共産主義者同盟(統一委員会)






■政治主張

■各地の闘争

■海外情報

■声明・論評

■主要論文

■綱領・規約

■ENGLISH

■リンク

 

□ホームへ

     5・28 千葉

   市東さん農地裁判

   
空港会社幹部を法廷に引きずり出す
 




 ●情宣、集会・デモかちとる

 五月二十八日、市東孝雄さんの農地裁判で初の証人尋問が開かれた。第一回目は、成田空港会社の現・用地部長である戸井健司証人への尋問だ。
 裁判に先立ち、午前中から支援連絡会議による千葉駅頭でのビラまき情宣が取り組まれた。正午からは反対同盟の主催で千葉市の葭川公園で集会が開かれ、千葉地裁に向けたデモが行われた。
 集会は、萩原富夫さんの司会で進行し、百二十五名が結集した。あいさつに立った北原鉱治事務局長は「今日から証人尋問がはじまる。いよいよ山場に入ったということだ。しかし、裁判そのものが偏りすぎている。このままで若い人たちに未来はあるのか」と発言した。
 顧問弁護団の大口昭彦弁護士は「本日をもって裁判は決定的な局面に入った。成田空港は国策空港だ。国策とは国の政策を無上・最上のものにし、それ以外のものを全て否定していくところに特徴がある。耕作権強奪ということがまったく許されない反人民的なものであるということを白日のもとにさらしたいと思う」と決意表明をした。
 集会は十分ほどで終わり、お昼休みの繁華街を二周して千葉地裁に向かうデモを行った。「市東さんの農地を守れ!」「国策裁判をゆるさない!」と声をあげるデモ隊に、多くの沿道の人たちが注目し、午前中に千葉駅頭でまいたのと同じ「身体を張って農地を守る!」と書かれたビラがどんどん受け取られていった。信号待ちをしている若い母親が子どもに「畑を守れって言ってるんだよ」と教えたりしていた。参加者は、市東さんの農地を守るたたかいの正義性を確信し、手応えをもって裁判に臨んだ。

 ●法廷でNAA幹部を徹底追及

 午後一時三十分から千葉地裁民事三部(多見谷寿郎裁判長)で、成田空港会社の用地部長である戸井健司氏への証人尋問がはじまった。戸井証人は一九七七年に当時の成田空港公団に入社し、八十年代に「用地部管理課収用法務係長」の役職につき、石橋政次氏の買収交渉などを進めた人物である。その後、二〇〇五年八月十日に「用地部管理グループマネージャー」になり、空港会社が千葉県に提出した「解約申入許可申請書」の作成に関与している。市東さんの農地取り上げ策動の全過程に関わった重要証人である。
 弁護団の「判決がどうであれ、市東さんが納得しないなら強制的な収用はしないということか」という質問に対して、戸井証人は「もしご理解がいただけない場合は強制的な手段もありえる」と強弁し、そうなったとしても責任は市東さんにあるとでもいわんばかりの見解を語った。さらに「市東さんの生活・営農破壊についてどう考えるか」という質問には「一億八千万円の補償額は不十分ではないと思う」と悪質な地上げ屋まがいのことを平然と言ってのけた。また、「空港会社の取得した土地は全て空港敷地」「市東さんの家の一部も空港敷地にかかっている」などと答え、肝心なところは「覚えていません」「わかりません」で通した。
 このように、およそ一般の社会常識とはかけ離れたずさんで、「国策」の名のもとにおごりたかぶる成田空港会社の姿勢が鮮明になった。市東さんが「一億八千万円の補償よりも、一本百円の大根を消費者に届けることが重要」と、農民としての尊厳をもって生きていることなど、戸井証人には想像もつかないのだろう。
 裁判後、きぼーる会館において伊藤信晴さんの司会で報告会が開かれた。市東孝雄さんは「証人尋問をみていて腹が立った。肝心な所になると『覚えてません』とか『わかりません』とかいう。『話し合い』なんて大嘘で、それは第三誘導路工事をみていてもわかる。空港会社の意図はみえている。向こうがやってきたらそれなりの対応をするという心構えだけはつくっていきたい」と決意表明した。弁護団からは「解約許可申請がデタラメということがわかった。土地の特定については『前任者がやったこと』と逃げている」「押していけば土地を取れるというおごりがある」「空港会社の幹部クラスを法廷で尋問できたことの意義は大きい。今日を突破口にがんばろう」「戸井証人は許可申請書についてはまともに答えられなかった」との解説がなされた。
 報告会の後、同じ場所で小集会がもたれ、北原鉱治事務局長、動労千葉、関西実行委員会の山本善偉世話人、群馬市東さんの農地を守る会の青柳晃玄住職、市東さんの農地を守る会からの発言があり、最後に萩原進事務局次長が「今日の倍の人の輪でもって千葉地裁を包囲していきたい。空港会社は湯水のごとく金を使って好き勝手にやっている。こんなことを許しちゃいけないと声を大にして訴えていかなければならない。こんな証言しかできないやつらの息の根を止めなければならない」とまとめのあいさつをした。
 次回の証人尋問は六月二十五日の午後一時半からで、証人として出廷するのは成田市農業委員会の山崎真一事務局長。多くの方の傍聴を訴えたい。
 なお、反対同盟と現地支援が留守にしている間、第三誘導路に関わるトンネルが開通された。市東さん宅から日常的に自動車が出入りすることなどを全く無視した危険な構造になっている。農民叩き出し攻撃の一環にほかならない。七月八日には、横川の畑で現地闘争が予定されている。多くの結集で空港会社に反撃していこう。



 

当サイト掲載の文章・写真等の無断転載禁止
Copyright (C) 2006, Japan Communist League, All Rights Reserved.