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     9月3日 千葉

    三里塚・一坪共有地裁判第28回口頭弁論
  
 
    反対同盟側承認清水和邦教授が一坪共有地の正当性証言


 

 九月三日千葉地裁民事第五部鹿子木裁判長のもと、一坪共有地裁判第二十八回口頭弁論が開かれた。三十名がかけつけ、反対同盟とともに闘った。〇六年に提訴された本件は、拙速裁判を許さず粘り強くたたかわれている。
 この日は、三名の反対同盟側証人の一人目、福井県立大学の清水和邦教授(法学)が証言した。 残る証人は、小長井弁護士(「三里塚地区周辺に土地をもつ会」の設立に関わった)、鎌倉教授(成田空港の「公共性」を暴く)を予定している。次回は十月二十六日に開かれる。
 弁護団からの質問に応じる形で、入会権の専門家である清水教授が証言した。清水教授の証言は次のようなものであった。
 一坪共有地の問題について、二〇〇五、〇六、〇七年に現地調査を行った。三里塚の先例として、空港予定地とされた富里地区で、一坪共有地運動が行われた。富里区住民の長谷川氏、川島氏が土地を提供し、それぞれの土地を十名と百名が名義人となり、一坪共有地とした。空港計画は、富里から三里塚へ急転回し、富里の共有地運動は役目を終えた。長谷川氏の土地は、共有者に長谷川氏が入っていて、長谷川氏以外の人が持ち分を放棄した。長谷川氏に土地が集中、原状復帰した。川島氏の土地は、川島氏が共有者にならなかった。
 川島氏提供土地の共有解消は、明らかに、組合の会則に則って行われた。共有者が集まり、当事者の意志として、土地をもつ会の決定として、即決和解・組合解散を行った。三里塚地区周辺に土地をもつ会の共有地運動は富里の共有地運動をモデルに作られており、三里塚―土地をもつ会の組合性は明らか。
 富里では二筆の土地を百十人で共有。三里塚では、共有地が徐々に増え、最終的に五十五筆、二千六百人が共有した。組合契約がいつ成立したかについては、六六年八月二十七~二十九日に三筆の共有地登記が行われたことで、組合が成立したと考える。その後、加盟者が増えていった。土地をもつ会は、収益事業をやるわけではないので、収益関係については会則に書いてなくても問題ない。三里塚の一坪共有地は、名義人各人の「共有」ではなく、組合の「合有・総有」である。「共同所有はいつでも分割でき、自分の持ち分だけをもって出ることが可能。「組合の合有」は、そうではない。
 土地をもつ会の共有地運動は、七一年の大紛争、行政代執行に際しても一定の役割を果たした。現在の不動産登記法に不備があり、組合の財産であることを、同法上で表現することができない。入会研究でもいつもこの点が問題になる。県は、共有者各人と買収交渉をするのではなく、土地をもつ会の責任者と話をするのが、本来の筋である。組合はいまなお存在しており、名義人からいくら買い集めても、法律上無効である。
 全面的価格賠償で共有物分割をすることは、買い取りである。特別の事情がなければならない。県は、土地を取得し、整地して転売すると言っている。売り先によって公共性がないかもしれない。民法は独立個人間の問題を扱うものだ。県が市民になりすまして買い取ろうとすることはおかしい。価格賠償の適用は慎重にしなければならない。
 清水先生は概要以上のような専門家証言をおこなった。
 県からの反対尋問はなく、閉廷後、場所を移動し報告会が行なわれた。
 清水教授は、「本当にたくさんの皆さんから話をきいた。法律上、組合であることを判断するために、資料を与えてもらった。時間をかければ私でなくてもできることだ。土地をもつ会の半世紀の闘い。ぜひ長生きして初志貫徹してください」と挨拶した。
 弁護団は、「富里の例と比較して実証的な話で、とても説得力があった。県の役人(敵性証人)を最後に引っぱり出したいと思っている」と発言した。
 報告会参加者から「原告・県は三里塚―土地をもつ会の組合性をいかに否定しているのか」という質問があった。これに対して弁護団は、「たんに土地を保持し幟を立てているというのは民法が想定している目的に当たらない。事業目的が必要」「収益目的がないから組合でないというのは難癖で、単に森林保持というのも入会の目的。空港に反対するというのは立派な目的である」「県は『所有権を超えるものが必要』というが、所有権は今のブルジョア法体系の中で最高のものだ」と答えた。
 市東さんの農地取り上げ阻止をはじめとして、裁判闘争(最高裁五万人署名)、現地闘争を反対同盟とともに闘いぬこう。


 

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