた、自衛隊十万人超の出動、米軍の「トモダチ作戦」。震災後の防災訓練はどう変化していくのか?「防災」に名を借りた軍事訓練・治安出動訓練に反対してきた立場から、この〝軍による救援活動〝をどのように見ていくのか、大きく問われる年となった。
 「ひとつになろう日本」「がんばろう日本」キャンペーンのもと、排除される人々、省みられない人々、見殺しにされた人々が少なからずいること。国民保護法(条例)で想定されてきた「某国テロリストによる核攻撃」が、なんと自国日本によって引き起こされたこと。そして治安と国防が優先され、「国民」は「保護」されずに被災・被曝を強いられ続けていること。未だ収束をみない原発震災下で、差別・排外主義が跋扈していること……。「関東大震災時朝鮮人虐殺を忘れない」と十年間取り組み続けてきた荒川・墨田・山谷&足立実行委は、今こそ声をあげるべきだ、と8・27講演集会を呼びかけた。
 四地域の仲間をはじめ、約五十名が参加。まず最初に、10・29東京都・小平市合同総合防災訓練に反対する実行委員会二〇一一を代表して、立川自衛隊監視テント村の大西さんから、次のような報告と提起を受けた。今年の防災訓練が今までと違うところとしてわかっているのは、特に、例年も米軍艦艇などが展開する臨海部。「津波・高潮」を想定した訓練が行われるようである。そして、訓練想定を明かさないという意味の「ブラインド方式」なる訓練方式が新たに追加されている。また何より明らかなことは、我々の訓練反対行動に対する右派からの、あるいは参加者・観衆からの反動が、今までの比ではなくあるであろうことだ。今回の震災被災地で、自衛隊は確かに活躍をした。それは自衛隊が、ヘリコプターだけをとっても消防などとは比べ物にならないほど多くを所有しており、あらゆる資機材を独占しているのだから当たり前のことなのだ。しかし一方福島では、第一原発で水素爆発が続くや、避難所の避難民を置き去りに自衛隊だけが撤退している。結局、軍隊が情報を独占し、部隊の安全だけを守ったのだ。米軍の「トモダチ作戦」も、実は「核攻撃を想定した被曝地での行軍訓練」であったと聞く。大西さんからは、こうしたことをより深く検証する8・30集会と、10・29訓練監視・抗議行動への参加が呼びかけられた。
 続いて、集会の講師である安田浩一さん(ジャーナリスト)から、二時間近くにわたりお話を伺った。外国人研修生・実習生、差別と貧困の現場などを取材しつづけ、東北の被災地にもその観点からの取材に奔走されている安田さん、とりわけ彼の名を有名にした在特会への徹底取材を中心にお話を聞いた。
 もともと安田さんと在特会の出会いは、劣悪な労働を強いられていた中国人研修生が警官に射殺された事件と、その公判を追い続けていた現場であった。裁判所に「外国人は出て行け」「中国人を射殺せよ」「おまわりさん有難う」と書いたプラカードを持ってくる輩が四~五年前から現れ始めたのだ。十年前にはなかった光景。その当時、十数人の在日コリアン問題学習会から結成された在特会が、今や一万人を越える会員数にまで膨れ上がった。安田さんは言う。よく質問される、「彼らの背景は何ですか?」。これに対し私は「背景はない」と断言できる。大きな組織も、金も、命令系統もいっさい動いていない。「国家権力がやらせているのではないか」との分析も×だ。なぜなら彼らも「反権力」なのだ。彼らは完全な草の根、我々が理想としている草の根民衆運動を実現してしまったのだ。「外国人だらけで怖い」と漠然とした恐怖心を抱いていた三十歳代のOL、「外国人に職を奪われて俺達はこれからどうなる?」と感じていたトラック運転手、「私は日本に生まれ育ったにもかかわらず、障がい者であるばっかりに差別・冷遇されている。なぜ外国人なんかに税金を使う?」と思った車イスの人、誰にも相手にしてもらえなかった高校中退のフリーター……、彼らはあまりに当たり前の普通の人たちである。そんな彼らが「外国人のくせに優遇されている」と勝手な「在日虚像」を作り上げる。「日の丸」を持ったとたんに、生まれて初めてアイデンティティを持ち、今までヒソヒソ話やネットの中でしかされてこなかった「外国人は出て行け」「殺せ」を大声で言うタブーを打ち破った「快感」に驚き、足元からメラメラと力が湧いて来る。「私達は階級闘争をやっているのです」と言うのだ、と聞き驚かされた。彼らの中には、在日外国人もいる。疎外されてきた彼らが、初めて「日本人」になれた場所が在特会だったのだ。大きな契機となったのは〇二年ではないか、と安田さんは分析する。拉致問題、小泉の訪朝、それ以上に日韓ワールドカップでナショナリズムをかき立てられたのでは……と。
 彼らが起こした数々の事件、京都朝鮮学校襲撃、徳島県教組襲撃、奈良水平社博物館襲撃を決して許すことは出来ない。しかし京都朝鮮学校OBの「在特会なんか怖くはない。本当に怖いのは、橋下を当選させた人々ですわ」という言葉に凝縮されていることがあるのではないか。東京にも「石原を四選させた人々」がいることを忘れてはいけない。在特会は「普通の人々」の心をつかみ、数千人規模のデモをやってのける。日本の労働組合や左派組織は、それをやってこれただろうか?やろうとしてきただろうか?と突きつけられた。質疑応答、その後の交流会の時間にも話は尽きなかった。詳しくは今秋出版予定の安田浩一さん著『在特会の正体』をぜひ一読願いたい。
 安田さんの講演を受け、差別・排外主義に反対する連絡会からは、「生きる権利に国境はない!私たちの仲間に手を出すな!差別・排外主義にNO!9・23行動」への参加が呼びかけられた。
 続いて「朝鮮学校も無償化に!下町集会実」から、「未だに高校無償化から排除され続けている朝鮮学校の生徒・保護者らが国賠訴訟に踏み切った。共に闘い、朝鮮学校無償化を実現するために、そして東日本大震災により被災した朝鮮学校を支援するために、九月十六日下町集会Ⅱを行う」との呼びかけがされた。これらの取り組み、そして来る十月二十九日の防災訓練反対行動に、多くの仲間の結集を! 共に闘おう!



 

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