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     5・26 福井・おおい町

   「もうひとつの住民説明会」開かれる

  原発の現実を直視  福島住民への連帯を表明
 




 五月二十六日、政府による再稼動策動の焦点となっている大飯原発の地元おおい町で「もうひとつの住民説明会」という取り組みが行われた。これは、さる四月二十六日に大飯原発再稼動のための官製手続きとして行われたおおい町主催の住民説明会に対するオルタナティブとして取り組まれたもので、STOP☆大飯原発再稼働現地アクションが中心となり、福井・若狭の反原発運動の活動家たちとの共同の取り組みとして行われたものであった。この住民説明会には、事前の予測を上回る約百五十人が参加した。
 この取り組みの数日前から、関西の脱原発を願う人々、そして福島の女性たちがおおい現地での全戸ビラ入れや情宣、話し込みを行ってきた。そして、後に分かったことだが、約百五十人の参加者のうち四十人前後の人がおおい町民だったということである。
 取り組みのなかでは木田節子さん、黒田節子さん、森園かずえさん、椎名千恵子さん、陶山三枝子さんの福島の女性たち五人が3・11福島原発以後の福島の状況をそれぞれ自分たちの経験をもとに語った。それは原発事故によって引き起こされた生活や家族をめぐる葛藤を率直に、ときに涙ぐみながら語るものであり、あわせて政府・東電の対応を鋭く批判し、参加者の心に響くものであった。
 同時に、専門家からの発言として、元京大原子炉研究所で反戦共同行動(きょうと)の呼びかけ人の一人でもある小林圭二さんが、大飯原発の危険性を報告した。そこでは、加圧水型原発である大飯原発が福島第一原発などの沸騰水型原発よりも事故に対する脆弱性をもつこと、ベント装置や免震棟、水素爆発を防ぐ水素再結合器の設置がないなど安全対策がまったく不備なままに拙速に大飯原発の再稼動が狙われていることなどが明らかにされた。あわせて、関西学院大学教員の朴勝俊さんが原発に依存しない地方経済の可能性に関する報告を行った。
 その後の質疑応答において出された質問は、一人を除いてすべておおい町民によるものだった。地域経済振興との関係で核廃棄物の処分場建設をどう考えるか、WHOがまとめた福島事故での内部被曝線量推計は明らかにがんリスクが高まるとされる数値より低かったがこれは実際どうなのか、大飯原発では事故時の貯水タンクはどこに設置されるのか、福島の水道水は本当に安全なのか、事故時に制御棒が挿入されない場合どのような事態が起こるのかなど、原発の危険性をめぐって、あるいは原発なしでどうやって経済的にやっていけるのかなど率直で真摯な質問・意見が出された。そのなかには明確に原発に反対する意見を表明した人もいる。ある人は福島事故の賠償をめぐる問題について、「賠償の支払いを少なくするために(政府・東電は放射能レベルの高い)福島内に今も人々を住まわせているのではないか」と鋭く指摘するとともに、「電気料金は電源開発促進税が上乗せされて設定されており、それがおおい町への交付金としてまわってくる構造にある。しかし、その電源開発促進税は原発事故の被害者である福島の人々からも徴収されている。おおい町民としてもその受け取りを肯定することは、生きる道として違うのではないか」という意見もあった。再稼動問題の焦点であるおおい町の住民からの福島の住民への連帯、そこからする再稼動および原発に反対する意見表明として注目すべき意見である。
 この日の取り組みまでにおおい町での全戸ビラ入れ・街宣活動に参加してきたある人は、この一ヶ月で町民の反応が変わってきたと話している。多くの人が話を聞いてくれるようになり、街宣車に手を振る人、話かけてくる人、激励してくれる人もいた。マスコミが報じてきたような、地元は原発に賛成しているというようなステレオタイプの図式では状況はとらえられない。原発立地自治体のおおい町の住民の内部で確実に流動が起こっている。今回の取り組みに四十人前後の住民が参加したこと、再稼動反対・原発反対を表明する人が大飯原発の地元から登場してきていることの意味はとても大きい。これらの人々とともに、その葛藤と向き合いながら、再稼動阻止・原発廃炉に向けた闘いを今後も具体的に共にしていきたい。



 

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