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     9・9 沖縄

   オスプレイ配備反対掲げ10万3千人の島ぐるみ総決起
   
 


 
 九月九日「オスプレイ配備反対沖縄県民大会」が宜野湾市海浜公園で開催された。当初予定の八月五日が台風のため延期されての開催であったが、この日は朝から真夏のような日差しが照りつける晴天。午前十一時からの開会に間に合わせて、参加者は各地から早朝より続々と会場へと結集した。市町村自治体の貸切バスだけでも三百台近く、路線バス各社も会場までの片道分を無料にするなど大会を支える取り組みも創意工夫して準備された。辺野古新基地阻止闘争を闘う名護からは、ヘリ基地反対協がバス三台、命を守る会もバス一台を貸切り、会場へ結集した。
 その数、十万一千人。同時開催された宮古島大会千五百人、八重山大会五百人を合わせると十万三千人という島ぐるみの総決起・総結集だ。二〇一〇年の四・二五「普天間基地の県内移設反対、県外国外を要求する県民大会」を上回る大会となった。また一歩、歴史を動かす沖縄労働者・人民のマグマのエネルギーが大爆発したのだ。
 大会実行委員会は、米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ沖縄配備への日米両帝国主義の強権的策動に対し、もはや「イエロー」(警告)ではない、「レッド」(退場)だ、と統一カラーを「赤」と決め、参加者はもとよりすべての沖縄人民大衆へ「赤」での抗議の意思を示すよう呼びかけてきた。会場は「怒」「NO!オスプレイ」等々さまざまなプラカードやメッセージボードが掲げられ、まさに怒りと闘いのエネルギーを示す赤色で埋め尽くされた。
 集会前々日の七日には、米海兵隊ニューリバー基地所属のオスプレイ機が、ノースカロライナ州ジャクソンビル市街地にエンジン出火で緊急着陸するという事故も発生。欠陥機オスプレイの危険性がまた明らかとなり、日米両帝国主義への不信と怒りはさらに高まった。
 午前十一時、大会は永山盛廣・市議会議長会長(那覇市議会議長)の開会宣言で始まった。次に構成三十一団体、協賛百五十三団体でつくる大会実行委員会の共同代表が登壇した。「県議会は昨年七月と今年六月オスプレイ配備反対決議を全会一致で議決した。私たちには、子や孫を危険から守る責任がある」(喜納昌春・「県」議会議長)、「強行配備をしようとする日米両政府のやり方は、戦後の『銃剣とブルトーザー』で土地を強制接収した時と何ら変わらない構図だ」(翁長雄志・市町村会長・那覇市長)、「安心・安全な社会なくして中小企業の存続も繁栄もない。日米地位協定の改定問題も課題だ」(照屋義実・商工会連合会長)、「『本土』七ルートの飛行計画も明らか。『本土』と連帯し沖縄の怒りを全国へ広げよう」(仲村信正・連合沖縄会長)、「命を生み育てる女性集団として訴える。野田総理は米国と正々堂々と話し合うべき」(平良菊・婦人連合会会長)と、オスプレイ配備阻止・配備計画の撤回を強く訴えた。
 また佐喜真淳宜野湾市長は、「私は日米安保容認の立場だが、宜野湾市民はいつまで負担を我慢しなければならないのか。オスプレイ配備反対と同時に普天間基地の固定化阻止・閉鎖返還を求める」と訴えた。また沖縄国際大学生の加治工綾美さんが、「私たちは自らの手でこれからの未来をつくっていかなければならない。沖縄の空にオスプレイを飛ばせない、基地もない沖縄の未来を切り開くために、若者の一人として頑張る」と「未来へのメッセージ」として参加者に訴えた。
 オスプレイ配備阻止への各界各層の代表者発言に、参加者は拍手や指笛で応え会場は大いに盛り上がる。だが仲井真「県」知事の「メッセージ」代読の場面では会場が怒号に包まれた。「行政と市民運動は違う」と屁理屈を並べ立て大会参加を拒否した仲井真の裏切りを許せるか。オスプレイ配備反対・阻止闘争の大爆発に恐怖した日帝・野田は、日米地位協定改定―日米安保粉砕の闘いへと突き進む沖縄人民大衆の怒りのマグマを、仲井真の屈服と新たな懐柔策で分断せんとしているのだ。会場を揺るがす怒号は、そうした野望を打ち砕く沖縄人民の決意でもあった。
 大会はその後、「沖縄県民はこれ以上の基地負担を断固として拒否する。そして県民の声を政府が無視するのであれば、我々は、基地反対の県民の総意をまとめ上げていくことを表明するものである。日米両政府は……オスプレイ配備計画を直ちに撤回し、同時に米軍普天間基地を閉鎖・撤去するよう強く要求する」との決議を採択、天を揺るがすガンバロー三唱で閉じた。
 閉会挨拶で加藤裕沖縄弁護士会会長が、「沖縄には民衆の力がある。辺野古への基地移設も止め続けてきた。歴史を刻み、前に進めてきたのは米軍でも日本政府でもなく、私たちの先輩であり私たちだ」として、諦めることなく声を上げ続けようと訴え、発言者の中で唯一「高江にもオスプレイを飛ばすな」と高江ヘリッパド建設阻止闘争との連帯に言及したことが印象的だった。また大会後、普天間爆音訴訟団などの市民団体は普天間基地ゲート前で抗議のリボン行動を展開した。
 このように、9・9「県民大会」は大成功、大勝利をかちとった。だがこれは新たな沖縄解放闘争の出発点であり、出発の号砲である。大会で、大会事務局長の玉城義和「県」議は、十月の配備強行情勢を受け、各市町村大会など継続的な運動の構築、ゲート前阻止行動などを提起した。この間何度となく開催してきた「県民大会」の蓄積と地平を踏まえ、もはや一過性の「大会」開催だけではなく、徹底的な阻止行動の構築へと突入する段階へと到達している。
 まさにわれわれは、今後ますます激烈化するオスプレイ配備阻止闘争、辺野古新基地建設阻止闘争、高江ヘリパッド建設阻止闘争を階級闘争課題としてさらに強靭な陣形で闘うとともに、沖縄―「本土」を貫いて沖縄差別軍事支配打破と日米地位協定・日米安保粉砕への新たな段階の闘いを組織しよう。それこそが勝利の大道である。


 

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