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     6月19日 東京

    経産省前テント裁判控訴審第一回口頭弁論
  
 
     被災者が証人となり、裁判所を圧倒


 
 
 原発再稼働阻止の闘いの大爆発を恐れる安倍政権は、さる二月二十六日東京地裁において、テント撤去、土地明け渡し、賠償金支払いという判決を下した。「被告」、弁護団はすぐさま控訴し、この六月十九日第一回口頭弁論を迎えたのだ。
 高裁前で激励集会を行い、傍聴行動を行った。最初の証人は第二テントを建て維持管理してきた「原発いらない福島の女たち」の方達だ。福島で原発事故に会い、命からがら逃げおおせた双葉町の亀谷さんは「この地獄を二度とあわせたくない」と涙ながらに証言した。弁護士の質問には「強制避難で故郷の土地と友人を一瞬のうちに失った。テントの存在を知り勇気をもらい、心のふるさととなった」と証言し、傍聴者に感動をあたえた。最後に裁判長に「再稼動をしないでください!」と強く訴えた。
 国の指定代理人は、渕上、正清両氏のテントとの関わりの主導性はどうなのかと、まったく的外れの尋問に終始し、傍聴席からは怒りの声で弾劾された。次に証言にたったのは、郡山市から来られた黒田さんだ。「福島の現状は全く変わっていない。人の住むところだけ除染しても意味が無い。甲状腺がんは急カーブで増加している。国は悲惨な現状を見ず、なすべきこととは反対のことをやっている」と国の姿勢を弾劾し、「テントは福島にとって大きな拠点。世界へ知恵、情報を発信する大切な場所である」と証言した。二人の証言はテントの存在こそが経産省や政府へ物申す欠くことのできない空間であることを明瞭に証言したのだ。
 その後、報告集会が開かれた。参議院大講堂を満杯にした集会には、沢山の支援者がかけつけた。 大口弁護士は「撤去されるべきはテントでなくして原発だ。テントは二人だけの占有物ではない。今日は福島の被害の現状が明らかにされた」と当日の裁判の意義を述べられた。今後二回の裁判では、テントの存在が合憲であることを徹底的に証明していくことが明らかにされた。続いて福島の女性たち三人が次々発言した。「被告」とされている渕上、正清両氏の決意表明の後、この日の特別講演として、証人申請も出されている憲法学者の内藤氏(専修大教授)の話があった。
 内藤氏は、第一にテントは集会の一形態であるとし、エンキャンプメント(軍隊の露営を意味する)として道路も広場も集会・表現の自由の場であると規定し、パブリックフォーラム=公共の論理が保障されるべき空間であるべきと述べ、憲法二十一条の「集会・表現の自由」として保障されなければならないと明確に規定した。
 第二に原発惨事は、戦争被害と同じようなもので、生活の基盤は完全に破壊されている。よって憲法十三条でいう「生命、自由および幸福の追求」が保障されなければならない根源的な人権の侵害であるとし、テントはやむにやまれない抵抗権の行使であってその権利は容認されるべきであると断言された。この経産省テントひろばの意義を明確にしたのである。
 裁判は第二回七月二十一日、第三回九月十八日と設定されている。三千万円近い賠償請求(スラップ訴訟)も付いているこの裁判は、安倍政権の原発再稼働阻止と結びついた、何としても勝利しなければならない重要な闘いだ。
 六月四日、関西での「Xバンドレーダー基地」反対運動をつぶすため三人が不当逮捕された。その前の五月二十八日には、経産省前で反原発抗議行動を行っていた三人がささいな事を口実に逮捕されている。盛り上がる市民・住民運動を恫喝し、ファシズム的とも言える強引な政治でしか権力を維持できない安倍政権は、辺野古新基地建設や戦争法案制の推進とともに、原発再稼働を政権の死活的課題としている。
 原発は将来の核武装とかたく結びついている。安倍政権打倒の声は日増しに大きくなっている。戦争と核の恐怖を撒き散らす安倍政権を許してはならない。テントを守り抜き撤去攻撃を許さない闘いが問われている。本裁判にも注目し、反原発の闘いを推し進めていこうではないか!


 

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