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   8・30 千葉

 
市東さん農地法裁判 早期結審策動を打ち砕け

 千葉地裁包囲デモも闘う




 八月三十日、千葉地裁において市東孝雄さんの農地をめぐる裁判(行政訴訟と農地法裁判)が行われた。
 千葉地裁民事第三部(多見谷寿郎裁判長)は、七月四日にもたれた反対同盟弁護団との進行協議で、「八月三十日口頭弁論打ち切り・十月十八日証人調べ」での年内結審に踏み込む意志を示した。反対同盟側の主張や認否・反論が尽くされていないなかで、一気に次の段階である証人尋問に進もうとしたのである。しかも、弁護団が二十一名の証人申請を計画していたにも関わらず、地裁側は当該の市東孝雄さんと萩原進事務局次長の二名に証人を制限しようとしてきた。五十名もの不当逮捕者を出した5・20東京高裁判決と8・6の夜陰にまぎれて強行した天神峰現闘本部破壊を経て、政府・成田空港会社(NAA)の意を受けた千葉地裁は、無理矢理に審理を進め年内結審―来春判決へと突進してきたのだ。
 三里塚芝山連合空港反対同盟と支援連絡会議は、弁論打ち切り・早期結審策動を打ち砕くために、八月二十三日と二十六日に千葉地裁前で早朝情宣とビラまきを行い千二百枚のビラをまいた。八月三十日当日も、地裁前情宣と千葉市中央公園での集会、地裁に向けたデモ行進を行って傍聴闘争に臨んだ。
 八時四十五分に始まった集会には百五十名が結集した。司会は鈴木謙太郎さん。あいさつに立った北原鉱治事務局長は「三里塚はいつも裁判で勝って判決で敗ける。真実は一体どこにあるのか?生きる人間としてなにをするべきか?生きるためにたたかわなくてはならないという局面に来ている」と檄をとばした。続いて、顧問弁護団(葉山弁護士)、動労千葉、関西実行委が発言し、「証人調べをおこなえ!」「弁論打ち切りをゆるすな!」とシュプレヒコールをあげながら千葉地裁に向けてデモ行進を行った。
 地裁六〇一号法廷で十時三十分に行政訴訟が、十一時三十分に農地法裁判が開廷した。なにがなんでも「次回の証人調べ」へと急ぐ多見谷裁判長に、弁護団から空港会社と千葉県の違法行為と証拠偽造を暴露した二つの「準備書面」が突き出された。「準備書面」には、空港用地の内と外の区別なく土地を取得して転用しようとしていたという農地法五条違反の指摘と、空港会社の唯一の証拠である「同意書」「境界確認書」に偽造の疑いがあることが明らかにされていた。顔色を変え混乱しつつも煮え切らない言動に終始する多見谷裁判長に対して、弁護団・反対同盟・傍聴人が一体となって抗議の声を叩きつけた。空港会社と千葉県の矛盾を明らかにするためには、旧地主・藤崎政吉氏、行政処分に関わった農業委員会、空港会社や千葉県の職員への尋問が不可欠である。それなのに、空港会社や千葉県に釈明も求めず、「お互いに主張を尽くした」などうそぶいて口頭弁論を打ち切るなどということではおよそ裁判といえない。抗議を受けた多見谷裁判長はしぶしぶであったが、あと二回の口頭弁論と二つの裁判の併合を受け入れざるをえなかった。
 閉廷後、千葉市中央公園に戻って総括集会がもたれた。最初に発言に立った市東孝雄さんは「8・6の現闘本部破壊には本当にあきれた。あんな時間にああいうやり方でしかやって来れないところに、空港会社のていたらくというかぶざまさがある。しかし、形はどうであれ空港会社はまたやってくる。私の畑にもどんな手を使ってくるかわからない。いかに反撃するか、という気持ちはいつも持っている。みなさんの力を貸していただき、ともにがんばりたい」と決意表明した。
 弁護団からは「ビラまきやデモなどを含む総体的な裁判闘争で結審策動を粉砕した」「かならずしも多見谷裁判長個人の問題ではなく、『国策裁判にせよ』という権力側の意思が多見谷にああいう訴訟指揮をさせている」といった総括がなされた。
 最後に萩原進事務局次長が「8・6は支配者も含めて核廃絶をいわざるをえない日だ。三里塚は一貫して核と戦争に反対してきた。3・11で世の中が一変したなかで現闘本部のああいう形での破壊は犯罪行為だ」「裁判闘争を広げることで現地闘争が広がっていくことを肝に銘じなければならない」「二百、三百、四百の人々が集まって裁判所を包囲するようなたたかいをやろう」と提起し、さらなる裁判支援運動の発展を訴えた。
 反対同盟、弁護団、支援一体となった闘争で、多見谷裁判長の8・30弁論打ち切り策動は粉砕され、強引な訴訟指揮を実力で押し返した。しかし裁判所は、早期結審をあきらめたわけではない。農地収用委員会に変貌した裁判所によって、市東さんが丹精込めて耕している農地が空港会社に奪われることなど絶対に阻止しなければならない。三里塚闘争は新たな決戦段階である。次回公判は十月十八日の十四時からで、次々回公判が十二月六日の十時三十分からである。ぜひ、多くの傍聴をかちとって政府・空港会社の計画を頓挫させるためにたたかおう。



 

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