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     12・3 千葉

  市東さん農地裁判  早期結審を押し返す!
 





 十二月六日、千葉地裁民事三部(多見谷寿郎裁判長)で、市東孝雄さんの農地裁判(行政訴訟第十八回口頭弁論と農地法裁判第十三回口頭弁論が併合)が開かれた。七月の進行協議において、証人を市東さんと萩原進事務局次長の二名にしぼって、年内結審―年度内判決という拙速審理を強行しようと企んだ多見谷裁判長に対して、八月三十日と十月十八日の法廷闘争で反対同盟・弁護団・傍聴人が一体となってこれを押し返してきた。二〇一一年最後となったこの日の裁判で、市東さんの農地裁判は山場を迎えたといえる。支援連は連日にわたり、早朝の千葉地裁前に登場し、情宣とビラまきを行ってきた。
 このかん、成田空港会社の「私文書偽造」が明らかとなり、空港会社と千葉県は自らの主張の正当性を完全に失っている。第一に、空港会社が明け渡しを求めている農地の位置を特定するための根拠にされた「同意書」「境界確認書」の署名が孝雄さんの父・故市東東市さんではなく、別人のものであることが筆跡鑑定人の根本寛氏(日本筆跡鑑定人協会理事長)による鑑定で明らかとなった。第二に、千葉県知事は空港予定地の外側にある土地をも「空港転用相当」の判定をくだし、農地取り上げに許可を与えてきた。すでに、空港会社は「同意書」と「境界確認書」に添付された「地積測量図」が旧地主・藤﨑政吉氏の手によるものでなく、偽造されたものだったことを認めているが、それに加えて上記のふたつの事実は空港会社と千葉県にとって致命的な失策にほかならない。唯一の証拠が偽造された代物だったのだ。通常の裁判ならば、訴訟そのものが継続しえない。
 こうした事態に直面した空港会社と千葉県が沈黙を決め込み逃げ回っているなかにあって、多見谷裁判長は空港会社や千葉県に肩入れした訴訟指揮を行っているのだ。この日の法廷で、反対同盟と弁護団は徹底した審理を尽くすために、二十四名の証人採用を要求しながら弁論を展開した。それに対して、空港会社代理人は「そうした反論は想定していない」などと言い出す始末。さらに、空港会社の二名をアリバイ的に証人採用し、逃げ切ろうと躍起の多見谷裁判長は「手続きに違法があっても問題なく進める」「主張は弁論ではなく判決に反映する」などと、裁判そのものを否定するゆるしがたい暴言を吐いたのだった。この過程で裁判長に抗議した傍聴人三名が、「退廷命令」を受け廷吏によって暴力的に裁判所内から退去させられたが、弁護団と傍聴席一体となったきびしい追及のなかで、多見谷裁判長をいったん席を立って「合議」をせざるを得ないところまで追いつめた。「合議」の結果、多見谷裁判長はついに千葉県の渡辺農業課長と成田市農業委員会の山崎事務局長の証人採用を認定したのだった。そして、あと二回の審理と二〇一二年いっぱいをかけて立証を行うことを決定した。
 裁判後に、弁護士会館で開かれた報告会で市東さんは「今年は大震災や五月二十日の不当弾圧、第三誘導路工事など大変なことがたくさんあった。来年は今年以上に攻撃が強まることが予想されるが、みなさんとともにがんばりたい」「国策としての空港建設や福島の原発事故のなかで、うそやでたらめが明らかになってきた。国策であればなにをやってもいいというあり方をみんなの力で変えなければならないと思う」と決意表明を行った。弁護団からの報告の後、北原鉱治事務局長があいさつに立ち、二〇一一年を振り返りながら「今年は事件が多かった。三里塚の裁判は、法廷で勝って判決で敗けてきた。そんな企業優先・金儲け優先の裁判ではダメだ」「反対同盟は健在だ。痛めつけられるほど強くなるのが反対同盟。明るくたたかい抜こう」としめくくった。
 二〇一二年、市東さんの農地裁判は文字通りの決戦を迎える。司法改悪のなかで民事裁判の拙速化が進むなかにあって、ひとまず早期結審を押し返したことの意味は大きい。六人の証人調べの過程で旧地主・藤﨑氏を気はじめさらに多くの証人採用をかちとろう。裁判闘争と現地攻防を結合させて、大衆的に反撃していこう。市東さんと連帯し農地と生活を守り抜こう。
 次回は二月二十日、次々回は三月二十六日のいずれも午前十時三十分から。四月以降は、四月二十三日、五月二十八日、六月二十五日、九月十日、十月十五日、十一月十二日、十二月十日のいずれも午後一時三十分からの予定。



 

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