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     2・20 千葉

  市東さん農地裁判

 空港会社の証人隠し、証拠偽造を許さず証人尋問を要求




 二月二十日、千葉地裁民事三部(多見谷寿郎裁判長)において、市東孝雄さんの農地裁判(行政訴訟第十九回口頭弁論と農地法裁判第十四回口頭弁論)が開かれた。十時三十分に開廷して十二時まで九十分間におよぶ白熱した法廷闘争となった。多見谷裁判長の強権的な訴訟指揮と成田空港会社の代理人らの態度に対して、反対同盟、弁護団、傍聴人が終始毅然と対決した。
 このかん、成田空港会社(NAA)はすでに証人として採用されている石指雅啓氏(元国交省成田空港課長)について、現在の勤務地のある神戸地裁での尋問かビデオリンク方式による尋問を求める「意見書」を裁判所に提出した。石指氏が「現在、海上保安庁第五管区海上保安部長の要職にある」というのがその理由だが、法律的にも健康面での理由や費用上の理由など特別な事情がないかぎりこのようなことは認められない。ましてや、石指氏は二〇〇五年に暫定滑走路の北延伸を空港会社に指示した人物である。空港会社の証人隠しは許されない。
 さらに、空港会社が土地取り上げの唯一の根拠としている「同意書」「境界確認書」の「市東東市」署名が偽造であることを証明した根本鑑定に対して、空港会社は警察鑑識課OBで現在は「株式会社日本シークレット・サービス」という警備会社の社員による「鑑定書」を提出してきた。その内容は、似通った部分のみを拾い上げ、あとは「目の衰えによる老化現象」「心理状態の乱れ」としたお粗末なものである。反対同盟、弁護団、傍聴人は空港会社によるこれらの不当な主張を徹底的に弾劾し、カギを握る旧地主・藤崎政吉氏の証人尋問を要求した。
 閉廷後、きぼーる会館で伊藤信晴さんの司会で報告会が行われた。冒頭、市東孝雄さんが「裁判長は十分の一もわかっていないのではないか。空港会社がズルズル伸ばして裁判所に判決を委ねていくようなあり方はぶっ潰しましょう」と訴えた。弁護団の解説の後、北原鉱治事務局長、群馬・市東さんの農地を守る会の青柳光玄和尚、動労千葉、関西実行委員会が発言した。最後に萩原進事務局次長から「成田空港の貨物量が激減しているということが新聞でも報道されている。資本主義そのものを問わなければならないところまできている」「3・11から一年を迎えるが、五十年近く国策や国益とたたかい続けてきたわれわれこそが正しかったといえる時代が来た」と3・25全国総決起集会への結集が熱く呼びかけられた。
 次回期日は三月二十六日の午前十時三十分から。前日の全国総決起集会と合わせて全力でたたかおう。



 

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