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     4・30 成田

   「成田第三滑走路」を許すな!

      反対同盟が弾劾行動に決起
     
          

 
 四月三十日、成田商工会議所において、「成田第三滑走路実現する会」の設立総会が開かれた。反対同盟と支援は午前七時半より成田市役所周辺で、これを弾劾するビラまき情宣を行った。さらに、成田駅、会場周辺に移動して、ビラまき情宣を行った。開始直前に会場入口に結集し、「第三滑走路粉砕!」「設立総会粉砕!」とシュプレヒコールを叩きつけた。午後一時、反対同盟は、市東さん宅離れで、総会を弾劾する記者会見を開いた。
 「そもそも第三滑走路をどこに造ろうというのか。現在の空港敷地内にそのようなスペースはない。空港周辺のどこに計画しようとも、空港を大幅に拡張し、数百ヘクタールの広大な敷地を確保しなければならない。それは、新たに膨大な周辺住民に立ち退きを強制し、騒音地獄を現在の何倍にも拡大することを意味する」とした弾劾声明を読み上げた。
 北原事務局長は、「便利な羽田に客が取られるのは当たり前だ。『実現する会』の人たちは騒音地域に住んではおらず、騒音下住民のことを考えていない。私たちは今までどおり、生きるために闘う。農地強奪を許さず、第三滑走路を許さず、TPPに反対し闘っていく」と話した。
 萩原富夫さんは、「内陸空港でありながら二十四時間化しようとしている。集団的自衛権を認めようとする常識はずれな安倍政権のもとでは、第三滑走路などという荒唐無稽なことが、まかりとおらないとも限らない。徹底的に叩き潰していく。農地裁判で、成田空港の問題性を明らかにする。高裁の裁判闘争を断固闘いぬく」と話した。
 記者から「『実現する会』は、反対者と話し合いをしたいと言っているが」との質問があり、これに答えて、「門限拡大について、下総地区では拒否したが、結局ゴリ押しで進めた。新しい滑走路を話し合って決めるならいいが、そうはならない。説明会、公聴会はアリバイ作りで行われる。行ったとしても話し合いにならない。反対意見を言っても向こうは取り上げず、合意したという宣伝に使われかねない」と否定した。

 ●具体策なしの「第三滑走路」、芝山町は不参加

 「成田第三滑走路実現する会」は、成田空港周辺の八自治体の商工会を中心に作られた団体。結成総会には、企業人、県選出の自民党国会議員、首長、県議、市議ら二百名が参加した。芝山町の商工会は不参加であった。
 昨年の夏ダイヤから、成田空港にオープンスカイが適用され、航空会社が空港を選ぶ時代になった。東アジアでは経済成長や航空需要の増大を背景に北京、上海、仁川などの巨大な国際空港が四千メートル級の新滑走路や新ターミナルビルの整備に取り組み、空港機能強化に務めている。
 今年三月から羽田の国際線枠が年間六万回から九万回に増加。羽田に路線を新設し、成田発を減便するエールフランスなどの航空会社もある。羽田、成田の比較では、羽田は都心から近い。さらに成田は搭乗手続きに一時間かかるのに対し、羽田は四十~四十五分。国内線は、成田が十五都市、羽田が五十都市と結んでいる。羽田は、地方から海外へ、海外から地方へというハブ空港としての利点を持っている。これまで、地方から仁川経由で海外に行っていた旅行客を、羽田経由に取り戻すと言われている。『中日新聞』(四月十九日付)によると、富山県知事は、全日空、ルフトハンザ航空等の航空会社の代表と県庁で懇談し、羽田経由の富山観光を呼びかけたという。同じ目的地だと羽田発の方が成田発よりも割高だが、多くの旅客が羽田を選ぶことが予想される。
 東京オリンピックに向け、首都圏の航空需要がさらに高まることが予想され、羽田に五本目の滑走路という提案も出ている。
 そんな中で成田の地位低下を危惧する千葉県の財界人らが第三滑走路を求める運動を始めた。
 代表に選ばれた成田商工会議所の会頭・池内会長は「このままでは成田が首都圏から置いてきぼりになる。地元住民との円満な話し合いに向けて、力を結集していきたい」と話した。三本目の平行滑走路をどこに作るかの具体策はない。三本目を求める機運を作りたいというものだ。滑走路の必要性を訴えるセミナーの開催や街頭情宣、署名運動(七月をめどに三十万筆)を行うとする。
 「実現する会」の主張は決して、地元の声ではない。騒音下住民は騒音拡大に賛成はしない。「実現する会」の署名などいくら数を集めても意味はない。
 芝山町の不参加は、最も騒音被害を受け、商店街はさびれる一方の現状で、展望を持てない、これ以上騒音はいらない、ということではないか。
 国交省の計画では、二〇一四年度中に、羽田は年間四十四・七万回、成田は年間三十万回の発着枠にする、としている。

 ●「完全空港化」―農地強奪攻撃に真っ向から反撃を!

 三月二十八日、国家戦略特区(安倍の成長戦略)の対象地域が公表され、東京圏の一部として、成田市が対象地域となった。新たな大学医学部の建設(国際医療学園都市構想)、観光・スポーツ・国際物流拠点、空港周辺に企業を誘致(エアポート都市構想)などの計画が打ち出されている。
 看護学部の大学建設が進んでいるが、さらに医学部(定員百四十人)を新設しようというものである。千葉県医師会、全国医学部長病院長会議などが以下の理由から医学部新設に反対している。
 「現在の医師不足は、医師の偏在が大きな理由で、医学部を新設(増設)しても状況は変わらない。医学部の新設により、医療現場から医師並びに看護職員を始めとする医療従事者の引き抜きが行われ、さらに地域医療の崩壊が危惧される。世界トップレベルの研究者を養成するためには、医学部を新設するのではなく、既存の医学部・医科大学の中から、実績があり、人材を含めた教育資源を現有している大学を選定し、相応の予算を投入し、教育体制の整備・充実を図るべきだ。各国における(中略)医療制度、医療レベル、医療ニーズは全く異なる。全てのニーズに対応できる医師を養成しようというのは非現実的だ。新興国等で求められているのは高度医療ではなく、一般医療であり、そのための支援は、日本の国際協力の枠組みの中で果たしていくべきものだ」。
 確かに、成田での医学部新設は不要である。
 成田の戦略特区選定は、日帝安倍政権の延命のために、首都圏空港(羽田・成田)の拡大、機能強化が必要だからである。あくまでもナリタの完全空港化(さらには第三滑走路計画)をすすめる意図なのだ。東京オリンピックを口実とした、完全空港化キャンペーン、農地強奪裁判に真っ向から反撃しよう。解雇自由の雇用特区をはじめとした、戦略特区に反対しよう。
 成田では三十万回の発着枠を用意しても、実際には発着数は二十一万回程度しかなく、不足分はLCCで数を稼ごうとしている有り様である。内陸の欠陥空港としてのナリタの没落は免れない。われわれは、反対同盟とともにそれを促進する。アベノミクスの夢想は人民の生活に敵対しているがゆえに、早晩破綻する。
 反対同盟は、国策・空港よりも農業こそ大切だと訴える。騒音、排ガスをまき散らし、人間関係を破壊するものに対し、農業は生きる糧となる食糧を生み出すものである。空港を廃港にし、緑の農地を取り戻そう。
 暫定滑走路の即時閉鎖、そして成田空港廃港へ進撃しよう。裁判闘争勝利、市東さんの農地を守りぬこう。安倍政権を打倒しよう。



 

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